平成18年度 実験動物二級技術者認定試験 (一 各 般) 論(問 題) (トリ類) 試験時間:10時00分~12時00分 解答は解答用紙の該当欄の○を鉛筆で黒く塗りつぶして下さい。 ○をはみ出したり塗りつぶし方が不十分にならないよう注意して下さい。 平成18年11月26日 (社)日本実験動物協会 各論:トリ類 (問 題) それぞれの設問について、該当するものを選び、解答用紙の該当欄の○を鉛筆で黒く塗り つぶして下さい。 〔問 題〕 1.畜産用ニワトリの分類として、正しいのはどれか。 卵用種 1) ファヨウミ 2) 横斑プリマスロ ック 肉用種 兼用種 愛玩種 ロードアイランドレッド ウコッケイ コーニッシュ ブラックミノルカ コーニッシュ ウコッケイ 3) 白色レグホン 白色ロック ナゴヤ セブライトバンタム 4) ナゴヤ 白色レグホン ウコッケイ オナガドリ 2.下記の記述のうち、正しいのはどれか。 1)ニワトリの平均寿命は 5~8 年であるが、最長 35 年という記録もある。 2)実験動物としてのニワトリの寿命は、繁殖性の点から 10~20 年であろう。 3)ニワトリの原種は、東南アジアに生息する赤色野鶏のみであるとする単元説のみで ある。 4)ニワトリの原種は、赤色野鶏に加え他の野鶏もかかわっているとする多元説のみで ある。 3.ウズラに関する記述として、正しいのはどれか。 1)日本ウズラは日本だけに生息している。 2)モンゴルには日本ウズラが生息している。 3)日本に野生のウズラは生息していない。 4)実験動物として使用されているウズラは、中国ウズラを家禽化したものである。 4.下記の図中、性差を示す部位の組み合わせはどれか。 1)A:B:C:D 2)A:C:E:H 3)A:D:E:I 4)D:F:H:J 1 5.トリ類に関する記述として、正しいのはどれか。 1)白色レグホン種(Line-M)の体重は、雄が約 2.3kg、雌が約 1.9kg である。 2)ガチョウ及びハト等が実験動物として使われることはない。 3)アヒルの有精卵は、マウスの使用数と同じくらい使用されている。 4)ニワトリの有精卵の使用数は、マウスの使用数に匹敵する。 6.ニワトリの骨格系に関する記述として、正しいのはどれか。 1)頭骨として上顎骨以外は、固着して一塊となっている。 2)骨は軽くする必要から骨質がうすく空洞に富む。 3)肢骨は後肢骨のみからなる。 4)体重の支持及び歩行が全て後肢により行われるため、後肢の発達は弱い。 7.ニワトリの神経系に関する下記の文中の括弧内に該当する組み合わせとして、正しい のはどれか。 「ニワトリの脳及び(A)は原則的には哺乳動物のそれと変わりない。しかし、大脳に は(B)、 (C)がなく、 (D)は長く突出している。また、 (E)の発達が悪い。しかし、 (F) の発達は良い。」 1)A:中枢神経 B:皮質 C:視床下部 D:中脳 E:嗅球 F:大脳 2)A:延髄 B:髄質 C:下垂体 D:前庭部 E:大脳髄質 F:中脳 3)A:抹消神経 B:脳髄 C:嗅球 D:大脳皮質 E:小脳 F:間脳 4)A:脊髄 B:脳梁 C:海馬 D:嗅球 E:大脳皮質 F:小脳 8.ニワトリの呼吸器系に関する記述として、正しいのはどれか。 1)哺乳類の横隔膜に相当するものがない。 2)斜隔膜は哺乳類の横隔膜に相当する。 3)肺は呼吸に際して著しく伸縮しない。 4)肺における血液のガス交換のための空気の出入りには、気管の拡張及び収縮が関与 している。 9.ニワトリの内臓系に関する記述として、正しいのはどれか。 1)そ嚢は、胸腔入口近くの正中線の右側に存在する。 2)腎臓は左右 1 対からなる暗褐色で、球状の弾力性に富んだ臓器である。 3)膵臓は小腸と大腸の間にあり、黄色または黄赤色の腺である。 4)脾臓は赤褐色で球形の大きな器官である。 2 10.ニワトリの消化器系に関する記述として、正しいのはどれか。 1)そ嚢の主な役目は食物の破壊であり、壁の構造は食道とほぼ同じである。 2)前胃は紡錘形に似た形態をしており、筋胃の後に位置する。 3)前胃は哺乳類の胃底腺に相当し、胃液及び酵素を分泌する。 4)筋胃は前胃に続く部分で、哺乳類の噴門腺部に相当する。 11.ニワトリのファブリシウス嚢に関して、正しい記述はどれか。 1)トリ類特有の器官である。 2)ファブリシウス嚢内部は、抗原産生前駆細胞(IL 細胞)が満ちている。 3)B 細胞、T細胞及び NK 細胞の発見に寄与した器官である。 4)総排泄腔の腹壁にある。 12.ニワトリの腎臓及び肝臓に関する記述として、正しいのはどれか。 1)腎臓は哺乳類より体に比較して小さい。 2)腎臓は前、後の 2 葉から構成され、それぞれ多くの腎葉から構成されている。 3)肝臓は最大の器官で、左右両葉に分かれている。 4)肝臓は褐色で、哺乳類のそれより固くて弾力性がある。 13.ニワトリの雄の生殖器系に関する記述として、正しいのはどれか。 1)精巣は白色の卵形で身体に比較して大きく、腹腔内の背側に存在する。 2)精巣上体は哺乳類のそれより著しく小さく、精巣の外側に隆起物として存在する。 3)精管は精巣上体に続く褐色の細管で、曲がりくねりながら尿管で尿道開口部の後位 に開口する。 4)陰茎がよく発達しており、退化交尾器により精液は雌の子宮へ流入される。 14.ニワトリの雌の生殖器に関する記述として、正しいのはどれか。 1)卵巣と卵管からなり、いずれも右側のもののみ発達する。 2)未発育な左側生殖器は、痕跡程度に総排泄腔に残存する。 3)成熟雌の卵巣は、卵胞が多量の卵黄を含み大型であるため、各細胞が表面にぶどう の房状に突出し、腹腔を満たしている。 4)子宮は漏斗部、膨大部、峡部、膣部よりなる。 15.ニワトリの内分泌系に関する記述として、正しいのはどれか。 1)内分泌器官は哺乳類と同様である。 2)ウルチモブランキアル体は、頸動脈に沿って左右 1 対存在する。 3)鰓後小体は副腎の近位にある。 4)カルシトニンは副甲状腺から分泌される。 3 16.ウズラのクロアカ腺に関する記述として、正しいのはどれか。 1)クロアカ腺があれば雄と判定してよい。 2)クロアカ腺がなければ雄と判定してよい。 3)クロアカ腺の有無は性別に無関係である。 4)マウス、ラットにおける膣腺に相当する。 17.ウズラの外形に関する記述として、正しいのはどれか。 1)我が国で実験に使われているウズラは、ヨーロッパで肉用に改良されたウズラより 大きい。 2)我が国で実験に使われているウズラは、ヨーロッパで肉用に改良されたウズラより 小さい。 3)成鳥の大きさは、カラスとキジの中間くらいの大きさである。 4)成鳥の体重は、雄が 120~140g、雌が 100~115g である。 18.ウズラの骨格系に関する記述として、正しいのはどれか。 1)腰椎は 8~10 の椎骨からなり、すべて癒合している。 2)腰椎の最後の椎骨は、最初の仙椎と癒合している。 3)尾椎は約 7 つの椎骨からなり、2~6 の椎骨は癒合している。 4)肋骨は約 14 対ある。 19.ウズラの神経系に関する記述として、正しいのはどれか。 1)脳重量は体重の約 8%である。 2)脊髄は 40 の分節に分かれ、各分節に神経が 1 対ある。 3)頚神経は 7 対ある。 4)胸神経は 15 対ある。 20.ウズラの呼吸器系に関する記述として、正しいのはどれか。 1)呼吸器官として気嚢は、トリ類と魚類に特有なものである。 2)気嚢は内面が粘膜、外面が体腔漿膜からなる。 3)気嚢の内面と外面の間に、少量の筋肉組織を含む薄膜がある。 4)気嚢の内面と外面の間の薄膜中に、多量の漿液を含む。 21.ウズラの内臓系に関して、正しい記述はどれか。 1)臓器の位置及び形態は、ニワトリのそれとは大きく異なる。 2)そ嚢は胃壁の一部が拡大してできたものである。 3)そ嚢の主な役目は食物の貯蔵である。 4)そ嚢は個体によって差があるが、18~19g の食物を貯蔵可能である。 4 22.ウズラの腸管に関する記述として、正しいのはどれか。 1)大腸は 1 つの盲腸と 2 つの結腸からなる。 2)盲腸は長い袋状の腸で回腸へ開口している。 3)結腸は小腸と接続しているが、小腸より細い。 4)結腸は総排出腔に開口している。 23.ウズラの生殖器系に関する記述として、正しいのはどれか。 1)雄の生殖器は、2 対の精巣と 1 対の精管と貯精嚢、1 つの退化交尾器からなってい る。 2)雄の生殖器は、1 対の精巣、精管、貯精嚢と 1 つの退化交尾器からなっている。 3)雌の生殖器は卵巣と卵管からなり、いずれも左側のものが退化している。 4)雌の生殖器は卵巣と卵管からなり、いずれも右側のものだけが発達している。 24.ニワトリの近交系及び系統について、正しい記載はどれか。 1)近交係数が 99.85%以上の閉鎖集団を近交系とみなす。 2)血縁係数が 80%以上の閉鎖集団を近交系とみなす。 3)近交係数が 2~5%以上の閉鎖集団を系統とみなす。 4)近交係数が 12~15%以上の閉鎖集団を系統とみなす。 25.ニワトリの飼育器材と対応する週齢の組み合わせはどれか。 1)育雛器 :(0~4 週齢) 2)中雛用ケージ:(9~17 週齢) 3)大雛用ケージ:(17~24 週齢) 4)成鶏用ケージ:(25 週齢以上) 26.ニワトリの 1 日あたりの給餌量として、正しい組み合わせはどれか。 1)幼雛:15g 2)中雛:35g 3)大雛:75g 4)成鶏:150g 27.ニワトリの給水について、正しい記載はどれか。 1)育雛器においてはピックを用いる。 2)中雛以降は給水瓶によるのが主流である。 3)ピックを用いる際は、自動給水なので日々の点検は不要である。 4)ニワトリの給水量は、飼育環境(室温、飼料の形状等)によって異なる。 5 28.ニワトリとウズラの個体識別法に関して、正しいのはどれか。 1)ニワトリ用には、番号が刻印されているステンレス製の翼帯が市販されている。 2)ニワトリ初生雛には、アルミニウム製の翼帯を脚に巻きつけ、4 週齢くらいで翼に つけ替える。 3)ウズラでは、3 週齢時に銅板の脚帯からニワトリ用脚帯を流用した翼帯につけ替え る。 4)ウズラでは、3 週齢時に付け替えた脚帯番号が、そのウズラの一生の個体番号とな る。 29.下記のうち、遺伝性疾患でないものはどれか。 1)尻つつき 2)高血圧症 3)筋ジストロフィー症 4)アテローム性動脈硬化症 30.ニワトリ性成熟、繁殖適期、交配に関する記述として、正しいのはどれか。 1)性成熟及び繁殖適期は平均 150 日齢で、繁殖成績がよいのは最初の 1 年間である。 2)交配は雌と雄を同居させて行う自然交配だけが行われる。 3)交配する時には、雄 10 羽くらいに対して、雌は 1 羽を同居させる。 4)繁殖のための室温は 20℃前後、明暗は 10 時間明、14 時間暗がよい。 31.有精卵の一時的な貯卵に関して、正しい記述はどれか。 1)採卵した卵は、使用時まで室温15℃くらいの冷暗所に保存する。 2)貯卵期間は、12 週間を限度とする。 3)貯卵時には、卵の鈍端を上にしてはならない。 4)貯卵時には、卵を横にねかせる。 32.孵卵に関して、正しい記述はどれか。 1)ニワトリ用孵卵器(温度 38.5℃、湿度 65%前後)に入卵する。 2)孵卵器に入卵する際は、種卵を柔らかい布等を使いアルコールあるいは塩素消毒薬 で洗浄する。 3)卵台には卵の鋭端を上にして並べる。 4)孵卵器の消毒には、ホルマリンガスによる燻蒸が行われている。 33.検卵について、正しい記載はどれか。 1)入卵後 10 日及び 20 日後に、種卵が発育しているか否かを判定するために行う。 2)正常に発育している卵では、黒点あるいは黒ずんだ部分が見える。 3)無精卵は全体が透明である。 4)中止卵でも血管の走行が見られ、胚や血管が卵殻を通して透視できる。 6 34.ハッチャーおろし及びヒナ出しについて、正しい記述はどれか。 1)入卵後 21 日に発育卵を卵台からハッチャー(孵化棚)におろす。 2)ハッチャーにおろす際、系統別あるいは試験区別におろす必要がある時は、ハッチ ャーに仕切りを入れる。 3)入卵後 18 日に孵化したヒナをハッチャーから取り出し、育雛器に移す。 4)入卵後 27 日に孵化したヒナをハッチャーから取り出し、育雛器に移す。 35.ニワトリの育成に関して、正しい記述はどれか。 1)0 週齢から育雛器で飼育する場合、数日間は餌を新聞紙等の上にまいて与える。 2)0 週齢から育雛器で飼育する場合、給水器は育雛器内に置く。 3)給餌、給水量は育成するヒナの数に関わらず、できるだけ大量に与える。 4)4 週齢頃より外に設置した水トヨ、餌トヨから摂水、摂餌させるようにする。 36.ニワトリの育雛器の管理に関して、正しいのはどれか。 1)育雛器の熱源室の温度は、孵化後 1 週間では 37~38℃とする。 2)孵化後 2 週間から毎週少しずつ温度を下げ、5~6 週齢で 15~20℃にする。 3)運動場が広ければ、熱源室の温度を下げなければならない。 4)中雛以上の室温は 25℃前後あればよい。 37.ウズラの性成熟に関して、正しいのはどれか。 1)雌雄とも 6~7 週齢で性成熟に達する。 2)雄の繁殖適期は 10~12 カ月齢である。 3)雄は 6 カ月齢以上になると、授精能力が低下する。 4)雌は 2 年齢でも産卵する。 38.ウズラの孵卵及び検卵について、正しいのはどれか。 1)孵卵温度はニワトリより高めの 39℃で行う。 2)検卵は、入卵後 5 日と 10 日に行う。 3)有色卵殻卵の場合は、検卵時に胚や血管が見やすい。 4)有色卵殻卵の場合は気室がはっきりしていて、かつ気室の下部が透明であれば有精 卵と判定してよい。 39.ウズラの育成に関して、正しいのはどれか。 1)給水にはピックが用いられている。 2)ピックからの給水を覚えさせるため、移動後 7 日間くらいは水トヨからも給水す る。 3)餌は、幼雛用の固型飼料を餌トヨから与える。 4)1 ケージ内の収容羽数は 3~5 羽である。 7 40.ウズラの飼育に関して、正しいのはどれか。 1)成熟ウズラ用には、4 つの小区画に分かれた市販のケージを用いる。 2)ケージの各区画に、雄 1~3 に対して雌 1 羽を収容する。 3)クランブル飼料(ペレットを砕いたもの)はほこりが出るため、実験用には不向き である。 4)中雛以上のウズラの飼育室の温度は、10~15℃がよい。 41.ニワトリの病名と外貌所見の組み合わせとして、正しいのはどれか。 1)鶏痘:奇声 2)ニューカッスル病:緑色下痢便 3)マレック病:発痘 4)伝染性喉頭気管炎:脚麻痺 42.外貌所見として「開口呼吸、黄色下痢便、奇形卵」を示すニワトリの病名はどれか。 1)伝染性ファブリシウス嚢病 2)鶏脳脊髄炎 3)伝染性気管支炎 4)伝染性コリーザ 43.ニワトリの取り扱いに関して、正しいのはどれか。 1)ワクチンの接種は、ニワトリを病気から守るための一般的な方法とはいえない。 2)孵化したヒナを遠方へ輸送する時は、餌付け前にする。 3)餌付け前の遠方への輸送は不可能である。 4)上膊静脈から毎週 2mℓ採血すると、産卵を続けることができなくなる。 44.下記のうち、正しい記述はどれか。 1)成熟ニワトリの体温は 38~40℃である。 2)成熟ニワトリの呼吸数は 40~90/分である。 3)ウズラの体温は 41~42℃である。 4)ウズラの呼吸数は 12~37/分である。 45.下記のうち正しい記述はどれか。 1)トリ類の精巣は下降せず、腹腔内に存在する。 2)ヨーロッパウズラと日本ウズラは同種である。 3)トリ類の染色体数は 40~50 に分布している。 4)トリ類の染色体数は 38~40 に分布している。 8 46.各種トリ類の分類について、正しい組み合わせはどれか。 1)ニワトリ :キジ目 キジ科 キジ属 ニワトリ種 2)ウズラ :キジ目 キジ科 ウズラ属 ニホンウズラ種 3)カワラバト :ハト目 ハト科 カワラバト属 カワラバト種 4)ジュウシマツ :スズメ目 スズメ科 スズメ属 ジュウシマツ種 47.下記の系統のうち目、嘴、脚に異常を示すのはどれか。 1)WE 系 2)PNN 系 3)GUB 系 4)ZN 系 48.ニワトリの人工授精について、正しい記述はどれか。 1)1 回の人工授精により、受精卵が得られる期間は最長 7 日後までである。 2)1 週間後の受精率は約 50%である。 3)2 週間後の受精率は約 25%である。 4)系統によって異なるが、毎週 1 回人工授精を行えば、受精率は 90%以上を確保でき る。 49.図1において、そ嚢はどれか。 1)⑪ 2)⑫ 3)⑬ 4)⑭ 図1 9 50.図1において、腎臓はどれか。 1)① 2)⑦ 3)⑲ 4)⑳ 10
© Copyright 2024 Paperzz