Sanofi-aventis press release 2009 年 7 月 7 日 本資料は、サノフィ・アベンティス社(フランス、パリ)が 7 月 6 日(現地時間)に発表したプレスリリースを 日本語に翻訳・編集したものです。本資料の正式言語はフランス語・英語であり、その内容および解釈については 両言語が優先します。http://www.sanofi-aventis.com をご参照ください。 ランタスの長期安全性評価が示された 5 年間の試験結果が ダイアベトロジア誌に掲載 - 長期データでは NPH 治療レジメンを上回るランタスにおける網膜症の進行増加は見られなかった - フランス・パリ-2009 年 7 月 6 日-サノフィ・アベンティスは、2 型糖尿病患者における網膜症の進行に関してラン タス®(一般名:インスリン グラルギン〔遺伝子組換え〕)と NPH インスリンを比較した長期(5 年間)試験の結果が、ダ イアベトロジア誌(Diabetologia (DOI 10.1007/s00125-009-1415-7))のオンライン版に掲載されたことを発表しま した。この試験結果において、網膜症への影響ならびに全般的な安全性に関して2つの治療群で同等であったこ とが示されました。この試験は、これまで報告されたインスリン グラルギンを使用した試験の中で最も長期間の比較 試験です。 糖尿病性網膜症は、糖尿病患者における失明の主な原因であり、眼内の細胞増殖によって起こる進行性の疾患 です。IGF-1 受容体からの刺激がこの進行プロセスに関与しています。網膜症患者を対象としたこの試験では、長 期の治療経過中、糖尿病性網膜症の進行度は両治療群において同等でした。このことは、眼内で、ランタスがヒト NPH インスリンと異なる細胞増殖促進作用をもたらさないことを示唆しています。 メディカルシティ ダラス糖尿病・内分泌センターのディレクター兼テキサス大学サウスウェスタン・メディカルスクール の臨床内科学教授で、主席治験責任医師であるフリオ・ローゼンストック(Julio Rosenstock)博士は、「この 5 年間 の試験は、インスリン グラルギンと NPH ヒトインスリンを用いた無作為化比較試験の中で最も長期の試験です。こ の試験により、インスリン グラルギンの使用が網膜症進行リスクを高めるというエビデンスは全くないということが示さ れました。」と述べています。 この 5 年間の非盲検試験は特に、1024 人の患者(ランタスを 1 日 1 回投与 ; 515 人、NPH を1日 2 回投与; 509 人)において、NPH に対するランタスの網膜への安全性プロファイルを、さらに明らかにするために特に設計された ものです。網膜症の進行は、眼底カメラを用いて継続的に経過観察されました。 網膜症の進行は、『糖尿病網膜症の早期治療研究 Early Treatment Diabetic Retinopathy Study (ETDRS) 』分類 を用いて評価されました; 試験終了時でのスコアは両治療群において同等(ランタス®: 14.2%, NPH: 15.7%; 95% CI: -7.02, 3.06)でした。計画通りに治療された集団を解析するために、この研究では、両治療群における同レベル の血糖管理の達成を目指しました。これにより、両群間の血糖値コントロールの差に関連しうる主要網膜症エンドポ イントへのバイアスを避けようとしました。両群では、試験終了時で 同等の HbA1c 値 (平均 HbA1c 値は、インスリ ン グラルギン群でベースラインの 8.4%から 7.8%へ、NPH インスリン群で 8.3% から 7.6%) が得られました。 NPH インスリンでは、インスリン グラルギンよりも、重篤な低血糖症例が統計的に有意に多く(NPH インスリン 11.1% 対 インスリン グラルギン 7.6%, p=0.0439)見られました。症候性低血糖の年間発症率の平均は NPH イン スリン 7.08+/-16.49 対 インスリン グラルギン 5.13+/-12.79, p=0.0017 でした。 1/3 〒163-1488 東京都新宿区西新宿 3-20-2 東京オペラシティタワー www.sanofi-aventis.co.jp 試験脱落に至る有害事象の発現のみならず、がんを含む重大な副作用に関して、その発生に差が出る傾向は特 に観察されませんでした。また、本試験において最もよく見られた有害事象は、上気道感染症(グラルギン 149 [29%], NPH 169 [33.6%])、末梢浮腫(グラルギン 103 [20%], NPH 114 [22.7%])、関節痛(グラルギン 73 [14.2%], NPH 81 [16.1%])でした。 試験について 本試験は、2型糖尿病の患者におけるインスリン グラルギン(グラルギン)とヒトNPHインスリンの網膜症の安全性プ ロファイルをさらに明らかにするよう設計されました。 この試験は、NPH 1日2回投与(n=509)または基礎グラルギン 1日1回投与(n=515)で治療した患者を比較した、 非盲検、5年間、無作為化(1 :1)、多施設、層別、並行群間試験です。この試験の主要目的は、いずれかのインスリ ン治療後に、中央測定の7分割ステレオの眼底カメラ観察による『糖尿病網膜症の早期治療研究 (ETDRS) 』分類 の網膜症患者重症度スケールにおいて3段階以上進行した患者の割合を解析することにより、治療群間における 糖尿病性網膜症の進行を比較することでした。解析には、その他の情報が伏せられた状態で、中央で判定された7 分割立体眼底撮影の結果が用いられました。 母集団の主な特徴は次の通りであり、治療群間でバランスがとれていました:平均年齢55歳、54%が男性、平均ベ ースラインHbA1c 8.4% 対 8.3% (グラルギン 対 NPH)、糖尿病罹病期間11年、そして母集団の約70%は試験組 み入れ前にすでにインスリン治療を受けていました。 グラルギン及びNPH治療群の両群において、持続的な血糖コントロール状況は同様でした。ベースラインでグラル ギン治療群において糖尿病性網膜症の重篤度が若干高いにもかかわらず、ベースラインから試験終了までの ETDRSスコアにおける3段階以上の進行は、両治療群間で同様でした(グラルギン治療患者 14.2% [53/374] 対 NPH治療患者 15.7% [57/363])。 網膜症のその他の所見-増殖性糖尿病性網膜症の発症と臨床上顕著な黄斑浮腫への進行-は両治療群にお いて同程度に認められました。 症候性で臨床上重要な低血糖の発症率はグラルギン群で有意に低い結果でした:NPH インスリンはインスリン グラ ルギンよりも重篤な低血糖症例が統計的に有意により多く (NPH インスリン 11.1% 対 インスリン グラルギン 7.6%, p=0.0439)見られました。症候性低血糖の年間発症率の平均は NPH インスリン 7.08+/-16.49 対 インスリン グラ ルギン 5.13+/-12.79, p=0.0017 でした。 体重増加はインスリン グラルギンによる治療に比べ、NPH インスリンでより増加傾向が見られ、ベースラインからエ ンドポイントまでで、平均体重はインスリン グラルギンで 3.7 kg、NPH インスリンで 4.8 kg (ITT 母集団、p=0.0505) 増加しました。この 5 年間の試験期間中、それ以外の安全性の問題はどちらのインスリンにも生じませんでした。 ランタス®について 「ランタス®」(一般名:インスリン グラルギン[遺伝子組み換え])は、血糖コントロールに基礎(持続型)インスリンを必要とす る成人の 1 型および 2 型糖尿病患者を対象に、1 日 1 回の皮下注入で投与されます。「ランタス®」は明らかな血糖降下 作用のピークを示すことがなく、1 日 1 回投与でほぼ 24 時間安定した作用を示す持効型溶解インスリンアナログ製剤で す。 サノフィ・アベンティスについて 世界をリードする製薬企業の一社であるサノフィ・アベンティスは、医薬品の創薬発見・開発・販売を通じて、人々の生 活の質の向上に取り組んでいます。サノフィ・アベンティスは、パリ(Euronext: SAN)およびニューヨーク(NYSE:SNY) に上場しています。 2/3 今後の見通しに関する記述 このプレスリリースには、1995 年民間有価証券訴訟改正法(修正を含む)でいう「今後の見通しに関する記述」が含まれて います。今後の見通しに関する記述とは、歴史的事実を述べるものではない記述です。これらの記述には、財務計画と予 測ならびにそれらの根拠となる前提、将来の事象、事業、製品およびサービスに関する計画、目標、意向および期待に関 する記述、ならびに、将来の実績に関する記述が含まれます。一般的に、今後の見通しに関する記述は、「予想」、「期待」、 「見込み」、「予定」、「予測」、「計画」などの表現によって識別されます。サノフィ・アベンティスの経営陣はそのような今後の 見通しに関する記述に反映された予想を妥当と考えますが、投資家は今後の見通しに関する情報と記述がさまざまなリス クと不確実性の影響を受けやすく、それらの多くが予測困難であり、通常サノフィ・アベンティスが制御できず、そのために 実際の結果と進展が、今後の見通しに関する情報と記述の中で表現された、暗示された、または予測されたものとは大幅 に異なる可能性があることに注意して下さい。これらのリスクおよび不確実性には、サノフィ・アベンティスの 2008 年 12 月 31 日終了事業年度フォーム 20-F 年次報告書の「リスク要因」および「今後の見通しに関する記述」項目を含む、サノフィ・ アベンティスが作成した SEC および AMF に対する公の届け出の中で議論されているかまたは特定されているものに加え、 研究開発や今後取得する臨床データ、市販後調査を含むその解析、製品候補となるべく申請した医薬品、医療機器、生 物学的手法の承認の取得可否およびその時期に関しての FDA や EMEA などの当局の決定、またそのような製品候補の 利用や商業化に影響を与えることが可能な事項や添付文書に関する決定、(もし承認された場合)その製品が商業的に成 功する保障の欠如、また今後取得する追加適応の承認や商業的な成功らに付随する不確実性とその他の事項が含まれま す。 サノフィ・アベンティスは、適用法によって義務付けられている場合を除き、今後の見通しに関する情報または記述の更新 または見直しを行う義務を負うものではありません。 3/3
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