ベトナム マーケット レポー

<顧客配布資料> ベトナムレポート
ベトナム マーケット レポート
作成:2015年11月30日(月)
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ベトナム市場 2015 年第 3 四半期決算
主要な不動産銘柄について
今回は業績の回復が続いている不動産セクターを取り上げます。
ベトナムの不動産セクターは、2011 年の金融引き締め策で、大量の売れ残り在庫を抱え、2012 年、
2013 年と業績が低迷したセクターでした。しかしながら 2014 年頃から業績は緩やかに回復しつつあり
ます。では最初に主な不動産銘柄の 2015 年第 3 四半期の決算から見てみましょう。
この表は、不動産セクターの主要な不動産銘柄、20 社の 2015 年第 3 四半期決算および、年初来 9 ヵ
月間決算の売上、純利益、EPS と前年同月期比の伸び率を比較したものです。20 社中 19 社が決算を発
表しています。2015 年 9 ヵ月累計決算で減収減益になったのは、ビン・グループ(VIC)とバリア・ブ
ンタウ住宅開発(HDC)の 2 社だけです。純利益が 2 倍以上に増加したのは 9 銘柄、1.5 倍から 2 倍の
レンジに入るのは 5 銘柄ありました。収益面から見ると、業績の回復が鮮明になっています。
1
ニュース証券株式会社 【関東財務局長(金商)第138号】
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主な事業
日本証券業協会
金融商品取引業
外国株式は、価格変動リスク、為替変動リスク、カントリーリスク、会計基準変更リスク、流動性リスク、取引相手先リスク(カウンターパーティーリス
ク)、機会損失、その他リスクがあります。ご投資をする際には、上記価格変動及び為替変動により投資元本を下回るおそれがありますので、約款・
投資ガイド及び契約締結前交付書面をよくお読みいただき、商品特性やリスク及びお取引 ルール等を十分ご理解の上、投資家ご本人様の判断に
て行ってください。ベトナム株式へのご投資には、 取扱手数料(【対面取引の場合】約定代金×2.16%(最低手数料800,000ドン)、が必要です 。外
国株式の売買にあたり、円貨と外貨を交換する場合には、外国為替市場の動向をふまえて当社が決定した為替レートによるものとします。
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次に、株価と 1 株当たりの数値について見てみましょう。
先ほどの主要 20 社について、時価総額の大きい順に並べています。
11 月 27 日の終値を基準にして、VN 指数は年初から 6.82%上昇しています。主要不動産銘柄のうち、
ベンチマーク指数をアウトパフォームしたのはわずか 6 銘柄のみです。14 銘柄が VN 指数に対して、ア
ンダーパフォームしていますが、そのうち 12 銘柄は年初来でマイナスとなっています。PBR を見ると、
PBR が 1 倍以下の銘柄が 9 社あります。ベトナムの不良債権処理が進み、国内経済が改善し、金融、不
動産セクターに注目と言われてきましたが、株価から見ると、不動産セクターの市場評価は高くないこ
とが分かります。なお外国人保有枠が上限の 49%に達しているのは、カンディエン住宅販売投資(KDH)
とナムロン投資(NLG)の 2 銘柄だけです。
なお一般的に不動産銘柄は、金融引き締め策により、高金利での借り入れによる金融費用の増加と、
売れ残り物件・未開発地の在庫が増加して、収益を圧迫しているのも事実です。
主要銘柄の流動資産に占める棚卸資産と現金の比率の推移
棚卸資産/流動資産総額
現金/流動資産総額
2015/6/30
2014/12/31 2013/12/31
2015/6/30
2014/12/31 2013/12/31
ビン・グループ(VIC)
42.28%
47.59%
47.47%
17.85%
21.81%
18.91%
キンバックシティグループ(KBC)
70.59%
71.52%
74.81%
1.18%
1.40%
1.03%
タンタオ工業投資(ITA)
68.59%
63.90%
58.31%
1.24%
0.72%
1.03%
ソンダ工業団地・都市投資開発 (SJS)
82.96%
89.63%
90.13%
5.02%
2.94%
1.94%
技術インフラ開発(IJC)
78.09%
78.98%
86.20%
1.67%
2.28%
1.51%
ダットサイン不動産建設 (DXG)
34.59%
29.74%
46.34%
28.35%
46.24%
7.80%
トゥドゥック住宅開発(TDH)
41.57%
56.75%
45.12%
5.97%
7.94%
4.63%
(データはブルームバーグ)
2
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ク)、機会損失、その他リスクがあります。ご投資をする際には、上記価格変動及び為替変動により投資元本を下回るおそれがありますので、約款・
投資ガイド及び契約締結前交付書面をよくお読みいただき、商品特性やリスク及びお取引 ルール等を十分ご理解の上、投資家ご本人様の判断に
て行ってください。ベトナム株式へのご投資には、 取扱手数料(【対面取引の場合】約定代金×2.16%(最低手数料800,000ドン)、が必要です 。外
国株式の売買にあたり、円貨と外貨を交換する場合には、外国為替市場の動向をふまえて当社が決定した為替レートによるものとします。
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したがって KBC、ITA、SJS、IJC などは、未だに多くの在庫を保有し、現金比率が低くなっていま
す。反対に VIC、DXG、TDH は棚卸資産が少なく、特に VIC と DXG は現金比率が高くなっています
が、このうち DXG は仲介事業がメインということがその要因と考えられます。
次に、現在注目している銘柄について見てみます。
まずビン・グループ(VIC)です。
2015年第3四半期決算速報 ~ ビン・グループ(VIC、不動産)
第3四半期
年初来9ヶ月間
2015年
2014年
伸び率(%)
2015年
2014年
売上高・営業収益
7,251,094
7,657,958
-5.31%
19,676,703
21,524,473
売上原価
4,527,987
4,828,615
-6.23%
12,578,489
13,390,069
売上総利益
2,723,107
2,829,343
-3.75%
7,098,214
8,134,404
販管費・その他営業費用
1,900,575
674,579
181.74%
4,131,766
1,784,241
営業利益
822,532
2,154,764
-61.83%
2,966,448
6,350,163
税引前利益
560,791
1,596,288
-64.87%
1,824,442
4,807,002
純利益
255,123
889,282
-71.31%
972,366
2,823,746
EPS(ドン)
138
556
-75.16%
559
1,785
(データはブルームバーグ、単位は100万ドン)
項目
伸び率(%)
-8.58%
-6.06%
-12.74%
131.57%
-53.29%
-62.05%
-65.56%
-68.69%
1 ページの表を見ると、ビン・グループ(VIC)の 2015 年第 3 四半期の売上は、他の 19 社の売上の
合計をはるかに上回っています。ベトナムの上場不動産銘柄は、規模が相対的に小さく、全国展開して
いる会社はほとんどありません。ハノイ、ホーチミンを中心に全国展開しているのはビン・グループ
(VIC)だけです。そのビン・グループ(VIC)は 2012 年、2013 年の不動産市場の低迷期でも赤字決
算を計上せず、強固な財務体質と、不動産開発以外にもモール、小売、リゾート、病院、学校と、事業
の多角化を進めてきました。その結果 2011 年には不動産部門の売上が 100%でしたが、2015 年第 3 四
半期には 54.5%まで低下しています。次ページの売上比率を見ると、化粧品やヘルスケアなどの小売事
業に力を入れていることが分かります。単に不動産を作るだけではなく、その中身(モール)の運営に
も事業展開を進めているということです。
不動産(販売・仲介)
ビューティケア・サービス
ヘルスケア
ホスピタリティ・レジャー
教育・関連事業
(データはブルームバーグ)
ビン・グループ(VIC)の事業別売上比率
2015年第3四半期
2014年
2013年
54.5%
90.0%
90.1%
32.7%
0.0%
0.0%
9.3%
7.2%
1.5%
2.0%
2.1%
8.4%
1.5%
0.7%
0.0%
2012年
83.0%
0.2%
1.9%
14.9%
0.0%
2011年
100.0%
0.0%
0.0%
0.0%
0.0%
次にキンバックシティー・グループ(KBC)です。ご存じの通り、ベトナムにはサムスン電子、LG エレ
クトロニクスの一大海外拠点が築かれつつあります。そのうち LG グループが進出を計画しているのが
キンバックの工業団地です。
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2015年第3四半期決算速報 ~ キンバックシティ・グループ(KBC、不動産)
第3四半期
年初来9ヶ月間
項目
2015年
2014年
伸び率(%)
2015年
2014年
売上高・営業収益
529,933
359,877
47.3%
1,176,848
580,363
純利益
102,728
123,252
-16.7%
355,438
165,135
EPS(ドン)
219
352
-37.8%
771
485
(データはブルームバーグ、単位は100万ドン)
伸び率(%)
102.8%
115.2%
59.0%
次にダットサイン不動産建設(DXG)です。同社はホーチミン市で中間層向けマンションの仲介、販売、
投資に力を入れている会社です。特に仲介業が同社の収益に大きく寄与しています。
2015年第3四半期決算速報 ~ ダットサイン不動産建設(DXG、不動産)
第3四半期
年初来9ヶ月間
項目
2015年
2014年
伸び率(%)
2015年
2014年
売上高・営業収益
525,266
57,465
814.1%
909,180
267,487
純利益
93,458
968
9555.1%
246,636
53,615
EPS(ドン)
824
11
7360.4%
2,340
701
(データはブルームバーグ、単位は100万ドン)
伸び率(%)
239.9%
360.0%
233.8%
次にトゥドゥック住宅開発(TDH)です。同社はホーチミン市トゥドゥック区を中心に、ホーチミン市
内で住宅開発を展開しています。なお、上記のダットサイン不動産建設(DXG)との共通点は、大都市の
ホーチミン市での開発が主力になっているということです。
2015年第3四半期決算速報 ~ トゥドゥック住宅開発(TDH)
第3四半期
項目
2015年
売上高・営業収益
159,274
純利益
17,969
EPS(ドン)
428
(データはブルームバーグ、単位は100万ドン)
2014年
99,606
991
24
伸び率(%)
59.90%
1714.00%
1710.77%
2015年
544,987
43,174
1,048
年初来9ヶ月間
2014年
298,197
23,428
560
伸び率(%)
82.76%
84.28%
87.14%
最後に技術インフラ開発(IJC)です。
技術インフラ開発(IJC)の事業別売上構成比 (2011年から2015年上半期まで)
2015年上半期
2014年
2013年
2012年
売上高・収益
326,571
1,035,575
615,153
612,160
不動産販売
174,391
758,256
329,860
19,506
通行料収入
103,335
202,749
195,269
199,349
不動産投資
11,308
13,858
18,108
393,305
住宅建設
0
0
0
0
(データはブルームバーグ、単位は100万ドル)
2011年
1,320,625
906
148,922
7,462
1,163,335
同社のポイントは、高速道路の通行収入があり、これは不動産市況の影響を受けず、安定的に収益を
生むということです。なお不動産売上は例年、第 4 四半期が最も多くなっています。これには 4 つの理
由があります。
4
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外国株式は、価格変動リスク、為替変動リスク、カントリーリスク、会計基準変更リスク、流動性リスク、取引相手先リスク(カウンターパーティーリス
ク)、機会損失、その他リスクがあります。ご投資をする際には、上記価格変動及び為替変動により投資元本を下回るおそれがありますので、約款・
投資ガイド及び契約締結前交付書面をよくお読みいただき、商品特性やリスク及びお取引 ルール等を十分ご理解の上、投資家ご本人様の判断に
て行ってください。ベトナム株式へのご投資には、 取扱手数料(【対面取引の場合】約定代金×2.16%(最低手数料800,000ドン)、が必要です 。外
国株式の売買にあたり、円貨と外貨を交換する場合には、外国為替市場の動向をふまえて当社が決定した為替レートによるものとします。
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・第 1 四半期はテト(ベトナムの旧正月で長期休暇)でお休みが多く、営業日数が少ない。
・第 2、第 3 四半期は雨期で住宅が振るわない。
・ベトナムの決算は 12 月が期末なので、第 4 四半期は会社側も販売に力を入れる。
・テト(旧正月)前に住宅を購入する人が相対的に多く、12 月は海外から国内に送金が多い。
注目銘柄の株価と VN 指数の年初からの推移です。
それぞれ年初の株価を 100 として比較しています。
ダットサイン不動産建設(DXG)がVN指数に比べ、大幅にアウトパフォームしている以外は、ビン
クループ(VIC)がわずかに上回っており、ほかは大きくアンダーパフォームしています。技術インフ
ラ開発(IJC)とキンバックシティー(KBC)の 2015 年年初来 9 ヶ月間の収益は順調に改善しています
が、在庫水準の高さや財務体質の弱さが株価の回復につながっていないと考えています。しかし、長期
的な視点から、IJC の 2020 年に向けたビンズオン省での新都市計画、KBC の工業団地での LG エレク
トロニクス村の建設などの個別案件には注目していきたいと考えています。トゥドゥック住宅開発
(TDH)は、主要 20 銘柄のなかで最も時価総額の小さな銘柄です。企業業績も順調に回復しています
し、財務内容も不動産セクター内で脆弱であるともいえません。外国人保有比率も 42.45%と高い水準で
す。しかし、PBR は 0.43 倍で 1.00 を大きく割り込んでいます。直近の株価の評価が低いのではと感じ
ています。
投資運用部 長友 哲郎
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