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糖尿病の検査
【動脈硬化症】
柏市立柏病院 検査科
糖尿病で血糖値が高くなると動脈硬化症という血管障害を引き起こします。これは狭
心症や心筋梗塞、脳梗塞などの命にかかわる重大な病気の原因となります。この症状を
どのように検査していくのか?今回は、動脈硬化のしくみとその検査方法、動脈硬化の
予防についてご紹介していきます。
1. 動脈のはたらき
心臓は全身に血液を送り出すため高い圧力で血液を送り出します。その血液の通路とな
る動脈は、その圧力に耐えるため動脈自身も伸縮を繰り返しながら血液がスムーズに流れ
るのを助けています。そのため動脈の壁は簡単には破れたり詰まったりしない強さと弾力
性を兼ね備えているのです。しかし、血管の老化とともにその弾力性が失われ、動脈の壁
にさまざまな物質が沈着し血液の通り道が狭くなってしまうのが「動脈硬化」です。
2. 動脈硬化の要因
動脈硬化には非常に多くの要因が関係しており、「動脈硬化性疾患予防ガイドライン
(2012 年版)」では、危険因子として冠動脈疾患、糖尿病・耐糖能異常、脂質異常症、
高血圧、肥満などを挙げています。
特に腹部の肥満は生活習慣病を合併し
やすいことに加え、それ自体が動脈硬化の
危険因子のひとつになることから、近年重
要視されています。
また、現代社会に多いストレスも動脈硬
化の一因として考えられています。
動脈硬化の検査は、血液検査(血液中の
脂肪の検査)と生理機能検査(血管の詰ま
り具合やしなやかさなど)の両面から行い、動脈硬化がどれくらい進んでいるのかを診断
するために行います。
動脈硬化症は別名サイレントキラーとも呼ばれます。
サイレントキラーとは、症状の初期段階ではほとんど自覚症状が
無く、どんどん病気が進行し、ある日突然命にかかわる状態の症
状が発覚し、ことの重大性に気付く病気のことを言います。生活
習慣病である高血圧や脂質異常症などもはいります。
3. 動脈硬化を調べる検査
血液検査
血液脂質検査
脂質には総コレステロール、HDL(善玉)コレステロール、LDL(悪玉)コレス
テロール、中性脂肪があります。従来の脂質異常の診断基準は総コレステロ
ール値(220mg/dl 以上)でしたが、近年では診断のガイドラインが改定され、
LDL と HDL の比(L/H 比)が重視されています。これは両方の値が正常であ
ったとしても、LDL が HDL の 2.5 倍以上だと動脈硬化や血栓のリスクが
高まっていることを示しています。
生理検査
FMD
(血管内皮機能検査)
腕を圧迫、解放後に動脈がどれだけ拡張するか(血管内皮機能)を超音波で
みる検査です。定期的に検査することで、動脈硬化が引き起こす様々な疾患
の早期発見に効果を発揮します。
CAVI(心臓足首血管指数)
仰向けに寝た状態で両腕、両足首の血圧と脈波を測定します。これは動脈の
硬さを調べる検査で、血管年齢はこの測定結果をもとに算出します。
頸動脈エコー
仰向けに寝た状態で首の部分にゼリーを塗りエコー装置をあてて検査をし
ます。エコーは断層画像をとることができるため血管の詰まり具合(プラー
クの堆積度)を視覚的に診断することができます。
4. 中性脂肪とコレステロール
人間の体には4種類の脂肪があります。脂肪酸、中性脂肪、コレステロール、リン脂質
です。中性脂肪やコレステロールは体に良くないと思っている方も多いと思いますが、実
は体にとって大事な成分なのです。しかし、(何でもそうですが)多すぎると動脈硬化の
危険因子として悪影響を与えてしまうということですね。
中性脂肪とは生体のエネルギー源となっている脂肪
で、食事によって大部分を体に取り込んでいます。し
かし、これを摂りすぎる(消費できないで溜まりすぎ
る)と、肥満や動脈硬化を引き起こします。
コレステロールとは細胞膜の構成成分です。人間の
体のすべての細胞を構成する成分のひとつですのでこ
れがなくなってしまったら大変ですね。このコレステ
ロールには善玉と悪玉がありますが、悪玉は増えすぎると動脈硬化を引き起こします。
6. 善玉コレステロール(HDL)と悪玉コレステロール(LD L)
コレステロールは体にとって大事なものだということはご説明しましたが、大事な
ものなのになぜ善玉や悪玉とよばれるのでしょうか?
コレステロールが血中に溜まりすぎると動脈硬化を引き起こしますよね。悪玉は、
コレステロールを体中に運ぶ働きをします。それに対して善玉は不要なコレステロー
ルを肝臓に回収する働きをしています。つまり、動脈硬化を引き起こすのは悪玉がコ
レステロールを過剰に運ぶからだ。で、良くない(悪い)ということから、悪玉と呼
ばれています。
図:コレステロールを下げる AtoZ より
7. コレステロールのコントロール
コレステロールをコントロールする場合は、一概にコレステロール値を減らせばよい
というものではありません。バランスをみながらコントロールする必要があります。
コレステロール値が高い人には、ストロングスタチン(当院ではクレストール、リピ
トール、リバロなど)と分類されるコレステロール値を下げるお薬が処方されることが
ありますが、これはコレステロール値全体を下げる働きがあります。総コレステロール
値が高めの人の使用は問題ありませんが、総コレステロール値が正常もしくは低めの人
が使用すると総コレステロール値を極端に下げてしまうという側面も持っています。
コレステロール対策では、悪玉を減らすことに意識が行きがちですが善玉を増やすこ
とも重要です。食生活でも善玉によい食物を意識的に摂取することで改善が図れます。
ヨーグルトなどの乳酸菌食品は腸内環境の改善に役立つと言われています
が、トマトに含まれる「リコピン」も HDL を増やす効果があると最近話
題になっています。脂肪摂取量を減らし、善玉コレステロールを増やす食
生活に変えていくことで動脈硬化を予防していくようにしましょう。
動脈硬化は加齢とともに誰でも進行します。不摂生な生活を続けてい
ると、動脈硬化が悪化し脳梗塞や心筋梗塞などを発症するリスクが高く
なりますので、定期的な健康診断などでご自分の健康状態を把握するこ
とが大切です。
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