焼き鮭に混入していた虫

見本NO.5
異物鑑別検査の事例ご紹介
5.虫の混入事例
ご提出された異物
写真
焼き鮭に混入していた虫
検体写真
検査内容
結果
顕鏡・形態観察
検体を細かくほぐして目視および実体顕微鏡下で観察したところ、1匹の線虫
類(長さ約2cm)が発見された。
生物顕微鏡下で観察したところ、この線虫類の体内には食道胃部が見られた
が、腸盲嚢や胃盲嚢は確認されなかった。また、頭端には穿孔歯が、尾端に
は少棘が見られた。
食道胃部
混入時
摘出後検体
検体拡大写真
顕鏡・形態観察
考察
以上の結果から、検体はアニサキス・シンプレックス(第3期幼虫)であると考えられた。
アニサキス・シンプレックスの成虫はクジラ類の胃に寄生する線虫である。第3期幼虫はアジやサバ、
タラ、サケなど多くの種類の海産魚やイカ類の内臓・筋肉に潜んでおり、終宿主のクジラ類に食べられ
るのを待っている。