日本調理科学会 平成19年度大会 チャーハンの物性と

日本調理科学会
平成19年度大会
チャーハンの物性とおいしさに及ぼすマヨネーズ配合の影響
キユーピー㈱研究所
金子真由美、糀本明浩、三尋木健史、飛田昌男、長谷川峯夫
【目的】マヨネーズをハンバーグやホットケーキに配合すると、食感及び食味を改善する
効果があることはすでに報告した。チャーハンは、過去からマヨネーズを使用すると、パ
ラッとしあがることが知られているが、その理由は明確でなかった。本研究では、チャー
ハンについて、マヨネーズ使用による食感及び食味改良効果を明らかにすることを目的と
した。
【方法】炊飯後冷凍保存した無洗米を、電子レンジで解凍後、200℃に加熱したフライパ
ンに植物油または一般的な卵黄型マヨネーズを加え、2 分間炒めた。フライパンにひく植
物油の代わりを想定し、1 人分米飯 200g に対して、マヨネーズの配合量は 15g とした。
放冷後、テンシプレッサーにてチャーハンの物性を測定した。次に、マヨネーズを使用す
るとパラッとする要因を検証するため、乳化させていないマヨネーズ原料、卵黄を除いた
マヨネーズ原料、食酢を除いたマヨネーズ原料を乳化させて配合したものについて、同様
に試験を行った。
【結果】テンシプレッサーにより、植物油のみ配合したチャーハンに比べ、マヨネーズを
配合したものは付着、粘りの値が小さく、パラッとしていることが確認された。また、乳
化させていないマヨネーズ原料、食酢を除いたマヨネーズ原料を乳化させて配合したもの
は、植物油のみで炒めたものよりも付着、粘りが小さいが、マヨネーズで炒めたものより
は大きかった。卵黄を除いたマヨネーズ原料を配合したものは、植物油のみを配合したも
のに近い値だった。
以上の結果から、マヨネーズ配合により、チャーハンの食感をパラッとさせるのは、原料
中の卵黄の影響が最も大きく、マヨネーズの乳化および原料中の食酢の影響もあることが
示唆された。