下野新聞 2015 年 9 月 19 日 【県内広域水害】栃木県防災士会・稲葉理事長に聞く 振りなら幸い、の意識を」 自発的な早め避難必要 「空 本県を襲った記録的な豪雨は河川の氾濫や浸水を引き 起こし、少なくとも県内で3人の命を奪った。私たちは 水害にどう備えれば良いのか。NPO法人県防災士会の 稲葉茂(いなばしげる)理事長=那須町在住=に心構え を聞いた。 「私は大丈夫」 「どうせ洪水は起きない」と思い込んで いると、避難が遅れがちになる。稲葉理事長は「自分の命は、自分で守るという心構えが大 前提だ」と力を込める。 自分が住む場所は、河川が氾濫した場合、浸水の危険があるか。自治体が配布する「洪水 ハザードマップ(避難地図) 」などで確かめたい。 「大雨特別警報」を受けて、どうしたらいいのか分からなかった人も多いだろう。 「地形や 人によって避難の方法やタイミングは異なるが、避難サインが出たらすぐ行動できるよう、 準備をしておくことが重要です」 稲葉理事長は「行政の判断だけに頼りすぎるのは良くない」と強調。「特別警報の前段階、 警報が出ている時点で危険は迫っている。自分で判断し、早めに動く。もし避難が空振りに なれば、幸いという意識を持つこと」と訴える。 できるだけ明るいうちに避難するのが鉄則だが、夜に天候が悪化した場合、避難しように も視界が悪く、道路の冠水もあれば二次被害の恐れもある。 「無理をせず屋内の高い場所に移動を。土砂災害でも、2階にいれば助かったというケー スは多い」 また、非常時に持ち出す物をまとめて、いつでも取り出せる場所に備えておいたり、雨水 排水溝を手入れしておくなど、日ごろの備えも大切という。
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