「英語が話せるおかざきっ子」の育成に向けて

平成 25 年 12 月発行
「英語が話せるおかざきっ子」の育成に向けて
本宿小学校長 福田 貴子
10月11日(金)
,本校において,小学校英語活動授業研究協議会「生きる力を育む小学校英語
の創造 2013」を開催いたしました。市内外より約300人もの方々にご参観いただくことがで
きました。とりわけ,今年度は中学校の先生方が多く参観してくださいました。小学校ではどんな英
語活動の授業を行っているのだろうと高い関心をもって参観してくださったことと思います。授業研
究会後のアンケートで寄せてくださった感想や意見の中から,市内の中学校の先生方からいただいた
感想や意見の一部を紹介します。
・英語で自然な返答をしていたり,形容詞を使って自分の思いを言ったりしているところがすば
らしいなと思いました。
・6年生がリピートですらすらと英語を言い,自分の意見を言おうとしている姿を見て,中学校
でこの力をなくさないようするにはどうしたらよいか考えさせられました。
・グループでずっと英語を使って話している姿には感心しました。自分も授業でがんばろうと強
く思いました。
・一方的に聞いたり話したりするのではなく,相手がいてのコミュニケーションができていたこ
とに大変感動しました。
・教師全員英語が話せるようになれば,子供たちは誇りに思うし,自然と学んでいくことにもつ
ながると思います。
(一部抜粋 市内中学校の先生方の感想より)
これからの英語教育の大きな課題の一つに小中連携が挙げられています。今回の研究会では,高学
年の授業において中学校へのつながりを意識した活動内容を盛り込み,学習指導案にその単元の学習
が中学校のどの学習につながっていくのかを表記しました。そこには,子供たちに,本校で学んだ英
語を中学校の英語の学習に生かしてほしいという強い願いがあります。しかし,音声を中心に英語に
慣れ親しむ英語活動と中学校の英語教育との接続には厚い壁があります。まず,小学校での英語活動
がどのように行われているのか,入学してくる子供たちが何を学んできたのかを知ることが第一歩だ
と思います。ぜひ,中学校の先生方にはブロックの小学校の英語活動の授業を参観していただきたい
と思います。文部科学省教科調査官 直山木綿子先生がある情報誌の対談の中で,
「子供たちにコミ
ュニケーションを図るのは楽しいという意識を持たせるのは小学校も中学校も変わりません。違うの
は正確さと適切さへのフォーカスの当て方。小学校では曖昧だけど通じた,という体験ですが,中学
校では伝わるという体験から始まって,徐々に正確さと適切さを教えていく,これは『英語のプロ』
としての中学校の英語科教員ならではの指導です」と話されています。小学校においても英語活動の
低年齢化と教科化の導入の検討が進んでいます。小中連携を強化し,創意ある授業実践によって小学
校英語活動と中学校英語教育との壁を少しでも低くしていきたいと思います。
直山先生は,本校授業研究協議会での講演の最後を「教師自身の英語のブラッシュアップを」と締
めくくられました。小学校においても中学校においても英語教育に携わる者として,教師自身が英語
を学び続けることが大切です。そして,それが「英語が話せるおかざきっ子」につながっていくもの
と思います。英語部のみなさんの熱意と力で,グローバル化社会で生き生きと活躍できる子供たちを
育んでいきましょう。
生きる力を育む小学校英語の創造2013
本宿小学校 伊奈 良晃
本校では,10月11日に文部科学省教科調査官 直山木綿子先生,愛知教育大学教授 高橋美由
紀先生をお迎えし,授業研究協議会を行いました。
『進化し続ける』をテーマにコミュニケーション
のあり方について見直し,
相手の思いを伝えたり相手の言葉に対して反応したりすることに重点をお
いた実践を行い,参観していただきました。
低学年では Me, too. などの言葉や相手の発言を繰り返して確認することを,中学年では Oh, I see.
や Wow. などの相手の言葉に対するリアクションを,そして高学年では,It’s cute. などの形容詞を
使った表現を会話の中に取り入れました。その後の授業者と語る会では,こうした本校の取組に対し
て,多くの先生方から生の貴重なご意見を伺うことができました。さらに,直山先生の講演では,小
中連携を見据え,小学校英語が今後進んでいく方向性を示していただくことができました。来年度は
10月29日(水)に授業研究協議会を行うことが決まっています。その際には,さらに進化した本
宿小の英語を見ていただけるように,実践を進めていきたいと考えています。
葵中学校研究協議会を終えて
葵中学校 杉山 綾美
「学び合い・磨き合いを軸にした思考力・判断力・表現力の育成~ICTの幅広い活用法と生徒が
自ら求めてICTを活用する場の追究~」という研究主題のもと,10月22日に研究会を行いまし
た。英語部では3年前の研究会から継続して,ICT機器の大型ディスプレイとノートPCを用い,
デジタル教科書やプレゼンテーションソフトを使った自作教材を活用してきました。今回は,それに
加えてタブレットPCをペア学習に取り入れることで,個々の能力
の向上を目指しました。タブレットPCをペアで使うことにより,
本校の研究主題にもあるような「学び合い・磨き合い」ができました。
協議会にも多くの先生方にご参加いただき今後の課題もはっきりして
きました。ありがとうございました。
共有から自発的なコミュニケーションをする
竜海中学校 徳倉 秀紀
本校の授業実践『わかる学習指導』は50年目を迎えました。第10次研究の3年目となる今年は,
1・2年次の取り組みを生かし,帯活動の内容やその取り組み方を中心に研究をすすめました。
2年生では,英語で大喜利を行ったり,
“Chit Chat Time”でちょっとした会話をしたりと,気楽
に楽しみながら新文型を活用できるようにしました。単元を通して毎回同じように活動することで,
会話が続くようになったり,様々な表現で思いを伝えたりする生徒の姿が見られるようになりまし
た。1年生では,新文型の導入の際に小学校で視聴されている岡崎市の英語 DVD を活用したり,
TBLT【Task-Based Language Teaching】の理論に近付けてタスクを利用した活動を取り入れたり
しました。DVD の活用は,小学校での経験と中学校の知識が生徒の頭の中でつながり,新文型の導
入に大変効果的でした。タスクを利用した活動では,生徒の興味を持続させて意欲的にコミュニケー
ション活動を行うことができました。
来年度は紙面での研究発表となりますが,再来年度の第11次研究では,これまでの成果と反省を
生かし,
息の長いコミュニケーション活動を目指した段階的な指導の研究を行っていきたいと考えて
います。
小中連携に生かすこととは
本宿小学校 宮北 治美
教育研究愛知県集会に参加させていただきました。限られた時間の中,全員のレポートが発表され,
どのレポートについても活発に討論が繰り広げられました。
小学校教員として印象に残った討論は,小中連携です。中学校では文字を読んだり書いたりする学
習が加わります。現在,本校の児童は英語活動の授業が好きな児童が90%を超えていますが,中学
校に行ったとき,文字の学習に抵抗を感じることなく「好き」を維持できるとよいと思っています。
中学校の先生が小学校の英語活動に望むこととして,2つのことを挙げていました。1つ目は「英
語は楽しい」
「英語が分かった」と思っている状態で中学校に送ってほしいということ。2つ目は「は
っきりした声で話す」
「目を合わせて話す」
「ジェスチャーを付けて話す」などのコミュニケーション
の基礎となる能力を養ってほしいということでした。これからはこの2つを意識して授業を創造して
いきたいと思っています。
「話すこと」から「書くこと」への有効的な活動
常磐中学校 武井 翔
10月19日(土)に「第63次教育研究愛知県集会」に参加しました。今年度は,①小学校外国
語活動(8本)
,②読む・書く活動(9本)
,③コミュニケーション活動(13本)
,④ICT機器(5
本:今年度,新設の柱立て)の4つの柱立てで発表および討論が行われました。
②の「読む・書く活動」の柱立ての中で,大変興味深い実践がありました。豊田市立井郷中学校の
古賀千絵先生の「語彙力の充実を図る」ための取組で,絵を見ながら口頭で英語(単語や文)に直し,
その後,それを書きとめるという活動です。毎時間の帯活動として取り組んだ結果,生徒のスペルミ
スが減り,冠詞等の細部まで意識した英作文ができるようになったとのことでした。
「話すこと」か
ら「書くこと」へのつながりがスムーズで,既習事項の定着を図るために有効な活動だと感じました。
助言者の先生からは「基礎・基本の定着を図る際にも自己表現は大切である」というご指導があり
ました。言語活動の内容や進め方を工夫し,自己表現をする中で基礎的・基本的な知識・技能を習得
させることができるよう,今後の授業づくりの充実に努めていきたいと思います。
「書くこと」の指導について
城北中学校 石田 ゆき
今回初めて教研集会に参加して,自分の授業や英語教育への考え方を見直すだけでなく,県内の先
生方の発表を聞いたり新しい指導法や研究の方法を発見したりする機会となった。
発表項目については,
「小学校外国語活動」
「読む・書く」
「コミュニケーション活動」
「ICT 機器」
の4つの分野で報告された。それぞれの分野で,その学校・子ども・地域の特色を生かした英語教育
が取り組まれており,子どもたちの実態に合わせた教材や授業展開の工夫が見られた。特に,
「書く
こと」は私が発表した分野でもあり,自分の考えと比較しながら検討することができた。
「書くこと」
は,子どもたちが最も苦手とする活動であるため,様々な手立てや声かけが必要である。今回,話題
に挙がったことは「書くこと」が苦手な子どもに対し,テーマの選定・語彙表の提示・英作文の発表
の仕方などがある。これらは,
「子どもが書きたい意欲」を育てるための手立てであり,また子ども
の発達段階や既習事項に配慮しながら進めることが大切だと感じた。
今回の協議会に参加することによって,他の先生方から刺激をいただき,英語教員としての指導法
や理論を改めることができた。今後の授業研究に活かし,よりよい英語授業に努めたい。
故郷のよさを伝えられるおかざきっ子を育てたい
城北中学校 森本 英文
A子は普段,英語の授業において,なかなか学習内容についていくことができない生徒である。し
かし,彼女は2学期末に行った Can-Do OK のスピーキングテストに向けて,JTEやALTに「こ
の文,合っていますか?」と何度も書き直し,原稿を作成した。そして,人一倍の時間をかけ,その
7文を暗唱できるように必死で練習をした。そして,テスト当日,彼女はゆっくりではあるが,その
7文をALTに伝えることができた。テストが終わると,“OK. A 子, you did a great job!” ALTの
先生が,A子のことを称賛した。その時に見せたA子の弾けるような笑顔がとても印象的であった。
今回,Can-Do OK を実施してみて,A子のように自分の気持ちを伝えたいと願う子どもたちがたく
さんいることを再認識させられた。
将来,この岡崎から多くの子どもたちが国内外において外国の方と接することになるだろう。岡崎
の子どもたちには,故郷の桜や花火の美しさ,伝統的な建築物,壮大な自然,日本を代表する歴史的
な偉人について伝えられる知識と英語力を身に付けさせたい。そして,彼らの生まれ育った町のよさ
を,英語を通じて伝えられるようになったらどんなに素晴らしいだろう。
そんな思いをもって,私は今年の4月からこの Can-Do OK の
制作に携わっている。何度も話し合いを行っては作りかえ,よう
やく今回の2学期版のテストが完成した。実際に使ってみると,
使いにくい部分もあり,改善点も見えてきた。制作者の一人と
して,英語部の先生方に今後も使っていただけるよう,より使
いやすいものを目指して改善を重ねていきたい。そしてA子の
ように,英語で故郷のことを伝えられる喜びを一人でも多くの
岡崎の子どもたちに味わわせ,彼らの英語の学習意欲向上につ
ながってくれればと願っている。
H25 年度 各種コンテスト入賞者
☆第27回愛知県中学生弁論大会
優良賞
小坂麻絢
(竜海)
光ヶ丘女子高等学校
Looking Forward to Tomorrow.
☆東西三河中学校英語スピーチコンテスト西三河大会
優秀賞
中瀬未来
福澤 心
福井凌太郎
☆第6回フロンティアカップ英語スピーチコンテスト
県知事賞
河本 茜
(岩津)
☆第1回英語表現コンテスト
第2位
審査員賞
長嶋 優
名古屋国際中学校・高等学校
My Best Decision
南山短期大学
1・3年 6名(新香山)
1・3年 6名(新香山)
☆第8回中学生レシテーションコンテスト
優秀賞
幸田町民会館
(福岡)
Family Heart
(六ッ美北) The Value of Family
(竜海)
Movies Are My English Teachers.
(新香山)
Mother Goose
Hamlet
東邦高等学校
オズの魔法使い