高学年3組 国語科学習指導案

高学年3組
1
2
主題名
国語科学習指導案
平成22年9月22日(水)公開授業Ⅰ
3階- (5年1組教室)
授業者 教諭 井上 幸信
「評論家になろう!~私にとっての,この作品~」
教材名 髙山貴久子「ばらの谷」(東京書籍6年 新教材)
本単元の内容及び変容させる見方や考え方
文学的な文章を教材とする場合,作品の主題を読み取ることが単元のゴールとなることが多い。
しかし,本来,文学的な文章を読んで,どのような主題を見いだすかは読者に委ねられるはず
であり,主題を見いだす基盤となるものは,読者である子どもの経験や考え方である。子どもは,
自分の経験や考え方と作品中で語られる主人公の生き方などを関係付けて読む中で,作品を自分
なりに価値付けていくのである。そこで,本単元では,自分にとっての作品の価値を見いだしな
自分にとっての作品の価値を見いだしな
がら物語を読む子どもを育てることを目指す。
がら物語を読む子ども
習得の授業では,教材文「ばらの谷」を提示された子どもは,既習を想起し,以下の四観点を
おさえて作品を読む。
①
②
③
④
設定をおさえる(時,場,人)
語り手と視点人物をおさえる
展開,構造をおさえる
中心人物の変化と,変化を促す出来事をおさえる
以上の観点をおさえて作品を読んだ子どもは,観点をおさえて読むことで
観点をおさえて読むことで,
観点をおさえて読むことで ,「ばらの谷」を理
解することができるという見方や考え方をしている。
解することができる
これらの観点をおさえて読むことで,物語の内容や構造を分析的に読むことはできる。しかし,
文学的な文章は,複数の作品で共有できる観点から読んだだけでは,深く豊かに読み取ることは
できない。なぜなら,その作品の特徴的な表現や構造にこそ,作者の意図が込められており,主
題を読み取る最大の鍵となるからである。
そこで,本単元では,上記の観点から作品を理解している子どもに,「最初に咲いていた『ピ
ンクのばら』と最後に咲いていた『ピンクのばら』が同じ色であるか」を問う。なぜなら,試行
錯誤の末に,最初から咲いていたはずの「あわいピンクのばら」へと戻ってくるところが,この
作品の特徴であり,作者の意図が込められていると考えられるからである。
働き掛けを受けた子どもは,「ばらの谷」についての自分の読みや,読書経験を基に,類推し
てばらの色の異同を考える。
まず,ばらの色が「同じ」「違う」という選択をする。その上で,なぜそのように考えるかの
理由をまとめる。このとき,子どもが思考する上での変数となるのは,「ドラガンの努力の結果
をどうとらえるか」である。例えば,次のようなとらえが考えられる。
① 違う色だ。努力をしたから,より美しい淡いピンクのばらが咲いた。
② 同じ色だ。努力をしたから,淡いピンクのばらのすばらしさに気付けた。
③ 同じ色だ。努力をしても,自然の淡いピンクのばらの色は越えられなかった。
①は,「ばらの色は違う」とする考えで,淡いピンクのばらを努力の成果ととらえる読みであ
る。②③は,「ばらの色は同じ」という立場で,ドラガンの努力を肯定的に見るか,否定的に見
るかで違いがある。子どもは,グループでの話し合いを通して自他の考えを比べ,異なる部分を
解決し,共通点を確認しようとする。「青いばらの中に咲いた淡いピンクの花」は,ドラガンの
手で育てられたものではないことから,①は賛同を得られず,②③の考えを中心とした話し合い
が行われる。子どもは,②③の考えについて,「自然の偉大さ」に共通する要素がありそうだと
考える。しかし,ドラガンが「あわいピンクのばら」を作ることへと戻っていった理由が,「努
力をしたから」なのか「努力をしても越えられなかったから」なのかを確定することができなく
なる。
そこで,グループでの話し合いで生じた疑問を採り上げ,
「ドラガンが『あわいピンクのばら』
を作ることへと戻っていった理由」を問うて学級全体で話し合わせる。子どもは,自分の意見を
発表したり,友だちの考えを聞いたりするなかで,学級全体としての考えをまとめていく。
このとき,大切にしたいのが「他者説明」である。友だちの意見を受けとめ,自分の言葉で説
明させる。話し合いの核となりそうな発言について「他者説明」を行わせることで,考えが広ま
ることと深まることとを目指す。
子どもは,話し合いを通して,「りんとした色」「いきいきとした色」「ほかの花にまねのでき
ない色」こそが自然の中にあった「淡いピンク色」であり,人間にはそれ以上のものは作れない
のだと考える。そして,「自然のすばらしさ」,「自然は偉大だ」と,主題をとらえる。
このとき,子どもは,構造の特徴をとらえて読むことで
構造の特徴をとらえて読むことで,
構造の特徴をとらえて読むことで ,「ばらの谷」をより深く読むことが
できるという見方や考え方に変容し,物語の特徴をとらえる
物語の特徴をとらえるという読み方のポイントを,知識や
できる
物語の特徴をとらえる
技能として身につける。
活用の授業では,習得の授業を経て,「ばらの谷」をより的確に読むことができたと考えてい
る子どもに,書評を書く活動を提案する。そして,モデルとなる「みちくさ」の書評を提示し,
特徴を問う。書評という文種と出会った子どもは,感想文と似ていると考えるが,作品の内容や
構造についての解説が多く,評価的に述べられていることに目を向ける。
「ばらの谷」の内容や,
作品についての評価を想起する。
書評の特徴をとらえ,「ばらの谷」の内容や,作品についての評価を想起した子どもに,共有
の題名「『ばらの谷』を読んで~ドラガンに学ぶ~」を提示し,構想メモを書かせる。子どもは,
再度作品を読み直し,内容や構造を確認したり,作品についての評価を考えたりする。これは,
物語全体の流れをとらえるという知識や技能を活用して,自分にとっての作品の価値を見いだし
ながら物語を読んでいる子どもの姿である。
3
指導の構想
子どもは,既習に基づいて,観点に沿って作品を読んでいく。読み取る内容は,以下の通り
である。
①
②
③
④
設定をおさえる
時:時代背景は分からない。物語は七年間に渡っている。
場:高い山に囲まれた谷間の村,ドラガンの畑。
人:ドラガン(主人公,ばら作りの名人),村人たち。
語り手と視点人物:三人称限定視点
語り手:登場人物以外の存在
視点人物:ドラガン
構成をおさえる
【冒頭】(1)ドラガンの畑には,見事な淡いピンクのばらが咲いていた。
【展開】(2)ドラガンは,淡いピンクのばらを摘み取り,白いばらを目指す。
(3)ドラガンは,真っ白いばらを摘み取り,黄色いばらを目指す。
(4)ドラガンは,黄色いばらを摘み取り,空にとけるほどの青いばらを目指す。
(5)ばら作りにうんざりしたドラガンは,ばら作りをやめ,眠り続けた。
【山場】(6)目を覚ましたドラガンは,青いばらの中に小さなピンクのばらを見た。
【結末】(7)次の年,ドラガンの畑には,見事な淡いピンクのばらが咲いていた。
中心人物の変化と,変化を促す出来事をおさえる
中心人物の変化:淡いピンクのばらを薄気味悪く,人にこびるような色だと考えていた
ドラガンが,淡いピンクのばらこそがばらにふさわしい色だと考える
ようになった。
変化を促す出来事:白や黄色,青色のばら作りに取り組んだ末に,青いばらの中に咲い
た小さなピンクのばらを見たこと。
以上の観点をおさえた子どもは,観点をおさえて読むことで
観点をおさえて読むことで,
観点をおさえて読むことで ,「ばらの谷」を理解することが
できるという見方や考え方をしている。
できる
そのような子どもに,次のように働き掛ける。
<習得>働き掛け1
「ドラガン」の畑に最初に咲いていた「ピンクのばら」と,最後に咲いていた「ピンク
のばら」が同じ色であるかを問い,話し合わせる。
物語の最初と最後のばらの色は,叙述からは違いを読み取ることができない。そのため,子
どもは,これまでの自分の読みを基に,類推してばらの色の異同を考える。ここで,子どもの
考えは大きく二つに分かれる。
一つは,最初と最後のばらの色は違うとする考えである。ドラガンが「淡いピンクのばら」
に感動する場面に登場する「淡いピンクのばら」は,ドラガンが育てた青いばらの中に偶然咲
いたものであり,ドラガンが手入れをしたことによって咲いたものではない。このことから,
子どもは,最後に咲いている「淡いピンクのばら」は最初とは異なる自然の色であると考える。
もう一つは,最初と最後のばらの色は同じとする考えである。求める色は最初からあったの
だけれど,ドラガン自身がそのすばらしさに気付くことができていなかった。そのため,ドラ
ガンは,様々な色のばらを作ることに挑戦した。挑戦を重ねた結果として,「淡いピンク色」
という自然の色のすばらしさに気付くことができ,以前と同じばらを育てるようになった,と
する考え方である。その上で,「自然はすばらしい」と考える子どもと,「人間には,自然を
越えることはできない」と考える子どもとに分かれる。
この働き掛けでは,まず,個人の考えをワークシートにまとめさせる。その後,グループで
の検討をさせるが,その際,異なる考えや根拠をもつ子どもがグループ内にいるようにするた
め,必要に応じてワークシートの記述を基に座席を入れ替える。
グループでの話し合いを通して,子どもは,自他の考えと,考えの根拠の異同について考え
る。そして,異なる部分を解決するための話し合いと,共通点を確認するための話し合いとを
行う。
グループでの話し合いの後,学級全体での話し合いに移る。学級全体での話し合いの話題は,
グループでの話し合いで出てきた疑問の中から,教師が選択する。ここでは,「自然のすばら
しさ」,「人間は自然を越えられない」といった共通点を見いだしつつも,ドラガンが「自然」
へと目を向け,「あわいピンクのばら」を作ることへと戻っていった理由を明らかにできない
できるグループから話し合いをスタートさせる。
<習得>働き掛け2
ドラガンが,
ドラガンが ,「あわいピンク色のばら」を作ることに戻っていった理由を問う。
まず,話し合いでは,「自然のすばらしさ」,「人間は自然を越えられない」という主題につ
ながる考え方を確定させる。その上で,ドラガンが自然へと目を向けていった理由について話
し合わせる。子どもは,自分の意見を発表したり,友だちの考えを聞いたりするなかで,学級
全体としての考えをまとめていく。
このとき,大切にしたいのが「他者説明」である。友だちの意見を受けとめ,自分の言葉で
説明させる。話し合いの核となりそうな発言について「他者説明」を行わせることで,考えが
広まることと深まることとを目指す。
子どもは,話し合いを通して,「りんとした色」「いきいきとした色」「ほかの花にまねので
きない色」こそが自然の中にあった「淡いピンク色」であり,人間にはそれ以上のものは作れ
ないのだと考える。そして,「自然のすばらしさ」,「人間は自然を越えられない」,「自然は偉
大なのだ」と,主題をとらえる。
このとき,子どもは,構造の特徴をとらえて読むことで
構造の特徴をとらえて読むことで,
構造の特徴をとらえて読むことで ,「ばらの谷」をより深く読むこと
ができるという見方や考え方に変容し,物語の構造の特徴をとらえる
物語の構造の特徴をとらえるという読み方のポイント
ができる
物語の構造の特徴をとらえる
を,知識や技能として身につける。
習得の授業を経て,「ばらの谷」をより的確に読むことができたと考えている子どもに,書
評を書く活動を提示し,次のように働き掛ける。
<活用>働き掛け1
モデルとなる書評を提示し,特徴を問う。
子どもにとって,書評は,これまでに学習したことがない未知の文種である。そこで,モデ
ルとなる書評を提示し,その特徴を問う。子どもは,感想文と似ていると考えながらも,自分
がこれまでに書いてきた感想文よりも作品の内容や構造についての解説が多く書かれているこ
とや,内容や構造について評価的に述べられていることに目を向ける。そして,「書評には,
感想だけでなく作品についての説明や評価を盛り込まなければならない」と考え,
「ばらの谷」
の内容や,作品についての評価を想起する。
<活用>働き掛け3
「『 ばらの谷』を読んで~ドラガンに学ぶ~」という題名を提示し,書評の構想メモを
書かせる。
書評の特徴をとらえ,「ばらの谷」の内容や,作品についての評価を想起した子どもに,共
有の題名「『ばらの谷』を読んで~ドラガンに学ぶ~」を提示し,構想メモを書かせる。子ど
もは,習得の授業での読みを振り返りながら,書評の特徴に合致するように構想を立てていく。
このとき子どもは,再度作品を読み直し,内容や表現,構造の特徴を確認したり,作品につ
いての評価を考えたりする。これは,物語の構造の特徴という知識や技能を活用して,自分に
とっての作品の価値を見いだしながら物語を読んでいる子どもの姿である。
4
指導計画
全7時間(22Q)
学習活動及び見方や考え方の変容
○
○
○
教材文「ばらの谷」を通読する。
初発の感想を書く。
難語句の意味を調べる。(終わらなかったら,宿題とする。)
○
○
既習の観点に沿って,「ばらの谷」を読む。
設定をおさえる。
・時代背景は分からないけれど,物語は七年間に渡っている。
・高い山に囲まれた谷間の村の,ドラガンの畑が舞台だ。
・主人公はばら作りの名人,ドラガンだ。村人や娘達も出てくるけれど,
主要な登場人物ではない。
・登場人物以外の語り手が,ドラガンの立場から語っている物語だ。
○ 構成をおさえる。
・冒頭:ドラガンの畑には,見事な淡いピンクのばらが咲いていた。
・展開:ドラガンは,淡いピンクのばらを摘み取り,白いばらを目指す。
ドラガンは,真っ白いばらを摘み取り,黄色いばらを目指す。
ドラガンは,黄色いばらを摘み取り,青いばらを目指す。
ばら作りにうんざりしたドラガンは,ばら作りをやめ,眠り続
けた。
・山場:目を覚ましたドラガンは,青いばらの中に小さなピンクのばら
を見た。
・結末:次の年,ドラガンの畑には,見事な淡いピンクのばらが咲いて
いた。
○ 中心人物の変化と,変化を促す出来事をおさえる。
・中心人物の変化
淡いピンクのばらを薄気味悪く,人にこびるような色だと考えていた
ドラガンが,淡いピンクのばらこそがばらにふさわしい色だと考える
ようになった。
・変化を促す出来事
白や黄色,青色のばら作りに取り組んだ末に,青いばらの中に咲い小
さなピンクのばらを見たこと。
働
き
掛
け
・教材文を配布する。
・初発の感想を書かせる。
・通読する際に難語句に傍
線を引かせ,意味調べを
させる。
1
時
間
3
Q
・既習の四つ観点を想起さ
せ,それぞれの観点に沿
って作品の内容を確認さ
せる。
2
時
間
6
Q
観点をおさえて読むことで,
観点をおさえて読むことで,「ばらの谷」を理解するこ
とができる。
○
「ドラガン」の畑に最初に 咲いていた「ピンクのばら」と,最後に
咲いていた「ピンクのばら」が同じ色であるかを考える。
・最初と最後のばらの色の違いは,本文には書いてないな。
・色はちがっているよ。より「ばらにふさわしい」色のばらを作る努力
をしたから,畑の質やドラガンのばらづくりの腕が上がって,よりす
ばらしい淡いピンク色のばらになっていたんだよ。
・色はきっと同じだ。より「ばらにふさわしい」色のばらを作る努力を
したから,もともとの淡いピンク色のすばらしさを理解できるように
なったんだ。
・色は同じだよ。努力をしても,結局ドラガンは自然のばらの美しさを
時数
・「ドラガン」の畑に最初に
咲いていた「ピンクのば
ら」と,最後に咲いてい
た「ピンクのばら」が同
じ色であるかを問う。
1
時
間
3
Q
越えることはできなかったんだ。
・ドラガンは,自然を越えられなかったから「あわいピンクのばら」へ
と戻ったの?それとも,すばらしさに気づけたから「あわいピンクの
ばら」へと戻ったの?
○ ドラガンが「あわいピンクのばら」を作ることへ戻った理由を考える。 ・ ドラガンが「あわいピン
・ドラガンは,努力を重ねたけれども,自然の色は越えられなかった。
クのばら」を作ることへ
だから,また,淡いピンクのばらを作り始めたんだ。
戻った理由を問う。
・努力を重ねたからこそ,自然の色のすごさに気付くことができたんだ。
・努力を重ねたから,自然の色は,人間には越えられないすばらしさを
もっていることに気付けたんだ。だから,また,淡いピンクのばらを
作り始めたんだ。
構造の特徴をとらえて読むことで,
構造の特徴をとらえて読むことで,「ばらの谷」をより
的確に読むことができる
○
「『ばらの谷を読んで』~ドラガンに学ぶ~」という題で書評を書く。
・書評に書きたい事柄を,ワークシートにまとめる。
・自分にとっての作品の価値を表現できるように,書評を書く。
・「『ばらの谷を読んで』~
ドラガンに学ぶ~」とい
う題名で,書評を書かせ
る。
主人公と自己とを関係づけて考えることで,
主人公と自己とを関係づけて考えることで ,「ばらの
谷」を評価的に読むことができる
5
○
書評の続きを書く
○
完成した書評を読み合う。
1
時
間
4
Q
2
時
・書評の読み合いをさせる。 間
6
Q
・書評の続きを書かせる。
本時の構想 4/7時間(45分授業)
(1) ねらい
「ばらの谷」の構造の特徴である「ドラガンが,最後にたどり着いたのは最初と同じ『あ
わいピンク色』のばらであったこと」に着目して読むことで,作品を深く読むことができる。
(2) 展 開
学習活動と子どもの姿
1
*学習スキル
「ドラガン」の畑に最初に咲いていた「ピンクの
ばら」と,最後に咲いていた「ピンクのばら」が同
じ色であるかを考える。
・最初と最後のばらの色の違いは,本文には書いて
ない。
・色はちがっているよ。より「ばらにふさわしい」
色のばらを作る努力をしたから,畑の質やドラガ
ンのばらづくりの腕が上がって,よりすばらしい
淡いピンク色のばらになっていたんだよ。
・色はきっと同じだ。より「ばらにふさわしい」色
のばらを作る努力をしたから,もともとの淡いピ
ンク色のすばらしさを理解できるようになったん
だ。
・色は同じだよ。努力をしても,結局ドラガンは自
然のばらの美しさを越えることはできなかったん
だ。
・ドラガンは,自然を越えられなかったから「あわ
いピンクのばら」へと戻ったの?それとも,すば
らしさに気づけたから「あわいピンクのばら」へ
と戻ったの?
○ ドラガンが「あわいピンクのばら」を作ることへ
戻った理由を考える。
・ドラガンは,努力を重ねたけれども,自然の色は
越えられなかった。だから,また,淡いピンクの
ばらを作り始めたんだ。
・努力を重ねたからこそ,自然の色のすごさに気付
くことができたんだ。
・努力を重ねたから,自然の色は,人間には越えら
れないすばらしさをもっていることに気付けたん
だ。だから,また,淡いピンクのばらを作り始め
たんだ。
教 師 の 働 き 掛 け
○説明「前回の学習では,『ばらの谷』の主題を考
えましたね。」
○説明「ところで,先生には一つ疑問があります。」
○発問「最初にドラガンの畑に咲いていた『淡いピ
ンクのばら』と,最後に咲いていた『淡い
ピンクのばら』とは,同じ色だったのでし
ょうか」
(活用・働き掛け1)
○発問「ドラガンが『あわいピンクのばら』を作る
ことへ戻ったのはなぜでしょう。
ことへ戻ったのはなぜでしょう 。」
(習得・働き掛け2)
(3) 評 価
○「ドラガンが,最後にたどり着いたのは最初と同じ『あわいピンク色』のばらであったこ
と」に着目して読むことで,作品を深く読むことができたか。