日本刀の最高峰・正宗を目指して 矢板の素材で海辺の春

長谷川ゆう子さん
【矢板の誇り】
おらがまちの芸術家
日 本 刀 鍛 錬 所 。 作 業 場 美術 刀剣保存協会主
の 薄 暗 い 土 間 の 脇 に 、 催の 新作刀展でいき
い た こ と 」と い う 意 外 と 、 運 慶 の 彫 刻 と い う
な答えが返ってきた。
答えが…。
「展 示 会に 出 品 す る と 、 ● 目 指 す も の は 決 ま っ
実際に他の人の作っ ている。
た 刀 を見 た り 、写
刀剣史では山城、大
真 集 を 見 る 機 会 が 和、備前、美濃、相模の
あ り ます が 、あ る 五 カ 国 の 刀 剣 に 特 徴 的
とき 写 真 集を 見 て な 作 風 を そ れ ぞ れ 「 …
いて 一 番 下手 な 刀 伝 」 な ど と 称 し 、 こ れ
に 見 え た の が 自 分 らを総称して「五か伝」
の作品でした。ショッ と い う が 、 鎌 倉 時 代 の
クでした」
名工・五郎入道正宗は
●上 達 す るた め に こ の う ち の 「相 州 伝 」
始めたのは
を完成させた人物。
「 自 分 が 下 手 だ と (相模伝とは言わない)
気 づ いた こ と で 、
相州伝の魅力は例え
どう す れ ば良 い か れ ば 水 墨 画 の 世 界 だ と
が見えてきました。 い う 。 加 藤 氏 が 目 指 す
そ れ から は 、技 術 も の は 、 こ の 最 高 峰 と
より も 感 性を 磨 く い わ れ る 正 宗 に 近 づ い
こ と を 心 が け ま し てい くこと 。そこ には 、
た 。具 体 的 に は 絵 ま る で 長 谷 川 等 伯 の 描
や書 を 見 て鍛 え る い た 水 墨 画 の よ う な 世
た め に、美 術 館 な 界 が 待 っ て い る の か も
ど を 回 り ま し た 。 しれない。(Y・M)
等伯の「松林 図屏風」
特に感動した作品を
お聞きすると、長谷川
が大切です 。」そう語
る加藤さん。
も の が 分 か って く る よ
う に な る の で す 。少 な
くても本物を見ること
理屈ではなく、良い物
を見ているうちに良い
日本刀の最高峰・正宗を目指して
影 響す る こと を 認識
し ても ら いた い と考
え て作 品 作り を しま
も のを 使 用す る よう
に 工 夫。貝 殻 の代 わ
り に エ リ ン ギ を 、そ
使い込まれた鎚(つち) なり努力賞を受賞し、
や ふ い ご な ど の 道 具 類 注目を浴びることに。
杉 木 立 の 裏 手 に 静 か なった。
にたたずむ加藤さんの
翌 年 の (財 )日 本
してリンゴやカンピョ
ウ も 使 い ま し た 。一
四 年 連 続 で 優 秀 賞 を 獲 ず 、不 遇 の 時 代 を 過
得 ( う ち ト ッ プ を 三 年 ご し た 。そ こ を ど う
加藤慎平さん(木幡在住、55歳)
した。
◆ でき る だけ 矢 板の
週 間前 か ら必 要 な材
料 を そろ え 、花は 花
保 存 協 会 主 催 の 新 作 刀 さらに翌々年も入賞。
展 で は 、 全 国 に 約 三 百 そ の た め 、自 分 は う
が 、 静 か に 息 づ い て い ●下手を自覚する
た。
初 めて出品した刀
( 財 ) 日 本 美 術 刀 剣 が 努力賞に 入賞し、
屋 さん に ある も のだ
けでまとめました。
◆ いわ き 市出 身 の長
展し た のが 矢 板市 茶 催 した 時に も 出 展し じ てく れ るか 気 にか
華道 協 会の 会 長を し ま した が 、二 度目 と か り ます が 、今回 も
てい る 長谷 川 ゆう 子 な る今 回 の テ ーマ は 来て花を見て『良かっ
連 続 で 受 賞 ) 。 今 や 現 乗 り 越 え て い った の
代 刀 工 を 代 表 す る 一 人 か?
人 い る 刀 工 の 中 か ら 百 ま い と 思 って い た と
人 前 後 が 出 品 す る 。 加 い う 。し か し そ の 後
藤 さ ん は 短 刀 の 部 門 で 十余 年は賞に恵まれ
さん。
「海辺の春」。
た 、綺 麗 だ った ! 』
県 の 担当 者 から 依
海に よ って 人は 生 と 感じ て いた だ けれ
作刀承認を得て刀工と
さ ら に 五 年 間 修 行 。昭
和五十五年に文化庁の
弟子である山形県羽黒
町の上林恒平氏の元で
ず、十八歳で人間国宝・
宮 入 行 平 氏 に 入 門 。修
行 半 ば で 師 が 死 去 。兄
大 学 に 進 学 す る も 、作
刀の夢をあきらめきれ
だ。
「まず、自分は 下手
●夢をあきらめきれず
だと いうことに気づ
矢板東高校を卒業後、
( M)
る人を楽しませて 束にして、一束千
います。
円で販売。矢板市
■花フェスタの花、ではその売り上げ
最後はどうするの? で、震災後一年を
展示した数々の 迎える被災地に、
花。最終日の終了 花や、図書券など
とともに、関係者 を贈るために使う
が剪定バサミを持 予定です。
ち、片っ端から花
しん で もら え たら う 大 切 さ 、山 (上 流 )
れし い ので 引 き受 け の 環境 が下 流 の 海に
頼 の 電 話 が あ り 、 来 か さ れ て い る と い う ば 嬉 し い で す ね 」と
場し て くれ た 方に 楽 こ と、そ し て 自然 の 話 し てく れ ま し た 。
◆ 今回 の 花 フ ェス タ たということでした。 谷 川 さ ん 。「海 の な
で生 け 花の 大 作を 出 ◆ 前回 の大 田 原 で開 い 矢板 の 人が ど う感
花フェスタで生け花の大作を出展
■出番を終えたツ
ツジはどうなるの?
せっかく早く咲
かせたツツジ。ま
だまだ花は見頃。
塩谷病院、道の駅
やいた、市役所ロ
ビーなどで、白や
ピンクの花で訪れ
編集後記 花フェスタは、盛大
にしかも立派に開催
されたと取材を通じて感じまし
た。ツツジを咲かせる苦労話や、
小学生が発表した、ひまわりの
葉や、花と太陽との関係などを
聞き、自然環境の大切さや、不
思議さを改めて感じさせられた
イベントでした。花の春はもう
すぐそこまで来ています。
矢板の素材で海辺の春
花フェスタ裏話
平成24年3月15日
わ ら 版
市 民 力 か
第28号