スリランカ (Democratic Socialist Republic of Sri Lanka)

スリランカ
267
スリランカ
(Democratic Socialist Republic of Sri Lanka)
国の概要
政
体
共和制
首
都
スリ・ジャヤワルダナプラ・コッテ
面
積
2
6 万 5,610km
人 口
2,033 万人(2012 年)
公用語
シンハラ語、タミル語
通貨単位
1 スリランカ・ルピー(SL Rs)=0.75 円(2013 年 9 月末)
会計年度
1 月から 1 年間
監督機関
通
信
電気通信・情報技術省、電気通信規制委員会
放
送
情報・メディア省
電
波
電気通信・情報技術省、電気通信規制委員会
運営体
固定電話
SLT 等
移動体通信
ダイアログ・アクシアタ、Etisalat、Hutchison Telecom Lanka、Mobitel 等
ラ ジ オ
SLBC 等
テ レ ビ
SLRC、ITN 等
基本法令
通
信
1996 年改正通信法
放
送
1982 年スリランカテレビ放送協会法、1966 年スリランカ放送協会法
基本統計
年
固定電話
移動電話
インターネット
加入者数
普及率
2011 年
360 万 8,000
17.2%
2012 年
344 万 9,000
16.3%
年
加入者数
普及率
2011 年
1,831 万 9,000
87,1%
2012 年
2,032 万 4,000
95.8%
年
利用者数
ブロードバンド加入数
2011 年
250 万 3,000
35 万 9,000
2012 年
315 万 6,800
42 万 3,194
出所:ITU 統計
268
スリランカ
通
Ⅰ
監督機関等
1
電気通信・情報技術省
信
Ministry of Telecommunication and Information Technology
Tel./Fax
URL
所在地
+ 94 11 257 7777
+ 94 11 230 1710
http://www.ictmin.gov.lk/index.html
Ministry of Telecommunication and Information Technnology, No.
79/1, 5th Lane, Colombo 03, SRI LANKA
幹
部
Ranjith Siyambalapitiya( 大 臣 / Minister)
所掌事務
2010 年 11 月 に 特 別 官 報 ( 官 報 第 1681/3 号 ) に 基 づ い て 設 立 さ れ た 電 気 通 信 分
野所管省。電気通信分野及び情報技術分野に関する政策立案・実行を行うほか、
以下の業務を所掌とする。
・ IT 産 業 に と っ て 望 ま し い 事 業 運 営 環 境 の 整 備
・ IT 関 連 プ ロ ジ ェ ク ト の 実 施
・ ス リ ラ ン カ に お け る 健 全 な IT エ コ シ ス テ ム の 構 築
・デジタル格差の縮小およびルーラル地域の能力強化
・ IT、 電 気 通 信 セ ク タ ー の 規 制 策 定
2
電 気 通 信 規 制 委 員 会 ( TRCSL)
Telecommunications Regulatory Commission of Sri Lanka
Tel./Fax
URL
+ 94 11 268 9345
+ 94 11 268 9341
http://www.trc.gov.lk/
所在地
276 Elvitigala Mawatha, Colombo 8, SRI LANKA
幹
Anusha Palpita( 総 局 長 / Director General)
部
所掌事務
「 1996 年 改 正 通 信 法 」に 基 づ い て 設 立 さ れ た 電 気 通 信 規 制 機 関 。委 員 長 、電 気
通 信 担 当 総 局 長( Director General)、そ の 他 金 融・法 律 な ど の 分 野 か ら 民 間 の 委 員
が 3 名、計 5 名で構成される。5 名の委員のうち、唯一の常任委員である総局長
が委員会の実質的トップである。
[ http://www.trc.gov.lk/about-us/legislation.html#Telecommunications_Act 等 ]
Ⅱ
法令
スリランカ
269
1996 年 改 正 通 信 法( Sri Lanka Telecommunications( Amendment)Act No.27 of 1996)
1991 年 7 月 に 施 行 さ れ た 「 通 信 法 第 25 号 」 を 改 正 し た 法 律 で あ る 。 電 気 通 信
サービスの規制緩和と市場競争の導入を目的としている。
[ http://www.trc.gov.lk/about-us/legislation.html 等 ]
Ⅲ
政策動向
1
免許制度
「 通 信 法 」に よ り 、TRCSL の 推 薦 に よ り 電 気 通 信 大 臣 が 電 気 通 信 事 業 免 許 を 付
与する。
2
競争促進政策
(1)自由化
1991 年 に 「 通 信 法 第 25 号 」 が 施 行 さ れ る に 伴 い 、 新 設 し た ス リ ラ ン カ 電 気 通
信 公 社 ( Sri Lanka Telecommunications Corporation) に そ れ ま で 政 府 が 一 元 的 に 実
施 し て い た 事 業 運 営 を 移 管 し 、事 業 部 門 と 規 制 部 門 が 分 離 さ れ た 。同 公 社 は 1996
年 に 政 府 完 全 所 有 の 株 式 会 社 ス リ ラ ン カ・テ レ コ ム( Sri Lanka Telecom:SLT)に
移 行 し た 。1997 年 に 政 府 所 有 株 式 の 35% を 日 本 の NTT( 現 NTT コ ミ ュ ニ ケ ー シ
ョ ン ズ )に 売 却 し て 以 降 、政 府 保 有 株 式 の 放 出 が 進 め ら れ た 。な お 、NTT コ ミ ュ
ニ ケ ー シ ョ ン ズ は 2008 年 4 月 、 保 有 し て い た SLT の 全 株 式 を マ レ ー シ ア の 投 資
会 社 Usaha Tegas の 投 資 子 会 社 Global Telecommunications Holdings NV に 譲 渡 し た 。
2013 年 12 月 末 現 在 、財 務 大 臣 が 49.50%、Global Telecommunications Holdings NV
が 44.98%を 保 有 し て い る
(2)相互接続
TRCSL が 策 定 し た 「 2003 年 相 互 接 続 規 則 ( Interconnection Rules of 2003)」 が
2003 年 3 月 か ら 施 行 さ れ て い る 。
(3)番号ポータビリティ
TRCSL は 2010 年 5 月 か ら 、 移 動 電 話 の 番 号 ポ ー タ ビ リ テ ィ 制 度 導 入 に 向 け て
コンサルティング企業の選定を進めている。しかし、移動通信事業者や、コンサ
ルティングに入った格付け会社からの否定的見解で、番号ポータビリティ制度導
入 の 動 き は そ の 後 進 展 を 見 せ て い な い 。 2014 年 2 月 、 TRCSL は 、 通 信 市 場 に お
い て 料 金 後 払 い 制 ( 現 状 10%未 満 )が 普 及 す る ま で 、 番 号 ポ ー タ ビ リ テ ィ は 費 用
対効果が小さいとし、番号ポータビリティ実施提案を保留するとした。
( 4 ) VoIP 導 入
VoIP に よ る 収 益 減 を 懸 念 す る 固 定 通 信 事 業 者 は 、VoIP 導 入 に 長 ら く 否 定 的 で あ
っ た が 、 TRCSL は 2005 年 か ら 、 ま ず 、 ISP を 対 象 に VoIP サ ー ビ ス 提 供 を 正 式 に
承 認 し た 。 そ の 後 、 VoIP 導 入 の た め の 根 拠 整 備 作 業 が 進 め ら れ 、 TRCSL は 2011
年 5 月、
「 VoIP Unblocking」を 発 表 し 、PSTN 事 業 者 、ISP 等 へ の VoIP ア ク セ ス 許
270
スリランカ
容が規定された。
3
情報通信基盤整備政策
電 気 通 信 分 野 発 展 10 年 計 画 ( Ten Year Development Plan)
TRCSL が 発 表 し た 2006 ~ 2016 年 ま で の 電 気 通 信 分 野 発 展 計 画 「 Ten Year
Development Plan」で は 、光 フ ァ イ バ 、マ イ ク ロ ウ ェ ー ブ 、衛 星 を 利 用 し て 全 国 の
通信基盤整備を図るとして、次の目標値が設定されている。
・ 固 定 電 話 普 及 率 を 2006 年 の 9% か ら 2016 年 ま で に 30% に 拡 大
・ 移 動 電 話 加 入 者 を 2006 年 の 540 万 か ら 2016 年 ま で に 1,600 万 に 拡 大
・デ ー タ 通 信( イ ン タ ー ネ ッ ト と 電 子 メ ー ル )の ア ク セ ス 可 能 範 囲 を 現 在 の 13
万 人 か ら 2016 年 ま で に 500 万 人 に 拡 大
[ http://www.trc.gov.lk/about-us/policy.html 等 ]
Ⅳ
関連技術の動向
基準認証制度
「 通 信 法 第 25 号 」 第 5 条 に よ り 、 TRCSL に 通 信 機 器 の 基 準 認 証 に 関 す る 権 限
が 与 え ら れ て い る 。 電 気 通 信 設 備 に 接 続 す る 端 末 機 器 の 認 定 試 験 は TRCSL の 技
術部が実施しているが、国防に影響がある場合等は国防省と協議を行う。基準認
証 の 対 象 と な る 端 末 は 電 話 機 器 、 フ ァ ッ ク ス 、 PABX、 モ デ ム 、 コ ー ド レ ス 電 話
のほか、免許を付与されたネットワークに接続される、その他すべての顧客宅内
装 置( CPE)と な っ て い る 。な お 、輸 入 さ れ る 電 気 通 信 機 器 は TRCSL の 認 証 が 必
要で、輸入業者はベンダー免許の取得が必要となる。
[ http://www.trc.gov.lk/services/technical-standards.html 等 ]
Ⅴ
事業の現状
1
固定電話
スリランカ
271
固定電話加入者数及び普及率(2008~12年)
4,000
(千)
3,500
20(%)
16.8%
16.6%
17.2%
17.2%
16.3%
16
3,000
14
2,500
12
2,000
1,500
18
3,446
3,436
3,578
3,608
10
3,449
8
6
1,000
4
500
2
0
2008
2009
固定電話加入者数
2010
2011
0
2012 (年)
固定電話普及率
出所:ITU統計より
SLT、Lanka Bell、ダ イ ア ロ グ・ブ ロ ー ド バ ン ド・ネ ッ ト ワ ー ク ス( DBN:Dialog
Broadband Networks) の 3 社 が サ ー ビ ス を 提 供 し て い る 。
最 大 手 SLT が 加 入 者 数 シ ェ ア で 約 40% を 占 め る 。SLT に 次 い で 第 2 位 で あ っ た
Suntel は 、 2011 年 末 に 、 国 内 移 動 通 信 最 大 手 ダ イ ア ロ グ ・ ア ク シ ア タ ( Dialog
Axiata:旧 Dialog Telekom)子 会 社 の DBN が 買 収 を 発 表 し 、2012 年 に 経 営 統 合 し
た 。2005 年 に 固 定 電 話 の 代 替 手 段 と し て の CDMA 方 式 の FWA の 自 由 化 が 促 進 さ
れ て か ら 、 FWA 加 入 者 が 増 加 し て い る 。 国 際 通 信 市 場 に つ い て は 、 2002 年 ま で
SLT が 独 占 を 維 持 し て い た が 、2003 年 以 降 、新 規 事 業 者 が 参 入 し 、2012 年 3 月 現
在 で 33 社 が 国 際 通 信 免 許 を 取 得 し て い る 。た だ し 、国 際 通 信 サ ー ビ ス の シ ェ ア は 、
SLT が 大 半 を 占 め て い る 。
2
移動体通信
272
スリランカ
移動電話加入者数及び普及率(2008~12年)
25,000
(千)
120(%)
95.8%
20,000
78.9%
83.2%
87.1%
100
80
15,000
54.1%
60
10,000
16,305
5,000
17,359
18,319
20,324
40
11,082
20
0
2008
2009
移動電話加入者数
2010
2011
0
2012 (年)
移動電話普及率
出所:ITU統計より
移 動 通 信 市 場 に は 、 2009 年 1 月 か ら サ ー ビ ス を 開 始 し た イ ン ド の Bharti Airtel
を 含 め 、ダ イ ア ロ グ・ア ク シ ア タ 、Mobitel、Etisalat( 旧 Tigo)、Hutchison Telecom
Lanka の 5 社 が 参 入 し て い る 。TRCSL の 統 計 に よ る と 、2013 年 9 月 末 現 在 の 移 動
電 話 加 入 者 数 は 2,023 万 4,698 人 、 移 動 電 話 普 及 率 は 98.78% で あ る 。
2013 年 9 月 現 在 、ダ イ ア ロ グ・ア ク シ ア タ の 移 動 通 信 部 門 、ダ イ ア ロ グ・モ バ
イ ル が 最 大 手 で 42.1% の 市 場 シ ェ ア を 占 め る が 、Bharti Airtel の 参 入 以 降 、シ ェ ア
を 落 と し て い る 。Mobitel は SLT の 子 会 社 で あ る 。UAE の Etisalat が Celltel Lanka
を 2009 年 10 月 に Millicom か ら 買 収 し 、2010 年 2 月 か ら ブ ラ ン ド 名 も Etisalat に
変更された。
2006 年 8 月 に 既 存 4 社 、 2009 年 に Bharti Airtel が 比 較 審 査 に よ り 3G 免 許 を 取
得 し た 。 2006 年 以 降 、 ダ イ ア ロ グ ・ ア ク シ ア タ を は じ め 、 4 社 が W-CDMA 方 式
3G を 開 始 し た 。3G 開 始 が 遅 れ て い た Hutchison Telecom Lanka は 、2012 年 4 月 に
HSDPA/HSUPA サ ー ビ ス を 開 始 し た 。
LTE に つ い て は 、ダ イ ア ロ グ・ア ク シ ア タ と Mobitel が 2011 年 に 試 験 サ ー ビ ス
を 始 め る な ど 、 各 社 が サ ー ビ ス 開 始 準 備 を 進 め て い る 。 2013 年 3 月 、 1800MHz
帯の入札が実施され、ダイアログ・アクシアタが免許を取得し、現在サービスを
展 開 中 で あ る 。ま た 、Mobitel も 2013 年 1 月 、1800MHz を 利 用 し て 7 都 市 に お い
てサービス提供を開始した。
3
インターネット
スリランカ
273
ネット、BB加入者数及び普及率(2008~12年)
450
(千)
2.5(%)
400
2.0%
350
300
250
200
1.2%
250
1.2%
246
0.8%
298
1.4%
2.0
1.7%
1.5
1.1%
423
1.0
359
150
100
50
0.5%
228
0.5
170
102
0
2008
ネット加入者数
2009
2010
BB加入者数
2011
ネット普及率
0.0
2012 (年)
BB普及率
出所:ITU統計より
TRCSL の 統 計 に よ る と 、 2012 年 6 月 末 現 在 、 免 許 を 付 与 さ れ た 設 備 保 有 デ ー
タ 通 信 事 業 者 数 は 6 社 、 設 備 を 持 た な い 事 業 者 及 び ISP は 9 社 で あ る 。
ブ ロ ー ド バ ン ド 市 場 で は 2013 年 9 月 現 在 、SLTNet( SLT)の ADSL サ ー ビ ス が
86.6%の 加 入 者 シ ェ ア を 占 め て お り 、 同 社 の ADSL 加 入 者 数 は 38 万 1,000 に 達 し
ている。
SLT は 光 フ ァ イ バ ・ バ ッ ク ボ ー ン の IP ベ ー ス の NGN 構 築 を 段 階 的 に 進 め て お
り 、 2011 年 か ら 第 4 段 階 事 業 が 開 始 さ れ た 。 第 4 段 階 事 業 は 2013 年 の 完 了 を 目
指している。
ま た 、 SLT は NGN と 連 動 さ せ な が ら 、 全 国 規 模 の ネ ッ ト ワ ー ク ・ ア ッ プ グ レ
ー ド ・ プ ロ ジ ェ ク ト 「 i-Sri Lanka」 を 2011 年 か ら 開 始 し 、 既 存 の 銅 線 を FTTN に
よる光ファイバ網に置き換えている。
「 i-Sri Lanka」プ ロ ジ ェ ク ト で は 、2013 年 末
ま で に 銅 線 距 離 2km 以 内 に 最 大 速 度 20Mbps の ブ ロ ー ド バ ン ド サ ー ビ ス を 提 供 し 、
有 線 加 入 者 の 90% を カ バ ー す る こ と を 目 指 し て い る 。
ダ イ ア ロ グ・ア ク シ ア タ は 2006 年 か ら コ ア ネ ッ ト ワ ー ク の NGN 移 行 を 進 め て
お り 、 現 在 で は 100% が NGN 化 さ れ て い る 。
WiMAX は 複 数 事 業 者 が 参 入 し て い る 。 ダ イ ア ロ グ ・ ア ク シ ア タ は 子 会 社 の ダ
イ ア ロ グ ・ ブ ロ ー ド バ ン ド ・ ネ ッ ト ワ ー ク ス を 通 じ て 2007 年 11 月 に 国 内 初 の
WiMAX 商 用 サ ー ビ ス を 開 始 し た 。Lanka Bell も 2008 年 10 月 か ら WiMAX サ ー ビ
ス を 開 始 し て い る 。 SLT は 子 会 社 Sky Network を 通 じ て 2011 年 1 月 に モ バ イ ル
WiMAX サ ー ビ ス を 開 始 し た 。 WiMAX の 加 入 者 数 は 2013 年 9 月 現 在 で 約 10 万
5,000 と 推 定 さ れ 、ダ イ ア ロ グ・ア ク シ ア タ の シ ェ ア が 一 番 大 き い と さ れ て い る 。
スリランカ
274
4
新成長サービス
SLT は 2008 年 9 月 に 子 会 社 の SLT VisionCom を 通 じ て 首 都 圏 と 中 部 の キ ャ ン デ
ィ 市 で 国 内 初 の IPTV の 商 用 サ ー ビ ス を 開 始 し 、2010 年 12 月 末 現 在 の IPTV 加 入
者 数 は 2 万 6,000。
[ SLT「 Annual Report 2011」 等 ]
Ⅵ
運営体
1
ス リ ラ ン カ ・ テ レ コ ム ( SLT)
Sri Lanka Telecom Ltd.
Tel. / Fax
+ 94 11 232 9711
URL
http://www.slt.lk/
+ 94 11 244 0000
所在地
Lotus RD, P.O.Box 503, Colombo 1, SRI LANKA
幹
Nimal Welgama( 社 長 兼 会 長 / Director and Chairman)
部
概要
1991 年 に 、公 社 と し て 設 立 さ れ た 。民 営 化 さ れ た 翌 年 の 1997 年 か ら 日 本 の NTT
が 同 社 の 政 府 所 有 株 式 35.2% を 取 得 し 、株 式 は NTT コ ミ ュ ニ ケ ー シ ョ ン ズ に 引 き
継 が れ た が 、 2008 年 4 月 に NTT コ ミ ュ ニ ケ ー シ ョ ン ズ が 全 保 有 株 を 売 却 。 2013
年 12 月 末 現 在 、 政 府 が 49.5 % 、 マ レ ー シ ア の 投 資 持 株 会 社 Global
Telecommuinication が 44.98% の 株 式 を 保 有 す る 。 固 定 電 話 、 デ ー タ 通 信 の ほ か 、
子 会 社 を 通 じ て 、移 動 体 通 信 サ ー ビ ス( Mobitel)、IPTV( SLT Visioncom)、WiMAX
( SKY Network) 等 を 提 供 し て い る 。
2
ダイアログ・アクシアタ
Dialog Axiata PLC( 旧 Dialog Telekom PLC)
Tel. / Fax
URL
所在地
幹
部
+ 94 777 678 700
http://www.dialog.lk/
475, Union Place, Colombo 02, SRI LANKA
Shridhir Sariputta Hansa Wijayasuriya ( 社 長 / Group Chief
Executive)
概要
マ レ ー シ ア の ア ク シ ア タ ( 旧 TM International) の 子 会 社 で あ る 。 ア ク シ ア タ ・
グ ル ー プ の 社 名 変 更 に よ り 2010 年 7 月 に 現 社 名 に 変 更 し た 。移 動 体 通 信 市 場 最 大
手事業者であると同時にコロンボ証券取引市場の最大手上場企業である。移動体
通 信 以 外 に 、 子 会 社 を 通 じ て 、 イ ン タ ー ネ ッ ト 接 続 、 衛 星 移 動 体 通 信 、 WiMAX、
直 接 衛 星 放 送 ( DTH) の 各 サ ー ビ ス を 提 供 し て い る 。
[ http://www.slt.lk/data/aboutslt/profile.htm、
スリランカ
275
http://www.dialog.lk/about/investors/corporate -profile/group-overview/]
放
Ⅰ
送
監督機関等
情報・メディア省
Ministry of Mass Media and Information
Tel. / Fax
URL
+ 94 11 251 5759
+ 94 11 251 4753
http://www.media.gov.lk/
所在地
163, Kirulapone Avenue, Polhengoda, Colombo 05, SRI LANKA
幹
Keheliya Rambukwella( 大 臣 / Minister)
部
所掌事務
主な所掌事務は以下のとおりである。
・メディア政策・規制、商業放送免許の発行
・公 共 放 送 ス リ ラ ン カ テ レ ビ 放 送 協 会( Sri Lanka Rupavahini Corporation:SLRC)
の監督
[ http://www.priu.gov.lk/、 情 報 ・ メ デ ィ ア 省 ウ ェ ブ サ イ ト 等 ]
Ⅱ
法令
放 送 事 業 に 関 す る 包 括 的 な 法 令 は な い 。 SLRC に 関 し て は 「 1982 年 ス リ ラ ン カ
テ レ ビ 放 送 協 会 法 ( Sri Lanka Rupavahini Corporation Act, 1982 )」 が 、 公 共 ラ ジ オ
放 送 で あ る Sri Lanka Broadcasting Corporation( SLBC) に 関 し て は 「 1966 年 ス リ
ラ ン カ 放 送 協 会 法 ( Sri Lanka Broadcasting Corporation Act, 1966)」 が あ る 。
[ NHK「 世 界 の 放 送 2012」]
Ⅲ
政策動向
地上デジタル放送
地 上 デ ジ タ ル テ レ ビ 放 送 方 式 と し て 2009 年 8 月 に DVB-T 方 式 の 導 入 が 決 定 さ
れ 、2010 年 度 予 算 か ら デ ジ タ ル 移 行 関 連 費 用 が 盛 り 込 ま れ た 。2017 年 末 ま で の ア
ナログ放送終了を目標としている。
[ Informa「 Asia Pacific TV 14 t h Edition」 等 ]
Ⅳ
事業の現状
1
ラジオ
SLBC が 、AM、FM 及 び 短 波 で 放 送 し て い る 。そ の ほ か に 、小 規 模 で は あ る が 、
スリランカ
276
全 国 で 複 数 の 商 業 放 送 事 業 者 が サ ー ビ ス を 提 供 し て い る 。2011 年 末 現 在 、49 局 が
放送を行っている。
2
テレビ
放 送 市 場 の 中 心 は 地 上 テ レ ビ で 、2012 年 初 め 現 在 、23 社 が 地 上 テ レ ビ 放 送 免 許
を 取 得 し て お り 、 こ の う ち 16 社 が 運 用 中 で あ る 。 SLRC の 2 系 統 と Independent
Television Network( ITN)の 1 系 統 の 二 つ の 公 共 放 送 が あ る 。SLRC 以 外 の 放 送 事
業者は、首都圏を中心に一部の都市でのみサービスを提供している。
3
衛星放送
DTH 放 送 免 許 は 2012 年 初 め 現 在 で 5 社 が 取 得 し て い る 。 移 動 体 通 信 事 業 者 ダ
イ ア ロ グ・ア ク シ ア タ の 子 会 社 ダ イ ア ロ グ・テ レ ビ ジ ョ ン( Dialog Television)が
2007 年 2 月 か ら 提 供 す る DVB-S 規 格 の DTH サ ー ビ ス「 ダ イ ア ロ グ・サ テ ラ イ ト・
テ レ ビ ジ ョ ン ( ダ イ ア ロ グ TV)」 が 最 大 手 で あ る 。 ダ イ ア ロ グ TV 加 入 世 帯 数 は
増 加 傾 向 に あ り 、 2012 年 3 月 末 現 在 で 約 23 万 。
4
ケーブルテレビ
Lanka Broadband Networks( LBN) を は じ め 、 9 社 が ケ ー ブ ル テ レ ビ 免 許 を 取 得
し て い る が 、2012 年 初 め 現 在 営 業 中 の 事 業 者 は 2 社 の み で あ る 。ケ ー ブ ル テ レ ビ
のカバレッジが限定されているため、衛星放送よりも市場規模が小さい。
[ Informa「 Asia Pacific TV 14 t h Edition」 等 ]
Ⅴ
運営体
ス リ ラ ン カ テ レ ビ 放 送 協 会 ( SLRC)
Sri Lanka Rupavahini Corporation
Tel./Fax
URL
+ 94 1 250 1050
+ 94 1 250 0373
http://www.rupavahini.lk/
所在地
Independence Square, Colombo 07, SRI LANKA
幹
Mohan Samaranayake( 会 長 / Chairman)
部
概要
1982 年 に 放 送 開 始 。「 Rupavahini」 及 び 「 Channel EYE」 の 2 系 統 で 、 シ ン ハ ラ
語 、タ ミ ル 語 、英 語 の 3 言 語 で 全 国 放 送 を 実 施 し て い る 。受 信 料 制 度 が 2000 年 に
廃止されたため、現在は収入源の大部分が広告料収入である。
[ http://www.rupavahini.lk/about_us.php 等 ]
電
Ⅰ
監督機関等
波
スリランカ
1
277
郵便・電気通信省
(通信/Ⅰ-1の項参照)
2
電 気 通 信 規 制 委 員 会 ( TRCSL)
「 1996 年 改 正 通 信 法 」 に 基 づ き 、 TRCSL が 、 周 波 数 の 免 許 、 電 波 放 射 機 器 の
基準認証、電波監視などの電波監理について所掌している。
(通信/Ⅰ-2の項参照)
[ http://www.trc.gov.lk/about-us/legislation.html#Telecommunications_Act ]
Ⅱ
電波監理政策の動向
TRCSL は 周 波 数 管 理 に つ い て の す べ て の 権 限 を 有 す る ほ か 、ITU 等 関 連 組 織 と
の 交 渉 を 行 う 唯 一 の 機 関 で あ る 。な お 、2006 年 2 月 に 、ス リ ラ ン カ の 電 波 監 理 及
び 周 波 数 の 有 効 利 用 に つ い て 専 門 的 に 検 討 す る た め の 電 波 監 理 審 議 会 が 、 TRCSL
内に設立されている。
ま た 、TRCSL は 、周 波 数 計 画 を 策 定 し 、無 線 通 信 の 利 用 及 び 無 線 通 信 機 器 へ の
周 波 数 の 割 当 て を 行 っ て い る 。 3G 周 波 数 の 割 当 て に つ い て は 、 2006 年 に 比 較 審
査 が 行 わ れ て い る 。 ま た 、 短 距 離 無 線 機 器 ( SRD) に つ い て は 、 周 波 数 共 用 と し
て 周 波 数 の 割 当 て を 行 っ て お り 、利 用 希 望 者 は 、TRCSL に 申 請 し 、許 可 を 得 る こ
ととなっている。
4G 周 波 数 に つ い て は 、2012 年 11 月 に TRCSL の Anusha Palpita 事 務 局 長 が 2012
年末までにオークションを実施する決定をしたと述べたことが報道されたが、
2013 年 3 月 に 1800MHz 帯 の 入 札 が 実 施 さ れ 、Dialog が 10 年 間 有 効 な 免 許 を 取 得
している。
陸 上 移 動 業 務 に 関 す る 電 波 利 用 料 は 、「 無 線 周 波 数 ( 陸 上 移 動 ) 免 許 料 規 則 」
( Radio Frequency( Land Mobile) License Fees Rules) に よ っ て 規 定 さ れ て お り 、
セ ル ラ ー モ バ イ ル の 場 合 は 無 線 周 波 数 料( Radio Frequency Fees)と 基 地 局 料( Base
Station Fees) が 徴 収 さ れ る 。 無 線 周 波 数 料 は 帯 域 別 に 1kHz 当 た り の 料 額 を ベ ー
スに、また、基地局料は基地局の数に応じて 1 局当たりの料額をベースに算出さ
れる。なお、基地局料には端末機器は含まれない。
[ http://spectrum.trc.gov.lk/sm.html、
http://spectrum.trc.gov.lk/Cellular/Download/gazzat .pdf 等 ]
Ⅲ
周波数分配状況
各無線サービスの周波数分配情報は以下に掲載されている。
・ 周 波 数 分 配 情 報 URL: http://spectrum.trc.gov.lk/sm.html
移動体通信事業者への周波数割当ては以下のとおり。
278
スリランカ
事業者名
Etisalate( 旧 Tigo)
Dialog Mobile
GSM900
GSM1800
3G
900-907.5MHz
1732.5-1738.5MHz
945-952.2MHz
1827.5-1833.5MHz
1717.5-1725MHz
1970-1980MHz
907.5-915MHz
1812.5-1820MHz
2160-2170MHz
952.5-960MHz
1755-1762.5MHz
1910-1915MHz
1850-1857.5MHz
Hutchison
Telecommunications
Lanka
Mobitel
Bharti Airtel Lanka
892.5-900MHz
1725-1732.5MHz
937.5-945MHz
1820-1827.5MHz
885-892.5MHz
1710-1717.5MHz
930-937.5MHz
1805-1812.5MHz
880-885MHz
1740-1747.5MHz
1930-1940MHz
925-930MHz
1835-1842.5MHz
2120-2130MHz
1920-1930MHz
2110-2120MHz
1915-1920MHz
[ http://spectrum.trc.gov.lk/Cellular/Download/
Cellula%20Mobile%20Frequency%20Allocation.xls ]
日本の通信機器輸出入額
(単位:千円)
2011 年
通信機器
2012 年
総
額
通信機器
総
額
対スリランカ輸出額
350,163
75,160,546
97,555
36,138,134
対スリランカ輸入額
14,268
21,618,483
0
22,090,185
対スリランカ収支額
335,895
53,542,063
97,555
14,047,949
[ 財 務 省 「 貿 易 統 計 」]