工業熱力学演習問題

工業熱力学演習問題
平成 26 年 1 月 9 日 (木)
各問題は 10 点。
【問題 1】
放射性物質のヨウ素 131 は 8 日の半減期がある。この物質の放射線量が現在、
6000 ベクレル (Bq) であった。この放射線量が 1000Bq になるまでの時間は何
時間であるか。半減期とはある変化をするときに初期値のちょうど 1/2 にな
る時間をいう.
ある経過時間 t の放射線量は,初期値を N0 、半減期 τ として下の式である.
N = N0 e− τ
t
【問題 2】
厚さ 150mm の耐火物 (熱伝導率 0.800W/mK) でできた壁のの表面と裏面の
◦
◦
温度を測ったところ表面は 200 C であり、裏面温度は 40.0 C があった。この
とき,壁 1m2 の表面から逃げてゆく熱量 W を求めよ。
【問題 3】
A
B
TA
A,B 同じ厚さ ℓ の二枚の板を貼りあわせて遮熱板
を作った。A の熱伝導率 λ は、1.25W/mK である。
◦
定常状態で A の板の外側の温度 TA が 140 C で、B
◦
の板の外側の温度 TB が 55.0 C のとき、A と B の
◦
貼りあわせた間の温度 Tm が 85.0 C であった。B の
板の熱伝導率を計算せよ。
Tm
λA
λB
TB
工業熱力学演習問題解説
平成 26 年 1 月 9 日 (木)
【解説 1】
半減期の定義式があるので、与えられた数値を代入するだけの問題となる。
題意から N0 = 6000、N = 1000、τ = 8 × 24 であり、これを代入して、t を求
める。ここまで来たら、数値を代入せず式での変形を試みること。
t = −τ ln
N
N0
これに値を代入して,
半減時間 344 時間、すなわち 14 日と 8 時間
【解説 2】
熱移動量 q は,定常では保存されるので等しく次のようになる。厚さ ℓr 、熱
伝導率 λ とすると、
t1 − t2
q=λ
ℓ
と求められる。ここで、t1 , t2 はそれぞれ壁の表裏の温度である。これを計算
すれば良い。
熱の移動量 853W/m2
【解説 3】
A,B の板は同じ厚さ ℓ であるので、単位面積あたりの通過熱量 q はそれぞれ
の板の外側の温度を TA , TB 、貼りあわせた間の温度を Tm とすると、
q=
λA
λB
(Tm − TA ) =
(TB − Tm )
ℓ
ℓ
である。これより、λB を求めると、
λB = λA
Tm − TA
TB − Tm
である。
B の板の熱伝導率は、2.29W/mK