いま、認知症800万人時代認知症462万人 MCI400万人

左から右に 1
いま、認知症800万人時代 認知症462万人 MCI400万人
・2013年 徘徊行方不明1万人。徘徊中にJRの線路に入り
電車にひかれて死亡(2007.12)JRから720万円の請求。
鉄道事故は2012年150件。
・高速道路の逆走 2011年から3年で541件 37%は認知症。
・虐待相談・被害通報件数 2013年 25.000件。
・詐欺事件の被害者は認知症発症者が多い?
・若年性認知症は10代でも発症。平均51歳。
不可解な行為-なぜ?
・
記憶障害???
・話している最中にプイッと無視して立ちさる
・自宅なのに「家に帰る」と言い、出て行く
・病気を自覚せず、病院に連れて行こうとすると怒る
・ちょっとしたことですぐに怒り、暴力をふるう
・介護する家族の大変さを、全く理解してくれない
・「サギ」にかかりやすい
左から右に 2
認知症1000万人時代
認知症になっても安心してくらせる街をつくる金沢シニア連絡会議
認知症の方も
「やりたい」
「できる」を
見つけて活躍
ともに活きる
街をつくる
サポーター養成講座
●資料の出典●+
「認知症に負けない生き方」 山口晴保先生 群馬医大 認知症臨床医(経歴多数)
「 社 会 脳 か ら 見 た 認 知 症 」 伊 古 田 俊 夫 先 生 北大医学部卒 認知症サポート医(経歴多数)
かわさき記念病院 精神科診療部長 高橋正彦先生 講演から
「すべてがわかる認知症」週刊朝日MOOK
今、認知症は新たな段階へ
左から右に 3
前史
1906年 オーストリアの精神科医アルツハイマーが、ドイツ精神科地方会で症例
報告。夫に対する嫉妬妄想・見当識障害が発症、進行性の認知症で4年半で亡く
なった51歳の女性。解剖で脳の萎縮、老人斑が目立つ。
明治時代に「老耄狂」といわれ、1920年頃は「老耄性痴呆」と改められます。
近年、寿命が延びて多くの認知症が顕在化。
しかし、家族、親族で忌み嫌われ、偏見のもと、「隠す・拘束・座敷牢・遺伝」などの
偏見と対処が見られました。
1972「恍惚の人」「ボケ・怪奇・隠す」、偏見の時代
1980 日本で「家族の会」発足
1990年代以降は、 「パーソン・センタード・ケア」など、その人がその人らしく生き
ていくことができる環境を提供することが課題になり始めます。
認知症と現代社会
栄養過多による高血糖、高血圧、ストレス、運動不足、長時間労働などで、生活
習慣病がひろがり、認知症発症の背景になっています。
最近は、雇用の不安定、格差社会、6人に一人の貧困、虐待、など、社会問題と
関わってきます。
左から右に 4
今、第2段階に 先進国共通の取り組み
第一段
階
正常な
取り組
み開始
2004.10 京都玉が池国際会議場 認知症の国際会議
認知症本人が特別報告 会場の涙を誘う
「何もわからないのではなく、ボケていても心は残る・・・」
2004.12.24 国は「痴呆症」を「認知症」に改める
「サポーター養成講座」、オレンジプラン開始
2009 要介護認定の要求と認知症対応が改善
2013.5 アメリカ精神医学会 認知症の診断基準を改定。
記憶障害無がなくても「社会的機能の損傷」で認知症 。
第二段
階
2014.10 認知症の国際会議に安倍首相発言、
街で支
新オレンジプラン
える取り
・10年後認知症はおよそ2倍近くに、施設も人材も不足
組み広
“街で支えるしくみ”と“サロン・カフェ”が課題に
がる
・各地、各施設で、新たな取り組みと成果が誕生
人口構成 高齢者を支えらるか 社会保障の危機
左から右に 5
おみこし型
騎馬戦型
肩車型
高齢者
64歳
30.3
26.1
15歳
10%が高齢者
30%が高齢者
40%が高齢者
このままでは60年後の人口は6000万人で国の存続が危ぶまれる
左から右に 6
横浜の2025年問題
左から右に 7
・横浜市 2025年問題 認知症. MCI(予備軍)は1.8 倍
65歳以上は 1/4人. 75歳以上は 1/3.5人.
85歳以上は 4/10人が認知症に
・金沢区で 2025年には
高齢者は51.000人 認知症 15% 7.650 人
MCI 13% 6.600 人 計14.251人
・施設と、ケアの人材も絶対的に不足。国・自治体も「財
源不足」で、地域で支える政策に転換。
・「街ぐるみで支え合う」と「サロン・カフェ」は喫緊の
課題です。
増える高齢世帯 単独と2人世帯は高齢者の80%超える
左から右に 8
横浜市 国勢調査 平成22年
総人口 3.688.773 人 高齢者人口 736.210人 26.1%
平成22年
約1.494.949世帯中、
約355.798世帯、27.1%が高齢世帯。
内 単独世帯 132.948 37.3%
夫婦のみ 159.504 44.8%
要介護認定者 現在の12万人から2025年は20万人に 1.6倍.
うち55%は認知症と推定
生活保護世帯 平成12年 24.914世帯 18.1%
23年 49.648世帯 31.1%
199.4% 増
2000年の介護保険創設時 約55万人介護職員、
2013年約171万人、団塊の世代75歳以上の2025年
約248万人の介護職員不足
左から右に 9
認知症・MCIは、70代 7人に1人、80代 3人に1人、90代 ほとんど。5歳ごとに倍増
左から右に 10
平均余命で寿命はさらに4年延びます
初めの検査 本人と家族で
左から右に 11
本人と家族が同じ
答えの数がよい。
症状が進むと、本
人はできると答え、
家族はできないと
答える。
・MCI:両者とも 2
・軽度: 本人 2
家族 6
・中度: 本人 1
家族 9
チェック数 が
3項目以上 疑い
4項目
強く疑う
左から右に 12
認知症の種類
左から右に 13
若年認知症は全体の
1%、平均51歳で発症
・血管型
40%
・アルツハイマー 25%
・頭部外傷後遺症 8%
・前頭側頭葉
4%
認知症の診断は難しく、10
~20%は違う場合がある。
その他:
感染症:脳炎、狂牛病など、
身体疾患:うつ、肝疾患、内分泌
疾患、膠原病、腎疾患、甲状腺
疾患、中毒、正常圧水頭症など、
外傷による認知症.
細かくは75種類,150種類の説明
もあります。
? 認知症に最初に気がつくのは ?
認知症の種類と特徴 1
アルツ
ハイマー
型
50%
レビー
小体型
第2の
認知症
20%
混合型があります。
左から右に 14
・明るい・病識なし、
病感は残る
・女性に多い
・「お幾つですか」の
答え・・・
・取り繕い・作り話、
・ものとられ妄想・振り向
き兆候・夕暮れ症候群
・1/2は徘徊に・相貌錯誤
・1/3は脳卒中後遺症併発
・記憶と学習の障害
(財布と通帳4回
紛失、冷凍室に汚れ
た下着と財布)
・人を馬鹿にする
・20年前開始、5年間記憶
障害、10~15年発症、
計40年
・遺伝要因説がある
・幻視・錯視・誤認
妄想(虫、他人)
・症状の変動(朝元気、
午後消沈)
・パーキンソン症状
・レム睡眠障害
・昼夜転倒
・早期治療で改善
・記憶障害なしもある
認知症の種類と特徴 2
行動型:・「超KY」
前頭側
頭 型
(ピック病)
15’%
・我慢できない
・マイルールで社会
ルールなし「万引
き」・習慣を作る
と守る(カントの散
歩)・暴力
大脳の深部が損傷
血 管
障害型
15%
・悲観的、返事なし
・理解に時間が必要
・言葉が少なくゆっ
くり、
・パーキンソン、運
動麻痺、
混合型があります。
左から右に 15
意味性:
・物の名前が言えない,
たとえばなしが出来ない
(左側頭葉に国語辞典)
・昼夜転倒(タンス出
し入れ)
・記憶障害ない場合ある
・昼夜逆転
・意識や注意力障害
アルツハイマーのアミロイドβ蛋白
左から右に 16
レビー
小体
市立大
小坂先生
が発見
神経原線維
β-アミロイド蛋白
びまん性老人斑
βシヌクレイン
群馬医大山口教授発見
βタンパクが溜まる <30歳代0 40歳代5% 50歳代15% 70歳代 50%>
アルツハイマーには遺伝説があります
認知症の中核症状と行動・心理状症状
周辺症状 BPSD
行動・心理状態
中核症状
学習記憶障害
本人の性
格生き様
言語障害
実行機能障害
注意障害
知覚運動障害
社会的機能障害
改善しない
物忘れ
不安・焦燥
内・外の
要因が
加わる
環境、薬、
家族など
改善
する
左から右に 17
意欲の低下
幻覚・妄想
徘徊
興奮・暴力
不潔行為
● 「お歳は」?
●食べてすぐに「ご
飯はまだか」
●暗くなったり一人
になると寂しがる
●趣味などの興味を
なくす
●財布や通帳を盗れ
た、金銭管理不能
●「家に帰ります」
と出るが帰れない
●すぐ腹を立てて攻
撃的になる
●失禁やトイレの失
敗を隠す。便をこ
ねる。
●病識なし、病感あり
左から右に 18
BPSD
”人”として大切にされて”人”として生きることが出来る
記憶の3つの過程と記憶の分類
左から右に 19
知識
自転
車
もの忘れと認知症の違い
左から右に 20
左から右に 21
記憶障害の説明 たとえ話し・・・
.・
若いとき
認知症
正常な老化
進行すると
左から右に 22
脳はいのちと身体の司令塔
神経伝達物質
小分子神経伝
達物質
アミノ酸、モノア
ミン(ドーパミン、
ノルエビネフリン、
ヒスタミン、セニト
ロン、)、可溶性
ガス、アセツルコ
リン
アミノ酸神経伝
達物質
グルタミン酸、ア
スパラギン
酸、グリシン、y-ア
ミノ酸
情報伝達はイオン
左から右に 23
認知症の進行度
軽度認知障害
MCI
左から右に 24
物忘れがややひどくなって固定化した状態。
うつ病、慢性疲労、甲状線機能低下症などを
5年放置すると過半数が認知症になる
早期発見・治療で回復可能性が高い
↑
(認知症の進行度 2013.5 アメリカ精神医学界の定義)
軽度認知症(Miner NCP) 認知症対策で重要な段階
治療やリハビリで、進行を遅らせられる
重度認知症(Majyor NCP)
回復はできないが、進行を遅らせる効果
■認知症の進行は ヒトの成長過程の逆を進む
●仕事が出来なくなる ●服が選べない ●金銭管理が不能
●入浴・排泄が出来ない ●歩けない ●話せない
●食べられない ●笑顔がなくなる ●死
■赤ちゃんの”笑顔”に 1400万年のヒトの歴史
“人”として大切にされて“人”になれる
認知症の定義
定
義
❶ 脳の社会的認知機能が喪失
する病気
伊古田俊夫先生
❷ 記憶など知的機能の低下
が現れ、日常生活や社会生活
が営めなくなる状態
(これまでの規定)
左から右に 25
「社会的機能」
ヒトの心の動きで
重要で基本的なものは
<他者の気持ちを
理解する能力>
(イギリスは“メモリークリニック)”
“社会脳”は
・SPECTなど脳の血流検査の画像化技術が進化して、診断可能に。
・2013.5 アメリカ精神医学会の新しい認知症の診断基準に。
・これにより、認知症の早期発見・治療・リハビリ・介護がとらえ
直されています。
・うつ、発達障害、総合失調症、自閉症などにも期待されています。
ヒトの特色 社会的認知機能は簡単
左から右に 26
❶人の目、顔、表情などで
人の気持ちや心を推察
する
<表情の認知>
❷他人の心の痛みを自分
の心の痛みに感じる
模倣からはじまる
<共感、同情>
❸相手の気持ちを把握し
ながら自分の行動を決
める<駆け引き>
❹みんなで協力し、物事
を行う
<社会性、協調性>
❺自己の感情、欲望を適
切に抑制する
<理性的抑制>
❻自分を振り返る、反省す
る <自己の認識、自己モ
ニタリング>
●“社会脳” 人間関係を支えている。芸術にも不可欠。犬とオオカミの違いとは
(赤ちゃんの見つめあう笑顔:オキシトシン=しあわせホルモン)
「脳」は どう育てられたか 「社会脳」の形成
前
史
人
類
の
祖
先
現
代
人
の
祖
先
左から右に 27
2億年前
トロオドンのDNA変異、脳が大きくなれる
6500万年前 恐竜の絶滅後 小さな哺乳類が活躍
2500万年前 アフリカで地殻変動,東部は草原に地上で2足歩行
1400万年前 ラマピテクス(人類の祖先)手を使う
350万年前 アウプトラロピテクスが分岐、狩猟で空間認知が必要な頭頂部
が発達、大脳は440ml チンパンジー394ml、オランウータン411ml
200万年前 ホモ・ハビリス(石器で表象機能進化600ml
160万年前 ホモ・サピエンス 850m
80万年前
ホモ・エレクトス(北京原人)言語中枢の発達で1040ml
15万年前 ホモ・サピエンス( ミトコンドリア・イブ)
10万年前 ネアンデルタール 1400ml
4万年前
クロマニョン人(現代人の祖先)壁画、宗教,
言語、音楽、舞踊、前頭連合野発達1200ml
赤ちゃんの笑顔(オキシトシン)快楽ホルモン、モモの内側にも。
脳の形の進化図
脳は両拳をそろえた大きさ。大脳は折れ曲がって上に乗っている。下
から上に脳の階層が形成。ヒトの脳は毎秒100兆の指令を出す。巨大
化し血液の20%を脳で使う。絶えず血液不足状態?
左から右に 28
脳の三層構造
左から右に 29
◆両拳の親指を合わせた形が脳、大きくなりすぎて、酸素・栄養不足に◆
脳の構造と 役割 社会脳の首都は前頭葉内側?
左から右に 30
帯状回:
各部位を結び
つける、感情
による記憶、
共感・同情、
学習と記憶、
呼吸器系の調
整
頭頂葉:注意機能、過去と
未来を考える
脳梁: 2億の繊維で左右の脳を
つなげる
後頭葉: 視覚情報
の処理
前頭葉
前頭葉:
思考や創造性、
実行を担う脳
の最高中枢
前頭葉基低
部:
長期的計画、
理性的抑制、
注意機能、
扁桃体:
美しさ醜さ
危険を恐怖感として
への感性
警告、感情処理
側頭葉:
左右にある
脳、視線で
心を読み取
る。左には
国語辞書が
ある。
海馬: 目、耳、鼻からの短期的記
憶や情報の制御。恐怖・攻撃・性
行動・快楽反応にも関与
扁桃体
海
馬
海 馬
扁桃体
左から右に 31
脳の細胞は1000億個その
1000分の1が扁桃体
原始的な
命維持機能
-記憶
-危険・恐怖・攻撃
あなたの「社会脳」は働いていますか
左から右に 32
A
B
C
D
客観的にものを見る脳力は4歳くらいで出来る。これは記憶力を見るのではない。
人とくらす犬はしぐさが似てくる。オオカミにはない。俳優の特技でもある。
認知症の診断基準と社会的認知障害
2013年5月米国精神医学会
❹改良
左から右に 33
❻新設
❶「学習と記憶」
の障害
❷「言語」の障害
❸「実行機能」の障害
覚えられない、忘れ
る、名前が出ない、
ピンポイントができ
ない
話 す ・ 表現す る ・ 理
解する、ができない、
たとえ話もだめ。
計画化・抽象化ができな
い、服を着る・料理・買物
はできない、自動機が使
えない
❹「注意機能」の障害
仕事の時間が長くな
る、初歩的なミス、
2つのことが同時に
出来ない、話してい
てすぐに立ち去る、
❺「知覚と運動機
能」の障害
❻「社会的認知機能」
の障害(新)
地図が読めない、 方向
感覚がない、ゆっくり
考える、徘徊、トイレ
のミスなど
人と人の絆をきづけな
い、表情と心がわから
ない、うそ、取り繕い、
易怒性、自己規制が出
来ない、感謝がない、
「社会脳」 脳の血流画像 1
左から右に 34
*円滑な社会生活のために、相手の感情、動きをキャッチ
する能力は、ヒト特有の能力=”社会脳”。
* ”社会脳”はいくつもの脳の部位がネットワークで働く。
例:「同情」
“社会脳”のネッ
トワークと血流
画像 A~D
「注意」
長期・短期・瞬
間で、注意で働
く脳が異なる。
多くの部位が働
く。
「社会脳」
道徳的ジレンマ
で苦悩する脳
脳の血流画像 2
左から右に 35
前部帯状回
いくつもの部位
がジレンマの時
に働く(網かけ
部)
「扁桃体」
がない
詐欺にあった人のMRI画像
両方の側頭葉、特に内側に萎縮
がある。
「扁桃体」が見当たらない。
恐怖感、警戒心がない。
詐欺犯人と長時間行動を共にし
ている。
脳の部位構造と 役割 全体
左から右に 36
左から右に 37
上部は診断基準(アメリカ)。左は「症状」、中央の”不潔・・・”はまだ説明不能。
下部の「症状」は”社会脳”でなければ説明できない。
“社会脳”のまとめ
左から右に 38
“社会脳”発見の背景:❶記憶障害で説明できない症状がある
❷SPECTなどの血流検査の画像で脳の機能の状態が判明、
❸臨床事例、診断事例も豊富で検証、
認知症は「社会脳が損傷し、様々な認知機能の損傷が現れて
日常生活が出来ない状態 (群馬医大山口晴保教授)
❶1400万年のヒトの集団生活は、ヒトの脳と脳が交渉しあ
い脳の機能を進化させた。50万年前にほぼ完成?。
❷認知症の不可解な行動の多くが”社会脳”理論で説明可能
( 過ちを認めない・易怒性・暴力・感謝なし・・・)
❸早期発見・治療・リハビリ・介護が捉え直される。介護者
の精神的負担は和らぐ
❹発達障害、自閉症、総合失調症、外傷による脳障害など
の診断・治療・リハビリにも期待される
左から右に 39
お疲れ様です。次は
● 認知症の予防は
生活習慣病対策と類似
●早期発見・早期治療
●リハビリの効果
■認知症とご家族をまちで支える
事例の報告が多くて、楽しいです
認知症 三次の予防 <4つの柱>
一次予防、発症しない 遅らせる
二次予防、早期発見・早期治療
三次予防、重症化の防止
■一次予防
<4つの柱>
1,運動=脳細胞の新生の促進
●資料の出典●
「認知症に負けない生き方」
山口晴保
群馬医大認知症臨床医
(経歴多数)
「社会脳から見た認知症」
伊古田俊夫
北大医学部卒
認知症サポート医(経歴多
「すべてがわかる認知症」
週刊朝日MOOK
:前頭葉や海馬の血流や代謝をよくする
2,食事=バランス、地中海料理、和食、肥満対策
:高血圧、コレステロール・中性脂肪を下げる
3,ストレスをためない
4,社会的ネットワーク
左から右に 40
人とよい関係を保つ
認知症の 6大リスク
左から右に 41
1.血糖値が高い
・熊本医大久山町の調査-糖尿病が認知症の増加要因
・インスリンはアミロイドと糖を分解、高血糖はインス
リン不足に
2.高血圧 血管壁をいためる
アミロイドβが溜まっても発症しないのは正常血圧
3.高齢者のうつ、セルフネグレフト
うつは認知症の予備軍。リスクは2倍。
4.アルコールの脱水作用
10mgはOK,ビール250mg 日本酒0.5合まで。脱水
状態で、血流の障害となる。
5.喫煙
久山町1988年高齢者800人の調査。リスクは2倍。
6.頭のけが
きっかけに発症のリスク。
認知症の予防の考え方
左から右に 42
●運動、食事、ストレス、人のネットワークの④つが柱●
1,結晶性知能=積み重ねてきた社会生活を営む知能を活かす
2,総合力=分析力・判断力・コミュニケーション力を活かす
3,一日一日、希望と目標を持つ、脳の「ゆとり」をもつ
アメリカでシスターの脳解剖結果 脳はアルツハイマー、しかし発症なし
4,βタンパク・タウタンパクが溜まらないライフスタイル
βタンパクが溜まる <30歳代 いない 40歳代 5%
50歳代 15%
70歳代 50%>
● 睡眠
睡眠時ゴミにタンパク分解 動物実験でも証明
デフォルトモードネットワークの活動
● ストレス 副腎からコルチゾールホルモン分泌
脳に働いて、溜まりやすくなる
● 歯周病 歯がないと20本以上ある人2倍以上のリスク
● 視力と聴力 低下すると情報不足
認知症と運動の効果 1
左から右に 43
本来:ヒトは100~200km, 長時間走れる。メキシコ奥地のタラウマラ族、
運動は脳を活性化:アメリカの高校 エクササイズを授業の前
に実施。成績が上がり、あれた教室が改善。
運動は各種ホルモン分泌を促進:副腎皮質刺激ホルモン、アンド
ロゲンなど、
神経伝達物質:ドパミン、アドレナリン、セニトロンなどがでて、
イライラなど解消、
神経栄養因子:神経細胞の生存・維持に必要
なタンパク質の分泌を促進。BDNF
ホルモン(脳由来神経成長因子、脳の肥
料)がつくられ、毎日少しずつ死滅し生
まれる海馬に必要。
*筋肉を使うと、BDNFホルモンが増加
する。
認知症と運動の効果 2 歩き
左から右に 44
認知症と運動の効果 3
左から右に 45
認知症と運動の効果 4
ガムをかんだときの活性化
高齢では”前頭前野が活性化
左から右に 46
認知症と運動の効果 5
口腔
左から右に 47
“パラカタ”は”口”の代表的な体操の一つで、筋肉と舌の活性化です。
噛む力、唾液分泌、発音力、鼻呼吸で口腔乾燥、いびき・歯ぎしり改善
に役立ちます。
食事前が
効果的、
大きくはっ
きり、仲間
と楽しみな
がら
歯科医師会
認知症と運動の効果 5 事例1
いろいろ工夫して楽しみましょう
左から右に 48
認知症と運動の効果 5 事例 2
左から右に 49
工夫してつくるのも脳
活性化になります。
認知症と運動効果5 ネットで検索
認知症と運動の効果
事例 ネットから
左から右に 50
インターネットに
インターネットで
は、認知症予防運
無数の?効果の実
動の実例が、合賀
証された事例が検
で紹介されていま
索できます。
す。
仲間と見ながら、
仲間と選ぶのも楽し
選ぶのも楽しいで
みの一つです。
すね。
まず、出来る事から始
めましょう。
まずはやってみる
ことです。
認知症と運動の効果 6
左から右に 51
「社会脳」はヒトが喜ぶのを見ると活性化する
海馬を守るポイント
前頭前野を守るポイント
睡 眠
会 話
噛 む
生活習慣病対策と食事 1
血液の20%(酸素とブウ糖)が
脳で使われる。心臓は1日に8
トンの血液を身体に送る
黒人①アメリカ ルイジアナポ
リスと②アフリカ ナイジェリ
アの比較。
アルツハイマーは4倍近い発
症、高血圧3倍、脳卒中8倍、
糖尿病は10倍、生活習慣の違い。
肥満・高血圧・高コレステロー
ルの20年間の追跡調査。
・10-7と5つの品物のテス
・認知症は肥満で2倍、高血
圧2倍、高コレステロール
2倍、三つ揃った人は6倍、
左から右に 52
脂質*「飽和脂肪酸」:動物、乳製品は室温で
固まるので、血液がどろどろに。内臓
脂肪につく。
魚 *「不飽和脂肪酸」:青魚からDHA EPA、
体内で作れない。
*エスキモーは脳梗塞などなし。
肉 *セロトニン(心を和ませる幸せホルモン)
の原料でトリプトファンが多い。
*偏らない食事が大事。
緑黄色野菜 くだもの
*ビタミンC・E,、βカロチン、豆類
エゴマ油、
ポリフェノールは、βゴミ、タウゴミに効果。
イソフラボン、カテキン、など植物の皮・葉
も効果、
赤ワインのシリセチン、ナスのデルヒフィニ
ジン、ウコンのクルクミンなどは予防効果、
糖尿病などの推移で認知症の発症が増加?
左から右に 53
生活習慣病対策と食事 2
左から右に 54
BMI 体重kg ÷ 身長m ÷ 身長m = BMI
(65kg
165cm
165cm
23.9)
18.5~25未満 適正 18.5未満 低体重 25~30未満 過体重
30以上肥満
アメリカ 1万人対象 36年間追跡、
中年期BMI30以上 アルツハイマー3.1倍、脳血管障害型 5倍
食生活 生活習慣病と 脳への影響
1.
2.
3.
4.
5.
6.
腹八分目=過食が老化と脳に 影響
野菜、魚中心,
3. お酒、赤ワイン(ポリフェノール)
和食と注意点 塩分, カルシュゥム
水不足に注意
よく咬む、肉の前に野菜 .
生活習慣病対策と食事 3
左から右に 55
生活習慣病対策と食事 4
左から右に 56
生活習慣病対策と食事 5
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認知症とライフスタイル 1
週刊朝日MOOK
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認知症とライフスタイル 2
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ロコモティブシンドロームにならないよう
1日10分 体を動かしましょう
掃除・洗濯・料理はきびきびと、テレビを見ながらストレッチ、
買い物は歩いて、 階段を使いましょう
etc
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早期診断の重要性
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●治る認知症を
発見
ホルモン異常、肝臓病・腎臓病
ビタミン欠乏症、硬膜下血腫
水頭症、などによるもの
●現段階では治ら
ないが、進行が
ゆるやかになる
脳卒中によるもの、神経細胞の減少
などによるもの
○早期診断
脳神経変性疾患
アルツハイマー病、ピック病、
レビー小体病、ハンチントン舞踊
病、脊髄小脳変性症、など
脳血管障害
脳梗塞(塞栓・血栓)、脳出血
○早期治療で病気
応じ効果が期待
該当しますか MCI 5つの定義
予防運動などで、
多くが改善します。
大分県宇佐市安心
院町(あじむま
ち)の取り組み
18 人のMCI( 予備
軍) のうち3 年間
で16 人が正常値
に.。
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早
期
発
見
・
早
期
治
療
が
重
要
早期発見の意義
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左から右に 66
地ゴ
域ミ
と屋
自敷
治は
体認
で知
効症
果?
を
上
げ
ら
れ
る
認知症と診断後すぐにやるべきこと
□
介護保険の要介護認定
の申請をする。
良いかかりつけ医を見つ
ける。
□
本人の行動障害や精神症状に
対し、具体的な支援をしてく
れる介護スキルをもつ医師が
よい。
本人の住む市区町村役場の
窓口で申請をする。
「要介護1~5」なら、自己負
担は1割(2015年3月時点)。
□
中心になる介護者を決
める。
ほかの家族に介護支援を求
める交渉役。
その人だけに負担がかから
ないように。
左から右に 67
頼りになるケアマネを探
そう。
□
本人や家族の問題を聞いて、
希望に沿いながら、問題を解
決できるように動いてくれる
人を選ぶ。サービス利用者の
評判も参考に。
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六つの
早期受診
の工夫
早工受
め夫信
にがに
話必い
し要た
合。る
っ
て い
お ろ
く い
ろ
な
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非薬物療法 高まる期待
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認知症の方とご家族を支える
先進医療の現状
認知症を地域で支える 1
九州 大牟田市
■ 高齢者の人口構成は32%、元は炭坑の街。
■ 10年も前から「徘徊」の模擬訓練を全市を挙
げてとりくみ。
■ 小学生から、絵本などを使って認知症の学習。
高校生や中学生が実際に徘徊者を助けて、警察
から表彰。
■ 「徘徊を出さない」のではなく「安心して
徘徊できる街」をつくるのが目的。
全市をあげた徘徊ネットワークがある。
年間20 ~30 人の徘徊を、必ず見つけて
いる。(金沢区も徘徊SOS ができている)
左から右に 72
認知症を地域で支える 2 認知症カフェ
左から右に 73
認知症カフェ
運営の原則
・気軽に参加できる
・みんな対等の立場
・会話を楽しめる
・問題解決の場、
情報を得られる場
カフェの役割
1.
2.
3.
4.
5.
認知症本人
介護家族
地域住民
専門職
地域のシステムづくり
認知症本人支援
1. 早期診断・早期介入のきっかけづくり
2. 社会活動の場づくり
3. 本人同士のピアサポート
4. 本人への認知症に関する情報提供
認知症を地域で支える 2 認知症カフェ 海外
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平成24年厚生労働省
「認知症施策推進5か年計画」(新オレンジプラン)」
「認知症の人と家族、地域住民、専門職等の誰もが参加でき、集う場」
海外では
・オランダ1997・英国2000・米国2008・カナダ2011
・オーストラリア・アイルランド・オランダ「アルツハイマーカフェ」
・診断後の集団的介入の一つの形である。
・月に1回開催。
・認知症本人、介護者、その他興味のある人に教育や情報提供。
・寄り集まりやすくするためにカフェの形をとる。
・本人、家族、その他のケアラーがつながり続けられるように支援。
・認知症の知識のある運営委員が運営し、地域のボランティアや
専門家を組織。
認知症を地域で支える 2 土橋認知症カフェ
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土橋カフェ 土橋町内会の準備
・以前から地域のつながりが濃かった。
・地域での認知症対策に取り組んでいた。
・地域包括支援センターが地域に浸透していた。
・平成24年5月認知症徘徊声掛け訓練
・BPSDを予防する対策の必要性を
説明。
・平成25年2月宮前区認知症サポー
ター養成講座
・4回シリーズ。最終回で、地域づくり
にっいてグループ討議。
その中で カフェを紹介。
・平成25年7月カフェ準備会
・平成25年9月 第1回 土橋カフェ開催準備
土橋カフェ 次第 マスコミが注目
左から右に 76
• 土橋カフェ
・毎月第1水曜午後1時30分~4時30分
・場所土橋会館
・参加者毎回40-60人
• 参加者
・地域住民、地域包括支援
センター、
医師、PSW、区保健師、
・ケアマネージャー,看護師、
・家族会代表
・参加費100円(お茶代おか
わりOK)
日 程
13時30分 開会
14時 講話・質疑
14時30分
その他(健康体操、音
楽など
16時30分 終了
・必要に応じ本人との
面談,家族の介護相談
など(会場か別室)、
認知症を地域で支える 2 MCIの改善
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大分県宇佐市安心院町(あじむまち)
認知症にならない取り組み
●10 人程度のグループが、料理と軽い運動をしている。
●料理はみんなで相談し、買い物から作業の全
体をみんなで分担、
●食事の後は軽い昼寝、ダンスやステップ体
操、二つことを同時に行う
「デユアルタスク」を行います。
● 18 人のMCI( 予備軍) のうち3 年
間で16 人が正常値に.。
施設の挑戦 大きな進歩
春日部
「しょうわ」
何でもありの
リハビリ
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藤沢市「おたがいさん」
近所のオバチャンや子供たちがあがりこん
でお茶を飲んだり遊んだり・・・。
施設内に通学路も。施設と近所の境界がな
い、老人と子供の区別がない。
みんなでご飯を作ったり、犬と遊んだり、買
詳 い物に行ったり・・・。「なじみの関係」ができ
る場所だから、
入浴やお泊りもあり。
10年後の社会を思
わせる。
認知症でも「出来ることを見つけて
楽しむ、社会に役に立つ」。
トライアングル・ケア 先端技術で
杉並 ヴラフォーレ荻窪
左から右に 79
医療機関の挑戦 周辺症状BPSD
BOSDは患者の過去に
要因がある。
発達障害、うつ、妻と
の死別などを把握して、
予測を立てる。
検査機器やデイケアを
導入。
左から右に 80
ISP細胞への期待
先制攻撃か?
・1998年アメリカとスエーデンのチーム
の実験。
大人の脳が、学習活動で細胞がつくら
れることを確認。
・遊具や仲間と共同生活をしたラットは
海馬のニューロンが60%もくシナプス
の樹状突起も多い。
・ISP細胞への期待 京大IPS研
認知症の人の皮膚からニューロンをつ
くることに成功。
・DHAがニューロンを強力に保護するこ
とをラットで証明「T・817MA」(富士
フイル)。認知症の進行を止めるより
画期的。副作用が無い。
左から右に 81
島津製作所 田中
耕一所長のチーム。
0.5ccの血液で、
アミロイドβ蓄積
の有無が判別でき
るシステムを開発。
健康診断で使える
ようになれば、認
知症への先制攻撃
が可能になる。
認知症の人が求めている生活
左から右に 82
■「自分が必要とされている・役に立っている」
という実感
■ 「やりたい」「できる」を伸ばして社会貢献も
■ 怖い人がいない、怖い場所ではない 苦痛が
ない
■ 心地よさがある
■ 今までの暮らしを継続できる
■ 自由、自分で選べる
■ 今、この時期を人生の終盤期として、大切に
すごせている
家族のとまどいと苦痛
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サポーターとして出来ること・・・
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オレンジリングをつけ、集いを持つよう声をかけましょう
近所に認知症らしい人
が。どうすれば・・・
病気だからかかりつけ
医に相談を進めた
スーパーで家族とはぐ
れ困ってる高齢者が・・・
優しく声をかけ、店内放
送してもらう
認知症の介護をしてる
方が、最近見なくなった
話を聞いてあげ、ねぎら
いの言葉をかける
時々、通帳を無くしたと
いう方くる・・・
夏なのに厚着してくる
家族の連絡先を聞いて
連絡し、相談に乗る。
近くの包括支援センター
に連絡するする。
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わたしたち一人ひとりが「キーマン」です
① 困っている方には声をかけましょう
② [オール市民学習運動]を起こしましょう
* 「認知症のための集い・サポーター養成講座」を開きましょう
日時・場所 を決めればOK. 無料です。
* 「基礎知識学習」と「予防・街づくり」の二回の集いが
理想です。
③ [カフェ] [サロン]を開きましょう
④ さしあたって自治会・町内会単位に包括支援センターの
“サテライト”づくりと、カフェ・サロンを開きましょ
う。新しい人材づくりのモデルをつくりましょう
⑤ 予防・早期発見・早期治療を街ぐるみで進めましょう
⑥ 地域ぐるみで支え合い、協働する街を築きましょう
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<認知症になっても安心して暮らせる
街をつくるかなざわシニア連絡会議>
三種類の団体で構成
❶
❷
❸
■
金沢区シニア連 六浦の三支部 20クラブ1700人
ケアプラザ(六浦地域・柳町地域)
かなざわオレンジの会(講師の団体)
事務局団体 六浦地域ケアプラザ
代 表:シニアクラブ : 乾 (シニアクラブ 六浦西支部)
副代表:六浦地域CP : 占部 所長
柳町地域CP :笹田 所長
シニアクラブ 六浦支部 :金子 支部長
シニアクラブ 六浦東支部:鈴木 支部長
シニアクラブ 六浦西支部:高松 支部長
かなざわオレンジの会:山中 代表
事務局長:田中 (南川長盛会 六浦西支部)
認知症カフェを金沢区内に開設・普及する事業の補助対象事業の申請団体
<認知症になっても安心して暮らせる街をつくるシニアネットワーク>