リハビリテーションの実際

Heart Animal Hospital
リハビリテーションの実際
当院の診療指針
ハート動物病院
Heart Animal Hospital
リハビリテーションの目的
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これまでは、椎間板ヘルニアや膝蓋骨脱臼、骨折
などの神経・整形外科疾患の手術後は、ケージレ
ストという形で全く運動させないことが良いとされ
てきました。
寝たきりやギプス固定、不活動状態に伴う「不動」
が持続すると、「廃用症候群(筋萎縮、骨萎縮、関
節拘縮、褥瘡)」という病態に陥ります。
このため最近では、早期の機能回復のためのリハ
ビリテーションが注目を集めています。
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リハビリテーションの目的
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リハビリテーションは、何らかの障害によって低下
してしまった生活の質を向上させたり、低下しない
ように維持することを目的として行います。
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具体的には…
①関節可動域の改善、関節拘縮や線維化の予防
②麻痺した四肢の機能回復、筋炎からの回復
③筋萎縮、軟骨、骨、腱、靭帯への影響を最小限にする
④疼痛や炎症の軽減、循環器や呼吸機能の改善
⑤飼い主との関係の改善
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リハビリテーションの利点
リハビリテーションには多くの利点があります。
・動物への負担が少ない
・飼い主参加型医療
・生活の質の改善
・筋、神経、関節の機能を改善
・疼痛の緩和と合併症の軽減
・消炎鎮痛剤を投与する期間を減少
・回復スピードを上げる
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リハビリテーションの対象疾患
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リハビリテーションの対象疾患は整形外科および
神経外科疾患を含めて様々です。
・整形外科および神経外科の術後
・筋肉の損傷、筋萎縮
・慢性的な関節疾患
・靭帯断裂、腱炎、骨折
・椎間板ヘルニアによる疼痛、麻痺
・脊髄の損傷 ・肥満(減量)、長期入院
・創傷治癒 ・骨肉種(断脚後の機能回復)
・浮腫、循環障害 ・競技犬や使役犬の運動能力の向上
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リハビリテーションの種類
マッサージ療法
徒手療法
物理療法
・擦る
・叩く
・揉む
・振る
・モビライゼーション
・関節可動域
・ストレッチ
・低出力レーザー
・電気刺激
・温熱療法
・超音波療法
運動療法:受動
運動療法:補助
運動療法:活動
・関節可動域
・ストレッチ
・屈曲反射誘発
・屈伸運動
・補助起立、歩行
・体重加重
・バランスボード
・カートセラピー
・引き綱歩行
・水治療法
・トレッドミル
・階段の昇り降り
・マニピュレーション
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関節、筋、神経への適応
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関節可動域
・屈伸運動
・モビライゼーション
・マニピュレーション
・運動療法
・水治療法
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筋
・筋のマッサージ
・運動療法
・水治療法
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疼痛管理
・コールドパック、ホットパック
・レーザー治療
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神経機能回復
・引っ込め反射の誘発
・マッサージ、関節可動域改善
・補助起立、補助歩行
・バランスボード、スイスボール
・カートセラピー
・運動療法、水治療法 …etc
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具体的な効能
器具・方法
効能
アイスパック
患部の冷却、抗炎症、疼痛緩和
電気刺激
筋肉強化、疼痛緩和
地上トレッドミル
破行診断、歩行訓練
水中トレッドミル
補助歩行、減量、心機能強化
階段
四肢の機能強化
バランスボール
平衡感覚と固有位置感覚(CP)の改善
スイスボール
体重の支持、関節ストレッチ、CPの改善
車椅子
補助歩行
Heart Animal Hospital
まとめ
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整形外科や神経疾患の動物が機能回復するため
には、適切な治療に加えて、リハビリテーションが
大変重要です。
リハビリテーションは飼い主も介入することができ
る数少ない治療行為でもあります。 今回ご紹介した内容以外にも様々なリハビリテー
ションがあり、その個体ごとに適したリハビリテー
ションを行うことによって、動物のQOLを改善する
ことができます。
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温水トレッドミルでの治療効果
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当院ではトレーニングプールを導入し、様々なリハ
ビリを行っております。
小型犬∼大型犬対応モデル、加温ヒーター、前後
傾斜歩行可能、ドライ歩行可能など最上位機種で
す。
お気軽にご相談ください。
実際に
リハビリを
行っている
ところです♪
東京メニックス
Heart Animal Hospital
参考
学際企画セミナー 枝村一弥先生
「犬や猫における
リハビリテーション医療の実際」
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