Q A 相続登記も相続税申告も何もしないときは? は?

NO.201
( H 26.8 )
税理士 野村 正雄
TEL 075-211-1888
相続登記も相続税申告も何もしないときは?
は?
Q 田舎の父が亡くなりました。十数年前に亡くなった祖父名義の不動産が、まだ相続人である
父名義にしてありません。登記さえしなければ、相続税は支払い不要ですか?
A
税務署のネットワークは全国を網羅しており、区役所や市町村役場ともたえず連絡している
ようです。
「相続登記さえしなければ」「名義変更さえしなければ、相続税はかかならい」と
思われるのは大きな間違いです。
◆ 相続登記も相続税の申告もしない場合
相続登記も
申告もしない
場合
相続登記
なし
相続関係が年月とともに複雑となり、
名義変更が困難になる
相続税の
申告なし
数年後に加算税・延滞税など余分な
税金を負担することになる
相続登記をしないで長い年月を名義を先代のままにしておくと、相続できる人(相続人)
の死亡でその子供が相続人になるなど、相続人の人数が増加して相続関係が複雑になり
ます。
◆ 相続税の申告をしない場合
相続税がかかるようでしたら、亡くなった日の翌日から10カ月以内に相続税の申告をし
なければなりません。もし後から税務署に調べられて相続税を納める必要があれば、罰金
に相当する無申告加算税、そして利子に相当する延滞税などの余分な税金が課せられます。
税務調査を受ける前の期限後申告
税務調査を受けた後の期限後申告
税務署から決定を受けた場合
[無申告加算税]
納付すべき税額×5%
+
延
滞
税
[無申告加算税]
納付すべき税額×15%
+
※ 1.延滞税は、申告期限から期限後申告書を提出してから2カ月間は 2.9%、それ以後は年 9.2%です。
(平成 26 年 1 月 1 日~12 月 31 日まで納期分の期間の割合です)
2.無申告加算税の 15%は、平成 19 年 1 月 1 日以後の納期分のものは、50万円を超える部分は 20%です。
なお、悪質な脱税を図ったときは、無申告加算税に代えて、納めるべき税金の 40%の重
加算税が課されます。ですから、財産の名義いかんにかかわらず、相続税が一番有利に
なるよう計算して、早急に相続の申告と登記をしましょう。
(ワンポイントアドバイス)
相続税の申告は10カ月以内に!
※ 平成 26 年 8 月現在の税制に基づいています。今後、税制改正があった場合内容が変わります。