第 12 回ブルネル賞 技術インフラと環境部門 優秀賞を受賞

News Release
報道関係者各位
(株)JR 東日本ステーションリテイリング
(公財)東日本鉄道文化財団
(株)ジェイアール東日本建築設計事務所
みかんぐみ
2014 年 10 月 16 日
マーチエキュート神田万世橋
第 12 回ブルネル賞
技術インフラと環境部門 優秀賞を受賞
鉄道遺構と一体化した商業施設「マーチエキュート神田万世橋」は第 12 回ブルネル賞の「技術インフラと環境部
門」において、優秀賞を受賞しました。
受賞名
第12回ブルネル賞 優秀賞 (技術インフラと環境部門)
作品名
万世橋高架橋開発
受賞理由
日本に数少ない古いレンガの鉄道高架橋の再活性化を行って、新しい商業施設を誕
生させただけではなく、周囲の都市地域全体のリニューアルを行っている。
高架橋のアーチに沿って設けられた水辺のデッキを用いて神田川との新しいつながり
がつくられている。
ブルネル賞(Brunel Award)は、世界約 20 ヵ国の鉄道デザイン担当者が集まるワトフォード・グループが設けている賞
で、著名な鉄道デザイン国際コンペです。「駅舎」「工業デザイン、グラフィック、芸術」「技術インフラと環境」「車両」の4
部門に分かれています。賞の名称は、グレート・ウェスタン鉄道の初代技師長で、優れた駅・建造物・船舶などを残した
ブルネルにちなむものです。
表彰式は 10 月 15 日にオランダのアムステルダムで行われました。
かつては日本有数の繁華街として、多くの人が行き交い、文化をはぐくんできたエリアのランドマーク的存在であった
旧万世橋駅。「マーチエキュート神田万世橋」は、その一部である赤レンガ高架橋や鉄道遺構を生かし、2013 年 9 月
14 日にオープンした周辺エリア活性型商業施設です。
POINT1 レンガアーチのリノベーション
日本に数少ないレンガアーチ高架橋を今後も保存し使い続けるために、新たに耐震補強を施された高架橋の内部は、
アーチ空間の魅力がそのまま残り、その空間を商業施設としてそのままリノベーションしました。アーチの天井は柔らか
な曲面を描き、床のフローリングや鋼桁と調和して独特の空間を形成しています。
POINT2 線路に挟まれたカフェ・展望デッキ
高架橋上部には、現在も中央線の電車が頻繁に行き交う線路に挟まれて
旧万世橋駅のホームが一面残っています。このホームを利用し、ガラスボッ
クスのカフェと展望デッキを設置しました。列車の往来が身近にみられるこの
スポットは、お陰様で多くのお客さまからご好評頂いており、注目のスポットと
なっています。
POINT3 建築空間と設備の融合
レンガアーチ内の空間を際立たせるため、設備の配管・配線は床下に集約
し、天井面等に設置する設備機器は最小限のものとしています。
照明は間接照明により柔らかな光が空間を演出しています。外部のアーチ
開口部は全体をガラスサッシで構成し、夜間もアーチの形状がそのまま表れ
るようになっています。
また、北側の神田川に設けられたデッキや南側の外構部分に降った雨水は、
オフィスタワーのトイレの洗浄水等に利用するなどエコロジーにも配慮してい
ます。
POINT4 周辺エリアの結節点となる万世橋
高架橋と南側の JR 神田万世橋ビル周辺には、オープンスペースを多く設
けています。万世橋は電気街のある秋葉原、老舗街のある神田、学生の街
御茶ノ水といった周辺地域の結節点ともいえます。人々が自由に行き交い、
地域の賑わいが生まれるようにデザインしました。
また、北側の神田川沿いに新たに設けられたデッキは、神田川を周遊する
遊覧船の人々との触れ合いや、水辺空間での憩いの場を創出しています。
POINT5 万世橋駅時代の面影を随所に残す館内
かつて銀座や浅草と並ぶほどの賑わいをみせた万世橋駅。その旧万世橋
駅の遺構階段(1912 階段、1935 階段)は、当時の名残を活かすため、高架橋
の安全性を確保しながら最大限原形の状態を保って公開されています。
また、遺構階段部分には、駅当時のポスター複製や駅、地域に関する過去
の写真展示などによりその場所の歴史を感じることが出来ます。
駅開業時に造られ駅休止以来
70 年ぶりに公開された 1912 階段
■所在地
東京都千代田区神田須田町 1-25-4
■事業主
株式会社 JR 東日本ステーションリテイリング
公益財団法人東日本鉄道文化財団
■店舗数
11 店舗
■面積
敷地面積:2592.48 ㎡、床面積:1996.87 ㎡
ホーム跡に誕生したカフェ「N3331」
既存のアーチを引き立たせた内観
神田川に面したオープンデッキ
鉄道博物館(のちの交通博物館)の
新館建設に伴い設置された 1935 階段
■デザイン
株式会社ジェイアール東日本建築設計事務所
冨加見正二郎、川村康成、石崎享、高橋彩
みかんぐみ
加茂紀和子、曽我部昌史、竹内昌義、
マニュエル・タルディッツ
■構造
1 階:レンガ造(既存)、2 階:鉄骨造
■事業スケジュール
着工:2012 年 10 月、開業:2013 年 9 月 14 日
■デザインコンセプト
「景ヲ継グ回廊(ケイヲツナグカイロウ)」
旧万世橋駅に隣接する高架橋は、明治時代に建設された貴重な歴史的資源であり、レンガアーチが本地域の都市景
観の形成要素の一部となっています。地域の良さを発見し、継承していきたいという想いから、この魅力ある
連続アーチを「背景(過去)」「風景(現在)」「情景(未来)」といった周辺地域の「景」をつなぐ回廊と位置づけています。
―リリースに関するお問い合わせ―
㈱JR 東日本ステーションリテイリング 営業企画部 広報 天野・渥美
TEL 03-3423-8911 Email [email protected] URL http://www.maach-ecute.jp/