Heart Animal Hospital 犬の眼球摘出と インプラント設置術 ハート動物病院 Heart Animal Hospital インプラント(義眼)の設置 • 動物の眼の病気には色々ありますが、 今回は、眼の構造を保てなくなり、QOLの 改善のためにインプラント(義眼)を設置し たケースをご紹介します。 ①重度ぶどう膜炎によるインプラント設置 ②角膜潰瘍による眼球摘出 Heart Animal Hospital ぶどう膜炎とは • ぶどう膜とは、虹彩、毛様体、脈絡膜を合わせた 部位のことで、眼の中へ血液や栄養を供給して います。瞳孔の調節や、眼の硬さを一定に保つ 役割などもあります。 • ぶどう膜に炎症がおこると、眼の充血、痛み、 眼球瘻(眼の張りがなくなり小さくなる)、視力障 害などの症状が出ます。 • ぶどう膜炎の程度は、検眼と眼圧検査をすること で評価できます。 Heart Animal Hospital ぶどう膜炎の治療 ①点眼薬…消炎剤、抗生剤、散瞳剤など ②外科手術…インプラント(義眼)設置術 ・ぶどう膜炎がひどくなると、内科治療では対応しき れなくなり、痛みや不快感も大きくなってきます。 ・やがて眼の張りがなくなり、構造が破綻(眼球瘻) してしまうと、眼球摘出以外に方法がなくなってし まいます。 ・眼球内部の組織を取り除き、インプラントを設置す ることで、眼圧を維持して動物の負担をなくし、眼 の外観を保存することができます。 Heart Animal Hospital 白内障から併発するぶどう膜炎 • この症例は、目やにが 出るとの事で来院され ました。 • 角膜表面に傷があり、 血管新生が起きています。 • 一通りの検査を行ったところ、眼圧が極度 に落ちていることが分かりました。 • 以前から白内障になっており、慢性的なぶ どう膜炎が続いていたためと思われます。 Heart Animal Hospital インプラント(義眼)設置術 • 角膜の傷と同時にぶどう膜炎の治療を行いましたが、 眼圧は測定できないほど低下したままで、眼球瘻の 危険性が考えられたため、手術を行いました。 眼球の端を切開 して、中の硝子体 を取り除きます。 インプラントを挿入 しているところ。 元通り縫合した後。 見た目には術前と 変わりません。 Heart Animal Hospital インプラント(義眼)設置術 • 術後1カ月の様子です。 • 炎症により白濁は認められますが、痛みや目やに は改善され、経過は順調です。 • このワンちゃんは右眼も同様に重度のぶどう膜炎 でしたが、違う経過をたどっています。(次のスライドへ!) Heart Animal Hospital 角膜潰瘍の原因 • 様々な原因により、角膜には傷がついて しまいます。表面の小さな傷から、潰瘍、 奥まで貫通するケースまで様々です。 • 原因は… ドライアイ 異物 異所性睫毛 外傷 痛みや痒みによる自傷 etc… Heart Animal Hospital 角膜潰瘍の治療 ①点眼薬…血清点眼、ヒアルロン酸、抗生剤、消炎剤など ②外科手術 ・結膜フラップ術…自身の結膜で傷にカバーをすることで、 角膜表層に栄養を行き渡らせて治療する。眼球を温存でき る。 ・眼球摘出術…傷が深すぎて改善が見込めない場合や、 眼球瘻・緑内障などの併発がある場合、痛みが強い場合に 行う。 • QOLの改善、動物の辛さを取り除いてあげる ために、眼球摘出術は選択されます。 Heart Animal Hospital 角膜潰瘍による眼球摘出 • ご紹介するのは、先述のぶどう膜炎の治療をして いたワンちゃんです。治療中に自傷し、角膜を深く 傷つけてしまいました。 右眼が真っ赤に 充血しています 染色をして傷の深さを測ります。 傷の回りは浮腫を起こしています。 Heart Animal Hospital 眼球摘出術 • 点眼薬や注射薬など、内科治療を行いましたが、 改善が見込めなかったため、眼球摘出に踏み切り ました。 縫合して終了です 眼球を摘出した後、空いた隙間を埋めるため インプラント(義眼)を入れます Heart Animal Hospital 眼球摘出術 • 手術後1カ月の様子です。 • 痛みがなくなり、快適な生活が送れています。 • 動物は視覚よりも、聴覚や嗅覚に頼っているので、 生活にも支障はきたしません。 • 飼い主さんが想像するほど、辛いものではないと 思いませんか?? Heart Animal Hospital 別の症例では… • 他の犬に咬まれ、左眼に外傷を負った例です。 • 1か月の内科治療で外観は保てましたが、眼圧は 常に低く、内部構造が破綻しているため、眼球瘻の 危険性を考慮して手術を行いました。 負傷直後 1ヶ月後 Heart Animal Hospital 別の症例では… インプラント設置 術後2週間 結膜の変位 は残りました が、負担がな くなり、経過 は良好です♪ 術後2カ月 術後1年 Heart Animal Hospital まとめ • 目やにがでる、眼がショボショボする、眼が赤い、 眼が白い…すべて動物の発する病気のサインで す。場合によっては全身性疾患の初期症状である こともあります。 • サインを見逃さないこと、そして定期的な眼科検診 を受けさせてあげることが、病気の早期発見につ ながります。 • そして早期に治療を開始できるかどうかで、その 後の経過に大きな違いが出てきます。 • 気になることがあれば、いつでもご相談ください♪ Heart Animal Hospital 参考 • ハート動物病院診察室
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