採点基準 英語

第1回6月
東北大本番レベル模試(2015 年 6 月 21 日実施)
採点基準
英語
*この採点基準では,特に部分点・別解の判断を要する問題のみ取り上げています。
英語 配点表
大問
配点合計
Ⅰ
60
Ⅱ
60
Ⅲ
40
Ⅳ
40
小問
配点
1
2
3
4
5
1
2
3
4
5
1
2
(1)-(2)
18
18
5
5
14
16
16
6
6
16
4×5
20
20×2
1
大問Ⅰ
問1 (18 点)
【減点の原則】
(1) 基本的にはすべての部分的誤りと語句の無視は、個別に指定が無い限り-2。
(2) 「ポートレイト」
「ミシシッピ」
「リビングルーム」「パラノイア」を除くカタカナ訳は
不可で -2とする。英語のままは
-2。
(3) 日本語の誤字等は、別の意味にとられてしまうケースは-1で、他は不問。
【例】⇒「肖像」と「消像」⇒
-1
(4) 区分された単位で意味が成り立たず、部分的減点が困難な場合は、その区分全体を0点。
(5) 各採点区分の中で、途中で立ち消えた解答は、その区分については0点。
要素① My parents kept my grandfather’s portrait hidden
[記述例]
⇒ 私の両親は,私の祖父の肖像写真を隠したままにしておいた。
⇒ 両親は,私の祖父の肖像写真を表には出さないままにしておいた。
(1) “My” “my”は訳出していなくても許容。
(2) keep OC ができていない(hidden を前にかけて訳しているなど)は
-3。
(3) 「両親」を「親」としたものは許容。
(4) portrait の他の許容例
「肖像画」
「ポートレイト」
「写真」
※単に「絵」
「画」は不可。
要素② because in 1960s Mississippi,
[記述例]
⇒ というのも 1960 年代のミシシッピでは,
⇒ なぜなら,1960 年代のミシシッピでは,
(1) Mississippi のカタカナ表記の正確さは不問。
(2) Mississippi を英語のまま書いたもの ⇒
-2。
要素③ with its racial paranoia,
[記述例]
⇒ 偏執的なまでの人種差別が存在しており
⇒ 人種に関して偏執的な意識が存在しており
(1) with は「存在している」「伴っている」の語感か、「のせいで」の語感が少しでも感じ
られ、訳文中で(多少ぎこちなくても)大過なく収まっていれば許容する。
要素④ to display the picture in our living room would have been risky, if not impossible.
[記述例]
2
⇒ 私たちの居間にその写真を飾っておくことは,不可能ではないにせよ,危険を招きかね
なかったからだ。
⇒ 私たちの居間にその写真を飾るのは,やってできないことではなかったにせよ,危険を
招くことになる可能性があったからである。
(1) display の他の許容例
「人目に付くところに置く」
「出しておく」「表に出す」
「見せびらかす」
(2) the picture の “the” を無視し、単に「写真」としたものは不可。
(3) living room の前の “our” は、訳出していなくても可。
(4) if not の誤訳は、-2。
「譲歩」のニュアンスが出ていなければ不可。
(5) would have been は、主部に if を潜ませて仮定法を表に出した訳も可。
問2 (18点)
【減点の原則】
(1) 基本的に下記の(3)(5)以外のすべての誤りは、個別に指定が無い限り-2。
(2) 重要訳語をとばしたものは個別に指定が無い限り-2。
(3) 部分的減点が難しいレベルで誤っているものは、その部分は0点。またコロケーショ
ンの誤訳や、事実そのものを誤認している場合は、一つにつき
-2。
(4) 各採点要素で個別に指定されたものを除いてはカタカナ訳は不可。
(5) 日本語の誤字等は、別の意味にとられてしまうケースは-1で、他は不問。
(6) 不要要素は(
)に入れ、採点対象としない。
〔例①〕
実際は白人と黒人の両方の血を引く母とその姉妹たちが,白人と記された出生証明書を持
って父と遠くに移り住み,白人として生きていくこと。
(65 字)
〔例②〕
母とその姉妹は,白人の父と黒人の母の血を引いているが,出生証明書に白人と書かれて
あるので,遠くに引っ越して,そこで白人として生活すること。
(69字)
【必須要素】
要素① my grandmother was black から分かる部分。
[記述例] ※ 点線部は(1)(2)に注意。
⇒ 実際は白人と黒人の両方の血を引く母とその姉妹たちが
⇒ 母とその姉妹は,白人の父と黒人の母の血を引いているが
⇒ 母たちの母は黒人で
(1) 「(私の)母は」だけでは不十分。医師は “the family”と家族単位で述べており、all her
children との記述もある。かつ、下線部の後で …his children’s mixed race. Instead,
my mother and her sisters … と述べている。 ⇒
3
-2。
(2) her sisters を「兄弟」としたもの ⇒
-1。
(3) 「母たちは黒人であり」は事実の説明が不正確なので付加 ⇒
-2。
要素② help the family start over as a white family から分かる部分
[記述例]
⇒白人(家族/家庭)として生きていくこと
⇒白人(家族/家庭)のふりをして生活すること
(1) 「法的に(正式に)白人として…」とした部分は許容。
(2) start over(最初からやり直す、新たに再出発する)を直接反映させたものも可。
(許容例)「白人家庭として出発する(やりなおす)」
(減点例)「白人として家族を作り直す」⇒
-2。
↑それまで家族が不和(離散)状態だったことを示唆
要素③ far away from their small town から分かる部分。
[記述例]
⇒ (父と)遠くに移り住み
⇒ (父と)遠くに引っ越して
⇒ (父と)故郷から離れて
⇒ (父と)アラバマ(南部の小さな町)からはるか遠くに移って
(1) 「父と共に[に連れられて]」が不明確なものは許容。
(2) 「遠いアラバマで再出発する」は大きな事実誤認 ⇒
(3) rural , isolated の誤訳は
-2。
-1。
補助要素 all her children’s birth certificates said they were white から分かる部分。
(①~③で採点することを基本とし、得失点に反映させない)
★ 該当部分は(
)に入れておく。極端な誤りがあれば、そこに点線をつけて指摘の
みしておく。
★ ②の「白人家庭としてやりなおす」が不十分でその代用として述べられている場合は、
要素②に充当してよい。但し当然減点対象となる。その際以下に注意。(採点例も参照)
(1) 「出生証明書を医者が作ってくれた」は文中に証拠がないので不可 ⇒
-2。
(2) 「出産に立ち会った医者が作ってくれた」は文中に証拠がないので不可 ⇒
-2。
問5 (14点)
【減点の原則】
(1) 基本的に下記の(3)(5)以外のすべての誤りは、個別に指定が無い限り-2。
(2) 重要訳語をとばしたものは個別に指定が無い限り-2。
(3) 部分的減点が難しいレベルで誤っているものは、その部分は0点。またコロケーショ
ンの誤訳や、事実そのものを誤認している場合は、一つにつき
4
-2。
(4) 各採点要素で個別に指定されたものを除いてはカタカナ訳は不可。
(5) 日本語の誤字等は、別の意味にとられてしまうケースは-1で、他は不問。
(6) 不要要素は(
)に入れ、採点対象としない。
〔例①〕
黒人であった筆者の父が,白人の男性に,彼の娘と結婚させてもらうようにお願いをする
ことがどれほど大変だったのかということに関する話。
〔例②〕
黒人であった筆者の父が,筆者の祖父にあたる白人に対し,その娘と結婚させてくれるよ
うに頼むのが大変なことだったということ。
【必須要素】
要素① how hard it had been 部分。
[許容記述例]
⇒ いかに大変だったか
⇒ どれだけ大変だったか
(1) it が形式主語であることを誤解 ⇒
(2) 現在時制で述べている場合 ⇒
-3。
-2。
要素② for my dark-skinned father 部分。
[許容記述例]
⇒ 黒人であった筆者の父が
⇒ 肌が黒い父が
(1) 「色黒の」「浅黒い肌の」は許容。(辞書見出し語に掲載されているため)
(2) 不定詞の意味上の主語だが、「~にとって」と訳したものは許容。
(3) 「~のために」としたもの ⇒
-2。
要素③ to ask a white man for his daughter’s hand 部分。
⇒ 白人の男性に,彼の娘と結婚させてもらうようにお願いをすること
⇒ 筆者の祖父にあたる白人に対し,その娘と結婚させてくれるように頼むこと
(1) a white man は筆者の祖父だが、「白人男性」だけで可。
「白人」の欠如は
-4。
(2) for his daughter’s hand の見当違いの(結婚・交際と無関係な)解釈は
-3。
(3) for his daughter’s hand は「求婚」の他に「交際(の許し)を求める」も許容。
〔許容例〕
⇒ 娘さんの手をとらせて欲しい。
⇒ 娘さんとお付き合いさせてほしい。
(4) 不定詞の用法の誤解 ⇒
-2。
5
大問Ⅱ
問1 (16点)
【減点の原則】
(1) 基本的にはすべての部分的誤りと語句の無視は、個別に指定が無い限り-2。
(2) 「シャフト」を除くカタカナ訳は不可で -2とする。
(3) 日本語の誤字等は、別の意味にとられてしまうケースは-1で、他は不問。
【例】⇒「肖像」と「消像」⇒
-1
(4) 区分された単位で意味が成り立たず、部分的減点が困難な場合は、その区分全体を0点。
(5) 各採点区分の中で、途中で立ち消えた解答は、その区分については0点。
要素① There was the universal relief
⇒ 世界中が安堵した
⇒ アメリカ中に安堵が広がった
⇒ あらゆる所で安心が存在した
⇒ 誰もが安心した[ほっとした]
(1) universal は、上記の他に以下も許容。
「あらゆる人々に」
「幅広い者たちが」
(2) relief は、以下の代表的意味のうち[a] 系のみ許容。
[a] 安心/安堵 [b] 気晴らし/息抜き [c] 除去/軽減 [d] 救助/救援 [e] (任務の)交代
要素② when the little girl was finally pulled out of
⇒ ~からその幼い少女がついに引き出されたとき
⇒ その幼い少女が,~からやっとのことで引き出されると
(1) the little girl
・
「小女」は誤字とみなす。
・
「小さな少女」は許容。
・
「かわいい少女」は許容。
(2) finally
・
「最後に」は許容。
・
「最終的に」は許容。
(3) was pulled out of
・
「から救出された」は許容。
・
「から引っ張り出された」は許容。
・
「から引き上げられた」は許容。
・
「から引きずり出された」は許容。
・
「から引き抜かれた」は不可。※「井戸から」ではないので。
6
・out of は「の外へ」も許容。
・
「から出てきた」のような能動態は不可。
要素③ the laboriously drilled parallel shaft
⇒ 難儀の末に掘られた(井戸と)平行した縦穴
⇒ 苦労して掘削された平行の縦穴
(1) laboriously は、他には以下が許容例。
「骨を折って」
「苦心の末に」
「やっとのことで」「労力を使って」
・
「
(肉体)労働によって」は不可。
「たいへんな労働で」は可。
・
「労働者によって」は不可。
(2) drilled
・
「ドリルで掘られた」は許容。
(3) parallel
・
「
(井戸と)似た」は不可。
(4) shaft
・
「竪穴」
「立て穴」は許容。
・parallel が「井戸と平行した」と明記されている場合のみ、「穴」だけでも可。
・単に「穴」は
-1。
問2 (16点)
【減点の原則】
(1) 基本的にはすべての部分的誤りと語句の無視は、個別に指定が無い限り-2。
(2) カタカナ訳は不可で -2とする。
(3) 日本語の誤字等は、別の意味にとられてしまうケースは-1で、他は不問。
【例】⇒「肖像」と「消像」⇒
-1
(4) 区分された単位で意味が成り立たず、部分的減点が困難な場合は、その区分全体を0点。
(5) 各採点区分の中で、途中で立ち消えた解答は、その区分については0点。
要素① To broaden the question a bit,
⇒ こうした疑問を少し広げてみると
⇒ 前記の問い(質問)を若干一般化すると
⇒ その疑問をちょっと拡張すると
(1) 「~すると[すれば]」の独立不定詞の語感が出ていなければ、ここは0点。
(2) broaden は「拡大解釈する」は不可。 「範囲[幅]を広げる」は可。
(3) a bit の訳しもれがあるものは、ここは0点。
要素② why do we jump out of our chairs and write checks to help one person
⇒ なぜ私たちは 1 人を助けようといてもたってもいられず小切手を書き
7
⇒ なぜ私たちは,1 人を助けるためには椅子から飛び上がらんばかりに驚き小切手を書く
のに
(1) and を一連の行為を示すと読み取れず「~したり」としたものは不可で
-1。
(2) jump out of に「驚いて」
「ショックを受け」などがなく、
「椅子から跳び上がって」な
どと、行為のみで表したものも許容。
(3) one person を「ある人」としたものは不可。
(4) to help one person が “jump out of chairs” “write checks” の片方にしかかかっていな
いことが絶対的に明らかなものは不可。
要素③ while
⇒「だが」
「一方」
(1) 対照関係の働きだと分かっていない、
「~する間」「~しながら」は不可。
※「~でありながら」
「~するくせに」は対照関係として許容。
(2) while 節全体の、文中での働きが誤解されているものは、ここを0点にすることで対処。
要素④ we often feel no great compulsion to act
⇒ 何とかしようという強い衝動を感じない場合が多い
⇒ 何とかして行動を起こそうという気にはさしてならないことが多い
(1) compulsion
・
「どうしてもしたい[してしまう]」の語感がないものは不可。
(例)
「強制をあまり感じない」などは不可。
(2) no great を
・
「部分否定」的に読めていないものは不可。
(3) ④全体
・
「しばしば大きくない衝動を感じる」など、文脈が全く反映されていない不自然な訳は
不可。
(4) to act
・compulsion と結び付けて訳せていないものは不可。
要素⑤ in the face of other tragedies that are more atrocious and involve many more
people
⇒ それよりはるかに悪く,巻き込む人数も遥かに多い他の悲劇を目の当たりにして(も)
⇒ それより非人道的ではるかに多くの人を巻き込んだ他の悲劇に直面した場合に(は)
(1) in the face of の他の許容例
「~に出くわして」
「~に出合って」
「~を見て」
※「~を耳にして(読んで)」など間接性が強調されたものは-1。
(2) tragedies
・
「悲劇的事件(出来事)
」も可。
(3) atrocious の他の許容例(マイナスの語感が明確なもの)
8
「極悪な」
「ひどい」
「非道な」
「残虐な」
「ゆゆしき」「悪い」
「あるまじき」
(4) involve many more people の意訳許容例
「被害者の数がはるかに多い」
「はるかに多数の被害者を生み出す(出した)
」
※many more を「かなり(とても)多くの」としたものは不可。
問5 (16点)
【減点の原則】
(1) 基本的に下記の(3)(5)以外のすべての誤りは、個別に指定が無い限り-2。
(2) 重要訳語をとばしたものは個別に指定が無い限り-2。
(3) 採点枠内が部分的減点が難しいレベルで誤っているものは、配分点をすべて引く。
またコロケーションの誤訳や、事実そのものを誤認している場合は、ひとにつき
-2。
(4) 各採点要素で個別に指定されたものを除いてはカタカナ訳は不可。
(5) 日本語の誤字等は、別の意味にとられてしまうケースは-1で、他は不問。
(6) 不要要素は(
)に入れ、採点対象としない。
〔例①〕
人は,1 人の身に起きる悲劇には現実感を持ちうるのに対し,集団的な悲劇にはそれほど
現実感を持ちえないということ。(55 字)
〔例②〕
個人に起きた悲劇には人は強く反応するが,集団レベルでの悲劇に対しては反応し行動を
起こす可能性は低いということ。(55 字)
【必須要素】
要素①
we may possess incredible sensitivity to the suffering of one individual, に
ついての記述。
⇒ 1 人の身に起きる悲劇には現実感を持ちうる
⇒ 個人に起きた悲劇には人は強く反応する
⇒ 個人レベルでの苦しみには信じがたいほど敏感だ
【A】要素の有無について
以下の要素の相当部分が足りない毎に3点ずつ引く。
① one individual
② the suffering
③ possess incredible sensitivity
【B】表現について
(1) possess incredible sensitivity 部分への許容例 ※直訳的記述も可
・「敏感に反応する」
・「(すぐに)行動に移る」←マザー・テレサの act から。
9
・「(強く)心を揺さぶられる」
・「いても立ってもいられない」
(2) the suffering of one individual部分への許容例 ※直訳的記述も可
・「個人レベルでの悲劇」
← スターリンの tragedy から。
・「一人の苦しみ」
※ one を a certain のように訳したものも「一人」が明確なら許容。
(例)ある一人の
(3) may の意味の反映については無視してよい。
要素② we are generally(and disturbingly) apathetic to the suffering of many につ
いての記述。
⇒ 集団的な悲劇にはそれほど現実感を持ちえない
⇒ 集団レベルでの悲劇に対しては行動を起こす可能性は低い
⇒ 大人数の苦しみには無関心
⇒ 多くが苦しむ場合は反応がにぶい
【A】要素の有無について
以下の要素の相当部分が足りない毎に4点ずつ引く。
① apatheticの相当部分
② the suffering of many の相当部分
【B】表現について
(1) apathetic 部分への許容例 ※直訳的記述も可
・「冷淡な」
・「無関心な」
・「心を動かされない」
・「反応しない」
(2) the suffering of many 部分への許容例 ※直訳的記述も可
・「集団レベルでの悲劇」
← スターリンの tragedy から。
・「多くの苦しみ」← ダブルミーニングは、文脈で補えるので好意的に解釈
・「群衆の苦しみ」← マザー・テレサの the mass から
10
大問 Ⅲ
問2 (20点)
【減点の原則】
(1) スペル、大文字小文字、記号の誤り
(2) 単語・熟語の誤り
⇒
(3) 冠詞と名詞の数の誤り
(4) 文法的誤り
⇒
⇒
-1。
-2。
⇒
-1。
-2。
(5) 英文として不成立で部分的減点が難しい場合は以下の通り。
※「句・節」単位での一括減点
(6)
-3。「文」単位での一括減点
-5。
字数制限を満たさないものは0点。
(7) 原文からの引用は可。但し、文単位で一語一句すべて丸写しは、1文のみ認める。2文目か
らは3点ずつ引いていく。
(8) 理由として論理的に破たんしているものは-5。その際、別途(1)~(5)の減点は並行し
て行う。
【必須要素】
要素① 誰の意見に賛成かの明示。
(1) 「~に賛成」の許容例
agree with one / agree with one’s opinion [view] / agree to one’s opinion [view]
approve of one’s opinion [view] / support one / support one’s opinion [view]
(2) 「賛成」なのに、②が「反対」の理由になっているもの(或いはその逆)のものは、①
は0点。
要素② 理由。
(1) 理由を述べている文だということをマーカー等で明示していないものも、内容上理由に
なっているなら、「理由」として認める。
(例) シートベルトと関連した交通事故の現状や、シートベルトの構造などを述べている。
(2) データが(本文でも)述べられていないため、事実かどうか検証できない理由も可。
(例1)Recently, some companies have developed better types of seat belts.
(例2)If seat belts are used with baby seats, you can avoid serious injuries in a traffic
accident.
(3) 「Aの意見が不完全だからBの意見に賛成だ」という論の組み立てに終始しているもの
は「Bの意見への賛成の理由」としては
-5。
(4) Becauseを接続詞として用いず、前文に対して「なぜなら」と用いているものは不可。
11
大問Ⅳ
【減点の原則】
(1) スペル、大文字小文字、記号の誤り
(2) 単語熟語の誤り
⇒
⇒
-1。
-2。
※語単位の訳漏れも一つにつき-2。
(3) 冠詞と名詞の数の誤り
(4) 文法的誤り
⇒
⇒
-1。
-2。
(5) 各採点区分内で指定の点数を超えた時点で減点は行わない
(6) 区分された句、節が英文として成り立たず、部分的減点が困難な場合は、その区分全体は0
点。
(A)(20点)
そうした学生のおよそ3 分の2 は,自分を再訓練して最新の科学技術に追いつこうという
目的で,週に数講座を受講している。
〔例①〕
About two-thirds of them attend a few classes a week in order to retrain themselves and
catch up with the latest technology.
〔例②〕
About two-thirds of such students take a few courses a week so that they will retrain
themselves and catch up with current technology.
要素① そうした学生のおよそ3 分の2
⇒ About two-thirds of them
⇒ About two-thirds of such students
(1) 学生
・pupils は不可。
(2) 「およそ」の許容例
about / approximately / some ⇒
一般語として適切。
nearly / almost ⇒ 許容。
要素② 自分を再訓練して最新の科学技術に追いつこうという目的で,
⇒ in order to retrain themselves and catch up with the latest technology
⇒ so that they will retrain themselves and catch up with current technology
(1) 再訓練する
〇 ⇒ retrain / re-train / train again
※ brush up one’s skill(s) も可。
(2) 再訓練して
12
〇 ⇒ by doing の形も可。
(3) 追いつく
〇 ⇒ catch up with / overtake
(4) 最新の
〇 ⇒ the latest / current
(5) 科学技術
〇 technology / science technology / scientific technology
(6) 目的で
〇 so that S can [will] do / to do / in order to do / for the purpose of doing / aim at doing
with the aim of doing
要素③ 週に数講座を受講している
⇒ attend a few classes a [per] week
⇒ take a few courses a [per] week
(1) 講座
〇 classes / courses / courses of study
(2) 受講する
〇 attend / take / have / sit for
(3) 数
〇 some / a few
(B)(20点)
多くのアメリカの大学は年長の学生たちが大学生活を実りあるものとすることを容易にす
べく,熱意をもって近年努力を重ねてきた。
〔例①〕
In recent years, a lot of American universities have been trying hard to make it easier
for older students to make the most of their college life.
〔例②〕
More than a few American universities have recently tried diligently to make it easier
for older students to make their college life fruitful.
要素① 近年、多くのアメリカの大学は熱意をもって近年努力を重ねてきた
⇒ In recent years, a lot of American universities have been trying hard
⇒ More than a few American universities have recently tried diligently
(1) 近年
In recent years, / recently / lately / nowadays / these days
※時制との相性により判断。
(2) recently 等の副詞の位置は、副詞だと分かる位置ならば許容。
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(3) 「アメリカの大学の多く」と読めるものも許容。
(4) 「熱意をもって」の許容例
⇒ hard / diligently / earnestly / enthusiastically / attentively / with enthusiasm
with diligence
要素② 年長の学生たちが大学生活を実りあるものとすることを容易にすべく
⇒ to make it easier [easy] for older students to make the most of their college life
⇒ to make it easier [easy] for older students to make their college life fruitful
(1) 容易にすべく
・so that S can [will] do [more] easily の発想も可。
(2) college / university の区別は不問。
(3) their の欠如は不可。(冠詞ミスと同様に評価)
(4) 実りあるものにする
・「より良くする」( make O better / 動詞のbetterなど)の発想も可。
・enjoy O more [very much] の発想も可。
(5) 年長の
・older, elderly を許容。
・senior は許容。
・elder は不可。
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