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恋ちゃんはじめての看取り

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第1学年2組「道徳の時間」学習指導案
1
主題名
生命の尊重【3-(1)】
《関連主題》豊かな人生【1-(4)】 ,家族の絆【4-(6)】
れん
2
資料名
恋ちゃんはじめての看取り
3
主題設定の理由
【写真・文 國森康弘 (出版 農山漁村文化協会)】
(1)主題と生徒について
<
略
>
(2)資料について
れん
「恋ちゃんはじめての看取り」という写真絵本を扱う。
小学5年生の恋ちゃんが,92歳の曾祖母を看取った日々が写真と短文で記録されている。恋ち
ゃんが「おおばあちゃん」の死と向き合った数日間が,現実の一部をありのままに切り取った写真
として収められ,見る者の心を大きく揺さぶる作品である。
最初は,死を迎えようとしている「おおばあちゃん」の周りで泣き叫ぶ家族の写真から始まる。
その悲痛な表情はあまりにも生々しく,衝撃的であり,否応なしに心を引きつけられる。その後,
息を引き取った「おおばあちゃん」と対面する恋ちゃんの写真が続く。涙を流してはいるものの,
まだ実感として受け入れられないでいる様子も伝わってくる。そして,顔の布を外してあいさつし
てみたり,手をさわってみたり,足をなでてみたりしながら,徐々に死を受け入れていく様子が綴
られる。遺品整理で見つかった写真には,尋常小学校時代の卒業写真や,若くて元気だった頃の古
い写真がいくつもあった。だんだん,恋ちゃんや家族の表情が変わっていく。最後はおおばあちゃ
んの「寝顔」を見て笑顔になるみんなの写真,満面の笑みで学校の廊下を歩く恋ちゃんの写真で締
めくくられる。
「生命にはいつか終わりがあること」,「生命はずっとつながっていること」を,理屈ではなく,
直接情緒や感情に訴え,教えてくれる作品である。また,“死の悲しみ”からページは始まるが,次
第におおばあちゃんのこれまでの人生に視点が移っていく。すると今度は“豊かな人生”,“幸せな
一生”などという言葉が脳裏に浮かんでくる。終末のページに,「おおばあちゃんの『寝顔』を見
て,みんな笑顔になった。」とある。そして最終ページ,恋ちゃんの満面の笑顔へと続くのである。
「死」は確かに悲しい。しかしそれによって人生が無に帰するわけでは決してない。「死」を見つ
めることによって,より印象的に浮かび上がってくる「生」。人の一生,そしてあらゆる生命がいか
に尊く,かけがえのないものであるか,じっくりと肌で感じ,心で考える作品として読み込ませた
い。
(3)指導にあたって
2単位時間の単元として設定する。それは作品を意図的に2回読ませたいため,記述に充分な時
間をとりたいためである。
1回目の読みでは,作品の世界にそのまま浸らせたい。自然と“情緒・感情”に訴えかけながら
生徒たちの価値観を揺さぶることができる。家族が泣き叫ぶ写真などから,最初は「死」の方へと
意識が向き,心は深い「悲しみ」で満たされることだろう。ここで価値観に揺さぶりをかけること
は,次時への動機づけとしても作用する。
2回目の読み(本時)では,前時よりも一歩引いた立ち位置からやや客観的に作品を読ませ,“理
性・思考”に訴えることで価値観の揺さぶりを生み出すことを念頭に置く。ここで「死」から
「生」へと緩やかに視点を移動させつつ,最終的には内容項目3-(1)「生命の尊重」へと着地さ
せる指導計画である。
また本時では,最初に“主発問”を提示し,“言語活動(下参照)”に取り組む中で徐々にゴール
へと向かう流れを作って計画している。一見 無機的な言語活動を設定しているが,活動に取り組む
生徒たちの心の中には,有機的で温かい心情が行き交うはずである。
○軸とする言語活動
~「仮説を挙げながら考えを説明し合う」
それぞれの写真について熟考する手段として,言語活動「仮説を挙げながら考えを説明し合う」
を組み込んだ。具体は以下の通りである。
【おおばあちゃんが死んでしまったのに,なぜ恋ちゃんは最後のページで笑顔なのだろう】
こんな素朴で簡潔な疑問について,生徒たちは自分なりの答えを考えてみる。単純な疑問なの
に,答えはすぐには見つからないだろう。しかし,それぞれがもつ既有の価値観や過去の体験,想
像力などを駆使しながら,答え(仮説)を導き出してみる。仮説を立てるにあたり,生徒たちはペ
ージをさかのぼっていくだろう。すると,中には自分の仮説に説得力をもたらしてくれる写真が何
枚か見つかるはずである。写真一枚一枚には,それぞれのメッセージが込められいるため,“仮説の
検証”を手段として活動する中,知らず知らずのうちに恋ちゃんの心情に寄り添い,共感し,“人
生”や“命”に対する心情を深めていけるものと考える。
もちろん“仮説の検証”自体が目標ではなく,あくまでも手段である。検証するために一枚一枚
の写真とじっくり向かい合い,恋ちゃんの心情やおおばあちゃんの人生について考えを巡らせると
ころにこそ目標がある。そのため,作品との対峙には充分な時間を確保したい。本時では3人グル
ープ内で説明し合ったり,クラス全体に発表したりするなど,全員に一度は“発信”の場面を作
る。多様な意見を徐々に拡散させていく中で,自己の価値観を揺さぶるものを心に残し,個々に収
束,深化させていく活動である。終末ではクラス全体で主発問の答え,授業のゴールへと迫らせて
いきたい。
4 本時の実際
(1)ねらい
“生と死”,“人の一生”などに思いを馳せながら,生命の尊さ,かけがえのなさに対する心情
を深めることができる。
(2)〔提案〕軸とする言語活動:「仮説を挙げながら考えを説明し合う」
(3)前時の活動
・「恋ちゃんはじめての看取り」を読み,初発の感想を記述する。
(4)学習過程
学習活動と主な発問
予想される生徒の意識
教師の支援
1
朗読を聴く。
・やはり悲しいお話だ。
・最後のページはなぜ笑顔なのだろう。
・大型テレビに本の写真を
映す。
2
本時のゴールを確認する。
・悲しいはずなのに不思議だ。
・気持ちを切り替えたのだろうか。
・家族も笑顔になっているな。
・途中のページにヒントがありそうだ。
・おおばあちゃんは幸せだと思えたから
かな。
・初発の感想や疑問に思
ったことを紹介していく中
で,主発問を提示する。
グループごとに主発問に対
する仮説 を立て,仮説を立
証するための写真を一枚選
ぶ。
・恋ちゃんはなぜ笑顔なのだろう…。
・この時,恋ちゃんはどんな気持ちだった
のだろう。
・道徳の時間用,三人グル
ープを編成しておく。
・選出した写真を黒板に一
覧掲示する。(仮説付き)
各グループの発表を聞き,
主発問の答えについて全体
で話し合う。
【話し合いの視点】
・主発問の答えとして最も共
感した仮説はどれか?
・深い考えだ。考えつかなかった。
・この写真にはそんな意味もあったのか。
・恋ちゃんの気持ちが分かってきた。
・おおばあちゃんの人生は幸せだった。
・おおばあちゃんは恋ちゃんの心の中で
ずっと生き続けるのだろう。
・自分たちのグループ案
にはこだわらず,全体の意
見を客観的に受け止める
よう助言する。
5
・自分の人生をしっかり生きていこう。
・豊かな生き方について考えさせられた。
・かけがえのない命,一度きりの人生を大
切にしていきたい。
・充分な時間を確保する。
◎最後のページで恋ちゃ
んが笑顔になっているの
はなぜだろう?
【提案】
3
4
本時のまとめを記入する。
・この本から学んだこと
・今後の自分について
(5)事後の支援,指導
・“本時のまとめ”を学級通信や教室掲示で紹介する。
・心のノート(p,84~87)「生命を考える」を読み,「偶然性」,「有限性」,「連続性」の観点か
ら あらためて「恋ちゃんはじめての看取り」を読み直す。
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