チクングニア熱の発生 / The Caribbean – outbreak of

Gard Alert:カリブ海 – チクングニア熱の発生
こちらは、英文記事「Gard Alert: The Caribbean – outbreak of chikungunya」
(2014 年 7 月 16 日付)の和訳です。
2013 年 12 月以降、カリブ海諸国でチクングニア熱が流行し、感染やそれと疑われる症例が増え続けて
います。
発生:
2013 年 12 月、世界保健機関(WHO)がサン・マルタン島におけるチクングニア熱の地域的な蔓延を報
告しました。当該地域に生息する蚊がチクングニアウイルスに感染し、その蚊が人にウイルスをまき散
らしています。チクングニア熱の蔓延がアメリカ大陸で報告されたのはこのときが最初ですが、汎米保
健機構(Pan American Health Organisation [PAHO])が 2013 年 7 月 11 日に発表した集計によると、そ
れまでに 35 万件以上の感染とそれと疑われる症例が記録されています。とりわけ状況が深刻なのはイス
パニョーラ島(ハイチとドミニカ共和国がある島)とグアドループです。中央アメリカのエルサルバド
ルも感染が深刻な地域です。また、他の国々においても、最近、感染地域への渡航歴のある患者によっ
てチクングニア感染症が国内に持ち込まれたことが報告されています。
チクングニア熱について:
Gard の Loss Prevention Circular No.04-12「マラリアとデング熱:予防注意事項」で取り上げたマラリ
アやデング熱と同様に、チクングニア熱は、蚊が媒介するウイルス感染症です。つまり、人から人へ直
接感染することはありません。チクングニア熱を媒介する蚊は、デング熱を媒介する蚊と同じ種類(ヤ
ブ蚊)であり、マラリア蚊とは異なり、日中でも活動します。チクングニア熱は、ウイルスを保有する
蚊に刺されてから通常 3~7 日で発症し、
急な発熱に加えて、関節の痛みを伴うことが多いのが特徴です。
そのほか、筋肉痛、頭痛、吐き気、倦怠感、発疹などの症状もみられます。WHO によると、チクングニ
ア熱で死亡する例は稀だということです。チクングニア熱については、WHO とアメリカ疾病予防管理セ
ンター(CDC)が発行している報告書もご覧ください。
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乗組員の保護:
現在のところチクングニアウイルスに対するワクチンがないことから、チクングニア熱の感染地域に滞
在中の保護対策として最善なものは、蚊に刺されないようにすることです。次のような予防対策を検討
するようにしてください。
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屋外では、長袖、長ズボン(裾を靴下の中にたくし込む)、帽子(髪が薄い場合)などを着用
し、肌の露出をできるだけ少なくすること。チクングニア熱を媒介する蚊は日中に活動するこ
とに留意してください。
効果のある殺虫剤を肌や衣服に散布し、なおかつ、一定の間隔で繰り返し散布すること。
屋内にいるときは、空調設備の付いた遮蔽されたスペースに留まるようにすること。
就寝時に、遮蔽された区域や空調設備の付いたスペースを確保できない場合、殺虫剤を浸み込
ませた、破れていない蚊帳を用意すること。
船上に水溜まりがあると蚊が繁殖するため、水溜まりを放置しないこと。
船内でチクングニア熱が疑われる場合には、ただちに無線で医学的な助言を得るようにしてください。
通常、船舶が港に停泊している期間は短いため、潜伏期間が数日あるチクングニア熱の症状が現れたと
きにはすでに出航後である可能性が高いと思われます。
感染状況の監視:
チクングニア熱の感染地域に寄港する場合は、公的機関のウェブサイトを利用するほか、寄港前に現地
の代理店と密に連絡を取り合うなどして、状況を十分に把握するようにしてください。以下の公的機関
のウェブサイトを推奨します。
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汎米保健機構(PAHO):Health topic page on chikungunya(チクングニア熱に関する保健医療
トピックのページ)
世界保健機関(WHO):Global alerts on outbreaks(感染症発生に関するグローバルアラート)
アメリカ疾病管理予防センター(CDC): Chikungunya virus distribution updates(チクングニ
アウイルスの伝播に関する最新情報)
欧州疾病予防管理センター(ECDC):Weekly threat reports(脅威に関する週報)
このほか、各国政府が設置している「安全な旅行のための渡航情報」のウェブサイト(例えば、各国の
外務省や保健省のホームページ)上で、安全警報が出されることがあります。また、医療専門家や現地
の予防接種施設から関連情報が得られる場合もあります。
この Alert の作成にあたっては、バルバドスにおける Gard のコレスポンデント Cariconsult International Ltd.の協力を得て
おります。
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ますが、Gard は本情報に依拠することによって生じるいかなる種類の損失または損害に対して一切の責任を負いません。
本情報は日本のメンバー、クライアントおよびその他の利害関係者に対するサービスの一環として、ガードジャパン株式会社により英文
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