姉妹JC締結モデルケース ◎(社)山形青年会議所の場合 1. 姉妹JCについての沿革 社団山形青年会議所は、1955年に創立、その後1965年に国内姉妹JCとして社団法人倉 敷青年会議所との締結を行い、海外姉妹JCとしては2008年に四維JC(台湾) 、2011 年にシティ・レディJC(香港)と締結を結びました。 当青年会議所(以下、LOM)では、創立以来、地域に軸足を置きまちづくり運動を展開する一 方で、日本JC本会や東北地区協議会の国際系委員会に出向者を輩出することでLOMとしての 国際感覚を養い、1999年には日本青年会議所全国会員大会を主管、2000年には国際(J CI)アカデミーを開催させていただきました。 そして、2005年の創立50周年提言において、世界を視野に入れた「観光立市YAMAGA TAの創造」を指針の一つとして掲げ、その実現に向けた活動を推進していく上で、これまで以 上に国際感覚と広い視野をもって地域社会の発展に貢献することを目的とし、「海外姉妹JC締 結」と「ASPAC(アジア太平洋地域会議)招致・開催」の可能性が提起されました。 このような経緯・沿革により、当LOMでは2011年8月現在、国内1LOM、海外2LOM との姉妹JC締結、そして2014年ASPAC招致・開催の両輪をもって、JCIの4つ機会 の一つである「国際」 (INTERNATIONAL:交流、相互理解、友情)の機会を推進しています。 <四維JC(台湾)[2008年締結]とのケース> 2. 相手先の模索 当LOMとして初めての海外姉妹JC締結を目指すにあたり、2007年LOM内に担当委員会 である国際関係特別委員会を組織し、年間重点事業の一つとして位置づけました。 相手先については、ヨーロッパ地域LOMやアメリカ地域LOMも含めグローバルに調査・検討 しましたが、まずはアジア太平洋地域から友情を広めようという考えから、香港、マカオ、台湾 のLOM、その中でも特に台湾との締結を念頭に入れ、各国LOMとのコンタクトを模索し始め ました。 3. 相手先の選定 コンタクトの過程においては、日本JCの姉妹JC担当委員会から様々な情報を戴いたり、20 07年ASPACチュンリー大会にて海外姉妹JC交流ファンクションに参加をしたり、これま で当LOMからJCIや日本JC国際グループに出向したメンバーや国際アカデミーに参加し たメンバーの人脈を活かし担当特別委員会が自ら香港、マカオ、台湾に赴き、現地調査や情報収 集、さらには実際に幾つかのLOMと接見を行い、相手先の選定を進めました。 4. 姉妹JC決定と仮調印 そのような結果、ASPACチュンリー大会での海外姉妹JC交流ファンクションで交流が生ま れ、それぞれの活動エリアの自然環境や風土、経済規模等に多くの共通点・類似点が見受けられ、 さらにはJCとしても活気がありメンバー数も順調に伸ばしているLOMであるとの理由から 台湾北東部に位置する四維JCを姉妹JC締結先として決定しました。 一方で、先方も当LOMの歴史や活動内容、そして私たちの情熱に大変共鳴をいただき、さらに 両LOM・NOMから出向しているJCIや国際関係出向者の繋がりもあり、締結実現に向けた 動きが加速し、2007年7月に担当特別委員会が四維JCを訪問、そして同年10月に当LO M理事長はじめ訪問団15名が四維JC訪れ、先方のシニアも一堂に会し仮調印に至りました。 5. 姉妹JCの締結 翌年2008年には、両LOMが互いの新年賀詞交歓会へ参加することで交流を深め、特に当L OMにおいては市長表敬訪問やシニアも交えての歓迎会を開催しました。 そして、同年ASPAC釜山大会のJCI主催姉妹JC締結式において、JCI会頭グラハム・ ハンロン氏、ASPAC議長(JCI常任副会頭)ローリー・トムリン氏、日本JC会頭小田與 之彦先輩、台湾JC会頭のお立会いのもと、正式調印・締結を執り行いました。 6. 締結後の交流 姉妹JC締結が行われたASPAC釜山大会において、両LOM合同の締結祝賀昼食会を開催し 多くのメンバーで友情を深め、その後2009年以降は互いの新年賀詞交歓会へ隔年で参加しな がら友情関係を築き、それぞれのLOMの事業紹介や参考資料交換等を行うことでさらなる理解 と絆を深めております。 <シティ・レディJC(香港)[2011年締結]のケース> 2. 相手先の模索・選定 当LOMとしては既に2008年に四維JCと海外姉妹JC締結し順調に海外交流を行ってい たわけですが、ASPAC山形大会の招致活動や日本JC役員を輩出することにより国内外にお いて貴重な人脈や情報、機会を様々戴くことができ、2010年8月、日本JC事務局水野秀一 事務局長より香港のシティ・レディJCが初めての海外姉妹JC締結を模索しているとの情報を 戴きました。 シティ・レディJCは、女性のみのLOMで、2007年の創設ながら翌年のASPAC釜山大 会においてはアワードを受賞(Best New Local Organization of the Area)するなど大変アクテ ィブなLOMであり、当LOMとしては、 「観光立市YAMAGATA」を実現する上で、更な る「国際感覚の涵養」や「国境を越えた人間としての豊かな交流、友情と信頼関係の醸成」を図 るためにも、そのご縁は大いに魅力があり、且つLOMの目指す方向性にとって大変意義のある ものと判断いたしました。 選定理由: ① 「観光立市YAMAGATA」を謳うLOMとして、複数の海外LOMと積極的に交流 することは意義深いことであり、今回の締結は絶好の機会となる。 ② ASPAC開催という同じ目標と夢を共有するLOM(香港シティJCが2012年度 ASPACを開催、シティ・レディJCも全面協力が予想される)として、あらゆる情 報交換などを行うことが出来る。つまり、ASPAC招致期間・開催期間・開催後にお ける情報交換や相互支援協力が図られ、またLOM内及びまちに対する効果が期待され る。 ③ 世界的にも有数な国際都市香港のLOMとの姉妹締結により、当LOMがあらゆる面で 刺激を受けたり経験や見識を深めたりすることになり、LOMの活性化に繋がる。 ④ 双方のJC同士の交流が、まち(自治体)同士の交流に繋がる可能性を持っている。 ⑤ 「ひと」の交流だけではなく、「文化」交流にもつながり、更には「ビジネス・経済」 交流にも繋がる。 ⑥ 当LOMメンバーにとって香港への訪問の機会を設けられることにより、視野が広くな り個人の資質向上にも繋がる。 その後、同年10月にシティ・レディJCの生みの親とも言えるJCI名誉顧問ソニー・ユー氏 と日本において面談の機会を戴き、当LOMの歴史や組織、事業内容、将来の方向性、熱意を十 分にご理解いただき、締結に向けた本格的な動きが始まりました。 そして、同年11月に世界会議大阪大会にて初めて先方との合同ランチミーティングを執り行い、 互いの理解を大いに深めました。 3. 姉妹JC決定と正式調印・締結 以降、2010年末から翌11年において活発に相互来訪を行い、Eメール・フェイスブックで の交流・連絡を図りながら、2011年7月24日に香港にて姉妹JC正式調印・締結を執り行 う運びとなりました。 ○ 2010年12月 シティ・レディーJC3周年記念式典への参加 当LOMメンバー 10名で香港を訪問しました。 ○ 2011年 1月 シティ・レディーJC(7名)来日 山形に3日間滞在し十分に交 流を図りました。当LOMとしては、当地の調査や観光をはじめ、県知事・市長表敬訪 問やシニアを交えての歓迎会を開催。 ○ 2011年 5月 ASPACマニラ大会において合同LOMナイト開催。 ○ 2011年 7月 香港において、JCI名誉顧問ソニー・ユー氏のお立ち会いのもと、 山形JCからはシニアも含め27名が参加、シティ・レディJCのスポンサーLOMで あるシティJCやJCI香港の役員にもご参加いただき100名を超える盛大な姉妹J C締結式を執り行いました。調印式の後、記念品の交換、祝賀会を行い、親睦を図り末 永い交流を約束しました。 4. 締結後の交流 互いの新春賀詞交歓会や周年事業を通じての相互交流、ASPACや世界会議での合同ミーティ ング等を考えております。また、共同事業として互いのまちを題材にしたフォトコンテストを検 討しております。 そして、2012年ASPACは香港が開催地となりますので、当LOMとして出来得る支援を 進めながら2014年ASPAC招致・開催に向けて大いに勉強させていただき、そのことを機 に深い友情関係を涵養し、互いの未来にとって有意義な姉妹JC関係を継続していきたいと考え ております。 ◎(社)西宮青年会議所の場合 1.姉妹 JC についての沿革 西宮 JC はかねてより三信条の一つである世界を結ぶ「友情」に積極的でした。創立 20 周年 を迎える 1970 年にはマレーシアのクアラ・ルンプール JC と、1974 年には西宮市の姉妹都市で あるアメリカのスポーケン JC との国際姉妹締結を結んでいます。またその他にも、リード・オ アフ JC とも国際姉妹 JC の関係にありました。私達の先輩方がこの様に国家間の友情を育む草 の根運動に積極的であったのには一つの大きな理由があります。それは、第 2 代理事長 八木弦 三郎先輩の存在です。かつて日本 JC が日本国に先駆けて国際舞台への復帰をいち早く果たすこ とになった、1951 年にカナダのモントリオールで開催された JCI 世界会議があります。そこに 招かれた日本 JC 団 6 名の内の 1 人が、八木弦三郎歴代でした。この時より国際交流の重要性を 発信することは私達にとって非常に重要なことであり、創始の精神を受け継ぐ西宮 JC としての アイデンティティの一つとなっています。 2.新たな姉妹 JC を求めて 国際姉妹締結以来、マレーシア クアラ・ルンプール JC とは今なお積極的な交流を続けており ますが、スポーケン JC は解散し、リード・オアフ JC とは音信不通になってしまいました。ク アラ・ルンプール JC の理事長交代式には毎年参加をさせて頂いているとはいうものの、昨今の 経済情勢の悪化から、参加者は理事長・専務と副理事長を含む極少数のメンバーに限られている のが現状です。かつての先輩方から受け継いできた「国際の西宮」を維持するためにも、新たな きっかけを模索する必要性を感じておりました。そこで、創立 60 周年を目前に控えた 2009 年 に当時の平山伸吾理事長の旗振りの下、国際関係委員会を立ち上げ、新たな国際姉妹 JC の締結 先を模索することとなったのです。 3.相手先の選定 新たな国際姉妹 JC の締結先を模索するに当たり、国際関係委員会の委員長を務めた小林望君 は、アジア圏にある JC に注目しました。まず第一に考えたのは身近である事です。不況が続く この時代に、JC の魅力の一つである国際的な友情を一人でも多くの会員が体験しやすい環境を 作る為には、金銭的負担を極力少なくする必要がありました。次に LOM の会員規模が似通って いる事、コミュニケーションのツールが英語になるであろうことを想定し、相手先の選定を進め ました。そして、香港のドラゴン JC が第一の候補として選定されました。 4.姉妹 JC の決定 その頃の西宮 JC は、毎年継続して日本 JC の国際グループに出向者を出しておりました。そ の繋がりから、当時の JCI 副会頭である原田憲太郎君とも旧知の仲であり、様々な働きかけに ご協力を頂きました。また、西宮 JC から国際アカデミーに参加したメンバーが各国の JC のメ ンバーと知り合いであったことも幸いし、第一の候補として選定した香港ドラゴン JC との姉妹 締結の話が進んで行きました。さらに、2010 年度が西宮 JC 創立 60 周年、香港ドラゴン JC 創 立 30 周年とお互いにとって節目の年であったことも、姉妹締結を結ぶにあたっての前向きな要 因となりました。姉妹締結を行うこと自体が周年の記念事業となりますし、国際事業を合同で行 うにしても周年ごとの節目となれば行いやすくなります。最終的には 2009 年に開催された ASPAC 長野大会にて西宮 JC、香港ドラゴン JC の合同役員会議の中で、国際姉妹 JC の締結を 進めることに対して、お互いに合意を得ることが出来ました。 5.姉妹 JC の締結 姉妹 JC の締結に関する話を進める中で、締結式は 2010 年 6 月に開催される ASPAC シンガ ポール大会開催中に行うことで同意できました。当日は JCI 常任副会頭 原田憲太郎君が立ち会 いの下、日本 JC 会頭 相澤弥一郎君、西宮 JC 理事長 平田裕之君、JCI 香港 会頭 Gene Tang 君、香港ドラゴン JC 理事長 Clarkson So 君の手によって、華々しく締結式を行うことが出来 ました。 香港特別行政区を活動エリアとするドラゴン JC との今後の交流は、LOM メンバーの意識や 感性をよりグローバルな視点へと導く契機になり、青年経済人としてこれからの中国経済・産業 界との関わりが必要不可欠な私達にとって計りしれない気付きをもたらすであろうと期待が膨 らむ瞬間でした。 6.締結後の交流 2010 年度には、お互いの周年記念式典への出席を果たし、両 LOM の執行役員のみならず、 多くのメンバー同士が新たな友情を深める機会となりました。また大阪で開催された世界会議な ど、様々な JCI のファンクションの機会を利用して国際姉妹 JC 会議を行い、合同事業の開催に 向けた積極的な議論が交わされております。現在では、メールや FaceBook でのやり取りが担当 者レベルで行われるまでにお互いの関係が近づいてきています。 また現在は、更なる国際交流の広がりを感じる要因として、ASPAC などの機会を通して兼ね てより姉妹関係にあったクアラ・ルンプール JC も加え、3LOM 合同の食事会などが開催される に至った事です。西宮 JC は国際姉妹 JC との関係を緊密にすると共に、JCI のファンクション へのメンバーの積極的なコミットを促します。私達の先輩方が過去に行なった「ASJEC プログ ラ ム 」( ア ス ジ ェ ッ ク = Asia Junior Conference on Economic Development & Cultural Exchange)のような国際的な事業の復活、また「JCI 国際アカデミー」の卒業者、 「グランドス ラム」の達成者を定期的に輩出していくことを目指しています。 香港ドラゴン JC との姉妹締結を契機に、更なる国際交流に対する貢献に寄与して参りたいと 考えています。
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