メイクアップアーティスト E382-01、E383-99 ど んな職業か メイクアップとヘアセットの技術を駆使して、人をより美しく印象的に見せたり、個性やイメージを表現して、人物 を演出する。 仕事は大きく分けて、雑誌・広告物などの印刷物、テレビ番組やコマーシャル・映画などの映像、ファッションショ ーの3種があり、それらに登場するモデルやタレントのメイクアップやヘアセットを行う。 まず、制作会社や編集者から仕事の依頼を受けると、絵コンテなどの企画プランから、どのようなメイクが求められ ているかといったイメージをつかむ。必要に応じて、ディレクターやスタイリストと打ち合わせをしたり、確認をとる などして仕事の概要を把握し、必要なメイクアップ道具、化粧品類、ヘア・アクセサリー類などを準備する。 仕事の当日は、メイクボックスやヘア用具を持ってスタジオやロケ現場に赴く。モデルや俳優が衣装合わせを済ませ た後、メイクアップをはじめる。モデルが気分よく撮影に入れるよう、リラックスした雰囲気づくりを心掛け、与えら れた時間内に仕上げて、カメラマンやディレクターに確認してもらう。要求されたイメージを作り上げられるように様 々な仕上げ技術が必要となる。 また、演出や撮影の邪魔にならない場所で常に待機し、モデルの顔が汗ばんだり、髪型が乱れたときにはタイミング を見て直す。終了後は、モデルのメイクを落とし、ヘアをもとに整える。 就 くには 入職にあたって特に資格は必要とされないが、ヘア・メイクのテ クニック、デッサンなど基本的な技術を身につけるため、専門学校 などで学んでおくことが必要となる。現在、ヘア・メイクに携わって いる人は美容師出身が多いことから、美容学校へ行き、「美容師」 の資格を取って、広告や雑誌の仕事をしている美容室に入るという ルートもある。 初めはヘア・メイクを受注するプロダクション、事務所、美容室 に勤務する場合がほとんどで、そこで何年か経験を積み、独立(フ リー)するケースが多い。2∼5人ぐらいのメイクアップアーティ ストが一つの事務所(プロダクション)をつくるケースや、フリー のメイクアップアーティストの下でアシスタントを勤めた後、独立 する例もある。 言葉づかいや礼儀にも常識が不可欠であるほか、社交的で対人関 係を大切にし、人から信頼される人間性も求められる。トレンドに 敏感であることや、技術や芸術的センスを磨く努力も必要となる。 撮影が早朝や深夜に及んだり、屋外の炎天、寒冷の中での仕事と いう場合もあるため、体力、健康管理も大切な条件となる。 労 働条件の特徴 就業形態は、ヘア・メイク専門のプロダクションや雑誌などの仕事も受ける美容室に所属する、経験を積んでフリー になる、数人で小さな事務所をつくる、化粧品メーカーの社員として化粧品のデモンストレーションを担当する、など 様々なケースが見られる。 就業者は女性が6∼7割を占めているが、有名なメイクアップアーティストとして活躍する男性もいる。年齢は20 歳代半ば∼40歳代が中心となっている。 給与については、化粧品メーカーなどの企業に所属する場合は、その企業の規定による月給制となる。プロダクショ ンに所属する場合は、月給と歩合制を合わせた形をとっている場合が多い。フリーの場合は、契約した仕事量や内容に よって報酬が支払われる。報酬の額は、個人の経験や実力、ロケーションの場所、拘束時間、モデル数など条件の違い により異なる。 労働時間や休日・休暇については、撮影スケジュールに左右されるため、不規則になることが多い。海外ロケーショ ンがあったり、スタジオ撮影で仕事が深夜に及ぶ場合もある。 受注形態の仕事であるため、需要は景気の動向に左右される部分が大きく、現在はテレビ局や広告制作の予算が減り 、需要側の要求は厳しくなっており、仕事は優秀な人のところに集中する傾向が見られる。そのため、これから新規参 入するには、時代の変化に対応できる能力や技術が必要になると思われる。 参 考情報 関連団体 関連資格 社団法人 日本理容美容教育センター http://www.ribikyoiku.or.jp/ 美容師国家試験
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