年末のご挨拶 宇都宮セントラルクリニック 理事・放射線科医 野口記念インターナショナル画像診断クリニック 院長 佐藤俊彦 いつもお世話になっております。 宇都宮でも、初雪が降り、すっかり冬到来で師走になってまいりました。 今年は、登美ヶ丘の院長も無事にお勤めが終わり、ようやく、私も今後何をやっていけば いいのか?プランができてきたところです。 現在のプランは、宇都宮セントラルクリニックと野口記念インターナショナル画像診断ク リニックで実施している“見えないガンを見つけて治す”のシステム構築と臨床応用に関 する準備です。 画像診断の限界をもはや画像診断的なアプローチでは解決できませんので、バイオテクノ ロジーを応用した診断システムの確立が必須となってまいります。 テロメスキャン(オンコリスバイオファーマ社製)と画像診断の組み合わせを臨床応用し ていくつもりです。 さらに、来年 10 月 OPEN を目指し、Woman's-Imaging center の設計をいま実施していま す。乳腺の診断での技術的なブレークスルーは、3D-Tomosynthesis(SIEMENS 社製)と PEM(Positron emission mammography:Naviscan 社製)だと思います。これを配備しな がら日本一の乳がん診断センターを目指すつもりです。 子宮頚がんワクチンの出現により、子宮頸がんは今後減少していくと思います。しかし、 乳がんは違います。増加の一途をたどっているのです。 それには理由があります。EU では、米国産牛肉を禁止しているのですが、日本では 2005.11.16 にブッシュ大統領の来日のお土産として BSE 問題で禁輸となっていた牛肉の輸 入再開をしています。EU が禁止している理由は、食用動物に使われているエストラジオー ルが発がん物質であるとしているからです。 http://www.caloricdiet.com/special/articles/eu_vs_us.html 少ない飼料で、すぐに育つようにホルモン剤を使用するのですが、それが発がん性(特に 乳がん) ・遺伝毒性・胎児毒性・内分泌かく乱(PMS など) ・生殖毒性など、長期摂取によ り子供への影響が心配されているのです。 そういえば、最近の若い女の子の乳房は、欧米化していますよね? そんなわけで、食品による女性ホルモンの過剰摂取が問題で、乳がんが増えているという 理論もあるわけです。もちろん、反対意見をお持ちのかたは、たくさんおられると思いま すが、米国産牛肉=??のハンバーガー+トランス脂肪酸で揚げたフレンチフライのセッ ト?もちろん、トランス脂肪酸は、米国でさえ禁止されましたね?トランス脂肪酸は、天 然では存在しないもので、一定量を摂取すると、LDL コレステロール(悪玉コレステロー ル)を増加させ、心疾患リスクを向上させるとされており、2003 年以降摂取を禁止する国 が増えています。 食事は、大事ですよね?でも、便利だし、安いし、結構うまいし、やめられないといった ところでしょうか?でも、大人はいいですが、子供には、食べさせたくないですね。 ファーストフード・ネイションという映画があります。これをぜひ見ていただければ、全 容が理解できると思います。 http://ja.wikipedia.org/wiki/%E3%83%95%E3%82%A1%E3%83%BC%E3%82%B9%E3% 83%88%E3%83%95%E3%83%BC%E3%83%89%E3%83%BB%E3%83%8D%E3%82%A4 %E3%82%B7%E3%83%A7%E3%83%B3 したがって、乳がんは、16 人に一人から、米国並みの 8 人に一人の状況に増えていくのだ と思いますし、予防法はありませんので、早期発見しかないわけです。 わたしども、宇都宮セントラルクリニックでは、これまでも乳がんの診療に力を入れてき ましたが、マンモグラフィの受診率は低いままであり、それと改善するために ABVS (SIEMENS 社製)という 3D 超音波装置を入れましたが、なかなか受診者に理解していた だけない状況が続いておりました。 今回、300 名の皆さんに、3D―Tomosynthesis の最新マンモグラフィ健診を受診していた だき、好評(http://www.ucc.or.jp/pdf/enquete_tomo.pdf)を得ましたので、これを 12 月よ り、新センターOPEN までフリールのバスを常時設置して診療体制を継続することにしま した。 私のこれまでの 1 年間の準備に関しては、新医療の 12 月号に出ておりますので、ご覧いた だければ幸いです。 (http://www.ucc.or.jp/pdf/medical201212.pdf) さて、総選挙がいよいよ始まりました。脱原発・TPP 反対・消費税反対などなど、争点が 多い選挙ですが、今後の日本を占う上で重要であることは間違いありません。 自民党と民主党あるいは自民党と第三局の連立政権であることは間違いなさそうですね。 フランスは、原子力発電の割合が非常に高いことで有名ですが、脱原発で大幅な値上げに なっています。 電気料金大幅値上げ (11 月 26 日付、レ・ゼコー(フランス)、 http://www.lesechos.fr/entrepriseshttp://www.lesechos.fr/entreprises-secteurs/energiesecteurs/energie-environnement/actu/02024 1063740910637409-lala-facturefacture-d-electriciteelectricite-devraitdevrait-fortementfortement-s-alourdiralourdir-514392.php ) ―エネルギー規制委員会によれば、再生エネルギーの財源となる 2013 年度の公共電力 サービス貢献税額は 2012 年度 19%増の 19%増の 51 億ユーロ以上になると報道しています。 ―電気料金には、再生エネルギーの財源となる CSPE と呼ばれる公共電力サービス貢献 税が上乗せされていますが、2013 税が上乗せされていますが、2013 年度は前年比 19%増の最低 19%増の最低 51 億ユーロが必要と見 積もられており、20102010-11 年度の補足分である 21 億ユーロを合わせると計 72 億ユーロ が必要となるとされ、電気料金の二桁増が懸念されています。 ―現在電気料金の約 8%に当たる CSPE の年間引き上げ限度額は、 MW 時当り 3 ユーロ (一 世帯あたりの年間平均約 15 ユーロ)と定められていますが、2004 ユーロ)と定められていますが、2004 年に 4.5 ユーロ MW 時で導入された CSPE は 2011 年度以降増加の 一途を辿り、 7 月 1 日より 10.5 ユーロと なっています。 ―2013 年度、CSPE 年度、CSPE の 41%、約 41%、約 21 億ユーロは太陽光発電に対する財源に充てられる予 定であり、前年度の 32%から大幅増となっています。この増額は、「基本的に、新た 32%から大幅増となっています。この増額は、「基本的に、新た な太陽光発電所のサービス開始によるもの」とされています。太陽光、風力、ビオマス といった再生エネルギー財源として CSPE の 59%が充てられるほか、 59%が充てられるほか、一般電力網に入ら ない海外県、コルシカ島など諸島部への電力供給にかかる余剰コスト 14 億ユーロ、熱 電併給システム 電併給システム(CHP (CHP) CHP)費用 5.3 億ユーロ、電気最低料金の補助金 1.45 億ユーロも CSPE から賄われます。 ―現状で、原子力による電力費用は 4242-50 ユーロ MW 時であるのに対し、太陽光発電に よる電力費用は 459 ユーロ MW 時と 10 倍になっています。7 月に会計院が発表した見通 しによれば、2020 年には CSPE は現行の倍となる 20 ユーロ MW 時を超えると見積もられ ており、電力料金高騰が目に見える形で明らかになっていく中、原子力発電比率の引下 げが行われていくのか、 また議論が活発化しているシェールガス採掘研究が行われてい くのか、原子力大国フランスのエネルギーシフト状況には注意が必要です。 (IISIA デイリー・レポートより) 原子力の 10 倍の料金になることがわかります。日本は、LNG を米国から市価よりもかな り高額な価格で購入しているために、貿易赤字になっているわけです。 したがって、今後、電力料金は、脱原発により、10 倍高くなると予想され、LNG は米国へ の依存度が 90%と第二次世界大戦直前に石油の米国依存度が 90%という状況に酷似してき ています。 本当に、危険な状況と考えます。これで中東の地政学的リスクが上昇して、原油や LNG が 急上昇すれば、日本は終わる気がします。また、私たちが MRI などの医療機器で使うヘリ ウムも米国依存度が 90%を超えています。米国のヘリウム供給能力が低下していることで、 日本の医療機器の稼働状況に影響を与えかねません。このように、米国は資源大国として、 日本を実質植民地支配していると言っても過言でない状況を形成しているわけです。 そういえば、聞きなれた“少子高齢化社会!”これも、実は米国によりもたらされました。 つまり、原田武夫先生によると、 “経済発展のための仕組みが急激に植えつけられた。経済 が、自然に成長するスピード以上に発展してしまったので、労働力がまず足りなくなる。 その結果、若い女性たちが働き手として使われるようになるものの、 ‘働きながら子供を育 てる仕組み‘が整えられていないため、自然と少子化が進んでしまった。これが長く続く ことで、 ‘少子化+高齢化’が日本のトレンドとなってしまった。 ”実は、こうなることは、 “ガーシェンクロンの仮説”であり、 “局面経済加速の法則”という。日本人は、美味しい からといって、 “DINKS:double income no kids”といって、毒入りりんごをみんなで頬張 っていたというのである。そして、いよいよ団塊の世代が年金を受け取る時期(2013-2015 年)となり、日本は最大の危機を迎えることになるというのです。 20 年前に、こんなことはわかっていて、消費税を廃止し、税率 7%の国民福祉税を打ち出 した細川政権が命取りになったことは、非常に残念であったと言わざるを得ません。 まずは、増税を掲げて選挙を実施した場合、まずは政権を取れないということ、増税を押 し切って、IMF@ラガルドさんに評価されたのも束の間で、もとの自民党政治に戻るんで しょうね。 自民党の安倍総裁が、無制限の量的緩和をするといった途端に、円安になり、ますます高 い LNG を購入することになる。貿易赤字も増えて、国債の格付けが引き下げられ、金利の 上昇が訪れる。 そして、中東の地政学的リスクが起きなければ、第二次世界大戦と同じように極東有事で、 日本と中国の戦争が勃発するという、極めて第二次世界大戦と同じ状況が迫っているよう に思います。 本当に、危ない状況が近づいています。 最後に、今月訪問した二人の先輩先生をご紹介します。 まずは、鹿児島の昭南病院の朝戸先生です。先生は、放射線科医ですが、経営難に陥った 昭南病院を見事無借金経営に導いた先生です。 http://www.aisei-kai.com/syounan/ 放射線科医として、救急医療も担当しながら、IVR(interventional radiology)のキャリ アを積んでいる姿に共感を覚えました。そしてその偉業は、日本一メデイアに登場してい る先生なので、ぜひ記事をご覧ください。http://www.aisei-kai.com/index.html 先生には、都城ですっかり、ご馳走になってしまいました。御礼申し上げます。 もうひとりは、眼科医の高柳先生です。彼も、1 年先輩の553 歳ですが、お父様をガンで 亡くされ、がん免疫治療に興味をもたれ、独学で、CPC を作り、がんワクチン療法とナイ ーブ T 細胞療法、P53 遺伝子治療を組み合わせてがん治療を実施するカルナメドを立ち上 げられています。http://www.carnamed.jp/ 一つの免疫機能を高めるのではなく、考えられる免疫治療をすべて試す、カスケード療法 を考案されて臨床応用しています。年齢とともに衰える免疫機能を、CPC で体外培養する ことで、免疫細胞を増やし、免疫機能を増強することは究極のアンチエイジングであり、 150 歳までご自身も生きることを目標としておられると言っていました。札幌では、すっか り、朝シャン(朝飲むシャンパン)までお付き合い頂き、大変感謝しております。 すごい先生たちがいたものです。偶然にも、お二人共、医師としてのキャリア、新しいビ ジネスマインド、そして圧倒的な余裕をお持ちで、大変魅了させられました。 いい刺激をいただき、私も、もう一度きちっと医療技術を極めながら、新しい医療に挑戦 していこうと思った次第です。 来年、10 月の新棟 OPEN に向けて、頑張ります。 来年も、よろしくお願いします。 敬具
© Copyright 2024 Paperzz