葬祭ディレクター E425-01 ど んな職業か 葬儀の企画から会場設営、儀式の運営・司会・進行などを行う。 葬儀は死者を悼(いた)み、その一生をしめくくる大事な儀式であり、遺族にとって意味のある、心に残る葬儀を実 現するために支援する役割を果たしているのが葬祭ディレクターである。 具体的な仕事としては、まず、病院などから遺体を自宅または葬儀会場に搬送し、遺体を棺に収めて通夜の準備をす る。次に喪主・遺族の希望を十分聞いて、葬儀の日時、場所、規模、宗派、予算などの打ち合わせを行い、企画書と見 積書を作成する。 企画書と見積書に基づいて、会場の手配や設営、必要資材の調達、僧侶や神父など宗教家との打ち合わせ、霊柩車や ハイヤーなどの手配、火葬場の手配のほか、会葬礼状や遺影写真、生花の手配をはじめとする様々な手配、会葬者数の 予測、式次第の決定、役割分担や席順の決定などを行う。また、通夜・葬儀式・告別式・精進落としの行事全般がスム ーズに行われるよう運営・進行を行う。 さらに葬儀終了後の四十九日法要、香典返しの手配のほか、仏壇や墓地の相談、保険の相談や手続の代行なども行う 。 通夜から精進落としまでの一連の葬儀行事は突発的で、かつ一般的には2日間程度の短期間で行われるため、葬儀の 企画・運営・進行は段取りよくスムーズに行うことが求められる。 就 くには 入職にあたって特に資格は必要なく、学歴や経験の有無も問われ ない。 就業者は高卒者が80%以上を占め、最近では大卒者も増えてい る。採用は、一部大手葬儀社が定期採用を行っているが、ほとんど が中途採用で、公共職業安定所や求人広告を通じて行われることが 多い。 葬祭ディレクターを養成する機関や専門の学校は数校あるが、一 般的には葬儀社の従業員として実務経験を積み、社内研修や先輩・ 上司などの指導を得て技術・知識・能力を高め、葬儀全般を統括す る葬祭ディレクターの地位を目指すことになる。 通常、葬儀全般を管理・統括する技術・知識・能力などを修得す るまでに2∼3年、社葬・団体葬などの大規模葬儀の企画・運営・ 管理のできる能力を修得するためには、さらに2∼3年を要すると いわれている。 関連する資格として、「葬祭ディレクター技能審査」がある。 葬儀は悲しみの中で厳粛に執り行われるため、葬祭業務に携わる 者の言動がその葬儀の成否に大きな影響を与える。従って職務を遂 行する上で、落ち着き、忍耐、誠実、清潔性、信頼性など人格的な 資質が重要視される。 労 働条件の特徴 葬儀社に勤務する。葬祭業は都市型の業種であるため、人口の多い中・大都市部およびその周辺地域に集中している 。 就業者の平均年齢は40歳を超えており、中高年齢者の多い職場である。女性は3割程度であるが、最近は女性の役 割が大きな比重を占めてきており、今後さらに増えていくものと考えられる。 葬祭業は24時間体制で営業しているため、時間外勤務、宿直、深夜や早朝の勤務が多い。通夜から精進落としまで の一連の行事が行われる間は非常に忙しくなるが、葬儀のないときは待機時間が長いなど、繁閑の差が大きい職業とい える。 事務職を除いて、友引の日(月4∼5日)は葬儀が行われないため休日になり、他の日は交替で休みを取る。 高齢化社会に伴って年間死亡者数は増加しており、今後もこの傾向は続くと予測されている。これに伴って葬祭業界 の市場も並行して拡大するものと見られ、労働需要もさらに増えていくものと思われる。 参 考情報 関連団体 関連資格 全日本葬祭業協同組合連合会 http://www.zensoren.or.jp 葬祭ディレクター技能審査
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