若い大学生の体力、肥満度と代謝危険因子 ! Sacheck JM et al. Med Sci Sports Exerc. 2010;42:1039-44 ! ! 目的:この研究の目的は大学生の身体形 態、体力、血清のブドウ糖と脂質の濃度を 測定し、メタボリック症候群に関係する血 中生化学項目に対する身体組成と体力レベ ルの影響を検討することであった。 ! 方法:2000年から2007年の間にタフツ大 学縦断的健康試験に参加した大学生(564 例、19.4 1.1歳(平均 標準偏差)) を対象に、血清のブドウ糖、中性脂肪、 HDL、LDL、そして総コレステロールに対 する体組成と体力の影響を検討した。 ! 結果:本研究の学生は16.2%が過体重あ るいは肥満だったが、60%が望ましい体脂 肪率を超えていた。男女ともに体脂肪率が 高いとコレステロールとLDLが高く、女性 では中性脂肪が高くHDLが低かった(P < 0.05)。体力が高いと女性ではHDLが高 く中性脂肪が低く、男性では血清ブドウ糖 が低かった(P < 0.05)。体力の高いグルー プと低いグループに分けると体脂肪率に関 係なく、体力の高い学生で血清のブドウ糖 や脂質の濃度がより良かった(P < 0.05)。 ! 結論:若い大学生でもいくつかの代謝危険 因子が既に存在しており、体脂肪が多いこ とと体力が低いことの両方が代謝上の因子 に関係していた。体組成が健康的な上に体 力が高いと、より好ましい。したがって、 青年期の後期に太らないことと体力を高め ることの両方を推奨することは、慢性疾患 の危険性に関係した生化学的な項目に対し て、それぞれが重要で独立した役割を持っ ているため大切である。(2014年2月20 日 岡村浩嗣) ! 太っていないだけでなく、体力が高いこ と、運動することが健康にとって大切なこ とを報告した論文は、これまでにいくつか 紹介している。今日の論文は若い大学生で もそうだというもの。(岡村浩嗣)
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