平成23年度 新プロジェクト創出コラボレーション促進事業成果報告 平成23年度 新プロジェクト創出コラボレーション促進事業成果報告 メタルファンテックグループ 環境にやさしい小規模酸洗浄装置及び 廃水処理装置の開発 代表企業:株式会社メタルファンテック (製缶・板金業) 住 所:〒577-0835 東大阪市柏田西3-12-12 事業成果 中和剤 代表者名:平井 敏治 電 話:06-6720-5585 製品 酸浸漬槽 洗浄槽 HNO3+HF 担当コーディネータ:前田 泰昭(大阪府立大学 地域連携研究機構 特認教授) 構成企業 ㈱下西製作所(マグネット及び応用製品製造) 、エバオン㈱(産業機器部材販売) 、 ㈱酒井製作所(プラスチック切削加工) 、㈱オーシン(IH土鍋等製造) 、 ㈱東穂(合成樹脂押出製造) 、㈱旭東商会(非鉄金属材料卸売販売) 、 朝日熱処理工業㈱(金属熱処理、表面処理) 、仙代テック㈱(清涼飲料水製造・販売) 、 ㈱アシステック(メカトロ商品開発設計) 沈殿物取出 本装置は、酸浸漬槽と洗浄槽と換気機構が略一体化システムとして構成される。 酸浸漬槽と洗浄槽は各々、内溶液を循環する仕組みを備えている。 酸浸漬槽は、硝酸とフッ酸の化合物を定量満たせるものとする。 酸浸漬槽には、酸溶液を循環する仕組みが装備されている。 循環により、イオン交換の速度が増し酸洗処理時間の短縮を促進する。 洗浄槽は、製品が酸浸漬槽から移動時、付着酸(HNO3+HF)が混入する。 洗浄槽は循環機構により、内容液を可動できる。 洗浄槽には中和剤が装備され中和処理を可能とする。 目 的 反応により硝酸イオンを含む水溶液とフッ素化合物に分離する。フッ素化合物は沈殿物として除去 ■ステンレスの酸洗い時に発生する酸洗浄水と酸蒸気を中和し、且つ溶解重金属の回収を容易にでき る装置をシステムとして完成させ、作業者の安全と環境への負荷の低減に寄与する装置の開発を検 討する。 ■本装置の開発から、新事業領域へのビジネス機会を模索する。 が容易となる。 洗浄槽は中和液を循環させることにより、製品面との擦れ量が増し洗浄時間の短縮を促進する。中 和液とマイクロバブルの流れが生じることで、手作業では洗浄し難かった製品の極隙間の残留酸の除 去効果が促進する。 換気機構は、槽から気化蒸気を吸引し水中を通過させ外部に排気する。気体は、水中では溶けやす 事業内容 く、中和剤などの添加も可能である。気化蒸気は、槽と同様の薬品と考え、反応は上記槽と同様と考 ステンレスの溶接加工は日常的に多くの業種で行われているものである。 溶接によって酸化した部分(スケール)を酸によって除去させることを酸洗いという。 酸を定量蓄えた槽に製品を浸漬させ、酸化還元反応により金属が溶解する原理を利用。 オーステナイト系ステンレス鋼の酸洗いに使用される酸は、硝酸とフッ酸を適度な割合で混合した える。 尚、硝酸を含む酸洗処理水は、硝酸イオン(NO3-)を沈殿物として分離することが難しく、今後 に技術課題を残している。 マイクロバブルの洗浄効果は広く知られているが、本装置への導入は今後の検討課題とする。 ものである。施錠保管が指定される毒物劇物取締法に従う危険物である。 その酸液に一定時間浸漬後、水道水で洗いさらに中和水で洗い流すことが一般的である。 酸洗浄における製品の極隙間から残酸の沁み出し防止に処理時間が掛かる問題がある。 町工場では環境への悪影響に対する認識が低く、酸洗処理水を無処理で下水へ流している。また、 作業者への薬品の知識、健康や安全性に対する教育や配慮が十分とは言えない。 今後の目標 1.実験装置の製作。 2.薬品に依る反応時間やPH計測、中和剤と新水の量等、性能データの蓄積。 〈これらの問題を解決する装置の開発を検討〉 ▶洗浄酸廃水の中和剤及びその促進方法について検討を行った。 ▶薬品使用量の軽減、酸蒸気の中和処理、洗浄水の使用量軽減について検討を行った。 ▶酸浸漬槽の仕様について検討を行った。 ▶マイクロバブルの洗浄効果について検討を行う。 ▶溶解金属を回収する手段について検討を行った。 11 3.危険薬品を扱うため、安全な取扱について検討 4.機能と経済効果について評価する。 A.企業に環境配慮が求められている。(ISOやea21では使用薬品の届出、廃水規準) B.商品化を図り、新しいビジネスチャンスを創造する。 C.展示会への出展など検討する。 12
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