『中標津町景観条例』に基づく 景観形成に大きな影響を及ぼす行為の

『中標津町景観条例』に基づく
景観形成に大きな影響を及ぼす行為の届出について
【携帯電話基地局設置に係る指導指針】
(位置づけ)
中標津町は、当町における良好な景観形成を図るための制度として「中標津町景観
条例」(平成 9 年 1 月施行)を有しており、その趣旨を反映した景観施策推進の面か
ら、地域の自然、歴史、文化等と人々の生活、経済活動等との調和により形成される
良好な景観の保全・創出を、適正な制限の下にこれらが調和した土地利用がなされる
必要がある。
(基準の枠組み)
・
景観形成は、観光や地域の活性化に大きな役割を担うことから、住民、事業者及
び町の協働によりすすめられなければならない。
・
地域の個性を伸ばすような多様な景観形成が図られなければならない。
(基本理念)
・
中標津町の景観づくりは、町内を流れる大小さまざまな河川や山岳景観、雄大な
農村風景、比較的コンパクトな市街地景観など町民共有の貴重な財産を喪失するこ
とのないよう、自然環境の調和と地域全体の秩序ある土地利用に配慮し推進するも
のとする。
・
携帯電話基地局に付属する電波塔等の工作物(以下「電波塔等」という。)は、高
さや規模、設置位置などにより、景観へ与える影響が大きいことから、町内におけ
る電波塔等の統一を図り良好な景観を形成していくことを目的とし、事業者には一
定の指針を定め指導するものとする。
(責務)
・ 町は、景観形成に関し、景観形成指針に基づき必要な事項の調査を行うとともに、
総合的な施策を策定し、これを実施するよう努めなければならない。施策の策定に
当たっては、中標津町景観審議会の意見を聴き、かつ、町民の意見が十分に反映さ
れるよう努めなければならない。「景観条例第 4 条」
・
町民等は、景観形成に関し、意識を高め、自ら景観形成に寄与するよう努めると
ともに、町が行う施策に協力しなければならない。「景観条例第 5 条」
・
事業者は、自らの活動が地域の景観に大きな影響を与えることを認識し、その事
業活動の実施に当たっては、地域の景観を損ねることのないよう自らの責任と負担
において必要な措置を講じるとともに、景観づくりに寄与するよう努めなければな
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らない。
・ 土地の所有者等は、当該土地が管理不良状態により景観づくりを阻害しないよう、
常に適正な維持管理に努めなければならない。
(適用区域)
・
この基準は、中標津町全域について適用するものとする。
適用区域の分類については、次に掲げる景観地域とし、それぞれの地域に適した景
観形成を図るものとする。
(1)開陽台周辺地区:(景観形成重点区域)
(2)空港周辺地区
(3)中央通・大通・国道 272 号バイパス沿い地区
(4)市街地中心地区
(5)市街地景観地区:((3)(4)以外の市街地景観をなす地域)
(6)集落市街地景観(計根別、開陽、武佐、当幌)
(7)農村景観地区:(主に酪農業を中心とした、牧草地と格子状防風林が織りなす、
農村景観、自然景観からなる複合的な景観をなす地域)
(各地区景観形成共通基準)
(1)設置位置
・
電波塔等が与える圧迫感を軽減させるため、住宅地及び主要道路等から離れた位
置(電波塔等の高さの2倍以上)に設置するものとする。やむを得ず住宅地より当
該距離をとれない場合にあっては、当該住宅地の土地・建物所有者、並びに居住者
の同意を得ること。
・
電波塔等の柱部分が自然林などに遮蔽される場所を選定すること。
・
既設建築物や法面等を利用し、極力電波塔等の高さを抑える工夫をすること。
・
電波塔等が必要な理由を明確に説明できる場所とすること。
(2)形
・
態
原則としてモノポール型(鋼管柱等)とすること。ただし、設置場所が山間部で
あり、人目につかない場所である場合は協議のうえ決定するものとする。
・
アンテナ部分は、景観に与える影響が大きいリング状のものを避け、できる限り
簡素な形態とすること。
・
高さが31mを超える電波塔については、高さ設定に至った経緯を整理し、届出
時に提出すること。
※景観形成基準における高さは避雷針を含めた最高高さとする。
(3)色
・
彩
色彩は、原色を避け、周辺環境になじむ色とすること。
(事前協議)
・
高さ 10 メートルを超える携帯電話の電波塔等を建設、又は改修をしようとする
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場合には建設計画を事前に町と協議し、また、近隣住民へ周知し、その同意を得るこ
と。
・
事業者は電波塔等の計画において共同設置や共用化についても充分検討すること。
・
次に掲げる電波塔等については、中標津町景観審議会において審議をし、事務を
進めることとする。
① 高さ15mを超える電波塔等の新設
② 各地区の基準の原則によらない電波塔等
③ その他景観形成に大きな影響を及ぼす恐れのある電波塔等
(届出)
・ 景観形成重点区域内における行為については4週間前までに、
「景観形成重点区域
内における行為の届出書」に中標津町景観条例施行規則で定める書類を添付のうえ
提出すること。
・ 景観形成重点区域外において中標津町景観審議会の審議が必要な行為については、
行為着手予定日の4週間前までを目安に、
「 景観形成に大きな影響を及ぼす行為の届
出書」に「関係町内会長説明完了確認書」及び「関係住民説明結果報告書」を添付
のうえ提出すること。
・
届出に係る事項及び住民への説明責任に関する事項は別に定める。
(各地区景観形成基準)
(1)開陽台周辺地区:(景観形成重点区域)
【基本目標】
・
開陽台からの、視界330度の景観を守る。
・
「北海道遺産」である防風保安林の景観を守る。
・
大規模な牧場、牧草地帯などにおける施設整備においては、中標津らしい酪農景
観に配慮する。
・
全国的な景勝地ならではの、出会いの感動を育てる。
【基準】
・
中標津町景観条例第 8 条第 2 項及び同条例施行規則第 4 条の規定による区域景
観形成基準による。
(2)空港周辺地区(空港の敷地から、概ね 2,000m の範囲内)
【基本目標】
・
空港周辺の豊かな自然環境、広大な眺望をまもる。
・
北の思い出となるような印象深い空港として整備する。
・
来訪者に対して、もてなしの心をそだてる。
【基準】
・
中標津空港から見渡すことができる、知床連山の山並、防風保安林による緑の大
格子、広大な酪農景観は道東らしいスケールの大きな自然景観である。この豊かな
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自然景観を損なわないよう、大規模な屋外広告物や電波塔等の人工的な施設整備は
極力さけ、空港を訪れる人達に中標津の自然の豊かさをアピールするよう工夫する。
・
北海道屋外広告物条例の規定による「禁止地域(空港の敷地から、概ね 500m
の範囲内)」には、原則として電波塔等は設置できない。
・
北海道屋外広告物条例の規定による「第 6 種許可地域(国道、道道、鉄道から
100m 以内の展望できる地域:用途地域等を除く)には、原則として電波塔等は設
置できない。
・
空港の制限表面(航空法)の範囲内には、原則として電波塔等は設置できない。
(3)中央通・大通・国道 272 号バイパス沿い地区(道路から、概ね 200m の範囲内)
【基本目標】
・
市街地と周辺の牧草地帯との美しい対比をまもる。
・
中標津ならではの楽しさ、誇りの感じられる道路景観をつくる。
・
沿道の緑を育て気づかう心をそだてる。
【基準】
・
原則として電波塔等は設置できない。
(4)市街地中心地区(都市計画マスタープランにおける地域区分−中心部地域)
【基本目標】
・
丸山公園の緑、標津川の広がり、タワラマップ川のせせらぎなど、貴重な自然環
境をまもる。
・
人と車が共存し、安全で快適な都市空間をつくる。
・
水辺や小さな空間を活かし、人々の交流が生まれるような豊かな緑を育てる。
【基準】
・
原則として電波塔等は設置できない。
(5)市街地景観地区:((3)(4)以外の市街地景観をなす地域)
【基本目標】
・
期待感がわき、都市を演出する景観をつくる。
・
都市のにじみ出しとなる工作物を沿道から排除する。
・
視線が変化する場所では期待感がわくような演出をする。
・
街のゲートとなるような道路景観をつくる。
【基準】
・
原則として高さ(建築物と一体となって設置される場合にあっては、地盤面から
当該電波塔等の上端までの高さ)31メートルを超える電波塔等は設置できない。
・
高さ31メートル以内の電波塔等であっても、原則として、いわゆるアングル型
は設置できない。
(6)集落市街地景観(計根別、開陽、武佐、当幌)
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【基本目標】
・
町の「めじるし」になるような市街地をつくる。
・
地域のセンターにふさわしい市街地景観をつくる。
・
シンボル性の高い中継拠点をつくる。
・
郷土の歴史をアピールできる市街地をつくる。
・
足を止めたくなるような魅力をつくる。
【基準】
・
原則として電波塔等は設置できない。
(7)農村景観地区:(主に酪農業を中心とした、牧草地と格子状防風林が織りなす、
農村景観、自然景観からなる複合的な景観をなす地域)
【基本目標】
・
豊かな緑の遺産をまもる。
・
山麓と牧草地による「緑のふちどり」をまもる。
・
北海道遺産である「格子状防風林」保存管理する。
・
市街地を取り囲む「緑の緩衝帯」をまもる。
・
養老牛温泉地区を包む「緑のまとまり」をまもる。
【基準】
・
道路から、概ね 100m の範囲内は、原則として電波塔等は設置できない。
・
原則として高さ(建築物と一体となって設置される場合にあっては、地盤面から
当該電波塔等の上端までの高さ)31メートル以内とする。
(適用開始)
平成19年
6月8日から適用する。
平成25年11月5日改正
(中標津町建設水道部
都市住宅課
街づくり推進係)
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