2.これからのクラブ活動の教育的意義について教えてください。 21世紀に生きる子どもの自主性や社会性などの「人間力」をつけ、教育目 標である「生きる力」を高めなければなりません。この「人間力」をつけ、 「生 きる力」を高める上で、特別活動には重要な役割を果たすことが期待されます。 その一つは、望ましい集団活動を通して、友だちとかかわりながら豊かな人 間性を育てるということです。もう一つは実践活動を通して自主的で自治的な 問題解決の能力や態度を育てるということです。 その中でも、クラブ活動には次のような意義があります。 1.豊かな人間性をはぐくむ教育活動 「自主性と社会性の育成」 「個性の伸長」は、今日まさに求められてい る教育そのものの目標といえるでしょう。また、その活動の特質から、 クラブ活動は、異学年集団の活動を通して、人間的な触れ合いを深め、 豊かな人間性をはぐくむ場として重要な教育活動といえます。 2.共通の興味・関心を追求する活動 児童にとって、興味・関心を深く追求できる活動は大きな魅力です。同好の仲間と一緒 に、創意工夫して活動し、楽しさや満足感・成就感を体験できることは、個性の伸長に役 立ちます。また自己の課題に取り組みながら、問題解決の能力や態度が育っていきます。 3.異学年による集団活動 クラブ活動の時間は、学級集団を離れて学年の異なる児童が、互いに教え合ったり、助 け合ったりしながら、協力して活動します。ここでは、年齢の異なる仲間を思いやる心や 豊かな人間関係がはぐくまれ、社会性も培われます。 4.自発的、自治的な集団活動 クラブ活動は教師主導型の活動ではなく、成員一人一人の願いや考えを生かしながら進 める活動です。指導者の適切な指導の下に、児童の自発的、自治的な集団活動が展開され ることを通して、自主性がはぐくまれます。 5.地域とのつながりや生涯学習としても発展 地域の施設や人材の活用を図り、学校と地域の連携を図ることで、児童が、友だちや地 域の人達のよさに触れ、あらためて自らのよさを発見するなど、意図的に主体的に学び合 うことができます。そこで得た内容を積極的に表現したり、課題を追求したりする力は、 他の学習の場や学校を離れた地域においても、学習や活動を発展的に行おうとする意欲に つながり、生涯にわたって生かされるものです。
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