What`s New In InfoWorks RS 10.0

What’s New In InfoWorks RS 10.0
GR4 フランス水文境界が追加に
境界ノードに新しいイベントタイプが追加されました。GR4J 境界は、フランスの研究所
CEMAGREF によって開発された方法を用いて日降雨量と蒸発量から算出される流量-時間境界です。
地形モデルを用いた河川横断面の頂点の編集が容易に
横断面を再描画することなく地形モデルを再サンプリングして河川横断面ノードの頂点の間隔を
減らすことが可能となりました。定義された間隔で新しい頂点が既存の頂点間に追加されます。
新しい頂点の z 値は、ジオプランビューに現在読み込まれている地形モデルを使用して、決定さ
れます。
既存の頂点の z 値については、そのまま保持することも可能ですし、地形モデルから更新するこ
とも可能です。
この機能を使用するには、河川横断面のプロパティシートの「Section Data」タブに追加された
「Resample Ground Model...」ボタンをクリックして下さい。
ジオプランビューにライブデータ雨量計ポイントが表示可能に
ジオプランビューでライブデータ雨量計ポイントの位置を表示することが可能となりました。
雨量計ポイントを表示するには、ライブデータオブジェクトをモデルウィンドウあるいは
InfoWorks エクスプローラーからジオプランビューにドラッグするか、右クリックしてポップア
ップメニューから「内容を指定して開く...」を選択し、「Open in Current Network(現在のネ
ットワークに開く)」を選択して下さい。
雨量計ポイントはライブデータオブジェクト内に定義された XY 座標値に描画されます。
ジオプランビューに追加された
雨量計ポイントとなります。ラ
ベル内のテキストは、ライブデ
ータオブジェクト内に定義され
た、雨量計ポイントの ID となり
ます。
ノード/リンクの補足結果が生成可能に
ノードとリンクの補足結果を出力することが可能となりました。
補足結果を出力するには、シミュレーションを設定する「Schedule Run View」ダイアログにて
「Options」ボタンをクリックし、表示される「Run Options」ダイアログのオプションタブにて、
「Generate supplementary results(追加結果を生成)」をチェックして下さい。生成された追
加結果が標準結果ファイルに出力されます。追加結果には通水能と地表面エリアが含まれます。
結果の管理機能が向上
「TV 結果の削除」メニューが「Result Management View」ダイアログに追加されました。
「Result Management View」ダイアログは、ラングループを右クリックして、ポップアップメニ
ューから「開く」を選択すると、表示されます。対象とするシミュレーション結果を選択して右
クリックし、「TV 結果の削除」を選択します。このオプションにより、シミュレーションラン
の設定内容を消去せずに結果を削除することが可能となりました。
降雨境界の基底流量フィールドの精度が向上
降雨境界の最小流量フィールドと基底流量フィールド値が小数第 3 位まで入力可能となり、これ
らのフィールドを指定する際の精度が向上しました。
アーチ(逆 U 字)形管渠の検証
上部高が管渠幅の半分を超えていると、検証時に警告メッセージが表示されるようになりました。
これにより、負の流水面積が計算されないことを確認することが可能となりました。
3D 地形ビューの機能向上
多数のオブジェクトを含む 3D 地形ビューを表示する際に、ビュー内にネットワークオブジェク
トを表示させるか否かが選択可能となりました。これにより大容量のネットワークデータが含ま
れる場合にパフォーマンスに影響を与えることなく単純な 3D ビュー表示を作成することが可能
となりました。
ポリゴン合併ツール
InfoWorks の前バージョンでは 2 つの隣り合う浸水区画を合併することが可能でした。
v10.0 ではこの合併機能が拡張され、全てのポリゴンタイプについて適用可能となりました。こ
れにより、隣接する 2 つのポリゴンタイプが同じであれば、選択して合併することが可能となり
ました。
「浸水区画の合併」ツールは、「氾濫マッピング」ツールバーから選択できなくなりました。ご
注意下さい。浸水区画を合併するには、「モデル」メニューオプションの「ユニットの修正」か
ら「ポリゴンの合併... 」を選択し、新しい一般ポリゴン合併ツールを使用して下さい。
64 ビット Microsoft Windows OS のサポート
InfoWorks RS Free Edition では下記の Microsoft Windows OS 64 ビットのサポートが可能となり
ました。
・
・
・
・
Windows
Windows
Windows
Windows
Vista、
XP、
Server 2003、
Server 2008
InfoWorks そのものは、依然として 32 ビットアプリケーションとなりますが、64 ビットを使用
する大きな利点としては、例えば Windows Vista 64 ビット SP1 の環境では InfoWorks が利用で
きるアドレス空間が通常の 2GB ではなく 4GB になります。利用可能なメモリの増加により、処理
速度が大きく改善されることがあります。
InfoWorks RS 2D
InfoWorks v9.0から導入された2Dモジュールについて以下の拡張が行われました。
崩壊する壁、塀などのモデル化が可能に
透水性ラインオブジェクトが機能拡張され、ラインに近接する2Dメッシュ要素内でユーザーが定
義した閾値が超過される場合、シミュレーション中に透水性ラインを全てまたは部分的に取り除
くことが可能となりました。ラインの消去は、このラインが崩壊することを意味します。
例えば、近接するメッシュ要素内の水深が所与の値を上回る場合、ラインオブジェクトが崩壊す
るように設定することが可能です。
ラインの崩壊に関して追加されたパラメータ
この機能はダム決壊または破堤時の流れをモデル化するために当初はRS用に開発予定でしたが、
v10.0ではRS、CS、SDで利用可能となり、ダムや堤防に限定せず多様な壁の崩壊を表現すること
が可能となりました。崩壊は、ライン近辺での水深、水位、流速、単位延長あたりの水力いずれ
かの2D結果を基に引き起こされるよう設定することが可能です。ユーザーは、ラインを一度に全
て崩壊させることも可能ですし、線分(ラインを定義するXY値の組み合わせ)毎に崩壊させるこ
とも可能です。
2Dモジュールの拡張に伴い、建物やその他の障害物の表現方法について議論が高まっていますが、
地表面流出のモデル化では、水流に対する障害物をどのように取り扱うかが大きな争点となりま
す。計算メッシュから建物を除いたり、あるいは人工的に水流を防げるために地盤高を上昇させ
たり建物を通るメッシュの粗度を高く設定したりするといったことが行われていますが、こうし
た方法は、特に密集した都市部の大きな建物に対しては、非現実的であり、こうしたモデルで得
られる計算結果に妥協しがちとなります。また、大きく深い(またはそのいずれか)地下があり、
敷居が高く、着脱可能な高水対策を備えた建物についてはさらに複雑となります。しかし、
InfoWorks はこれら全ての問題を表現する機能を提供し、どこまで詳細にモデル化を行うか選択
できる柔軟性をユーザーに提供できるようになりました。
V10.0では、以下のように建物を定義することが可能となりました。
-
これまでの Voids 機能を使用して、メッシュから除外する。
-
これまでの「粗度ポリゴン」機能を使用して、粗度を高く設定する。
-
これまでの「透水性ライン」を使用して水がゆっくりと流下するよう設定し、建物への遅い
浸水を表現する。
-
新しく追加された機能を使用して崩壊するラインを定義し、ドア、窓、高水対策の不具合を
モデル化する。
-
メッシュポリゴンを使用して、建物の地盤高を上げて実際の敷居の高さに合わせる。もしく
は、建物内の地盤高を下げて地下倉庫を表現する。
これにより、InfoWorksでは、都市部の浸水に関する重要なプロセスを2Dで正確に表現する、包
括的なツールが提供されるようになりました。
透水性ポリゴン
新しいポリゴンタイプが追加され、透水性の境界を指定できるようになりました。
透水性ポリゴンオブジェクトは、閉じたエリアを表すもので、境界が崩壊する様子を定義できる
など、透水性ラインオブジェクトの全ての機能を備えています。
メッシュポリゴン地盤高の修正
メッシュポリゴンを使用して、2Dメッシュで地盤高を調節するゾーンを特定することが可能とな
りました。
メッシュポリゴンオブジェクトに新しく「地盤高修正」、「上昇値」、「レベル」フィールドが
追加され、メッシュポリゴン内のメッシュ要素の地盤高修正が可能となりました。これにより、
ソースとなる地形モデルを編集することなく、シミュレーション中に値を修正して計算が行われ
るようになりました。
この機能により、例えばLIDARデータよりも調査データのほうが正確であるエリアの地盤高を修
正することが可能となりました。
スピルに隣接するメッシュ要素地盤高が調整可能に
「2D Parameter」ダイアログの「Advanced」タブに新しくオプションが追加されました。
「Adjust element ground levels adjacent to spills」オプションをチェックすると、スピル
に隣接する2Dメッシュ要素の地盤高が自動的に修正され、その地盤高が接続するスピルよりも低
くなります。
このオプションは、2Dシミュレーションポリゴン境界の高さが、接続するスピルユニットの高さ
を超える場合に起こりうるシミュレーションの不安定性を解消するために使用されます。
2D起点の流入がトリガースタート可能に
2D起点オブジェクトに新しくデータフィールドが追加され、2D起点の存在する2Dメッシュ要素に
てユーザーが指定した閾値が超過された場合に、流入を開始させることが可能となりました。例
えば、2Dメッシュ要素の水深が所与の値を超えた場合に、モデルに水が流入し始めるよう設定す
ることが可能となりました。
閾値は、2D起点グリッドビューあるいは2D起点のプロパティシートの全般データページに追加さ
れた「2D結果から流量をトリガースタート」チェックボックスを使用して、設定することが可能
です。
2D起点のプロパティシート
メッシュポリゴンの最小計算メッシュ要素エリアが定義可能に
メッシュポリゴンオブジェクトに新しく2つのデータフィールドが追加されました。
・最小仮想要素面積:計算結果に使用される最小メッシュ要素面積を指定するのに使用します。
シミュレーションを実行する際、指定された最小面積よりも面積の小さいメッシュ要素は、最小
面積を超過するまで隣接しているメッシュ要素と合計されます。この機能により、シミュレーシ
ョンの安定性と実行時間が改善されます。
・2D シミュレーションポリゴンの最小要素エリアを上書き:このオプションを選択すると、シミ
ュレーション実行の際にメッシュポリゴンの最小仮想要素面積で定義された値が適用されます。
このオプションを選択しない場合は、メッシュポリゴンを含む2Dシミュレーションポリゴンに対
して設定された最小仮想要素面積が使用されます。
InfoWorks v9.5では、2Dシミュレーションポリゴンにて定義された最小メッシュ要素面積が満た
されるまで、ラインオブジェクトで分離されるものは別として、隣接する全てのメッシュ要素と
合計されていました。
ご注意:この機能拡張により、以前のバージョンで実行した2Dシミュレーションをv10.0で再実
行すると、得られる結果が異なってくる可能性があります。ご注意ください。
2Dメッシュ要素の機能拡張
メッシュポリゴンの境界を横切って2Dメッシュ要素が合計されないようになりました。
2Dメッシュ要素結果の機能拡張
2Dメッシュ要素結果の表示に関して以下の機能拡張がありました。
メッシュ要素プロパティダイアログにメッシュ要素の結果が表示されるように
InfoWorks の前バージョンでは、メッシュ要素の結果は2Dポリゴンメッシュ要素プロパティ
ダイアログのボタンから表示することが可能でした。
v10.0では、結果はメッシュ要素プロパティダイアログのグリッドビュー内に表示されるよ
うになりました。メッシュ要素プロパティダイアログは、
をクリックすると、表示されます。
ボタンを使用してメッシュ
メッシュ要素をクリックして表示されるダイアログ
2Dシミュレーションポリゴンに新しく結果フィールドが追加に
下記の2つの結果が新しく2Dメッシュ要素に表示されるようになりました。
. Element ID(メッシュ要素ID) –2Dシミュレーションポリゴンまたはメッシュポリゴン
に指定された最小計算メッシュ要素エリアを満たすために合計された、三角形メッシュ
の特定に使用可能な仮想ID。
• Max Hazard (最大危険性評価)– シミュレーション中に見られた、メッシュ要素の最大
危険性評価結果。
メッシュ要素プロパティダイアログの拡張
2Dポリゴンメッシュ要素プロパティダイアログに、新しく「Go to Other Element...」ボ
タンが追加されました。このボタンをクリックして、プロパティを表示したいメッシュ要
素の番号を指定してください。指定されたメッシュ要素がジオプランビュー内に強調表示
され、そのメッシュ要素のプロパティがメッシュ要素プロパティダイアログに表示されま
す。
2D結果分析オブジェクトに追加結果が表示されるように
2D結果分析オブジェクトに下記の時系列結果が追加されました。
2D結果ライン
・ 結果分析ラインに従った最大深
・ 結果分析ラインに垂直な最大流速
2D結果ポリゴン
・ 結果分析ポリゴン内の最大深
・ 結果分析ポリゴン内の最大流速
2D Triangle テーマにSQL式が可能に
SQL 式の結果をテーマとして表示する機能が 2D Triangle テーマに追加されました。ジオプラン
テーマダイアログの「2D Triangle」タブにて「Expression」ボタンをクリックすると、SQL 式
の定義が可能となります。
2D シミュレーションポリゴンのフィールド名が変更に
2D シミュレーションポリゴンの「最小メッシュ要素面積」フィールドが「最小仮想要素面積」
に変更されました。
シミュレーション中、指定された最小仮想要素面積よりも面積が小さいメッシュ要素は、近接す
るメッシュ要素に合計されて計算されます。
パフォーマンスの改善
2D メッシュの生成プロセスやメッシュ要素の取扱いについてパフォーマンスが改善されました。
これにより、ジオプランビュー上で 2D メッシュを作成/表示する際のパフォーマンスが向上しま
した。
2D エンジンのパフォーマンスの改善
2D エンジンに関してマルチプロセッサシステムを使用する変更内容が追加されました。
浸水地図のエクスポート
2D シミュレーションから結果分析オブジェクトの結果を MapInfo や ESRI ファイルにエク
スポートすることが可能となりました。エクスポートされたデータは、GIS アプリケーショ
ンで表示することが可能です。
エクスポートされるデータは、選択された結果分析アイテムの 2D 結果ラインから構成され
ます。浸水結果の時間は、結果ラインと交差するメッシュ要素から決定されます。
2D境界線について診断ログに検証メッセージが表示されるように
地形モデルの地盤高値よりも低い水位値が定義された水位 – 時間 2D 境界に対して診断ロ
グに検証メッセージが表示されるようになりました。(地盤高値よりも低い水位値が定義
される場合、その境界内の水深はゼロと見なされます。)
2Dシミュレーションポリゴンのメッシュ結果に関するログの改良
2D シミュレーションポリゴンにメッシュを生成した後に生成されるログに改良が行われ、
境界線を共有する透水性ライン/ポリゴンについて警告が表示されるようになりました。透
水性ライン/透水性ポリゴンオブジェクトは、2D シミュレーションポリゴンの境界条件を
上書きします。このため、2D シミュレーションポリゴンの境界線と同一線上にある透水性
ライン/ポリゴンについて警告メッセージが表示されるようになりました。