10月号発行日平成22年9月20日〒393-0047 長野県諏訪郡下諏訪町西赤砂4342－6 9月も半ばを過ぎたらすっかり涼しくなり、秋の気配を感じるようになりました。読書の秋、スポーツの秋、食欲の秋などこれから快適な季節に突入です。秋の夜長を満喫しましょう。一度は耳にしたことがある“胆石”という病気。皆さんの近くでもなったことのある人がいるかもしれません。今回はそんな胆石のお話です。胆石ってどんな石？一口に胆石といっても結石のできる場所によって胆のう結石・総胆管結石・肝内結石の３種類に分けられますが、今回は一番多い胆のう結石についてお話します。胆のう結石（以下胆石）とは胆のう内にできた石のことをいいます。石の種類としては大きく分けてコレステロールからできるものと、ビリルビンという胆汁の色素からできるものに分けられます。戦前の日本ではビリルビン結石が多かったのですが、食生活の欧米化に伴い現在はコレステロール結石が全体の半分以上を占めています。石の大きさは泥状のものから数センチのものまであり、数ミリの石を数百個持っている方も中にはいます。ただ胆石があるからといって必ずしも症状が表れるわけでなく、人間ドックなどのエコー検査などで偶然見つかる場合もあります。この症状のない石は“沈黙の石（サイレントストーン）”といわれ胆石の約３割はサイレントストーンといわれています。胆石を持つ人はここ数10年で急激に増加し、10～20人に1人は胆石を持っていると言われています。胆石が増えてきている原因としては食事の欧米化や脂肪摂取量の増加が考えられ、特に４０歳以上で女性の方に多くできる傾向にあるようです。これは妊娠や更年期に変化する女性ホルモンが影響していると考えられています。それ以外に洋風の食生活のしている人や、家族歴（家族に胆石になった人がいる）のある方もなりやすいといわれています。コレステロール結石胆石の症状・治療胆石の症状の代表的なものは疝痛発作と呼ばれる上腹部に差し込むような激しい痛みです。これは通常食後1～2時間後に胆石が胆汁に混ざって移動した時、途中で石が詰まることによりおこります。最初は上腹部の不快感や嘔気で始まりますが、しばらくすると上腹部にさすような激しい痛みを感じるようになります。この痛みは数分で収まることもあれば、数時間続くこともあり、右肩や背中にかけて放散痛という痛みが走ることや嘔吐を伴うこともあります。 TEL.0266(28)0505 FAX.0266(28)0550 E-mail. [email protected] URL. http://www.azami-clinic.jp/ これらの痛みに加え発熱や黄疸が見られた場合、胆のう炎を起こしている場合があり注意が必要です。これは胆汁の流れが滞ることにより、細菌感染が起こるもので、進行すると感染が腹腔内まで広がり危険な状態になることがあるため、早めに医療機関を受診することが大切です。胆石があるからといってすぐに治療が必要なわけではありませんが、胆石の発作を繰り返す人や胆のう炎を併発している人は治療の対象になります。治療としては胆石を溶かす薬（利胆剤）を内服する治療（結石溶解法）の他、体外から衝撃波をあてて溶かす方法（破砕療法）、手術で胆のうごととってしまう方法などがあります。胆石を予防するために・・・胆石には遺伝性のものもありますが、コレステロールの摂りすぎや肥満など普段の生活を見直すだけでも改善するものもあります。以下に普段の生活の中でできる予防法をあげます。 1.肉類や脂肪・コレステロールの多い食事をさける。 1.肉類や脂肪・コレステロールの多い食事をさける。胆石の発作は油っこいものを食べた後や、暴飲暴食をした後に起こりやすいといわれています。発作を抑えるためにも普段からバランスの良い食事を取ることが大切です。 2.三食をきちんととり規則正しい生活を心がける。 2.三食をきちんととり規則正しい生活を心がける。胆石を持っている人が一食抜いて絶食の時間が長くなると、胆汁のうっ滞が生じて胆のうの機能が低下し、胆石を増大させる傾向があります。三食規則正しく摂り、胆のうを定期的に収縮させることが大切です。特に朝食は抜かないよう気をつけましょう。 3.定期的に運動して肥満を防ぐ。 3.定期的に運動して肥満を防ぐ。肥満予防・ストレス解消のため定期的に運動する習慣をつけることが大切です。理想は週３回以上１回３０分といわれてますが、忙しくなかなか時間をとることが出来ない方は普段の生活の中で意識的に動くようにしましょう。 4.食物繊維を多くとる。 4.食物繊維を多くとる。食物繊維には血中コレステロール濃度を低下させる作用があり、胆石発生の誘引ともなる便秘の解消にも役立ちます。 5.十分に休養をとり疲れを残さない。ストレスをためない。 5.十分に休養をとり疲れを残さない。ストレスをためない。過度のストレスは胆のうや胆管の働きのバランスを崩したり、胆汁の流れを悪くすることがあります。ストレスはうまく解消することが大切です。 “豆知識：胆のうってどこにあるの？” ところで胆のうという臓器はどこにあるか皆さんご存知ですか？胆のうは重さ１キロ前後、ナスのような形をした臓器で右の肋骨の奥のほうにあり、肝臓で作られた胆汁（１日600～1000 ｍｌ）を一時貯蔵する働きがあります。肝臓から胆のうに運ばれた胆汁は、胆のう内で水分や電解質を吸収してより濃い胆汁を作ったり、油脂の多い食事をした場合胆のうが収縮して胆汁を十二指腸内に送り出し油脂の分解を助ける働きをします。 10月号胃・腸のお話インフルエンザ予防接種予約受付中【期間】10/18～1/14 【接種時間】月・火・木・金 16：30～17：15 【値段】１回2000円ご希望の方は早めにご予約下さい。なお当日は大変な混雑が予想されますので時間に余裕を持っておでかけ下さい。「私が見た西アフリカ」・・・現在院内で下諏訪町在住で２年間西アフリカブルキナファソで青年海外協力隊として活動されていた宮澤久美子さんによるパネル展を開催しています。ブルキナファソの写真や子供たちの書いた絵など展示していますので御自由にご覧下さい。カジュアル生け花で家の中に幸せを♪ 10月23日（土） 19：30～21：00 当院多目的室にて、岡谷市の清水氏を講師に生け花教室を開催します。興味のある方は受付までお申し出下さい。 “鼻から入れる内視鏡” 数年前より鼻の穴から挿入する細い内視鏡検査が行われるようになり、ここ1、２年で多くの医療機関で採用され一般的な検査となりました。従来、大変つらく苦しい検査の代名詞のような胃カメラも、苦痛なく気軽に受けられる検査になっています。当方も経鼻内視鏡を採用して４年になりますが、大変多くの患者さんに好評を頂いています。経鼻内視鏡の利点はなんと言ってもその細さです。従来の内視鏡の直径は1ｃｍほどありましたが、経鼻内視鏡のそれは4.9ｍｍですのでほぼ半分です。やや太目のスパゲッティといったところでしょうか。また、鼻から入れることにより、嘔吐反射を生じる舌の奥にカメラを触れることなく喉を通過するので、オエッとした感じがほとんどありません。嘔吐反射や苦痛が少ないので、麻酔薬も口からに比べて少ない量ですみますし、鎮静剤はほぼ必要ありません。検査中は口からカメラが入りませんので、画像を見ながら医師と話をすることができます。一方経鼻内視鏡の欠点としては、鼻を通過する際、鼻腔の狭い人では痛みが生じたり、鼻出血を生じることがあります。いずれも緊急処置を必要とするようなことはめったにありません。また、経鼻内視鏡の細さから、画像がやや粗く暗いのが難点です。しかし、苦痛の少ないカメラですので、医師も患者さんもゆっくり落ち着いて検査を進めることができますので、画質の悪さは十分カバーできると思います。当院経鼻内視鏡も一般の内視鏡と比較しても病変の発見率ではまったく遜色ありません。胃カメラは苦しくて死んでもやりたくない人、経鼻内視鏡がオススメです！ひき肉のカレーチーズ餃子【材料（２人分）】合びき肉 150ｇ餃子の皮（大判）８枚カレー粉小さじ1/2 ピザ用チーズ 20ｇサラダ油・酒・塩・こしょう適量 ①餃子の皮１枚の中央にひき肉・酒・塩・こしょうを混ぜ合わせた肉を置き、カレー粉・チーズ 1/4量を順にのせ皮の縁にぐるりと水をつける。皮をもう一枚重ねて閉じさらにフォークの矢で縁をしっかりと押さえる。残りも同様にする。 ②フライパンにサラダ油を高さ2ｃｍほど入れ中温に熱する。餃子を入れて弱めの中火にし両面を２分ずつ揚げ、カリッとしたら取り出し油を切り器に盛る。医療事務渡辺千織徒然なるままに…“新米” 昔、ある家では季節季節に初物が出ると「わっはっは」と笑う。「やぁ、松茸が出たねわっはっは」という具合です。子供にも命じるので、一家で笑うのです。少々ばかばかしいですが、自然の恵みへの素朴な感謝と喜びがあふれています。時は流れ、今は季節感が薄れていますが、それでも秋は豊かです。新秋刀魚・新米・栗・梨・柿…等等。ところで今年も各地で、その地・その地の土と水が稲を実らせた新米の季節がやってきました。白米を腹いっぱい食べられるようになったのは昭和３０年代になってからです。食べれば至上の価値のある新米を、実社会では半人前として扱うのは、世間というものは、古米・古古米・古古古米…で出來ていることになります。「新米のくせに…」と言えば悪口になりますが、実は新前（新しく経験に乏しい人）が訛って新米になったと辞書に書いてありますが訛りすぎに思います。今年は新米の価値が下がっているらしいです。新米を味わうには、ほかほかの白い御飯が一番。炊き込みご飯のように、米と具材の取り合わせを楽しめる食べ方も好きです。昔に比べると新米を焦って買わなくなったようですが、瑞穂の国の歴史と文化が溶け込んだ新米の味をじっくり味わって見てください。管理栄養士小松和子