霊的戦い セッション1 敵を知る あなたはクリスチャンとして霊的な戦いを経験します。あなたがクリスチャン であることに家族や友人たちが反対し、あなたにキリストから離れるように働 きかけてくるかもしれません。あるいは、イエス・キリストを信じる以外にも 救いを得る方法があるという他の宗教の教えを聞くかもしれません。また、こ の世のものを通して罪を犯すように誘惑を受けるかもしれません。さらに、時 にはあなた自身のうちに、自分の信仰やキリストに従う決意に対する疑いが生 じるかもしれません。 あなたが経験するすべての霊的戦いの究極的な源はサタンです。サタンの目標 は、あなたを惑わし、失望させ、キリストに従うことをあきらめさせることで す。そうするためにサタンが用いる方法は、偽りです。ヨハネ8:44でイエ ス様は、サタンについてこのように語っておられます。 「彼が偽りを言うときは、 自分にふさわしい話し方をしているのです。なぜなら彼は偽り者であり、また 偽りの父であるからです。」聖書で「父」という言葉が用いられるとき、それは 何かの源であることを意味します。ですから、ここでイエス様は、サタンは偽 り者であるだけでなく、偽りの源であると語っておられるのです。サタンの計 画は、真理を曲げるか、あからさまな偽りを語ることによって、あなたがイエ ス様に従わずにサタンに仕えるように仕向けさせることなのです。サタンは人 間に対して歴史の始めから用いてきたのと同じ戦略を用いて、あなたを間違っ た方向へと導こうとしています。 小グループでの分かち合い 1 1.創世記3:1-7を読んでください。 2.サタンはエバに対して、どのように偽りましたか。 創世記3:1-7でサタンは、エバに偽りを語ることによって罪を犯すように 彼女を誘惑しました。ここでサタンは、3つの仕方でエバを欺きました。第一 に、サタンは自分の存在を偽装して示しました。サタンはエバのもとに、蛇の かたちをとって現われました。その当時、蛇はすべての動物の中で、見た目も かたちも最も美しい存在でした。同じように、サタンはあなたが神にではなく 自分自身に目を向けるように、あなたの目に好ましい姿で現われてきます。コ リント第二11:3、14-15には、このような警告が記されています。 「しかし、蛇が悪巧みによってエバを欺いたように、万一にもあなたがたの思 いが汚されて、キリストに対する真実と貞潔を失うことがあってはと、私は心 配しています。.. しかし、驚くには及びません。サタンさえ光の御使いに変装 するのです。ですから、サタンの手下どもが義のしもべに変装したとしても、 格別なことはありません。彼らの最後はそのしわざにふさわしいものとなりま す。」 サタンがあなたの目に麗しく、心をひきつけるような姿であなたのもとに現わ れたときに、欺かれないように注意しなければなりません。それはあなたが尊 敬する人を通して語られる言葉かもしれませんし、すばらしいと思える状況を 通してかもしれません。あなたがサタンの語りかけに「はい」と答え、その道 を進み始めてしまうなら、祝福と思っていたものが実はサタンのもたらす呪い であったことに、後になって気づくことになるのです。 第二に、サタンは神がどのようなお方であるかについて偽りを語ります。創世 記3:4-5でサタンはエバにこう言いました。 「あなたがたは決して死にませ ん。あなたがたがそれを食べるその時、あなたがたの目が開け、あなたがたが 2 神のようになり、善悪を知るようになることを神は知っているのです。 」サタン は神について偽りました。実際のところ、サタンはエバに対してこのように語 ったのです。 「神はあなたがたに対して何が最善であるか知らないか、あるいはそれを教え ていないかのどちらかなのだ。神は権力に飢えている。神はあなたがたを支配 下に置き、あなたがたのうちにある能力を発揮させないようにしたいのだ。あ なたがたが神に依存することを願って、あなたがたは小さく、弱く、大した存 在ではないと語っているのだ。しかし実際は、神が小さく、弱いのであり、あ なたがたは神に欺かれてはいけない。あなたがた自身が神になるべきなのだ。」 クリスチャンになる前のあなたの生活は、このサタンの偽りに基づいていまし た。あなたは、自分で自分の人生をコントロールできると信じていました。何 が正しく、何が誤っているか、また何が善であり、何が悪であるか、自分で決 めることができると信じていました。しかしクリスチャンになったとき、あな たはこの偽りから、イエス様を通して示された神の真理へと立ち返りました。 イエス様は言われました。 「もしあなたがたが、わたしのことばにとどまるなら、 あなたがたはほんとうにわたしの弟子です。そして、あなたがたは真理を知り、 真理はあなたがたを自由にします。」(ヨハネ8:31-32)イエス様があな たに与えてくださった真理は、サタンの偽りと、それがもたらしたすべてのも の、つまり、罪、悪、失望、死からあなたを自由にしました。今、この霊的な 自由を体験し続けるために、あなたはイエス様の教えを信じ、従い続ける必要 があります。そして、サタンの偽りを拒み続けなければなりません。 第三に、サタンは神への不従順の結果について偽りを語ります。サタンはあな たに、神の助けなしでも生きていける、と語ります。あなたが真理の代替物を 信じ、その偽りを真理であるかのように見なして生きることを、サタンは促し てくるのです。 3 サタンのよく用いる偽りは、絶対的な真理など存在しないという考え方から始 まります。真理と偽り、正しさと誤り、善と悪の判断を、一人一人が決めてよ いのだと語ってきます。例えばサタンは、次のようにそそのかしてきます。 「唯 一正しい神など存在しない。あなたは自分自身で、何を神とするか決めること ができる。」さらにサタンはこう語ってくるでしょう。「善も悪も存在しない。 何が善で、何が悪であるかはあなたが決めることだ。」そして、ついにサタンは 大胆にもこのように言うでしょう。 「あなたが善を選んだか、悪を選んだか、神 の前で申し開きをしなければならないなどということはない。今の人生で失敗 を犯したなら、来世で過ちを正せばいいのだよ。」これは、真の神の存在を否定 し、輪廻を主張する、広く知れ渡った考え方です。しかしこのような考え方の 源はサタンです。自分の運命は自分で決めることができるとあなたに信じ込ま せることができるなら、サタンは自分の目標を達成したことになります。その 結果、あなたは自分のために人生を生きることになります。それは、神から離 れ、サタンのためにささげられた人生です。 小グループでの分かち合いと適用 1.現代の人々を惑わすためにサタンが用いる偽りにはどのようなものがあります か。 2.現代のクリスチャンを惑わすためにサタンが用いる偽りにはどのようなものがあり ますか。 3.サタンの偽りに打ち勝つために、小グループとしてどのように互いに助け合うこと ができますか。 個人的な適用 1.あなたの生活の中で、神の真理ではなく、サタンの偽りを受け入れてしまっている 部分を示してくださるように神に祈り求めてください。 2.あなたの罪を赦してくださるように、神に祈り求めてください。そして、神にではなく、 4 サタンに耳を傾けてしまったために霊的に束縛されている状態から解放してくださる ように、神に祈り求めましょう。 5 セッション2 誘惑に打ち勝つ 小グループでの分かち合い 1.先週、個人的な適用を通して何を学びましたか。 2.マタイ4:1-11を読んでください。 イエス様はサタンの誘惑に会われました。マタイ4:1-11には、イエス様 がどのようにサタンの誘惑に立ち向かい、打ち勝ったかが記されています。こ の箇所に書かれているイエス様の模範に従うことによって、あなたも誘惑に会 ったときにサタンに打ち勝つことができるようになります。マタイ4:1-1 1から、誘惑に会ったときに適用すべき3つの原則を学ぶことができます。 1.神はあなたが霊的に成長する方法として、あなたがサタンの誘惑に会うこ とを許される。 2.サタンはあなたの弱点を誘惑してくる。 3.みことばを用いることによって、あなたはサタンの誘惑に打ち勝つことが できる。 小グループでの分かち合い マタイ4:1によると、イエス様が誘惑を受けるために荒野に導いたのはだれでした か。 マタイ4:1-11は、マタイ3:13-17のすぐ後に来ます。イエス様は 従順にバプテスマを受けられた後、聖霊の油注ぎを受け、神の御子であるとい う父なる神の宣言を受け、それからすぐに、誘惑を受けるために、御霊によっ て荒野に遣わされました。神の御子が霊的戦いを経験することは神のみこころ だったので、あなたが霊的戦いを経験することも神のみこころであると受け止 6 めることができます。 第一の原則は、神はあなたが霊的に成長する方法としてあなたがサタンの誘惑 に会うことを許される、ということです。クリスチャン生活を送る中で、あな たは神の臨在を感じ、神の栄光を味わう霊的な高嶺を体験することが多くある でしょう。そのすぐ後に、サタンがあなたを滅ぼそうとする荒野の体験が訪れ ることがあります。このようなことが起こると、あなたは自分が何か間違った ことをしたのではないかと考えてしまうかもしれません。自分が何か悪いこと をしたのでこうなったに違いない、そうでなければサタンがこんなに近寄って くることはないはずだ、と思ってしまうかもしれません。しかし、あなたが荒 野に入るとき、それは神があなたをそこに遣わされたからなのです。神は以下 の4つの理由から、あなたがサタンの誘惑に会うことを望まれるのです。 1.神はご自身の力をあなたに示したいと願っておられる:あなたは自分の力 ではサタンに打ち勝つことはできませんが、神が与えてくださる力によって、 どんなことでもすることができます(ルカ1:37、ピリピ4:13)。 2.神はサタンの弱さをあなたに示したいと願っておられる:あなたが神の助 けによって打ち勝つとき、サタンはあなたに何もすることができません。神の 力とサタンの弱さを体験するにつれて、あなたは大胆さを身につけ、神のため にさらに大きなことをすることができるようになります。他の人々に、救い主、 主であるイエス様に立ち返るように励ますことができるようになります。 3.神はあなたが神を信頼することを願っておられる:サタンの誘惑に対して 自分の力によって立ち向かって失敗するとき、あなたは神の助けが必要である と気づくようになります。そして、再び誘惑に会うとき、今度はイエス様に「私 を助けてください。自分の力ではサタンに打ち勝つことができません」と叫び 求めるようになります。そして、こう宣言するようになります。 「ですから、私 7 は、キリストの力が私をおおうために、むしろ大いに喜んで私の弱さを誇りま しょう。」(コリント第二12:9) 4.神はあなたを通してサタンに打ち勝ちたいと願っておられる。 あなたが 誘惑に会い、それに打ち勝つごとに、この世におけるサタンの権威は少し弱ま り、神の権威は少し強くなります。サタンはまた別の機会に戦いを挑んでくる かもしれませんが、一つの戦いに敗れるとき、退かなければならないのです。 第二の原則は、サタンはあなたの弱点を誘惑してくる、ということです。イエ ス様はサタンと対峙したとき、40日間食事をしていませんでした。サタンは イエス様が空腹だったという弱い部分を攻撃してきました。そしてイエス様に 言いました。 「あなたが神の子なら、この石がパンになるように、命じなさい。 」 (マタイ4:3)あなたにもサタンが誘惑してくる弱い部分があることでしょ う。空腹であるなら、食べ物を盗むようにとサタンは誘惑してくるかもしれま せん。孤独であるなら、あなたが欲している感情的な充足感を得られるように、 だれかに危害を及ぼすような人間関係を築くように誘惑してくるかもしれませ ん。自分自身の価値を見出せないでいるなら、神の栄誉ではなく、人からの栄 誉を求めるように誘惑してくるかもしれません。失望しているなら、自分を痛 めつける習慣に手を染めるように誘惑してくるかもしれません。どのような場 合においても、サタンはあなたが必要を満たすために、イエス様にではなく、 あなた自身に頼るように仕向けようとします。 あなたが誘惑に会うことを神が許されるのは、あなたに誘惑に陥らせるためで はありません。神がそれを許されるのは、あなたがイエス様の助けによってサ タンに打ち勝つことを学ぶためです。神がそれを許されるのは、あなたの弱点 を示すためです。このような経験を通して、あなたはイエス様に信頼するよう になります。そしてイエス様は、あなたの品性における弱点があなたの強さへ と変えられていくように、このような経験を用いられるのです。 8 小グループでの適用と分かち合い 1.二人か三人ずつに分かれてください。そして、一人一人、サタンの誘惑を受ける弱 点を分かち合ってください。 2.互いのために祈ってください。神がサタンの誘惑に打ち勝つための力を一人一人 に与えてくださるように祈りましょう。 3.イエス様がサタンに対して語られた言葉には、サタンに打ち勝つ権威がありました。 なぜ、イエス様の言葉にはそのような権威があったのでしょうか。 第三の原則は、みことばを用いることによって、あなたはサタンの誘惑に打ち 勝つことができる、ということです。マタイ4:1-11では、イエス様はサ タンの誘惑を3回受けておられます。誘惑を受ける度に、イエス様は旧約聖書 のみことばを引用しながらサタンに応じました。その結果、サタンの誘惑は、 それぞれ失敗に終わりました。イエス様は罪を犯されませんでした。そしてサ タンは、後日イエス様を再び攻撃するときまで、イエス様のもとを離れました。 イエス様がサタンに対して語られた言葉には、サタンに打ち勝つ権威がありま した。それは、イエス様が神の御子だからです。また、イエス様の言葉に力が あるのは、それが聖書の言葉だからです。聖書の真理にはサタンの偽りに打ち 勝つ力があります。聖書に書かれているみことばがイエス様自身の生活におい て真実であったので、そのみことばには力がありました。誘惑に会われたとき、 イエス様は聖句を用いて、すべての必要を神が満たしてくださると信じ、ご自 分の生活において神の権威に従い、神のみを礼拝し、仕える決心をしているこ とをサタンに示されました。 聖書の箇所を単に引用するだけでは、サタンに打ち勝つことはできません。そ うではなく、聖書に、みことばに従う生活を送っていくことによって、サタン に打ち勝つことができるのです。イエス様に従う決心をし、その決心のもとに 9 イエス様の教えに従っていくとき、イエス様はサタンの誘惑に打ち勝つ力をあ なたに与えてくださるのです。 個人的な適用 1.あなたがくり返し誘惑を受けるのはどの部分であるか示してくださるように、神に 祈り求めてください。それは、まだあなたがキリストの権威のもとに完全に従いきって いない、あなたの弱点です。 2.それらの部分の一つ一つについて、誘惑に会ったときに助けとなるみことばが何 であるか考えてください。あなたの小グループメンバーたちの助けを求めるのもよい でしょう。 3.それらのみことばを覚え始めてください。また、それらのみことばを生活において 適用できるように神の助けを求めてください。 10 セッション3 クリスチャンの武具 パート1 小グループでの分かち合い 1.先週、個人的な適用を通して何を学びましたか。 2.エペソ6:10-18を読んでください。 クリスチャン生活において、霊的戦いは稀に起こることではありません。むし ろ、それは日々のクリスチャン生活の一部なのです。エペソ6:12にある、 「格 闘」と訳されているギリシア語の言葉は、面と向かって手と手、腕と腕とを使 ってなされる戦いを意味します。それは二人の侍が刀を持って、相手を殺し合 うまで戦うようなものです。この霊的戦いにおいては、座って休んだり、休息 をとってリラックスしたりする時間はありません。あなたがスキを見せた瞬間 に、敵はあなたを襲ってくるのです。 この霊的戦いにおける敵は、 「主権、力、暗やみの支配者たち、もろもろの悪霊」 といった様々な言葉で現されています。様々な悪霊たちがいます。そして悪霊 たちは、あなたの人生における神のみこころを損なうために、サタンの計画に 基づいて行動しています。 絶対に自分自身の力だけで悪霊に立ち向かおうとしてはいけません。もしそう するなら、あなたは確かに負けてしまいます。それはすべての人間がそうであ るように、あなたも誘惑に陥り、罪を犯してしまう傾向があるからです。 「人は それぞれ自分の欲に引かれ、おびき寄せられて、誘惑されるのです。欲がはら むと罪を生み、罪が熟すると死を生みます。」(ヤコブ1:14-15)サタン に立ち向かうためには、 「主にあって、その大能の力によって強められ」る必要 があります(エペソ6:10) 。そしてサタンに打ち勝つためには、イエス様に 信頼し、イエス様が与えてくださる力に依り頼む必要があります。自分の力に 11 頼るとき敗北するのが明らかであるように、イエス様が与えてくださる力に頼 るとき、確かに勝利を得ることができます。 「ですから、神に従いなさい。そし て、悪魔に立ち向かいなさい。そうすれば、悪魔はあなたがたから逃げ去りま す。」(ヤコブ4:7) 霊的戦いに直面するとき、主の力によって立ち向かうために「神のすべての武 具」 (エペソ6:11、13)を身に着ける必要があります。ここに記されてい る神の武具は、神がイエス・キリストを通して私たちに与えてくださる霊的な 守りを意味しています。神の武具を身に着けるとき、サタンや悪霊たちとの戦 いに立ち向かうことができます。 小グループでの分かち合い 1.神の守りを体験したときのことを分かち合ってください。 2.それぞれの神の武具は何を意味し、何を示しているのでしょうか。 一つ一つの神の武具は、あなたとイエス様の関係を何らかの仕方で示すもので す。エペソ6:14-15には、 「帯」 、 「胸当て」、 「靴(福音の備え)」の三つが 記されています。この箇所によると、あなたはサタンに立ち向かう前に、すで にこれらのものを身に着けているはずです。帯が武具をしっかりと体にまとわ せるように、神の真理はあなたを引き締め、サタンに立ち向かうために、あな たをしっかりと立たせます。この真理について最も重要なことは、イエス・キ リストを通してあなたが持っている神との関係です。イエス様を信じている者 として、あなたはすでに罪の赦しと永遠のいのちを得ている、神の子どもなの です。 胸当ては、キリストの義を意味します。自分の力で義を得ようとするどのよう な行いも「不潔な着物」 (イザヤ64:6)に過ぎませんが、キリストの義はサ タンの攻撃からあなたを守ることができます。サタンの戦いにおいて、時にあ 12 なたは傷を受けるかもしれません。しかしあなたを守るキリストの義のゆえに、 サタンはあなたの心を傷つけることによってあなたに霊的な死をもたらすこと はできません。つまり、サタンがあなたを誘惑し、あなたに罪を犯させるとき、 その罪があなたに霊的な死をもたらすことはないのです。それは、神がキリス トの義を私たちの義として受け入れてくださるからなのです。これはローマ 3:22-24に記されている神の約束です。 「すなわち、イエス・キリストを信じる信仰による神の義であって、それはす べての信じる人に与えられ、何の差別もありません。すべての人は、罪を犯し たので、神からの栄誉を受けることができず、ただ、神の恵みにより、キリス ト・イエスによる贖いのゆえに、価なしに義と認められるのです。」 良い靴は、兵士が長い行軍を歩むにしても、悪天候の中、険しい道を行くにし ても、戦いをするにしても、どのような状況にあっても、前進していくことを 助けます。同じように、あなたの足は平和の福音を履くのにふさわしく造られ ています。福音によってあなたはイエス・キリストを通して与えられる神との 平和を持っています。それによって、あなたは人生のどのような状況にあって も確信をもって前進することができるのです。 小グループでの適用 福音の靴を履くことによって、クリスチャンはサタンの影響が強い場所に行くときに確 信をもって、サタンの力に立ち向かうことができます。 1.人々がサタンの影響を特に強く受けている地域はどこですか。それは、多くの悪 がはびこっていたり、人々が特に誘惑を受けていたり、偽りの神々が礼拝されていた りするところかもしれません。 2.そのような地域の中から一つか二つ選び、今週、小グループでプレヤーウォーキ ングをしてください。その地域において、サタンと悪霊の力が打ち砕かれるように祈り ましょう。プレヤーウォーキングは個人ですることもできますが、小グループとして一 13 緒に行うほうがより大胆にすることができます。プレヤーウォーキングについて詳しく 学ぶには、「プレヤーウォーキング」の学びを参照してください。 個人的な適用 1.個人的な祈りのときを持ってください。そのとき、まずエペソ6:10-18を読みま す。そして、御子イエス・キリストを通してこの霊的な武具が与えられていることを神に 感謝しましょう。また、誘惑やその他の霊的な攻撃に立ち向かうことができるように、 それぞれの武具によって神が守ってくださるように祈りましょう。 2.今週小グループでプレヤーウォーキングをするときに、参加してください。 14 セッション4 クリスチャンの武具 パート2 小グループでの分かち合い 1.先週、個人的な適用を通して何を学びましたか。 2.エペソ6:10-20を読んでください。 帯、胸当て、靴によって体を覆った後、ローマの兵士は戦いのために必要な「盾」、 「かぶと」、「剣」といった武具を手にします。ローマ兵の盾は、ドアのような 大きさの長方形の木の板を革で覆ったものでした。戦いに出る前には、敵から 飛んでくる火の矢を消すことができるように、盾を水に浸しておくのでした。 盾の大きさが大きいので、兵士は敵からの矢に当たることがないように、自分 の体全体を盾の後ろに隠すことできました。 サタンの火の矢からあなたを守る盾とは、イエス・キリストにある信仰です。 イエス様に信頼することによってのみ、あなたはサタンの誘惑から守られるの です。キリストに信頼するのをやめ、自分自身に頼り始めるとき、あなたはサ タンの攻撃にさらされます。決して、自分だけでサタンに立ち向かうことがで きるなどと自分を欺いてはいけません。自分の力で盾のようなものを作ろうと しても、イエス様の助けがないなら、あなたは敵の矢を受け、その結果に苦し むことでしょう。 救いのかぶとは、テサロニケ第一5:8にも記されています。私たちは「救い の望みをかぶととしてかぶ」る必要があります。かぶとは兵士の武具の中でも 非常に重要なものです。なぜなら、私たちは頭を撃たれればほとんど即死して しまいますが、かぶとはそれを防ぐものだからです。同じように、救いの確信 は、サタンの最も残虐な攻撃からあなたを防御します。この確信には、イエス 様があなたのために何をしてくださったかという知識と、イエス様がなしてく 15 ださったことは十分であるという信頼の両方が含まれます。イエス様が罪と死 からあなたを本当に救ってくださったと確信しているので、あなたには恐れや 不安はありません。このような救いの確信は、もちろん神から与えられるもの ですが、あなたの思いや考えにも関わります。神の御子であるイエス様を通し て神があなたのためになしてくださったことを考え、理解することが必要なの です。 このかぶとは、サタンが次のようにあなたのたましいにささやきかけ、失望、 疑い、恐れなどをもたらそうとするときに、あなたを守ります。 「神がお前のこ とを本当に愛しているとお前は信じているのか。お前は神に従っていないのに、 どうして神がお前のことを愛することがあろうか。お前は同じ罪をくり返し犯 しているのに、神がお前を赦し続けると思ってるのか。神がいることをどうや って知ることができるんだ。たとえ神がいるとしても、どうして神がお前のこ とを気にかけると思うのか。」サタンがこのような疑いや恐れを抱かせようとす るとき、神はあなたにこのような答えを与えてくださいます。 「神が私を愛して くださっているのを私は知っている。それは、神が私の罪のためにイエス様を 遣わし、イエス様が十字架にかかってくださったからだ。 『神は、実に、そのひ とり子をお与えになったほどに、世を愛された。それは御子を信じる者が、ひ とりとして滅びることなく、永遠のいのちを持つためである。』(ヨハネ3:1 6)」 小グループでの分かち合い 1.あなたは失望、疑い、恐れなどを抱いていますか。小グループで分かち合ってくだ さい。 2.一人一人が失望、疑い、恐れに打ち勝つことができるように神の助けを祈り求め てください。キリストに対してより信頼することができるように祈りましょう。 最後の武具は、 「御霊の与える剣である、神のことば」 (エペソ6:17)です。 16 ここに記されている「ことば」と訳されているギリシア語は、「語られた言葉」 を意味します。剣は、聖霊がある人に働いて神のことばを語ることができるよ うにするときのことを示しています。ローマ10:8、17には、みことばが 分かち合われるとき、それが人々に信仰をもたらし、それによって救いが与え られることが強調されています。聖霊はあなたが語ることばを用い、聞く人の 心に触れられます。そして、その人は罪を認め、真理を受け入れ、救いをもた らす信仰を持つようになります。 エペソ6:18には祈りの大切さが記されています。 「すべての祈りと願いを用 いて、どんなときにも御霊によって祈りなさい。 」祈りを通してこそ、あなたは 神の武具を生活の中で適用することができるようになります。サタンとの霊的 戦いが日常的な体験であるように、神の武具を身に着けることも日々の体験と する必要があります。そうすれば、あなたはサタンに打ち勝ち、イエス様に完 全に仕えることができるようになるでしょう。 小グループでの適用 1.最近、イエス様がご自身についてあなたに示され、それによってあなたの信仰が 強められたことを一つ挙げ、分かち合ってください。可能なら、そのことを裏付ける聖 句も分かち合ってください。 2.イエス・キリストにある信仰を通して救いをもたらす、みことばの真理のゆえに、神 に感謝をささげてください。 3.あなたがイエス・キリストの福音を伝えたいと願う人の名前を一人挙げてください。 4. 名前が挙げられた一人一人の人たちにイエス・キリストの福音を聞く機会が与え られるように、そして彼らが救いを得ることができるように祈ってください。 個人的な適用 1.今週、少なくとも一人の人にみことばを分かち合うことができるように、大胆さを与 えてくださるように神に祈り求めてください。みことばを分かち合う相手は、小グルー 17 プであなたが名前を挙げた人でも、別の人でも構いません。 2.神が機会を与えてくださるときに、一人かそれ以上の人たちに福音を分かち合っ てください。自分のあかしを簡潔に(2~3分間)分かち合うことから始めましょう。クリ スチャンになる以前のあなたの生活、どのようにしてイエス様を信じたか、クリスチャ ンになってからどのように変えられたか、話してください。自分のあかしを分かち合う ことについてさらに学ぶには、「伝道の基本」の学びを参照してください。 考察 1.霊的戦いに関して、何を学びましたか。 2.霊的戦いに関して、質問はありますか。 3.霊的戦いに関してあなたが学んだことを他の人と分かち合うために、どのような計 画を立てますか。 18
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