野口健による エベレスト・富士山 同時清掃

2011
野口健による
エベレスト・富士山
同時清掃
協力企業
(50音順)
IWC(INTERNATIONAL WATCH COMPANY)
尾西食品株式会社
コスモ石油株式会社 コールマンジャパン株式会社
ソニー株式会社
日本たばこ産業株式会社
日本ナチュロック株式会社 株式会社ニューバランス・ジャパン
株式会社ノエビア
株式会社ピュアーライフ
富士急行株式会社 富士電機株式会社
メルセデス・ベンツ日本株式会社
ご挨拶
エベレストに初登頂することができた翌年(2000年)より、
下にあったごみが、大量に出てきている。
エベレストの清掃活動を行った。当時、今ほど、環 境活動
もう一度、このエベレスト清掃活動や温暖化の影響によって
やエコロジーという言葉も浸透していなかった。そんな中で
氷河が融解していることを世界に伝えるべきだ。
も、活動を理解し、支えてくれるスポンサー企業や仲間が集
私は、ダワ・スティーブン・シェルパ率いるネパール隊との
り、エベレスト清掃活動に協力してくれた。
合同によるエベレスト清掃活動を行う事とした。
特に難しかったのが、カースト制度があるネパールで、一
一度、離れたエベレスト清掃活動。しばらくエベレストから
緒に山に行くシェルパたちを説得することだ。シェルパの階
離れていたが、またこうしてエベレストに帰ってくる事になっ
級では、ごみ拾いをしないというのだ。
たのだ。
しかも、エベレストに登るために命はかけても、清掃活動
そして、今年は、エベレスト・富士山同時清掃も復活。富
に命はかけられないと、彼らは言った。私は、何度となくネパー
士山清掃隊長は、もちろん、女優の若村麻由美さん。富士
ルを訪れ、シェルパたちと話し合いをした。
山清掃も約10年続けているが、
「ネパールの誇りであるエベレストをあなた達の子どもたちが
年々参 加 者は増え、 清 掃 活 動の輪は全 国に広がっている。
大きくなっても誇れる綺麗な山にしよう」と説得した。はじ
私以上に深い思い入れを持ってくれている若村さんに富士山
めは、渋々ついてきたシェルパ達だったが、活動しているう
清掃を任せ、
ちに、清掃活動の意味を理解してくれるようになった。
私はエベレスト清掃に専念したい。
未曾有の大震災後、私がやるべきことは何か、考え悩んだ。
2009年、昔から私たちの活動を見てきたダワ・スティー
暖房のない寒い避難 所では、毛布より寝袋が有効なのでは
ブン・シェルパは、
「ケン、これからは僕たちネパール人がエ
ないかと、すぐに寝袋を集め、被災地
ベレストをきれいにしていくよ。」と、私の活動を引き継いで
に送った。被害状況が日に日に甚大になる中、エベレスト清
くれた。清掃活動をシェルパに理解してもらうために、話し
掃活動を行うべきか悩んだが、自分のやるべきことは何かを
合った日々から10年、若いシェルパ自ら、私の活動を引き継
考えたとき、やはり、今はエベレストの活動を
いでくれた。私の活動が本当の意味で成功したと確信した。
行い、帰国後、新たに被災地の支援を行おうと決めた。
今、ヒマラヤでは、地球温暖化の影響のため、大量の氷
このような状況の中、私の活動を理 解し協力してくれる多
河が溶けだしている。そのため、数十年前に捨てられ氷河の
くの方々に、深く感謝の意を表したい。
野口 健
富 士 山から日本を変える” を合言 葉に野
Since I was a young boy, Ken Noguchi
口健 氏とNPO法人富士山クラブが 活動を始
San has been my hero and inspiration
めて12年。全国の子供から大人まで、述べ3
to clean our mountains and take care
万8千人以上の参加者の力で、富士山は生ま
of our environment. For many years I
れ変わりつつあります!みんな富士山が大好
have admired his love and commitment
き!やっぱり“ 富士山 ”は私たちの心のシン
fo r th e m o u ntains . I t gives m e g re at
ボルなのです。 私 が 清 掃 活 動に初 参 加した
pleasure and honour to work together
2002年を振り返ると、世の中の環境への意
with Noguchi San to clean Mt. Everest
識は驚くほど急 速に変化しました。2006年
this year in 2001.
から始まったヒマラヤ・富士山同時清掃では、
日本から世界へ 繋がり更に地 球 環 境へと意
僕が子どもの頃から、ケンさんは僕のヒー
識が広がっていく子 供たちの目を見てきまし
ローだった。僕は、彼から僕たちの山をきれ
た。「 ゴミを拾う」 些 細な事ですが、 日頃か
いにし、環境問題に取り組む事を学んだ。僕
ら心 掛けるのはなかなか難しいものです。で
は、ずっと、彼の山に対する愛情と責任感を
も、
「ゴミを拾う」と「ゴミを捨てなくなる!」
素晴らしいと思ってきた。
という事 実にも気付き、
「 ゴミを見れば社 会
2011年、ケンさんと一緒にエベレスト清掃
が見える」という所まで辿りつきました。正
活動を行うことは、僕にとって、大変な喜び
に継続は力。途方も無く感じても「みんなの
であり、誇りです。
心と力を合わせれば、必ず目標に近付ける!」
という事を毎年実感させていただいています。
私達は『東北地方太平洋沖地震』で、あまり
にも大きな犠牲と痛手を背負いました。しか
し、どんなに苦しくても支え合って前に進む!
それが、今を生きる証、生かされている意味
だと思っています。
富士山清掃隊長 若村麻由美
ネパール隊 隊長 Dawa Steven Sherpa
野口健が清掃登山を始めた理由
野口健が清掃登山を始めた理由エベレスト初挑戦の野口に待ち受けていたのは、
「エベレストをマウント
フジのようにするのか。」「日本の経済は一流だが、文化、マナーは三流だ。」等の欧米人登山家からの
言葉と日本隊を含め登山家が捨てていくゴミの山でした。日本を侮辱されるとともに、山でのゴミ問題
に気づかされた野口は、”清掃登山”を決意しました。自らが挑戦し続け、憧れてきたエベレストでの清
掃活動と同時に、過度の不法投棄で悩まされていた日本の象徴と言える富士山での活動をスタートさせ
ました。しかし、当時、エベレストではシェルパ達に、活動の意義をなかなか理解してもらえませんでし
た。また、富士山においても、清掃活動に参加してくれるボランティアは集まりませんでした。それから、
10年、環境の「環(かん)」は「環(わ)」とも読めるように次第に活動の輪が広がり、当初シェルパに
理解が得られなかったエベレストでは4年間にわたる活動によって、酸素ボンベ500本以上を含む延べ
約8tのゴミの回収に成功。富士山では年間100人に満たなかった参加者がこの10年で年間7000
人に近づき、不法投棄の回収量も年間約60tにもなりました。
なぜ、再びエべレストなのか
野口はここ数年、ヒマラヤにおける氷河湖調査やマナスル峰への挑戦など、他のプロジェクトによって
エベレスト清掃から離れていました。この活動を引きいだダワ・スティーブン・シェルパは、
「ケン、あの頃と違うのは最近は温暖化の影響でエベレストの氷河も溶けているんだ。
溶けた氷河の中から古いゴミが沢山でてくるんだ」
そして
「リーマンショック後、世界中が不景気で環境問題に関心を持たなくなりつつある。もう一度、このエベ
レスト清掃活動や温暖化の影響によって氷河が融解していることを世界に伝えるべきだと思うんだ」
との彼の懸命な言葉から野口自身も今春再びエベレストでの活動に戻ることを決意しました。
世界から注目が集まるエベレストでの清掃活動を外国人である野口隊と現 地人であるシェルパ隊との合
同隊で行うことによって、日本へ、世界へとエベレストからの環境問題を再び訴えていきます。
エベレスト・富士山同時清掃
野口隊が、エベレストにて登山家が投棄したゴミの回収を行うのと同時に、日本の象徴である富士
山では一般参加者を募って清掃活動を行い、日本と。ネパール両国の友好を図り、環境への意識
啓発を図ります。また同時清掃終了後、テレビ電話にて衛星中継を行い、そしてお互いの活動報
告を行います。ヒマラヤと富士山での同時清掃は、今回で5回目となります。
エベレスト
富士山
野口隊とネパール 隊の合同による
清掃活動。ネパール側のベースキャ
ンプ
(5300m)からキャンプ1、キャ
ンプ2、キャンプ3、そして最終キャ
ンプ(7900m)に酸素ボンベ、食糧
NPO法人富士山クラブが中心となって一般参加者を募り、富士山樹海に
の食べ残し、テント、ロープなどを
不法投棄されている産業廃棄物の清掃活動を行います。そして今年も富
約2ヶ月にわたり生死を掛け展開させます。またソーラークッカーやバイ
士山清掃隊長は女優の若村麻由美さん。多くのボランティアの方々が参
オトイレ等を使 用し、可能な限り環 境に配慮した清掃 登山活動を行い
加してくれます。
ます。
野口隊(隊長 野口健、日本人隊員3名、ネパール人隊員10名)と
ネパール・シェルパ隊(隊長ダワ・スティーブン・シェルパ)による
富士山清掃隊(隊長 若村麻由美)
合同清掃隊
一般参加者 120名
目標回収ごみ総量 1t
目標回収ごみ総量 3t
エベレスト清掃活動 スケジュール
2011年
富士山清掃 概要
4月2日
先発隊 日本出発
日時 :
2010年4月23日(土)
4月7日
野口健 日本出発
場所 :
山梨県富士河口湖町周辺
4月9日
キャラバンスタート
参加費:
新宿発着お一人さま6,000円(大人子ども同額)
4月17日頃
ベースキャンプ到着
4月20日∼
エベレスト清掃活動開始
4月23日
エベレスト・富士山同時清掃
5月20日頃
エベレスト清掃活動
11:00
6月初旬頃
日本帰国予定
12:00 -14:00 清掃活動 現地参加お一人さま6,000円 (大人子ども同額)
スケジュール: 8:00
集合/出発
JR新宿駅西口 三菱東京UFJ銀行前
昼食 野鳥の森公園(西湖)
14:30 -16:00 同時衛星中継(富士山クラブ「森の学校」)
16:30
森の学校出発 19:00頃
到着/解散新宿西口
主催:
NPO法人セブンサミッツ持続社会機構
協力:
NPO法人富士山クラブ
旅行実施:
富士急トラベル株式会社
お問合せ:
ツアーセンター首都圏 03-3376 - 6411
野口健 登山歴
1989年
☆フランス・モンブラン(4807 メートル) 16歳
1990年
☆タンザニア・キリマンジャロ(5895 メートル) 17歳
1992年
☆オーストラリア・コジウスコ(2240 メートル) 19歳 ☆アルゼンチン・アコンカグア(6965 メートル) 19歳
1993年
☆アメリカ・マッキンリー (6149 メートル) 19歳
※5大陸最高峰世界最年少登頂記録達成・日本人マッキンリー最年少登頂記録
☆南極・ビンソン・マシフ(4897 メートル) 21歳 ※6大陸最高峰世界最年少登頂記録達成
1995年
★ロシア・エルブルース(5642 メートル) 22歳
1996年
☆ロシア・エルブルース(5642 メートル) 22歳 中国・チョーオユ(8201 メートル) 23歳
1997年
★中国・チョモランマ(エベレスト、8848 メートル) 23歳
1998年
★ネパール・サガルマータ(エベレスト・8848 メートル) 25歳
1999年
☆ネパール・サガルマータ(8848 メートル) 25歳
※7大陸最高峰世界最年少登頂記録達成2000年エベレスト清掃登山 26歳
2001年
エベレスト清掃登山 27歳
2002年
エベレスト清掃登山 28歳
2003年
エベレスト清掃登山 29歳
2005年
☆チベット・シシャパンマ(8027メートル) 31歳
2006年
マナスル清掃登山 32歳
2007年
☆中国・チョモランマ(エベレスト、8848 メートル) 33歳
2008年
ヒマラヤにおける氷河融解調査 エベレストベースキャンプにて清掃活動 34歳
2009年
★マナスル峰(8163メートル) 35歳
マナスル峰のふもと、サマ村との合同清掃活動
2010年
☆ルェンゾリ山(5019メートル)、ケニア山(5199メートル)、キリマンジャロ山(5895メートル)37歳
注)☆は各大陸最高峰 ★は撤退
隊員
エベレスト清掃 野口隊長:
野口健
野口隊 撮影班:
平賀淳
野口隊 サポートスタッフ:
小島光輝
エベレスト清掃 ネパール・シェルパ隊長: ダワ・スティーブン・シェルパ
富士山隊長:
若村麻由美
富士山副隊長:
舟津宏昭(富士山クラブ)
緊急連絡先
日本
ネパール
野口健事務所
在ネパール王国日本大使館
〒154- 0016 東京都世田谷区弦巻2-17-19
住所: Panipokhari, Kathmandu, Nepal
TEL: 03-3426 -2487
郵便私書箱P.O.Box: 264
FAX: 03-34426 -3452
TEL: 977(国番号)-1-4426 - 680
[email protected]
FAX: 977-1-4414101
開館時間9時~13時、14時半~17時(月~金)