スポーツ健康マネジメント領域

スポーツ健康マネジメント領域
演
■
習
担
当
予
定
教
員
紹
1
介
スポーツ健康マネジメント領域
柿原 浩明
Hiroaki
KAKIHARA
取得学位
博士(医学),修士(経済学)
研究分野
医療経済学
研究テーマ
合理的な医療費のあり方
プロフィール
京都府立医科大学卒業、同大学院修了後、消化器内科医師を務める。1998 年京都大学経済
学研究科修了。薬学・医学・経済学の3つの分野を学ぶ。日本体育協会公認スポーツドク
ター、消化器内視鏡学会専門医。
教育・研究に
医療費が高騰してきた現代社会においては、医師が医学のことだけ考えて意志決定できる
ついて
時代ではなくなっており、医療の発展のためにも医療経済学が重要な役割を果たすように
なってきています。例えばCTスキャナーなどの医療機器は医学的には極めて有用なので
すが、医療費が公的な枠組みの中から支払われている現状の中においては、費用便益分析
などの手法を用いてその有用性を証明する事を求められてきています。私はこのような、
医療経済学,臨床経済学を専門としてきましたが、中でも特に消化器病分野における臨床
経済学、臨床的意思決定、糖尿病分野における臨床経済学がメインテーマでした。さらに
これに加え糖尿病薬の薬剤経済学的研究、糖尿病医療費の決定要因に関する研究、糖尿病
患者教育の経済・分析などの研究も行っています。消化性潰瘍については、維持療法の有
無での、再発率、手術率、直接医療費や間接医療費などを比較検討し、費用便益分析を行
い、どちらの方がより選ばれるべきであるかというテーマで考察しました。糖尿病に関し
ては、糖尿病医療費がいかに近年増加し財政的問題になっているか、糖尿病医療費の他に
及ぼす影響、合併症、特に腎症を早期に予防することが、患者の予後の点からも、医療経
済学的にも非常に重要であることを立証しました。胃を部分切除する手術で、肥満・糖尿
病を直す外科治療の研究も最近やり出しました。これは小錦が受けて、130キロ減量に
成功しました。
1.他の臨床分野の臨床経済学
2.公共投資としての医療費の乗数効果についての研究
3.福祉経済と医療経済との相関関係分析
4.医療における規制緩和と営利企業の参入問題
5.医療に関するボトルネック独占問題
6.病院・診療所の機能分化および医療資源の効率的配分
7.製薬企業,病院の経営管理
8.マクロ経済からみた医療産業の位置
9.薬剤経済学
私は内科医ですが、内科医にとって患者教育はかなり重要なことであり、痛みなどの自覚
症状のあまりない高脂血症のような慢性疾患の患者さんに対して、生活習慣の改善、治療
の継続の必要性などを繰り返し説明していかなければ、中途治療脱落例が増えていきます。
医療経済学は経済学と医学との学際領域でもあり、また、医学・医療経済において、高血
圧、糖尿病、高脂血症という生活習慣病は癌と双璧をなす重要な疾患であり、その治療に
おいて、運動療法というのはかなり大きな位置にあります。スポーツによる健康増進に対
する企業の投資が、従業員の疾病確率を下げることによって、健保組合の医療費の面から
も、欠勤減少による生産性向上といった面からも十二分に採算が取れるということを、医
療経済学の手法を用いて実証していきます。さらには医療経営研究センターも兼ねている
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ので、製薬企業、病院のマネージメントにも幅を広げたいと思っています。
研究の
医療費,費用,生活習慣病,国家財政,市場原理,ミクロ経済学
キーワード
種子田 穣
Joe
TANEDA
取得学位
経営学修士
研究分野
スポーツマネジメント
研究テーマ
プロスポーツについての事例研究
プロフィール
立命館大学経営学研究科博士課程後期課程中途退学。1993 年より立命館大学経営学部に勤
務。マイカル(現イオングループ)の傘下にあったピープル(現コナミスポーツ)の研究
を機に、スポーツマネジメント研究を行う。GAOLA 番組審議委員。主な著書に、
『アメリ
カンスポーツビジネス NFLの経営学』など。
教育・研究に
日本のスポーツ・ビジネスは、マネジメントが未成熟であり、ベスト・プラクティスのよ
ついて
うな手法を用いて、良いマネジメントをしているリーグやチーム、さらには企業からも積
極的に学習をしていく必要があります。そのため、米国のスポーツで最も成功している NFL
のスポーツビジネスモデルを、日本のスポーツ・ビジネス界にいかに適応させていくのか、
これを考え、また実践していくことが、研究として、また理論と実践を結ぶ点として、重
要であり、活動の重点としていこうと考えています。
研究の
プロスポーツビジネス、スポーツマネジメント、スポーツリーグマネジメント
キーワード
長積 仁
Jin
NAGAZUMI
取得学位
博士(学術)
研究分野
スポーツマネジメント
研究テーマ
スポーツとまちづくりの有機的関係
プロフィール
岡山大学大学大学院社会文化科学研究科博士後期課程修了。徳島大学大学院ソシオ・アー
ツ・アンド・サイエンス研究部准教授を経て 2010 年 4 月より就任予定。専門分野はスポー
ツマネジメント。学術研究を進める一方で、プロスポーツや地域スポーツクラブなどの実
践的なフィールドでマネジメントのサポートにも携わる。
教育・研究に
スポーツ振興とまちづくりの有機的な関係を紐解くエビデンスは、十分提示されていると
ついて
は言い難く、それは、社会制度や経済状況、地域社会に築かれた文化に人間の行動が強く
影響を受けるとともに、それらの影響要因が可変的であるからです。スポーツマネジメン
ト研究における関心事は、人・組織・社会とスポーツとの関係を解明し、両者の結びつき
をより強めることにあります。例えば、ソーシャル・キャピタル研究において、その基礎
的研究の重要性を認識しつつも、応用科学であるスポーツ振興の研究に携わる我々にとっ
ての関心事は、ソーシャル・キャピタルがスポーツ振興にどう寄与するのか、またスポー
ツ振興事業やスポーツ組織の活動がどうソーシャル・キャピタルに影響するのかというこ
とでしょう。すなわち、地域におけるスポーツの振興が人々の生活をより豊かにするとと
もに、ソーシャル・キャピタルの醸成やまちづくり、またコミュニティの自律を促すコミ
ュニティ・ガバナンスの創発や構築、さらには都市の発展や地域活性化に資する都市マー
ケティングにどのように貢献できるのかを証明することが我々研究者のミッションといえ
ます。
研究の
キーワード
まちづくり
ソーシャル・キャピタル
都市マーケティング
総合型地域スポーツクラブ
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小沢 道紀
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Michinori OZAWA
取得学位
修士(経営学)
研究分野
経営学
研究テーマ
スポーツ・マーケティングの展開
プロフィール
立命館大大学院博士課程中途退学。立命館大経営学部講師を経て、2006 年より立命館大経
営学部准教授
現在に至る。20 代から教員として企業の研修プログラムなどで講師を務め
る。専門はスポーツマーケティング、サービスマーケティング。マーケティング活動を行
うための様々なスポーツ製品の特性を解明していく。
教育・研究に
マーケティングは、組織と組織外をつなぐ様々な活動の内、重要な活動の一つです。なぜ
ついて
ならば、組織の中から収入を得ることが出来ず、収入を得るのは組織の外に他ならないか
らです。そして収入を得るために、極言すれば自然と収入が得られるよう行う活動、それ
がマーケティング活動です。
マーケティングは、具体的な製品を対象としたマーケティングから、サービス活動のマー
ケティングや非営利組織のマーケティングなど多様な範囲へと拡張を遂げてきました。そ
の中でも、スポーツ活動におけるマーケティングにおいては、その効能が目に見えにくい
ため、様々な特性を有しています。特に、顧客の購買時において製品は完成しておらず、
製品を具体的に使用・観戦してはじめて、その効能が完成するからです。一種の夢を売っ
ているとも言えるでしょう。
例えば、フィットネスにおいては、運動そのものがマーケティング活動を通じて販売され
ているのではなく、運動することによって得られる効能を販売しています。すなわち、個々
人が望む自らの体型や体力、筋力といったものを、スポーツクラブやフィットネスクラブ
といった場を通じて実現していくのです。
このようなスポーツ製品独自の特性については様々なことが言われていますが、まだまだ
解明されていない点があります。そのため、研究を進める余地は広がっており、今後入学
してくる大学院生と共に、様々な課題の解明に向けて研究活動を行っていきたいと考えて
います。
研究の
スポーツ・マーケティング、サービス・マーケティング、サービス・マネジメント
キーワード
山浦
一保
Kazuho YAMAURA
取得学位
博士(学術)
研究分野
産業・組織心理学
研究テーマ
リーダーシップ、人間関係構築に関する心理学的研究
プロフィール
広島大学大学院生物圏科学研究科博士課程後期課程修了。専門分野は、企業やその他各
種組織の効果的なリーダーシップを発揮し、良好な人間関係を構築するための条件、その
根底にある心理プロセスの解明など。著書には「地域マネジメントと企業家精神 第 4 章:
中小企業の事業承継と後継者育成」
「リーダーシップと安全の科学(共著)」
「ヒューマンエ
ラーは裁けるか 第 2 章:責任説明とミスを責めない文化の狭間で(翻訳)」などがある。
企業での聴き取りやアクション・リサーチ(現場に入って調査を行い、改善活動につな
げていく手法)を用いた研究、学生を対象にしたリーダーシップ教育など、目の前にある
現場で起こる現象や心理的な動き、観察して素朴に感じたことを語り合いながら、組織や
よりよい人間関係のあり方を考えている。
教育・研究に
「もっとも理論的なものはもっとも実践的である」−これまでも、そしてこれからも、こ
ついて
れが目指したい研究の姿です。
組織の強さは人の力によるものだからこそ、現場の人たちのリーダーシップ行動や心理メ
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カニズムを理解することがこれからますます重要になっていくことでしょう。産業界、教
育界、そしてスポーツ界など、各種の組織・チームが強く、人々がいきいきと活動できる
ように現場の声に耳を傾け、問題解決の一助となるような研究を展開していきたいと思い
ます。
研究の
リーダーシップ、集団力学(グループ・ダイナミックス)、上司−部下間の相互作用プロセ
キーワード
ス、キャリア発達
■その他就任予定教員
職位
教授
取得学位
修士(教育学)
研究分野
体育教育学
主な研究テーマ
スポーツ教育指導における学習行動および指導行動
担当予定科目
スポーツ教育特論、スポーツ教育実践特論
など