Gard Alert:米国での海難事故報告 (2014 年 8 月 28 日付)の和訳です。 こちらは、英文記事「Gard Alert: US marine casualty reporting」 米国沿岸警備隊への海難事故報告にあたり、以前の様式を継続して使用しないようにご注意ください。 2013 年 4 月に米国沿岸警備隊(USCG)から、様式 CG-2692「Report of Marine Casualty(海難事故報告 書)」および様式 CG-2692B「Report of Required Chemical Drug and Alcohol Testing Following a Serious Marine Incident(重大海難事故後の化学薬物とアルコール必須検査報告書)」が改訂された旨の通知がなされま した。一見したところ、以前の様式からの実質的な変更点は少ないものの、USCG は、これらの新しい様 式が、海難事故の報告に際して受理され得る、唯一の承認済みバージョンであると強調しています。 米国水域を運航する船舶については、米国の海難事故報告書様式の最新版を入手し、直ちに古いバージ ョンから切り替えるようにしてください。また、船上において危険な状況や事故が発生した場合には、 USCG に直ちに通知しなければならないことを乗組員や管理担当者等に周知しておくことも重要です。報 告を怠った場合、犯罪行為とみなされる可能性があります。この点については、Gard News 202(2011 年)の記事「米国法-乗組員による船上での危険状況の通報懈怠」を参照してください。 追加情報 海難事故報告書様式の入手先: 様式CG-2692と様式CG-2692Bの最新版(PDF形式)は、http://homeport.uscg.milにアクセスし、 Missions>Investigations>Casualty Reporting Formsの順に進んで入手してください。 海難事故報告書様式を使用すべきとき: 商船の場合、いくつかの例外を除き、米国航行水域で事故が発生した際には直ちに報告するこ とが求められます。報告義務がある事故に該当するか否かの基準は、連邦規則第46巻第4.05-1 条(46 CFR 4.05-1)に定められています。例えば、座礁、橋梁への衝突、船舶操縦性の低下に つながる損傷害、船舶の堪航性や航行・業務に影響を及ぼすような衝撃、死亡事故、専門医療 © Gard AS Page 1 of 2 を要する負傷者の発生、25,000米ドル超過の物的損害、重大な環境汚染1 は、すべて報告義務 があります(連邦規則集(CFR)の電子版へは、www.ecfr.govからアクセスできます)。 通常、USCGに電話またはファックスで通知することで、至急通知の要件は満たされるものの、 5日以内に様式CG-2692を用いて正式な事故報告書も提出しなければなりません。海難事故が、 連邦規則第46巻第4.03-2条(46 CFR 4.03-2)によるところの重大な海難事故である場合(例 えば、死亡者の発生、1万ガロン以上の石油流出、10万米ドル超の物的損害など)、様式CG-2692B による補足報告も必要となります。USCGに書面を提出する際には、事前に、現地のコレスポン デンツまたはGard (North America) から助言を得ておくことが有益と考えられます。 新しい動き: 長年、海事業界では、報告すべき海難事故に該当するか否かに関して、混乱が見られます。ま た、ある事故が、海難事故に該当するか否かについても同様の混乱があります。USCGは2014 年1月に「Title 46, Code of Federal Regulations (CFR), Part 4 Marine Casualty Reporting Procedures Guide with Associated Standard Interpretation.(連邦規則(CFR)第46巻第4条海難事故報告手順 の指針および関連する標準的解釈)」という表題が付けられたサーキュラー Navigation and Inspection Circular [NVIC]において、指針案を確認できると発表しています。このNVICの最終案が 確定すれば、USCGに報告すべき事故に該当するか否かの判断に役立つものとなり、また、過去 に混乱が生じていた報告義務の遵守・非遵守を巡って、USCGはより一貫した対応を取るように なるでしょう。 NVIC 案に対するコメント募集期限は 2014 年 4 月 14 日で終了していますが、Gard が把握している限り、 NVIC はまだ最終的な確定には至っておらず、具体的な最終確定日も発表されていません。指針案の進捗 状況を注視するようにしてください。 NVIC 案のコピーは、www.regulations.gov から入手できます(Docket ID は、USCG-2013-1047) 。直接リ ンクはこちらです。確定後は、http://homeport.uscg.mil の「Investigations」欄に掲載される予定です。 1 Gard Insight の記事「Marine oil spills in the US – planning, response, and consequences – a visual understanding of the overall system(米 国における海洋油濁事故―計画、対応そして結果―制度全体を視覚的に理解する) (仮題)」が近日発行される予定です。 本情報は一般的な情報提供のみを目的としています。発行時において提供する情報の正確性および品質の保証には細心の注意を払ってい ますが、Gard は本情報に依拠することによって生じるいかなる種類の損失または損害に対して一切の責任を負いません。 本情報は日本のメンバー、クライアントおよびその他の利害関係者に対するサービスの一環として、ガードジャパン株式会社により英文 から和文に翻訳されております。翻訳の正確性については十分な注意をしておりますが、翻訳された和文は参考上のものであり、すべて の点において原文である英文の完全な翻訳であることを証するものではありません。したがって、ガードジャパン株式会社は、原文との 内容の不一致については、一切責任を負いません。翻訳文についてご不明な点などありましたらガードジャパン株式会社までご連絡くだ さい。 © Gard AS Page 2 of 2
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