MLG CARGO WEEKLY DIGEST

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新泉地紀行
その二十四
熊本県松島温泉・牛深鉱泉(3)
①
湯老人・佐藤哲治
牛深港から 3KM.ほど西北に離れ、海と山に挟まれた住宅
地に牛深鉱泉“天草温泉旅館”がある。“天草温泉旅館”
の前は交通量がかなり多い県道?で魚貫(おにき)経由
本渡行きのバスもこの道を通っており、旅館の真ん前が
「牛深中学校前」という停留所だ。“天草温泉旅館”の
外観は明らかに温泉公衆浴場(=銭湯?)とその入口が
目立つ造りで、2 階建ての建物の右手にある旅館の入口
は遠慮したようにつつましく控えている。銭湯に付属し
た旅館といった趣きで、多分銭湯の収入が圧倒的に多い
のであろう。
建物の 1 階部分はほとんど銭湯で占められており、2 階が旅館の客室その他となる。2 階の県道に面した 6 畳
間に落着き、出された氷入り麦茶を飲み干しみかん 2 個中 1 個を食べた後銭湯に突撃する。1 階旅館玄関横
の戸を開けるとすぐ銭湯で、番台の女性から石鹸とシャンプーを借りて浴室に向う。浴室は天井の高い造りでか
なり広く、二つの部屋に分かれている、手前の大きい部屋にはカランが並び、中央に浴槽が設置されている。こ
れは水道水を沸かしたものでかなり熱い、この浴槽に入る人はほとんどなく、この部屋で皆体を洗う。半分
壁で仕切られたやや狭い次の部屋には小さな浴槽が三つ、源泉そのままの浴槽、熱く沸かした鉱泉を入れた
浴槽、ややぬるめの浴槽と分かれており各自思い思いの浴槽につかる。牛深鉱泉の泉質は天草では珍しい単
純緑礬泉で源泉温度は 18.4 度、適応症は神経症(ヒステリー)
・神経痛・リュウマチ・皮膚病一般等である。天草の果
てで一仕事終えくつろぐ漁師達と雑談しながらひなびた湯につかる喜びは何物にも代え難い、しかし、燃料
費節約など諸般の事情の為か、
「入浴夜 9 時終了・朝風呂なし」は誠に残念である。尚、旅館内部に家族風呂
はあるが、1 回 1,000 円と高いので入浴する気になれない。
“天草温泉旅館”の最も高い宿泊料金は 10,000 円税別で、これだけ支払えば当地で手に入る良質の食材(=
魚)を使った上等な料理が供される。筆者の場合、伊勢海老 1 匹半身は刺身、残り半分はボイル、刺身 3 種盛
り(魚の名前不明)等々、味は宜しく量も不足はない。筆者は伊豆や房総で伊勢海老を食べた経験は多くな
いのでよく分らぬが、例え民宿であろうと料金の安さでは“天草温泉旅館”に到底かなわないと思う。非常
に充実した食事内容で食べることだけでもこの宿に泊る価値がある、観光地・松島温泉も太刀打ちできまい。
嬉しかったのは、筆者の関東生活が長かった話を聞き、新潟出身の明るい美人女将が醤油を 3 種類揃えてく
れた事である、九州の刺身醤油(とろりとして甘口)と薄口醤油、そして生醤油、無論筆者は生醤油を使用。
更に驚くなかれ本山葵が出された、わざわざ静岡県から取寄せているそうだ、すりおろしたばかりの香り高
い山葵を新鮮な刺身の上に載せて食べると魚の味が一際引立つ。しかし熊本産地酒(名前を聞いたが忘れた)
を燗してもらって 4 本飲んだので料理の終りの方は記憶が曖昧である、やはり日本酒はうまい!
・宿泊日:2004 年 10 月 5 日
・宿泊料:11,970 円(酒 4 本含。
)
・天草温泉旅館 09697-2-5121(和室 11 室。宿泊料金 1 泊 2 食 6,500 円税別より、長期滞
在割引料金やビジネス料金もありそう。若い?夫婦だけで宿を切盛りしており、魚はとび
きり新鮮で料理は丁寧かつ工夫あり。尚、牛深鉱泉は昭和 41(1966)年営業開始。)
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【写真】
1.天草温泉旅館、右手が
旅館入口
2.右の浴槽に熱い湯、左が
ぬるい湯
3.宿の前の山に朝日が当
る
②
③
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MLG CARGO WEEKLY DIGEST VOL. 234
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