北里大学で動物の不思議を学び、 ヒトと動物の関係を

2016/03/17 韮崎高校SSH課題研究発表会
北里大学で動物の不思議を学び、
ヒトと動物の関係を考える
北里大学 獣医学部 動物資源科学科 猪又滉史
2. イベルメクチンと動物の関係
1. なぜ動物を学ぶのか?
生命
栄養・
誕生
食物
●大村智先生らは土壌中の微生物(Streptomyces
avermitilis)から寄生虫に有効なエバーメクチン
を発見し、イベルメクチンを開発。(図1)
→寄生虫病に苦しむ世界の人々に多大な貢献を
し、ノーベル医学・生理学賞受賞。
福祉
行動・
生理
●実はイベルメクチンは最初は動物薬として登場。
図1:イベルメクチン
→伴侶動物の領域ではイヌのフィラリア症の予防
に画期的な効果を上げている。(図2)
→イヌの平均寿命が2倍以上になった。
●主に“健康な動物”を対象にして、それを取り巻く様々な生命科学を
学ぶことによって、生命のしくみの解明やヒトへの応用を目指す。
●北里大学獣医学部は青森県にあるキャンパスで学ぶ。
マウス、ラット、イヌ、ネコ、ウシ、ウマ、ヒツジ、ヤギ、ブタ、ニワトリなど、
たくさんの動物を大学で飼育。
ヒトへの治療だけでなく、伴侶動物の健康
維持や家畜の生産性向上にも貢献
図2:犬糸状虫
3. どのような講義・実習をするのか?
感染症・ウイルス
飼育方法・
飼育環境
飼育
管理学
動物介在活動・
環境エンリッチメント
動物
行動
学
機能性食品・食中毒
食品
機能
安全
学
感染
予防
学
動物
福祉論
生命倫理
農医
連携
細胞
工学
微生物
学
大学独自のプログラム
ヒトと動物の関係に
おける問題の解決
再生医療・不妊治療
腸内細菌
約1週間の牧場実習もあり!
4. 大学生活の魅力とは?
●他県出身者との交流
→何気ない方言やご当地グルメ!
●人との出会い
→あしたぼの会(ボランティアサークル)
●大学の近くに住んでいる人が多い
→歩いて3分!遅刻もしない!?
→児童養護施設や小学校への訪問、献血
●実験・実習終わりの楽しみ
→友人宅で鍋パーティー、天体観測、近くの雪山
へ滑りに行く など
推進活動、美術館サポート、学習支援活動など
縦と横のつながりだけでなく、
ナナメのつながりもできる。
5. 大学卒業後の将来は?
●資格
家畜人工授精師、食品衛生管理者、中学校・高等学校教諭一種免許
状(理科)など
●進学・就職
大学院進学、食品・医薬品会社、理科教員、不妊治療病院、動物園、
動物病院、食品衛生管理者、家畜人工授精師など
→大学院進学や食品会社への就職が多い。
最近は胚培養士(エンブリオロジスト)として働く人も増えている。
→動物胚の操作技術を学ぶことで、ヒト胚の取り扱いへと応用可能。
※参考:北里大学ホームページ
http://www.kitasato-u.ac.jp/syusyoku/jokyo/
6. メッセージ
●動物とヒトは密接に関連
→ヒトへ応用していくためには、生き物を研究に利用することが必要。
●生き物をよく見て、生き物からよく学ぶことが大切
→生物学を学ぶ者としては“動物を見ない“いわば”灯台下暗し”は避
けるべき。
●大学では好きなことをトコトン学べる
→高校生活で自分は何が好きなのか?・何をしたいのか?悩みに悩
もう!
→ひとつのことをいろいろな視点で見てみると良いかも・・・