学校教育学特論 佐々木弘記 開講年次 開講期 単位数 必修・選択 1年 前期 2単位 選択 授業概要 まず,先行研究を概括しながら,学校教育における学習指導の様式や行動・認知・構成主義の各学習論について議論するととも に,教師の専門的力量の形成について考察する。 次に,反省的実践家としての教師の専門的力量形成のモデルを取り上げ,省察と熟考による実践的見識の獲得過程に言及する。 そして,学校教育におけるいくつかの問題場面を想定し,反省的思考の過程について学ぶ。 到達目標 反省的実践家としての教師について理解を深め,受講者が専門的力量を形成するための反省的思考の方法を習得することを目指 す。 授業計画 第1回 教育課程の変遷 第2回 学習指導の様式 第3回 行動主義の学習論 第4回 認知主義の学習論 第5回 構成主義の学習論 第6回 教師の専門的力量 第7回 技術的熟達者モデル 第8回 反省的実践家モデル 第9回 省察と熟考 第10回 専門的力量の形成⑴ 第11回 専門的力量の形成⑵ 第12回 反省的思考の方法⑴ 第13回 反省的思考の方法⑵ 第14回 反省的思考の方法⑶ 第15回 まとめ 評価の方法 レポート(50%),授業態度(50%) 使用テキスト 受講の心得 テキストや資料を予習して授業に臨むこと。配付するプリント・資料などを整理しておくこと。 使用テキスト 授業の中で適宜資料を配付する。 参考書 『教育方法学 岩波テキストブック』,佐藤学(著),岩波書店,1996年 『専門家の知恵―反省的実践家は行為しながら考える』,ドナルド・ショーン(著),佐藤学・秋田喜代美(訳),ゆみる出 版,2001年 − 52 − 保育・幼児教育学特論 山本 佳子 開講年次 開講期 単位数 必修・選択 1年 前期 2単位 選択 授業概要 本講座では,子ども社会を実践的に読み解いていくための方法論について学び関心のある子ども社会の現象に対して質的研究を 進めていく。その過程で現職の教員らと保育実践を省察していくことで,子ども理解力を高め,保育実践へ造詣を深めていく。 到達目標 子どもの視点によりながら,より高度な活動の理解と解釈を可能にするために,質的研究の基礎概念および方法を習得し幼稚 園,保育所をフィールドとして,実践的研究を行うことで,実践家としての質的向上を目標とする。 授業計画 第1回 リサーチ・リテラシーについて 第2回 保育・幼児教育論1 第3回 保育・幼児教育論2 第4回 保育・幼児教育論3 第5回 保育・幼児教育論4 第6回 保育・幼児教育論5 第7回 保育・幼児教育論6 第8回 保育・幼児教育論7 第9回 質的研究の歴史と概要 第10回 保育実践を対象としたフィールドワーク⑴ 第11回 保育実践を対象としたフィールドワーク⑵ 第12回 保育実践を対象としたフィールドワーク⑶ 第13回 保育実践を対象としたフィールドワーク⑷ 第14回 保育実践を対象としたフィールドワーク⑸ 第15回 発表とファイナルディスカッション 評価の方法 講義に対する取り組みの積極性(30%)と,レポートの論理性・整合性・新規性(70%)を基準に評価を行う。 使用テキスト 柴山真琴 2006 『子どもエスノグラフィー入門』新曜社 − 53 − 学校教育実践学特論 森上 敏夫 開講年次 開講期 単位数 必修・選択 1年 後期 2単位 選択 授業概要 今日の学校運営や教育活動上の具体的な問題を取り上げ,その問題の経緯・本質を,問題解決の実践的アプローチによって追 究・認識することをとおして,小学校教員としての専門性を向上させたい。 到達目標 今日の学校運営や教育活動の問題の把握と対応の仕方を具体的に身に付け,小学校教員としての実践的力量を育成する。 授業計画 第1回 学校教育実践上の諸問題 第2回 教育改革の動向と諸課題⑴ 第3回 教育改革の動向と諸課題⑵ 第4回 学習指導要領の変遷と学力問題⑴ 第5回 学習指導要領の変遷と学力問題⑵ 第6回 教育行政と学校⑴ 第7回 教育行政と学校⑵ 第8回 学校改善の方法と実践⑴ 第9回 学校改善の方法と実践⑵ 第10回 教育病理への対応 第11回 開かれた学校 保護者・地域社会との連携 第12回 教員のストレス・メンタルヘルスの問題の状況 第13回 学校の危機管理 いじめ 第14回 学校の危機管理 体罰 第15回 教員としての職能成長について 評価の方法 レポート(50%)並びに授業参加(理解を確認する授業内での課題や発表への取り組みによって評価する)(50%)により行 う。 使用テキスト 受講の心得 積極的に自主学習の心構えを持ち配布するプリント・資料を整理しておくこと。 使用テキスト 適宜資料を配付する。 参考書 適宜紹介する。 − 54 − 学校教育方法演習 佐々木弘記 開講年次 開講期 単位数 必修・選択 1年 後期 2単位 選択 授業概要 日々の教育活動の改善には,教育実践研究(アクション・リサーチ)が欠かせない。多くの学校が取り組む校内研究や授業研究 などについて概括するとともに,アクション・リサーチによって教育活動を改善する方法を講義する。さらに,演習として,受講 者の問題意識に基づき,アクション・リサーチを計画し,実践を通して評価する。 到達目標 実際にアクション・リサーチを計画・実践・評価するための基礎的な手続きと技能を習得する。 授業計画 第1回 教育実践研究とは 第2回 教育研究の目的と方法(概論) 第3回 授業研究(概論) 第4回 校内研究(概論) 第5回 アクション・リサーチの目的と意義(概論) 第6回 アクション・リサーチの計画の立て方(概論) 第7回 アクション・リサーチの実施の方法(概論) 第8回 アクション・リサーチの評価の方法(概論) 第9回 問題の明確化(演習) 第10回 問題解決のための手立て(演習) 第11回 アクション・リサーチの計画⑴(演習) 第12回 アクション・リサーチの計画⑵(演習) 第13回 アクション・リサーチの実践と評価⑴(演習) 第14回 アクション・リサーチの実践と評価⑵(演習) 第15回 まとめ 評価の方法 実践研究レポート(50%),出席・授業態度(50%) 使用テキスト 受講の心得 テキストや資料を予習して授業に臨むこと。配付するプリント・資料などを整理しておくこと。 使用テキスト 授業の中で適宜資料を配付する 参考書 適宜,授業の中で紹介する。 − 55 − 学校教育教科内容特論 岸 誠一・他 開講年次 開講期 単位数 必修・選択 1年 後期 2単位 選択 授業概要 受講者は,小学校教科のうち,特定の1教科を選ぶ。授業担当者は,当該教科の教科内容に関わる専門的知識を深め,教材の分 析力や開発力を養成するうえで,適切な対象を取り上げる。受講者の選択に応じて,担当教員が決まる。 到達目標 当該の教科内容に関する基礎基本の知識を深めるとともに,学校教育における当該の教科の教育に資するための知見を深める。 授業計画 (下記は,一例として,「国語」を選択した場合の授業計画例である。) 日本語の語彙の研究と教育 第1回 語彙の概念 第2回 語彙の体系と構造 第3回 語彙の分類 第4回 語彙の類型 第5回 語彙の量的構成 第6回 語彙の位相 第7回 語彙の変遷 第8回 日本語語彙の特性 第9回 基礎語彙と基本語彙 第10回 学習基本語彙 第11回 身体語彙について① 第12回 身体語彙について② 第13回 身体語彙について③ 第14回 身体語彙を対象とした教材開発 第15回 語彙教育の目的と方法 評価の方法 授業中の発表及び期末の課題レポートによる。 使用テキスト 受講の心得 授業中の質問と意見を盛んにすること。 使用テキスト 毎回,プリント資料を用いる。 参考書 田中章夫『国語語彙論』(明治書院) その他,適宜,紹介する。 その他 国語辞典,または電子辞書を用意すること。 − 56 − 保育・幼児教育実践学特論 平松美由紀 開講年次 開講期 単位数 必修・選択 1年 後期 2単位 選択 授業概要 まず,先行研究を紹介しながら,教育学における理論と実践の問題や理論=実践の循環的構造を捉える基本的な思考の枠組みに ついて概説するとともに,教育者の位置・意義について考察する。 次に,モデルとして数名の教育実践家を取り上げ,その思想の形成過程を実践への参与・省察過程として読み解いていく。講義 の中盤では,受講者自身が実際の保育所・幼稚園・小学校の保育者・教師の実践(ないし実践記録)を分析し,教育者のなかで理 論=実践がいかにして媒介されていくかを学ぶ。 到達目標 教育学の基本的性格は,理論と実践との相互指示性に求められるが,「教育学的差異」(Benner, 1970)の概念で表されるよう に,そこには容易に埋めることのできない溝があることも確かである。 その溝を架橋するものが「教育者・保育者」である。授業では,教育学を「教育者・保育者を介して実践に作用する実践学」と して位置づける。そして教育哲学・学説研究の立場から,稀代の教育実践家がいかなる課題に応えようと試みたのか,その参与と 省察の過程を紐解いていく。理論=実践の媒介者としての教育者・保育者像に迫り,最終的には,受講者が自らのうちに媒介者と しての教育者モデルを確立することを目指す。 授業計画 第1回 教育学における理論と実践の問題 第2回 理論と実践の問題を捉える思考の枠組み① 第3回 理論と実践の問題を捉える思考の枠組み② 第4回 教育者の位置と意義 第5回 教育実践に学ぶ① ─分析へのアプローチ,具体的な方法についての解説─ 第 6 回 『時代を拓いた教師たち』『時代を拓いた教師たちⅡ』より発表(レジュメ作成) 第7回 保育所における保育実践の分析に基づく保育改善 第8回 幼稚園における授業実践の分析に基づく授業改善 第9回 小学校における授業実践の分析に基づく授業改善 第10回 ディスカッション 第11回 教育実践に学ぶ② 理論と実践 どのような哲学からどのような実践が生まれたか 第12回 教育実践に学ぶ③ 実践と理論 実践からどのような理論が導かれたか 第13回 理論=実践を媒介するものとしての教育者像① 第14回 理論=実践を媒介するものとしての教育者像② 第15回 まとめ,課題の確認 評価の方法 授業参加 50% (理解を確認する授業内での課題及び発表への取り組みによって評価する) レポート 50% 使用テキスト 特に使用しない。適宜資料を配付する。 参考書 田中耕治 編著,『時代を拓いた教師たち』・『時代を拓いた教師たちⅡ』,日本標準 − 57 − 保育・幼児教育方法演習 山本 佳子 開講年次 開講期 単位数 必修・選択 1年 後期 2単位 選択 授業概要 保育・幼児教育学特論により,学んだ研究方法や実践研究を基にし,実践研究考察をさらに進める。 到達目標 実践研究を重ねるうちに,あらゆる視点からのテーマを探求し,問題解決方法を習得しながら,実践家としての資質・能力を高 めることを到達目標とする。 授業計画 第1回 保育・幼児教育の原点について 第2回 研究方法の見直し 第3回 保育実践を対象としたフィールドワーク:全体の流れに着目して 第4回 保育実践を対象としたフィールドワーク:先行研究を踏まえての検討 第5回 テーマの再確認と実践データ収集方法の修正 第6回 保育実践を対象としたフィールドワーク:個についての深い観察 第7回 保育実践を対象としたフィールドワーク:個についての深い観察 第8回 保育実践を対象としたフィールドワーク:個についての深い観察 第9回 データ分析①:中間報告 第10回 保育実践を対象としたフィールドワーク:個についての深い観察 第11回 保育実践を対象としたフィールドワーク:個についての深い観察 第12回 データ分析②データ解釈についてのディスカッション 第13回 データをまとめる 第14回 発表 第15回 ファイナルディスカッション 評価の方法 実践に対する取り組みの積極性(30%)と,レポートの論理性・整合性・新規性(70%)を基準に評価を行う。 − 58 − 学校心理学特論 枝廣 和憲 開講年次 開講期 単位数 必修・選択 1年 前期 2単位 選択 授業概要 予防・開発的視点からのアプローチから,いじめ・不登校などの心理社会的課題を抱える児童・生徒へのアプローチまでを体系 的に学び,アセスメントの方法やチーム支援の方法など具体的な支援方法の獲得を目指す。 また,実践・臨床の場で応用できるような力量を形成できるように,学習者主体の授業展開を行う。 到達目標 学校教育に活かせる学校心理学の知識・技術を身につける。 授業計画 第1回 学校心理学の概要 第2回 マルチレベルアプローチ総論1 第3回 マルチレベルアプローチ総論2 第4回 アセスメントと理論に基づく学級経営 第5回 SEL(社会性と情動性の学習) 第6回 発達障がいの理解 第7回 発達障がいから生じる二次的な不適応 第8回 SWPBIS(学校環境におけるポジティブな行動介入と行動支援)1 第9回 SWPBIS(学校環境におけるポジティブな行動介入と行動支援)2 第10回 ピア・サポートプログラムの導入のデザイン 第11回 ピア・サポートプログラムの評価の意義と方法 第12回 非社会的行動の理解 第13回 反社会的不適応行動の理解 第14回 チーム支援とマネージメント1 第15回 チーム支援とマネージメント2 評価の方法 授業内での取り組み30%,質疑応答と議論への参加30%,レポート40% 使用テキスト 受講の心得 原則,学習者主体の授業を行います。シラバスに基づいて入念に準備と予習を行って授業に臨むとともに,積極的に議論等に参 加すること。 使用テキスト 春日井敏之・伊藤美奈子(編)『よくわかる教育相談』ミネルヴァ書房 参考書 栗原慎二・井上弥(著)『Excel2013対応版 アセス(学級全体と児童生徒個人のアセスメントソフト)の使い方・活かし方 自 分のパソコンで結果がすぐわかる』ほんのもり出版 − 59 − 発達心理学特論 枝廣 和憲 開講年次 開講期 単位数 必修・選択 1年 後期 2単位 選択 授業概要 生涯発達心理学の観点からその理論や背景を体系的に学ぶとともに,最新の発達科学の知識の獲得を目指す。 また,実践・臨床の場で応用できるような力量を形成できるように,学習者主体の授業展開を行う。 到達目標 保育・幼児教育・学校教育に活かせる発達心理学の知識・技術を身につける。 授業計画 第1回 発達心理学の概要 第2回 発達障がいの理解 第3回 発達障がいから生じる二次的な不適応 第4回 特別支援教育の視点を活かした授業改善 第5回 個別の指導計画作成とその活用 第6回 愛着と発達支援 第7回 乳児期 第8回 幼児期 第9回 児童期 第10回 思春期 第11回 青年期 第12回 成人期 第13回 中年期 第14回 老年期 第15回 生涯発達心理学の視点 評価の方法 授業内での取り組み30%,質疑応答と議論への参加30%,レポート40% 使用テキスト 受講の心得 原則,学習者主体の授業を行います。シラバスに基づいて入念に準備と予習を行って授業に臨むとともに,積極的に議論等に参 加すること。 使用テキスト 岡本祐子・深瀬裕子(編著)『エピソードでつかむ生涯発達心理』ミネルヴァ書房 日本発達心理学会(編)『発達と支援(発達科学ハンドブック6)』新曜社 参考書 東洋・繁多進・田島信元(著)『発達心理学ハンドブック』福村出版 − 60 − 子ども社会学特論 中田 周作 開講年次 開講期 単位数 必修・選択 1年 前期 2単位 選択 授業概要 本授業は,下記のテーマにしたがって進めていく。受講学生は,順番に担当部分についての発表資料を作成し,その作成した資 料にもとづいて発表を行う。その発表に関しては,学生たち自身が質疑応答や討論をする。教員は,この議論について適宜,補足 説明をしたり,必要な事項について解説を加えたりする。 到達目標 現代社会における教育現象は,決して単純なものではない。教育分野における社会学的アプローチの有効性のひとつは,こうし た複雑な社会現象を読み解くための枠組みを提供することである。そこで,本授業では,現代社会のなかで生きる子どもや子ども を取り巻く社会集団等に関するテーマを取り上げ,社会学の方法を用いて分析する。 このような学習を積み重ねることにより,教育者・保育者として,社会現象としての教育について的確な理解ができる実践者と なることを目標とする。 授業計画 第1回 子どもの社会化とは何か 第2回 現代日本の子ども観 ①子ども観の定義と統計データから見る子ども観 第3回 現代日本の子ども観 ②課題図書に見る子ども観 第4回 現代日本の子ども観 ③地域住民の子ども観 第5回 子ども社会化エージェント ①子どもの仲間集団における社会化の特徴 第6回 子ども社会化エージェント ②近隣集団・地域集団における社会化の特徴 第7回 子ども社会化エージェント ③家族集団における社会化の特徴 第8回 現代社会における子育て支援 ①母親の育児不安の実態 第9回 現代社会における子育て支援 ②放課後子ども教室と学童保育 第10回 現代社会における子育て支援 ③近隣集団と地域集団の活動 第11回 現代社会における子育て支援 ④子どもとインターネット,ケータイ 第12回 地域における子育て支援活動の現実 ①放課後子どもプラン 第13回 地域における子育て支援活動の現実 ②教育支援人材の育成 第14回 地域における子育て支援活動の現実 ③地域集団における子育て支援活動⑴ 第15回 地域における子育て支援活動の現実 ④地域集団における子育て支援活動⑵ 評価の方法 授業中の質疑応答および発表資料(100%)を総合して評価する。 受講の心得 積極的な姿勢で臨むこと。 使用テキスト 住田正樹・多賀 太 編著『子どもへの現代的視点』北樹出版 参考書 住田正樹・高島秀樹 編著『変動社会と子どもの発達』北樹出版 日本子ども社会学会 編『いま,子ども社会に何がおこっているか』北大路書房 永井聖二・加藤 理 編『消費社会と子どもの文化』学文社 − 61 − 児童福祉特論 槙尾真佐枝 開講年次 開講期 単位数 必修・選択 1年 前期 2単位 選択 授業概要 現代社会における児童期の生活問題の理解と社会福祉関与の重要性を理解し,児童福祉問題解決や予防,緩和に際して活用され るソーシャルワークの特質やあり方を検討する。児童福祉の今日的課題を具体的な「児童支援事例」を通して現実の姿を客観的に とらえ,さらに批判的検討を行いつつ,今ある枠組みのなかでいかに最善の実践を目指すのか,あるいはどのように支援を開発し ていくかについて考察する。 到達目標 ・社会福祉学における児童福祉の理論的枠組みの理解のために選考理論研究の特徴を理解する。 ・少子化対策と家族支援が政策の中心に位置づけられた状況下での,子どもと家族を取り巻く課題への児童福祉からのアプロー チを理解し,児童・家族に関する理解を前提に子どもの権利を守る活動として児童福祉実践を分析・考察する力をつける。 授業計画 第1回 児童観と児童の権利,児童の福祉 第2回 児童を取り巻く環境 第3回 児童福祉の歴史と児童政策 第4回 児童福祉制度の構造と最近の動向 第5回 児童福祉実践の視点 第6回 養護児童の生活と社会的支援 第7回 家族の変化と保育制度 第8回 児童福祉における支援活動の特徴(家族との協働による支援) 第9回 児童福祉における支援活動の特徴(子どもの権利擁護実践) 第10回 地域支援事例 1 課題の理解 第11回 地域支援事例 2 検討および考察 第12回 養護児童支援事例 1 課題の理解 第13回 養護児童支援事例 2 検討および考察 第14回 事例の考察および検討を通して児童福祉論の課題 1 第15回 事例の考察および検討を通して児童福祉論の課題 2 評価の方法 授業中の発言内容50%(テキストの内容,他学生の意見に対するコメントなどについて評価する) レポート50%(課題提出,分析力,表現力,参考文献・資料などの活用力などについて評価する) 使用テキスト 田澤あけみ,福知栄子,林浩康 『新児童福祉論−保護型から自立・参加型児童福祉へ−』(改訂版),法律文化社,2006 参考書 ボブ・ホルマン著,福知栄子・田澤あけみ・内本充統・林浩康「近代児童福祉のパイオニア」法律文化社,2007 − 62 − 学校福祉特論 中 典子 開講年次 開講期 単位数 必修・選択 1年 後期 2単位 選択 授業概要 本授業では,アメリカでの取り組みをもとにしてスクールソーシャルワーカーの役割について理解する。授業は,あらかじめ精 読したテキスト内容に基づいて議論をすることによってすすめる。今日のわが国における子どもの教育権保障に対するスクール ソーシャルワークの可能性を探る。 到達目標 100年以上前にスクールソーシャルワーカーが導入されたアメリカにおけるその取り組みをふり返り,子どもの暮らしの充実を 図るためになされてきた支援技法について理解する。 授業計画 第1回 ソーシャルワークとは 第2回 スクールソーシャルワーク誕生の経緯 第3回 セツルメントハウスの貢献 第4回 スクールソーシャルワークの萌芽 第5回 教育委員会による制度的位置づけ 第6回 全国的規模への拡大① 臨床的ケースワークの台頭 第7回 全国的規模への拡大② ミルフォード会議での役割定義 第8回 訪問教師からスクールソーシャルワークへ 1940年代から1960年代 第9回 ソーシャルワーク専門職の統合 第10回 生態学的視点に基づくスクールソーシャルワーク実践 第11回 スクールソーシャルワークの特徴 第12回 スクールソーシャルワークを支える視点① 「子ども・家族・環境」のとらえ方 第13回 スクールソーシャルワークを支える視点② 「課題」のとらえ方 第14回 わが国における教育文化 第15回 わが国におけるスクールソーシャルワーク実践の必要性 評価の方法 受講中の議論により評価する。講義ごとに,自分が理解したことを整理できているか,疑問点を解決することができているか, それを表現できているか,他者の意見に対して批判的に議論ができているか,という点で評価する。全講義を通して60%以上の得 点に対して単位を与える。 受講の心得 子どもの最善の利益について学んでおくこと。 使用テキスト 山野則子 他(2012)『よくわかるスクールソーシャルワーク』ミネルヴァ書房 参考書 日本学校ソーシャルワーク学会編(2008)『スクールソーシャルワーカー養成テキスト』中央法規 − 63 − 相談・援助特論 中 典子 開講年次 開講期 単位数 必修・選択 1年 前期 2単位 選択 授業概要 相談援助の進め方や実際について社会福祉の立場から学ぶ。ソーシャルワークやカウンセリングの援助技術を理解し,子どもを 取り巻く環境に働きかける支援の理解を深める。事例を通して子どもが生活する上で直面する課題に焦点をあてて支援する方法を 学び,保育現場におけるソーシャルワークについて学習する。 到達目標 1.ソーシャルワークの基本的考え方を把握する。 2.子どもと子どもを取り巻く環境の相互作用に焦点を当てた支援の実際を理解する。 3.事例研究に基づいて,アセスメントの方法について学ぶ。 授業計画 第1回 社会福祉の構造 第2回 ソーシャルワークの理論・意義・機能 第3回 ソーシャルワークにおける面接技術 第4回 ソーシャルワークの対象・プロセス 第5回 ソーシャルワークの方法と技術 第6回 関係機関との連携 第7回 保育ソーシャルワークの基本…子どもの福祉と最善の利益の遵守 第8回 保育ソーシャルワークの基本…子どもの成長と喜びの共有 第9回 保育ソーシャルワークの基本…保護者の養育力の向上と支援 第10回 保育ソーシャルワークの基本…受容,自己決定,秘密保持の遵守 第11回 保育ソーシャルワークの実際…保護者への支援方法 第12回 保育ソーシャルワークの実際…保護者への支援計画と連絡・記録・評価 第13回 保育ソーシャルワークの実際…要保護の子どもと家庭への支援 第14回 保育現場でのソーシャルワークの実際…障がいのある子どもと保護者への支援 第15回 保育現場でのソーシャルワークの実際…虐待の予防に向けての保護者への支援 評価の方法 レポート(100%)によって評価する。 受講の心得 授業中に提示した課題を期日までに提出するように心がけること。 使用テキスト 立花直樹,安田誠人編『保育現場で役立つ相談援助・相談支援』晃洋書房。 参考書 必要に応じて紹介する。 − 64 − 発達障害児支援特論 荻野 竜也 開講年次 開講期 単位数 必修・選択 1年 前期 2単位 選択 授業概要 広汎性発達障害,注意欠陥/多動性障害,学習障害などの発達障害児の支援に当たっては,障害概念の理解に基づき本人を支える ことは当然であるが,さらに,広く障害児本人を取り巻く人々,特に,家族を支援することが重要である。この講義では発達障害 児にかかわる家族や教員を援助する技術や理論を学ぶことを通して障害児支援について考察する。また,学んだ理論や技術が,今 までに実践現場や実習体験で遭遇した事例へ適応可能かどうかについても考察する。授業は,予め精読したテキストの内容につい て議論をすることによって進める。 到達目標 障害児が日常直面する困難さだけではなく,彼らにかかわる人々,特に家族が直面する困難さを,現実に遭遇する子どもやその 家族の言動,及び取り巻く環境を客観的に分析することによって理解できるようになる。その上で,包括的な援助を計画できるよ うになる。 授業計画 第1回 特別支援教育の概要 第2回 発達障害児の家族支援の概要 第3回 親の心理的問題⑴ストレス 第4回 親の心理的問題⑵障害受容 第5回 本人への告知 第6回 ペアレントトレーニングときょうだいへの支援⑴母親への支援 第7回 ペアレントトレーニングときょうだいへの支援⑵父親への支援 第8回 ペアレントトレーニングときょうだいへの支援⑶兄弟への支援 第9回 特別支援教育と保護者⑴保護者の指導計画へのかかわり 第10回 特別支援教育と保護者⑵保護者への対応の実際 第11回 コンサルテーションとカウンセリング⑴コンサルテーションとは 第12回 コンサルテーションとカウンセリング⑵コンサルテーションの実際 第13回 コンサルテーションとカウンセリング⑶カウンセリング 第14回 権利擁護 第15回 親の会 評価の方法 受講中の議論により評価する。講義ごとに,1)自分が何を理解し,何を理解できていないかを整理できているか,2)疑問点 を解決するためにどういう作業をしたか,3)発展的に思考しそれを表現できるか,4)人の意見に対して批判的議論ができる か,という観点それぞれで4段階評価し,全講義を通じて60%以上の得点に対して単位を与える。 使用テキスト 柘植雅義,井上雅彦,編著「発達障害の子を育てる家族への支援」金子書房 参考書 杉山尚子,他 著「行動分析学入門」産業図書 − 65 − 子どもの認知と学習特論 國田 祥子 開講年次 開講期 単位数 必修・選択 1年 前期 2単位 選択 授業概要 人の行動は内的な認知過程に依存しており,その過程は感情や意識,経験や知識などによって変化する。こうした認知機能と, それが子どもの学習過程にもたらす影響について学ぶ。 到達目標 子どもの学習過程を認知的側面から捉えるための基礎知識および方法論を身に着ける。 授業計画 第1回 学習および認知について 第2回 学習心理学と認知心理学 第3回 頭の働きについて ―処理資源,知識のネットワーク,スキーマ― 第4回 頭の使い方について ―分散学習,生成効果,学習方略― 第5回 メタ認知について ―モニタリング,コントロール― 第6回 動物に教わって ―パブロフの犬,反復学習,弁別刺激と報酬― 第7回 学習を生かすということについて ―転移,教訓帰納,自己学習力― 第8回 指示・発問・説明について ―処理水準説,基礎水準,比喩― 第9回 言語活動について ―説明,話型,思考型― 第10回 グループ学習について ―ブレインストーミング,競争と協同― 第11回 道具について ―板書,ワークシート,図表― 第12回 やる気について―動機づけ,欲求階層説,学習性無力感― 第13回 テストや評価について ―テスト形式,ルーブリック,ピグマリオン効果― 第14回 ツボについて ―適性処遇交互作用,行動主義・認知主義・状況主義― 第15回 まとめ 評価の方法 受講態度およびレポートによって評価する。 受講の心得 積極的な受講態度を期待します。毎回必ず1回は意見や見解を述べること。 使用テキスト 『学習支援のツボ―認知心理学者が教室で考えたこと―』佐藤浩一(著)北大路書房 参考書 『グラフィック学習心理学』山内光哉・春木 豊(編著)サイエンス社 『グラフィック認知心理学』森 敏昭・井上 毅・松井孝雄(共著)サイエンス社 − 66 − 子どもの脳と発達特論 荻野 竜也 開講年次 開講期 単位数 必修・選択 1年 後期 2単位 選択 授業概要 小児期の運動,知能,言語,あるいは,社会性の発達は脳機能の発達的変化と環境との相互作用の結果として理解することがで きる。本講義では,脳科学的研究により積み重ねられた知見を学び,子どもの発達を脳機能と関連付けて科学的に考察を深める。 授業は,予め精読したテキスト内容について議論をすることによって進める。 到達目標 行動を制御する脳の機能を考察することを通じて,一般的な子どもの行動特性や行動の障害を脳機能の観点から客観的に理解し ようとする態度を身につける。また,必要に応じて自然科学分野の文献を読み解く技能を身につける。 授業計画 第1回 脳の構造 第2回 視機能の発達⑴平面と奥行き,感覚発達と胎児期の脳形成 第3回 視機能の発達⑵視覚神経ネットワークの発達,新生児の顔認識 第4回 随伴性と社会性 第5回 到達運動と眼球運動 第6回 予測的な運動機能とその仕組み 第7回 自己主体感とさせられ体験 第8回 like-me/different-from-meシステム⑴like-meシステム 第9回 like-me/different-from-meシステム⑵模倣と情動的共感 第10回 like-me/different-from-meシステム⑶他者の心を読む 第11回 like-me/different-from-meシステム⑷脳内メカニズム 第12回 乳児の言語獲得過程 第13回 乳幼児の意味理解過程 第14回 発達障害と脳科学⑴睡眠と感覚 第15回 発達障害と脳科学⑵感情,身体的自己と気質 評価の方法 受講中の議論により評価する。講義ごとに,1)自分が何を理解し,何を理解できていないかを整理できているか,2)疑問点 を解決するためにどういう作業をしたか,3)発展的に思考しそれを表現できるか,4)人の意見に対して批判的議論ができる か,という観点それぞれで4段階評価し,全講義を通じて60%以上の得点に対して単位を与える。 受講の心得 知識をつけるのではなく,疑問を生成しそれを解決するつもりで毎回取り組んでください。 使用テキスト 乾 敏郎,著『脳科学からみる子どもの心の育ち 認知発達のルーツを探る』ミネルヴァ出版 参考書 必要に応じて紹介する。 − 67 − 子どもと言語表現特論 上山 伸幸 開講年次 開講期 単位数 必修・選択 1年 前期 2単位 選択 授業概要 子どものことばとその教育についての知見が集積されている国語教育学の成果を中心に,その理論と実践を学ぶ。授業では,各 回で設定したテーマに関する文献の解説とディスカッションを行う。テーマは話すこと・聞くこと,書くこと,読むことという領 域を基に設定しているが,国語学・国文学・心理学などの関連学問領域の成果についても触れる。 到達目標 話すこと・聞くこと,書くこと,読むことというそれぞれの言語活動における子どもの言語表現や反応,さらには言語教育の理 論と実践について考察することを通して,みずからの言語指導に活かす指針を得る。 授業計画 第1回 幼児・児童の言語とその教育についての研究の概観 第2回 幼児期の言語発達 第3回 学童期の言語発達 第4回 音声言語コミュニケーション能力の発達―入門期― 第5回 音声言語コミュニケーション能力の発達―中学年以降― 第6回 文学作品に対する子どもの反応の発達―参加者的スタンス― 第7回 文学作品に対する子どもの反応の発達―観察者的スタンス― 第8回 説明的文章の読みの発達―小学校低学年から中学年― 第9回 説明的文章の読みの発達―小学校高学年から中学校― 第10回 作文における言語表現の発達―小学校低学年から中学年― 第11回 作文における言語表現の発達―小学校高学年から中学校― 第12回 幼児・児童の言語教育に関する理論と実践① 第13回 幼児・児童の言語教育に関する理論と実践② 第14回 幼児・児童の言語教育に関する理論と実践③ 第15回 各領域の成果と展望 評価の方法 授業中の発言内容50%(文献の内容についての疑問や,他学生の意見へのコメントなど),期末レポート50% 受講の心得 毎回の授業で行うディスカッションに積極的に参加すること。 毎回の授業で用いる文献を予習する際に,複数の疑問・意見を挙げておくこと。 使用テキスト 毎回プリント資料を配付する。 参考書 『国語科教育学研究の成果と展望Ⅱ』,全国大学国語教育学会編,学芸図書 − 68 − 子どもと英語コミュニケーション特論 大橋 典晶 開講年次 開講期 単位数 必修・選択 1年 前期 2単位 選択 授業概要 英語教育と国際理解教育の接点に基づく英語教育人間学を基盤として,児童に対する英語によるコミュニケーション力の育成の ためのカリキュラム・教材開発やオリジナルな指導法に習熟し,コミュニケーションへの積極的態度(マインド)を基盤にした国 際人育成の考え方・進め方を具体的実践を通して習得する。 到達目標 英語教育と国際理解の関係理解に基づいて,日本語を母語とする児童が外国語として英語を学び,英語コミュニケーション能力 を習得する意義・内容・方法の概要を把握し,児童英語コミュニケーションの内容と教材化の方法を具体的につかむとともに,児 童英語コミュニケーションの育成法を学習場面に合わせて習得することを目指す。 授業計画 第1回 英語教育の目的・目標 第2回 英語コミュニケーションの本質 第3回 国際理解教育と英語教育の接点⑴:ことば・文化・社会 第4回 国際理解教育と英語教育の接点⑵:英語表現の発想と意味 第5回 英語と日本語のカルチャー・ギャップ⑴:ことばの共通性と異質性 第6回 英語と日本語のカルチャー・ギャップ⑵:日英語の発想・文化比較 第7回 児童英語コミュニケーションの特質⑴:コミュニケーションの本質的意義 第8回 児童英語コミュニケーションの特質⑵:こどもの発達と英語コミュニケーション 第9回 英語コミュニケーションマインド・スキルの習得⑴:英語能力の全体構造 第10回 英語コミュニケーションマインド・スキルの習得⑵:英語能力の習得法 第11回 児童英語コミュニケーションの内容と教材化の方法⑴:コミュニケーション教材の特徴 第12回 児童英語コミュニケーションの内容と教材化の方法⑵:モデル教材の分析 第13回 児童英語コミュニケーションの内容と教材化の方法⑶:教材化の具体的方法 第14回 児童英語コミュニケーションの育成法⑴育成上の基本的留意点 第15回 児童英語コミュニケーションの育成法⑵具体的育成法 定期試験等 小テスト,および,レポート 評価の方法 発表・提出レポート(50%),受講態度(50%)により評価する。なお,発表・提出レポートは指定・自由課題についての調 査・研究の口頭発表及びレポート提出で,主として講義内容への理解度と研究姿勢によって評価する。また,受講態度は予習・講 義内容などに基づく講義中の発言や疑問点への解決姿勢などを意味し,「講義への参加度」がどれほどかを評価する。 使用テキスト 『英語教育人間学の展開』,松畑熙一著,開隆堂書店 参考書 『英語力とは何か』,山田雄一郎著,大修館書店 − 69 − 子どもと音楽演習 小野 文子 開講年次 開講期 単位数 必修・選択 1年 後期 2単位 選択 授業概要 子どもと音楽の関係や年齢に応じた音楽活動についての知識を整理する。次に,現場における自らの実践事例記録などで観察さ れる様々な課題を分析し改善することを通して,子どもと音楽の関係性に対する理解を深める。その上で,主たる表現手段として ピアノを用いて実践的な表現方法のあり方を考察し,より発展的な表現技法や表現形態についても考察を進める。 到達目標 子どもの人格発達において音楽的感性や表現力を培うことは重要なことである。本授業では,子どもの音楽的成長と発達につい て理解し,子どもの感性を育むための音楽の役割について理解する。また,子どもと関わる保育者・教師自身による豊かな音楽的 感性や表現力を身につける。さらに,子どもが豊かな音楽表現を身につけるためには,どのような音楽的活動を経験させ,どのよ うな指導・援助を行うことが望ましいのかについて多面的に考察する。加えて,保育・教育現場における具体的課題への接近方法 を探究する。 授業計画 第1回 音楽の三要素 第2回 子どもと音環境 第3回 子どもの成長と音楽体験,さまざまな音楽 第4回 子どもの動きと音楽(拍節的な動きと音,拍節的でない動きと音) 第5回 音楽表現の企画(教材,表現技法を中心に) 第6回 音楽表現の実践(実践の観察と分析,検討) 第7回 現場での音楽表現事例①(記録を分析,検討−子どもの様子と楽曲,表現技法を中心に) 第8回 現場での音楽表現事例②(記録を分析,検討−子どもの様子と音楽形態,表現技法を中心に) 第9回 音楽表現を支える,強弱,速度,音色を意識した伴奏法 第10回 音楽表現を支える伴奏法,即興演奏法 第11回 アンサンブル 第12回 歌う活動と弾く活動の展開例 第13回 創る活動と弾く活動の展開例 第14回 伴奏技術の研究法考察 第15回 伴奏法技術の実践 評価の方法 授業内での取り組み30%,技術・理論の獲得50%,レポート20%によって評価する。 受講の心得 授業で習得した技術が次回の授業で表現・発揮できるよう,努力してください。 使用テキスト ドロシー・T・マクドナルド/訳 神原雅之「音楽的成長と発達」1999年 渓水社。 参考書 ギロック「ピアノ・ピース・コレクション1」全音楽譜出版社 ギロック「ピアノ・ピース・コレクション2」全音楽譜出版社 − 70 − 子どもと美術演習 柏原 寛 開講年次 開講期 単位数 必修・選択 1年 後期 2単位 選択 授業概要 子どもが美術・造形を行う「環境」について探求する。学校内に限らず,家庭,地域という「空間」としての環境だけでなく,異年 齢,異言語,親子,地域の人材など「人」との関わりについても可能性を検討する。企画,準備,運営,まとめなど,プロジェクトとし てまとめることで美術・造形に関する教育環境についての理解を深める。 到達目標 美術・造形に関わる様々な要素を統合し,プロジェクトとして実施しまとめることができるようになる。 授業計画 第1回 あそびの感覚 第2回 課題探索 1(アイディアブレスト) 第3回 課題探索 2(問題提起) 第4回 リサーチ 1(素材集め) 第5回 リサーチ 2(素材検討) 第6回 ビジョン・ゴール設定 第7回 計画 1(全体プラン) 第8回 計画 2(詳細プラン) 第9回 制作 1(協力依頼) 第10回 制作 2(プログラム関連) 第11回 実践 1 第12回 実践 2 第13回 再構築(振り返り) 第14回 検証 1 第15回 まとめ・発表 評価の方法 毎回のまとめシート30%,最終ポートフォリオ70%として評価する。 受講の心得 美術・造形をもとに様々な関わりを想定しながら,自身で教育環境を構築できるようになる。そのためには,日頃から「学び」 が生じるポイントやプロセスに対する感度を高めてほしい。 使用テキスト 適宜,提示する。 参考書 適宜,提示する。 その他 はさみ,のり,テープ,色鉛筆,水彩絵具,定規,コンパス,カッター,スケッチブックなど,様々な画材,素材を使用しま す。詳しい授業の準備物は授業の中で提示します。 − 71 − 小野文子・荻野竜也 佐々木弘記・中 典子 子ども学特別研究 開講年次 開講期 単位数 必修・選択 1・2年 通年 8単位 必修 授業概要 入学後,院生は研究指導教員と話し合い,修士論文としてふさわしい研究テーマを設定する。特に,実践現場にある者に対して は,大学院入学の契機となった解決課題を中心的テーマとするように指導する。研究テーマに応じて決定された研究指導教員が修 了まで一貫して指導する。目安として,1年次では主として研究テーマに沿った先行研究の文献や資料を収集することで研究分野に 関する理解を深め,具体的な研究計画を完成させる。1年次後半から2年次にかけてデータや資料を収集,解析し,修士論文の執筆 を進める。現職の社会人や実践経験のある学生では,自ら体験した事例や,現場で集めたデータを基に研究を進めることを原則と する。2年次後半で研究の仕上げを行い,修士論文を完成させる。 到達目標 子ども学の本質・内容・方法に関する基本理解に基づいて, ・自ら事象を分析し,何が問題であるかを見出し,解決法を探る力を身につける。 ・子ども学の基礎的な研究手技を身につける。 ・論理的で普遍性のある表現力を身につける。 以上を踏まえたうえで修士論文を完成させる。 授業計画 吉田 則夫:幼児・児童・生徒の言語についての分析方法,またその教育についての課題に関する研究指導を行う。 荻野 竜也:神経心理学的手法を用いて発達障害の発症機序や治療教育の方法についての研究指導を行う。 小野 文子:ピアノ奏法を通して作品の様式及び楽曲への理解を深めることを研究課題とし,演奏における技術と表現力に関す る研究指導を行う。 佐々木弘記:教育方法学,教育工学の手法を用いて,教授−学習過程やメディアの活用に関する理論的・実証的研究の指導を行 う。 中 典子:事例研究の手法を用いて学校をベースに展開するソーシャルワークプロセスに関する研究指導を行う。 評価の方法 執筆された修士論文を学位審査委員会で審査する。表現系の場合は論文とともに作品や実演も審査の対象とする。その内容は, 受講中の討論や中間発表での議論が反映されていることと,高度専門職業人や研究者としての問題解決の基礎的能力を身に付けて いると認定できることが求められる。 − 72 −
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