WING DAILY

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WING DAILY(毎週月−金曜発行、祝日休刊) 第2015号 2009年(平成21年)10月28日(水曜日) WING DAILY
Airline & Aviation E-mail News
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D A I L Y 編集部
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【HEADLINE NEWS】
★コンチネンタル航空、スターアライアンスに正式加盟
ANAとの連携でアジア太平洋でのプレゼンス拡大に期待
【ニューヨーク=山田友樹】コンチネンタル航空(COA)
は10月27日、スカイチームから脱退し、正式にスターアライ
アンスに加盟した。COAのハブ空港の一つであるニューアー
ク・リバティー空港で行われた加盟式典で、スターアライア
ンスのヤーン・アルブレヒトCEOは、COAの加盟によってア
ライアンス・メンバー間の補完関係がさらに強まり、利用者
の利便性が向上するとことを強調し、COAの加盟を歓迎し
た。また、COAのラリー・ケルナー会長兼CEOは、世界最大
のアライアンスに加盟することで、これまで以上のメリット
を利用者に提供できるとアピールした。
今回のCOAのスターアライアンス加盟は、アライアンスを
移行する初のケースであり、アルブレヒトCEOは、この移行
がスムーズに進んだことを高く評価。「(COAの加盟は)国
際線ネットワークでも、米国内線ネットワークでも、さらに
マイレージや空港施設の活用の点でも、すべて完璧に適応し
ている」と述べ、COAが強力なパートナーメンバーになるこ
とを強調した。
また、ユナイテッド航空(UAL)のグレン・ティルトン会
長兼CEOは、式典のスピーチで現在経営危機に直面している
日本航空(JAL)を引き合いに出し、アライアンス・メン
バー間の協調関係の重要性を訴え、COAの加盟によってアラ
イアンスの強化がさらに図られたと歓迎した。
スターアライアンスはこれまで世界のビジネスの中心地で
あるニューヨークへの路線網が弱かったが、今回、ニュー
アーク空港をハブとするCOAが加わったことで、この弱点を
カバーすることになる。また、もうひとつのハブである
ヒューストンを中心とした中南米へのネットワークも拡大す
る。COAのケルナーCEOは、「我々はこれまでスターアライ
アンスになかったネットワークを提供することになる。同じ
米国キャリアであるUALとも競合ではなく完璧な補完関係に
なる」と述べた。
国際線でUALは太平洋、COAは大西洋、米国内線でUALは
東と南、COAは北と西にそれぞれ強みを持っており、同じ米
国キャリアでも主要マーケットは異なることから、お互いに
カバーしあう関係が構築できるようだ。
アジア太平洋地域についても、COAのジェフ・スマイゼッ
ク社長兼COOは「ANA、タイ国際航空、シンガポール航空な
どアジアの航空会社との強力で、アジア太平洋でのプレゼン
スも高めることができる」と述べ、比較的手薄だった同地域
へのビジネス拡大に期待を寄せた。これまでスカイチームに
は日本の航空会社が入っていなかったため、とくにANAとの
関係を重要視。ニューヨーク線のみならず、ANAが飛んでい
ないヒューストン線、COAのハブであるグアムへの路線での
協力関係が強化されるだろうとした。
ニューアーク・リバティー空港で行われた加盟式典の様子。
COAのラリー・ケルナー会長兼CEO(左)と、スターアライ
アンスのヤーン・アルブレヒトCEO(右)
これに関して、式典に出席したANAの岡田圭介専務取締役
は本紙のインタビューの中で、「我々のニューヨーク線での
ビジネスがさらに強化され、グアムの商品開発も進んでいく
だろう。さらに、ヒューストンを経由した中南米へのネット
ワーク拡大にも期待できる」と述べ、COA加盟によるメリッ
トに期待感を示した。
また、今後スターアライアンスが進む方向のひとつとし
て、UALのティルトンCEOは太平洋路線でのメンバーによる
ジョイント・ベンチャーにも言及。「すでに大西洋路線では
進んでいるが、太平洋路線でもメンバーによるスケジュール
や運賃の調整が行われるようになるのではないか」との見通
しを示した。このジョイント・ベンチャーには、太平洋路線
でのオープンスカイが前提となり、また、反トラスト法の認
可が必要となる。
左から、スターアライアンスのヤーン・アルブレヒトCEO、
COAのラリー・ケルナー会長兼CEO、ジェフ・スマイゼック
同社長兼COO、UALのグレン・ティルトン会長兼CEO
【航空関連ニュース】
★税制改正見直し30日までに検討し提出
国交省内でのペイアズユーゴーの原則貫く
国土交通省では27日、第3回となる政策会議が開かれ、税
制改正要望について関連する13団体からヒアリングなどを
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WING DAILY(毎週月−金曜発行、祝日休刊) 第2015号 2009年(平成21年)10月28日(水曜日) 行った。馬淵澄夫副大臣によれば今後の方針としては、税
制調査会(税調)の税制改正要望は今回のヒアリングを踏
まえた内容として10月30日まで提出し、12月末までは改
正要望について税調で議論していく。特に租税特別措置法
(祖特)について、企画委員会での見直しを図る基準を詰
めて、11月の半ば以降にはその基準にのっとった祖特の見
直しを徹底的に行っていく。
租特については短い年度での見直しが繁雑であるとか、
本当に必要かなどという意見が与党議員からあったとする
馬渕副大臣だが、基本的にはペイアズユーゴー(Payas
yougo)原則に従い、財源を確保した上で減税措置を行う
とする。しかし他省での財源確保は大変難しいため、あく
まで国交省内でペイアズユーゴー原則を貫くかたちによっ
て、政務2役(副大臣・政務官)を中心に調整を行ってい
くとしている。
法人税・固定資産税など見直し要求、定期航空協会
定期航空協会では、固定資産税について国内線就航機に
関する課税標準の特例措置延長・拡充をまとめた。現行
130トン以上では最初の3年間は3分の2に軽減され、130ト
ン未満では最初の三年間は2分の1に軽減されている。これ
について適用期限を延長することを要望しており、06年1
月2日以降に導入した航空機について、200トン以上につ
いては最初の3年間を3分の2に軽減。50トン以上200トン
未満については、最初の3年間を3分の1とし、次の3年間
を4分の3に軽減。50トン未満については最初の3年間を3
分の1にし、次の3年間を3分の2とする。これは航空ネッ
トワーク維持と日本の航空会社の国際競争力確保という観
点から不可欠としており、ローカル路線を担う航空機に対
する特例措置が必要だと主張する。また航空機に固定資産
税を課している国は極めて稀であるとして、あったとして
も負担水準が日本と比べて低くなっているという。
また法人税など交通バリアフリーの特別償却制度の延長
を2年間求め、バリアフリー対応型航空機の導入促進には
必要だとしている。ほか航空機燃料税については、空港整
備などの財源に充てられることから始まっており、今後空
港整備費が大幅に減少することから、その役割を終えてい
ると主張。この税制についても諸外国では極めて稀とし
て、同制度のある米国でもかなり水準が低いことから、日
本の国際競争力を高める意味でも、航空機燃料税の大幅な
低減が必要としている。
このほか地球温暖化対策として、交通モード間および国
際間の公平な競争環境を確保し、税・排出権取引など重複
による過度な負担とならないよう、慎重な検討を求めた。
費の支出について1人5万円(限度20万円)を所得控除とすること
を求めた。
2点目が固定資産税として、国際観光ホテル整備法に基づいた
登録旅館・ホテルに関する固定資産税の2分の1軽減と、国から地
方への交付金などの支援の実施を要求した。国際観光ホテル整備
法では、登録旅館・ホテルは外客の宿泊に適した施設として、国
際交流としての基盤施設の中核を成すことから、施設の維持整備
による負担の一層の軽減を図るため、固定資産税の不均一課税の
拡大を図り、3年という期間限定で国から交付金など支援措置実
施促進を求めた。
3点目が入湯税の廃止と、それまでの期間について使途を観光
振興と温泉資源保護に限定する。数次にわたって制度改正により
使途の拡大が図られた入湯税は、旅行者の拡大のためとする、本
来の趣旨から離れていることから廃止を要求。それまでの期間に
ついては、観光客の増加に直接資する費用に限定するべきとし
た。
4点目は旅館業の事務所税を廃止すること。旅館業は資産割で
2分の1の控除が認められているが、建物そのものが商品であるこ
とから税負担は事業継続に負担となっていることから、平成15年
度から新増設部分については対象外となっているが、既存対象に
ついても一刻も早く廃止とする。
5点目が固定資産税に関する土地評価および建物評価制度の抜
本的な見直しについて要求しており、特に建物について現在の複
雑で難解な課税評価方法は納税者の理解を得るには難しいとし、
償却資産と同様の評価基準の採用など、新しい時代に即した算出
方法の適用を提言した。
6点目が所得税・法人税・法人住民税・事業税について、国際
観光ホテル整備法登録ホテル・旅館にかかわる特例措置であるウ
エルカム税制を延長。観光立国として国際競争力の高い観光地づ
くりが重要であり、外国人旅行者のニーズの高い設備導入を促進
することが必要であることから、外国旅行容易化法の宿泊拠点地
区におけるウエルカム税制の延長を望む。
7点目が法人税法に関して減価償却期間など見直しを要望に上
げている。旅館は建物など設備を取得する装置産業であり、取得
した資産は価値が下がり続けるため、税務会計上税法で期間を定
め減価償却費として費用計上することが認められているものの、
事業の継続維持のためには新しい資産を買い替え続けなくてはな
らないとする。現在では生活のスピードが早まっており、実耐用
年数より短い期間で最調子を要求されているほか、国の最重要課
題であるビジット・ジャパン・キャンペーン推進には、設備の品
質向上は不可欠であり、円滑に設備投資を行い続けるため国際観
光ホテル整備法登録ホテル・旅館で減価償却の期間を短縮する措
置について、必要とした。
★セントレア、国際貨物取扱量7.4%アップ
2年10ヵ月ぶりの前年度比増、旅客数は9%減
国際観光連盟、7点の改正を要求
また国際観光旅館連盟が求めた改正要望事項としては次
の7点になる。1点目が所得税については国内旅行費用の所
得控除措置を訴えている。今後は強力に観光立国実現のた
めの施策を進める体制が整備され、地域振興や地域経済の
活性化の観点でも、国内旅行需要の拡大はきわめて重要で
あるとして、所得控除の実施によって国民の旅行意欲が高
まり国内旅行が増えれば、税収効果への期待と旅行などほ
かの産業の活性化・発展に寄与することから、国内旅行経
中部国際空港(セントレア)はこのほど、9月の実績速報値が
明らかになったことに伴い、2009年度上期の合計実績が判明し
た。これによると9月の国際貨物取扱量は前年同月比7.4%増加し
た1万1775トンであり、前年実績を上回ったのが実に2年10ヵ月
ぶりとなる。この内訳を見ると、積込量では9.7%減少の5334ト
ンだったが、取卸量では27.3%増となる6441トンとなった。セン
トレアによれば、総取扱量が1万トンを超えたのも10ヵ月ぶりで
あり、国内3拠点空港と比べるとセントレアのみが前年実績を上
回った結果となった。また国内貨物取扱量については5%減の
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WING DAILY(毎週月−金曜発行、祝日休刊) 第2015号 2009年(平成21年)10月28日(水曜日) 3020トンで、うち発送が3%増となる1802トンで、到着は15
%減の1218トンであった。
9月の航空旅客数は9%減の86万4034人で、うち国際線は2
%減の39万9100人で、国内線は13%減の46万4934人となっ
た。内際とも前年度を下回っているが、このところの下げ幅
と比べれば回復基調にあることから、今後の実績向上に期待
できる。
航空機発着回数としては総数が11%減の7301回であり、国
際線14%減の2699回となり、うち旅客便が13%減の2476
回、貨物便が43%減の125回、その他が40%増の98回であっ
た。また国内線では9%減の4602回となっており、うち旅客
便が10%減の4517回、その他が143%増の85回であった。こ
れら便数の減少により、給油量は18%減の4万8326キロリッ
トルとなった。
このほか構内営業売上高としては8%減の16億5500万円で
あり、うち免税店が8%減の6億4500万円、一般物販店が7%
減の6億3100万円、飲食店が9%減の3億7900万円となった。
来場者数は4%減の102万5000人、駐車場利用台数は前年並
みの11万4000台であった。
徐々に回復基調も、上期合計は大幅減少
旅客数が18%減少し国際貨物量が24%減
09年度4−9月の上期計としては、航空旅客数が前年度比18
%減の468万9916人で、うち国際線が19%減の210万2169
人、国内線が17%減の258万7747人だった。上期全体では、
新型インフルエンザや金融危機による航空需要低迷など影響
を大きく受けるかたちとなり、前年度よりも大きく下回っ
た。
貨物取扱量についても同様に、国際貨物取扱量では24%減
の5万5479トンで、うち積込が35%減の2万6604トン、取卸
量が11%減の2万8875トン。国内貨物取扱量では8%減の1万
8422トンとなり、うち発送が4%減の1万464トン、到着が13
%減の7958トンとなり、国際貨物の減少が目立った。
航空機発着回数は12%減の4万3901回となり、国際線が17
%減の1万5893回で、うち旅客便が16%減の1万5893回、貨
物便が49%減の692回、その他が22%増の393回となった。
国内便では9%減の2万8008回で、うち旅客便が10%減の2万
7446回、その他が121%増の562回だった。発着回数は大幅
に減少していることから、給油量は21%減となる28万671キ
ロリットルとなった。
構内営業売上高については21%減の90億4100万円で、う
ち免税店が24%減の34億2900万円、一般物販店が18%減の
35億2900万円、飲食店が20%減の20億8300万円となり、大
幅な減少となった。来場者数が16%減の561万7000人で、駐
車場利用台数が10%減の63万9000台となった。
★日本郵船中間決算、回復基調みられるも純損失293億円超
航空運送は経常損失118億超、客船もで経常損失4億円
日本郵船は27日、平成22年3月期中間決算(4月1日~9月
30日)をまとめた。それによると、売上高が対前年同期比44
%減の7945億1900万円で、営業損失370億6300万円、経常
損失439億1500万円、四半期純損失293億5300万円の赤字を
計上した。
日本郵船によると、昨年秋の金融危機から世界各国で落ち
着きを取り戻しつつあり、海運業を取り巻く環境は一定の回
復をみたという。しかしながら、日本郵船の事業環境は依然
として厳しく、コンテナ船の低運賃水準と荷動きの低迷、ド
ライバルク市況・タンカー市況の軟化と荷動きが低迷。定期
船事業と不定期船事業の海運部門で大幅な減収を記録したほ
か、物流事業、ターミナル事業、航空運送事業などの非海運
部門でも取引が低迷した。
事業別のうち、航空運送事業は日本貨物航空(NCA)が市
況の影響を大きく受けた第1四半期と比べると、需要回復の兆
しがあったが、堅調な需要と運賃単価が安定していた時に比
べると、赤字幅が拡大した。航空運送事業の売上高は262億
5700万円(46.1%減)、営業損失は120億4500万円(前年同
期:営業損失57億6500万円)、経常損失118億3100万円(前
年同期:経常損失58億7900万円)だった。
また客船事業では、夏場のクルーズが前年同期並みに好
調。しかしながら、米国市場で経済低迷の影響を受けて乗船
率が低下した。燃油費も前年同期と比べて低減したものの、
客船事業全体では減収減益だった。この結果、期間中の売上
高は193億7200万円(28%減)、営業損失2億1600万円(前
年同期:営業利益27億4200万円)、経常損失3億9700万円
(前年同期:経常利益26億600万円)だった。
中期計画の再度見直し、海運市況の低迷が要因に
2010年度計画で純利200億円の黒字転換目指す
日本郵船は、中期経営計画“NewHorizon2010”を見直す
ことを明らかにした。不況の影響で今年4月に計画を一度見直
しているが、海運市況が定期船事業を中心として荷動き・運
賃ともに回復の足取りが重いなど、依然として厳しい状況が
続いていることなどから、再度見直したという。
これにより、2009年度は売上高1兆6800億円、経常利益
330億円、純損失270億円となることを見込んでいるが、
2010年度計画では売上高1兆9000億円、経常利益400億円、
純利益200億円と黒字転換を図りたい考え。
★郵船航空サービス、経常利益は同期比83.1%減
貨物運送は営業損失1600万円、旅行事業は44%減
郵船航空サービスがまとめた平成22年3月期中間決算(4月
1日~9月30日)によると、売上高は対前年同期比43.7%減の
522億7000万円、営業利益は96.4%減の1億2500万円、経常
利益は83.1%減の6億9600万円となり、四半期純利益は89.5
%減の2億5000万円となった。
郵船航空サービスによると、国際貨物市場の荷動きはアジ
アを中心に緩やかに回復傾向を示しているとし、日本発の輸
出航空貨物の荷動きが、今年6月頃から中国向けの薄型テレビ
関連品や電子部品が牽引するかたちで取扱量が増加したとい
う。第2四半期に入ると、在庫調整が進んだ自動車関連部品の
緊急輸送も加わるなど、回復基調があった。
一方、日本着の輸入航空貨物は、生鮮貨物取扱いに回復の
兆しがみえるものの、国内消費の弱含み、企業の設備投資の
抑制などによって、機械・機器などの荷動きが低迷、回復は
緩やかな傾向にあるという。
セグメント別の業績によると、貨物運送事業は、前年のよ
うに原油高騰による燃油サーチャージの負担は軽減された
が、航空貨物取扱量の減少が影響。同社の取扱量は、第2四半
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WING DAILY(毎週月−金曜発行、祝日休刊) 第2015号 2009年(平成21年)10月28日(水曜日) 期ベースで32.5%減となった。第2四半期(7-9月)に入る
と、自動車関連部品のスポット輸出もあって、荷動きは上向
きの傾向。しかしながら、荷動きの回復はアジア域内が中心
で欧米を最終需要地とする製品・部品の荷動きには繋がら
ず、欧米の荷動きは未だに緩慢な状態にあるという。貨物運
送事業の売上高は506億5800万円(43.8%減)、営業損失は
1600万円(前年同期:営業利益30億1600万円)だった。
また、旅行事業については、クルーズ旅行手配は今年4月か
ら順調。しかしながら、航空会社からの発見手数料収入の廃
止や新型インフルエンザの影響を受けた海外出張自粛などで
旅客取扱高が低迷した。その結果、売上高は15億5600万円
(44%減)、営業利益は2800万円(90.2%減)だった。
なお、通期の業績予想では、売上高が1200億円(28.3%
減)、営業利益29億円(36.3%減)、経常利益34億円(36.5
%減)、当期純利益19億円(75.4%増)を見込む。
★SKY、年末年始搭乗分運賃を一部値下げ
スカイマーク(SKY)は12月25日~来年1月4日搭乗分の
運賃を一部見直し、国土交通省に届け出た。
「羽田ー札幌(新千歳)線」と「羽田−旭川線」前割10運
賃の運賃を値下げし、「羽田−旭川線」においては、前割21
の設定日を追加した。前割10運賃においては、最安値として
1万7800円など用意している。
【航空工業/宇宙関連ニュース】
★東北大学/JAXA、ISSで線虫用いた宇宙実験
RNAが宇宙と地上で有効に働くか解明
東北大学と宇宙航空研究開発機構(JAXA)は、国際宇宙
ステーションの日本実験棟「きぼう」において、線虫を使っ
た宇宙実験を共同実験を実施する。
線虫は、モデル生物として研究者の間で非常に注目されて
おり、この線虫を使った研究から、遺伝子の働きを抑えるし
くみ(RNAi)が発見された。この仕組みを見つけたFi
re博士とMello博士は、2006年にノーベル生理学・医
学賞を受賞しており、RNAiは、昆虫や植物のみならず、
ネズミやヒトなどの哺乳動物に至るまで、生物に広く存在し
ていることが明らかになった。
この発見によって、人工的に遺伝子の働きを抑えることの
できる技術へと発展し、線虫だけでなく、ネズミなどの実験
動物、さらにヒトの細胞においても利用されている。とくに
医学分野での発展も期待されており、新たな遺伝子治療など
への応用が考えられるほどの有望な手法となった。
「きぼう」で行われる宇宙実験では、RNAiが、宇宙で
も地上と同じように有効性を示すかどうかを、実際に調べて
明らかにすることが第一の目的。このRNAiが宇宙で有効
に働くのであれば、培養細胞などを用いた基礎的な宇宙実験
系での利用はもとより、将来的には、宇宙に滞在した人が遺
伝子に関わる病気にかかった際に、それを治療する有効な手
段にもなることが期待される。
また、2004年に、今回と同じく東北大とJAXAが共同で
行った宇宙実験では、線虫が宇宙へ行くと、宇宙飛行士と同
じように筋肉が衰えることが判明。この現象をさらに詳しく
調べるため、宇宙で育てた線虫について、筋肉に関係する遺
伝子やタンパク質の発現量を分析する。
この分析によって宇宙空間(微小重力環境)で筋肉が衰え
る理由が解明されれば、それを防いだり、治療する方法が明
らかになり、今後多くの人たちが宇宙へ行く時代になった時
に、筋肉が衰えることなく健康に滞在できるようになること
も想定される。
★MHI、2四半期連結累計業績は前年度より減収減益に
三菱重工は、2009年度第2四半期累計期間(平成21年4月
1日~9月30日)の連結業績見込を23日に発表した。なお、同
期の連結実績および通期の連結業績予想は30日に発表の予
定。
それによると、2四半期の業績は、売上高が対前年同期比
16.1%減の1兆3216億円、営業利益が同65.5%減の251億円、
経常利益が同96.6%減の26億円、四半期純利益が同290億円
の利益から31億円の損失へと321億円減の見込み。
これについて三菱重工では、売上高の減は、需要が低迷し
ている中量産品セグメントの減少を始め。原動機セグメン
ト。船舶・海洋セグメント等も減少したため、としている。
また、営業利益、経常利益。四半期純利益については、減
収に加え、前年同期より為替レートが円高で推移したこと等
により、減益の見込みとしている。
★KHI、2四半期累計連結業績、減収、損失は縮小に修正
川崎重工は、2009年度第2四半期累計期間の連結業績予想
につき、今年4月28日発表の業績予想の修正を22日に発表し
た。
それによると、売上高は9.4%減の5160億円と見込み、営
業損益は58億円改善して62億円の損失、経常損益も68億円改
善して80億円の損失、四半期純損益は3億円悪化して63億円
の損失の見込みと修正した。
これについて、売上の減は売上計上のずれ込み、汎用機な
ど量産品部門の想定異常の市場縮小のためとしている。損益
面では減収の影響はあるが、為替の円安効果、コストダウ
ン、固定費削減で改善され、損失が縮小すると見込んだ。
なお、通期の業績予想は11月2日発表の予定。
★FHI、第2四半期業績予想を上方修正
円安などで売上高微増、諸損失は改善へ
富士重工は、2009年度第2四半期累計期間(2009年4月1
日から9月30日)の業績予想数値の修正を23日発表した。
それによると、今年5月8日公表の業績予想に比べて、売上
高は1.8%増の6350億円、営業損失は120億円と220億円改
善、経常損失は120億円と250億円の改善、四半期純損失は
220億円と220億円の改善となる見込み。
修正の理由として、為替が円安で推移したことに加えて、
主に北米と中国での販売が好調であったこと、また、諸経費
の減などコスト削減が当初計画より進展したことなどによ
り、前回公表の予想値を上回る見込みとなった。
なお、この業績予想の前提となる為替レートは1米ドル96
円(前回公表時は95円)、1ユーロ133円(同125円)となっ
ている。
2009年度通期の連結業績については、11月2日に予定され
(5)
WING DAILY(毎週月−金曜発行、祝日休刊) 第2015号 2009年(平成21年)10月28日(水曜日) る第2四半期連結決算発表時に公表の予定。
★IHI、2四半期累計連結および通期個別業績予想
売上高、当期利益は減少の修正
IHIは2009年度第2四半期累計期間(4月1日~9月30日)の
連結業績および通期の個別業績につき、去る8月3日に公表し
た予想について、26日修正を発表した。
それによると、第2四半期業績は売上高が6.9%減の5400億
円になるものの、営業利益は33.3%増の160億円、経常利益
は750.%増の70億円に、四半期純利益は2倍の40億円に増加
する見通し。
通期個別業績については、売上高を3.2%減の6000億円と
見込むが、営業利益130億円、経常利益70億円は変わらず、
当期純利益は3倍増の120億円と見込んでいる。
今回の第2四半期累計の修正理由について、売上高の減は
売上時期のずれによる減収としており、損益面では、エネル
ギー・プラント事業の採算性の改善、諸経費の削減、費用発
生時期の遅れなどによるとしている。
また、連結通期業績修正については、民間設備投資の低
迷、先行為替相場動向、公共事業予算の執行遅れなど不透明
な状況のため、修正を見送ったとしている。
通期の個別業績については、橋梁・水門事業の分社化によ
る減収、不動産事業の推進のための連結子会社合併による株
式消滅差損による減益などがあるとしている。
【防衛関連ニュース】
★軌道姿勢制御装置に不具合 詳細原因わからず
防衛省 SM−3ミサイル発射失敗原因調査結果
防衛省は、昨年11月にハワイ・カウアイ島沖において実施
されたイージス護衛艦「ちょうかい」のSM-3発射試験にお
いて、標的の探知、追尾→SM-3ミサイル発射→その大気圏
外の誘導→弾頭部放出といった一連のプロセス後に不具合が
発生し、標的命中に至らなかった事例の原因の調査結果を発
表した。
防衛省によると、日米共同調査ではSM-3ミサイルはミサ
イル弾頭部が大気圏外で分離し、標的を狙撃するが、ミサイ
ルの軌道や姿勢を制御する弾頭部の軌道姿勢制御装置の一部
に不具合が生じたのではないかと推定しているという。
また当該不正常動作の再現性を確認するためアメリカにお
いて軌道姿勢制御装置の地上試験や、「ちょうかい」発射試
験で用いたSM-3ミサイルと同一生産ロットの弾頭部を用い
たSM-3ミサイルの発射試験等を実施したが、不具合は発現
しなかったため、当該不正常作動は、設計や製造工程に起因
するのではなく、SM-3ミサイルが弾頭部を放出した後に発
生した極めて稀なケースと結論づけている。
ちなみに、同試験はイージス艦の発射試験は成功を収めた
「こんごう」に引き続き、2回目の実験であり、今回は標的
となるミサイルの発射時間をあらかじめわからない状態下で
敢行している。
近日中には、「みょうこう」で同試験を計画している。
【海外メーカーニュース】
★ロッキード、イージスBMD継続開発で10億ドル受注
日本の2隻含め21隻のイージス艦がBMD能力獲得
ロッキードマーティン社は、米国防省ミサイル防衛庁より
10億ドルのイージス弾道ミサイル防衛兵器システム開発継続
契約を受注したと26日発表した。
この契約により、同社の海上配備ミサイル防衛に関する一
連のビジネスすなわち、設計、開発、統合、試験、引渡し、
更なるイージスBMD能力の適用を、米国と同盟国の海軍に実
施していくことになる。イージスBMDシステムは、スパイラ
ル開発方式により、絶えず脅威に対応している。
現時点で、長距離の捜索追尾能力と弾道ミサイル交戦能力
のあるイージス艦は21隻あり、うち19隻が米海軍、2隻が日
本の海上自衛隊の艦である。米海軍はさらに2東海岸配備の
2隻にBMD機能を付加する予定だ(海上自衛隊も更に2隻に
BMD能力付加のための改修を進めている)。
イージス艦は全世界で92隻が就役しており、米国の他、
オーストラリア、日本、ノルウェイ、韓国、スペインが採用
している。
【海外エアラインニュース】
★FIN、冬期も成田ーヘルシンキ間チャーター運航
フィンランド航空(FIN)は、冬期スケジュール(2009年
10月25日~来年3月27日)で、成田ーヘルシンキ間にチャー
ター便を運航する。現在、同路線は週4便体制で定期便運航し
ており、週1便のチャーター便設定により、週5便体制の運航
を実現する。FINは夏期スケジュールでも、定期便に加えて週
3便体制でチャーター便を運航していた。なお、フィンランド
航空は冬期限定で、関西および中部発着便を減便しており、
関西発は週5便、中部発は週3便体制で運航する。
11月中の成田ーヘルシンキ間チャーターの運航スケジュー
ルは以下の通り。12月以降のスケジュールは未定。
▼AY072=成田12:00→ヘルシンキ15:20
▼AY071=ヘルシンキ17:15→成田9:55
【旅行関連ニュース】
★ジャルパック「学生旅行」発売、900名集客目標
早期予約特典、学生限定ボーナスマイルも
ジャルパックは、「JALで行く!学生旅行世界の大自然&
世界遺産」を10月29日より発売する。これは、中近東、アフ
リカ、ロシア、アラスカ、アメリカ、オーストラリア、パラ
オ、インドを目的地とし、全23コースを商品化したもの。商
品の設定期間は来年1~3月までで、販売目標人員は900名。
なお、学生旅行に人気のヨーロッパについては、別冊パンフ
レットで展開し、同日発売する。
ツアーのポイントでは、まず、早期予約限定キャンペーン
を実施。11月30日までに4名以上で申し込むと、一人1万円の
商品券を付ける。商品券は、航空券の購入やJALグループホ
テルでの宿泊、デパートでのショッピングに利用可能。
また、“マイルをためて、もう一度卒業旅行に行こう!”
(6)
WING DAILY(毎週月−金曜発行、祝日休刊) 第2015号 2009年(平成21年)10月28日(水曜日) をキャッチフレーズにお得感をアピールする。学生専用の
「JALカードnavi」に新規入会して同ツアーに参加すると、
同ツアーだけの学生限定ボーナスマイルが貯まるもの。例え
ば、同カードに新規入会して「神秘のマチュピチュとナスカ
地上絵ペルー8日間」に参加すると、フライトマイルやツアー
プレミアムボーナスマイル、JALカードnavi入会搭乗ボーナ
スマイルなどを含め、合計2万1370マイルが貯まるなどとし
ている。
また、ジャルパックの海外ネットワークを活用した「日本
語24時間サポート」を提供。パラオコースでは、学生証を提
示することでオプショナルツアーが10%割引となる特典も提
供する。
ツアー代金例をみると(燃油サーチャージ含む)、「世界
3大瀑布のひとつビクトリアフォールズと南部アフリカ4カ国
7日間」が40万8000円~42万8000円、「添乗員同行神秘のマ
チュピチュとナスカ地上絵ペルー8日間」が29万9800円~30
万9800円、「盛りだくさんグッドプライスモスクワ・サンク
トペテルブルク5日間」が13万4900円~15万4900円など。
※URL=ジャルパック学生旅行(10月29日開設)
www://jalpak.co.jp/student/
★JAL、ダイナミックパッケージをパワーアップ
日本航空(JAL)では、「JALダイナミックパッケージ
(航空券+宿泊)」と組み合わせて、全国レンタカー、北海
道・九州・沖縄の観光バス、東京ディズニーリゾート・パー
クチケットが予約出来る国内旅行商品「JALたびキット」の
販売を、本日10月28日14時より開始する。
「JALたびキット」では、レンタカーは全国主要空港を網
羅する提携5社のラインナップから選択可能。観光バスは北海
道・九州・沖縄のオススメ観光地を巡るJALオリジナルバ
ス「JALライナー」51ルート、そのほか東京ディズニーリ
ゾート・パークチケットを用意、利用者の旅のプランに合わ
せ、インターネットで予約・購入できる。
また「JALダイナミックパッケージ」では「JALたびキッ
ト」の発売を記念して11月1日~2月28日の期間に「JALダイ
ナミックパッケージ・パワーアップキャンペーン」を実施。
ペアで10万円分にの国内ツアー(抽選で10組20名)や東京
ディズニーリゾート等用意している。
【組織・人事】
★防衛省発令(11月1日付)
▽航空総隊司令部医務官(航空教育集団司令部医務官)1空
佐 瀬戸文子▽航空教育集団司令部医務官(自衛隊岐阜病院
副院長兼歯科診断部長)1空佐 勝原斉▽空自第3術科学校第
2教育部長(航空幕僚監部防衛部施設課建設1班長)2空佐 徳留和人▽航空自衛隊補給本部医務官兼自衛隊中央病院(航
空総隊司令部医務官)1空佐 追立時孝
(11月2日付)
▽海上幕僚監部防衛部防衛課勤務兼統合幕僚監部運用部運
用2課勤務兼自衛艦隊司令部勤務(海上自衛隊補給本部装備計
画部航空装備計画課長)1海佐 阿部智▽海幕装備部武器課水
中武器班長(海幕装備部武器課兼人事教育部補任課)1海佐 今古真一▽海幕技術部技術課艦船武器技術班長兼務解(海幕
技術部技術課技術調整官兼艦船武器技術班長)1海佐 大林一
洋▽海幕技術部技術課艦船武器技術班長(海幕装備部武器課
水中武器班長)1海佐 岩並仁