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田 巻 弘 之

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スポーツパフォーマンス系
た
氏 名
まき
ひろ
ゆき
田 巻 弘 之(准教授)
専門分野
主な研究テーマ
1)運動と発育が筋骨格系の機能と形態に及ぼす影響
2)神経−筋疲労の軽減について
平成18年度の研究内容とその成果
察するために、4週齢から16週齢までの成
1)筋肉と骨の成長バランスと神経のかか
長期の各段階で、動物の骨と筋肉を採取
わり:
し、重量や長さを計測しました。また、骨
骨は身体を支えています。骨が弱いと骨
の発達程度や成長に関係する細胞(骨芽細
折する危険が高くなり、力強い運動ができ
胞、破骨細胞、軟骨細胞)や骨の内部の網
ません。運動するために使われる筋肉はこ
目構造を顕微鏡で観察しました。筋肉は力
の骨に付着しています。発育期には骨や筋
を発生するのが仕事ですので、その発揮能
肉が著しく成長しますが、骨が成長して長
力を成長期の各段階で調べました。
くなると筋肉もそれに従い長くなります。
下肢の骨は成長と共に長くなり、かつ幅
双方同じスピードで成長すると筋肉は引っ
も太くなります。また骨の内部は網目構造
張られもせず、緩みもありません。しか
になっていますが、発育期にはこの骨の柱
し、形態的な成長速度がアンバランスだと
が数多く作られ、幅も太く頑丈になってき
双方とも歪みが生じ、十分な機能を発揮で
ます骨の内部には骨をこわす細胞とつくる
きない恐れがあります。特に、筋肉は長さ
細胞が一緒に存在しますが、発育期はこわ
の変化が力の発揮能力に影響しやすい組織
す細胞より、つくる細胞の方が多いことが
なのです。そこで骨と筋肉との形態的な成
示されました。骨が急激に発達する時期に
長程度を細胞も含めて詳細に調べ、成長の
は筋肉の力を発揮する能力が一過性に低下
アンバランスによる筋肉の機能的変化を調
する現象が観察され、成長のアンバランス
べてみました。また末梢・自律神経とのか
が発育期の身体機能に影響することがうか
かわりについても同時に調べました。そし
がえました。
て、発育期や高齢者に運動を処方するとき
のプログラム作成の科学的根拠の蓄積に役
2)筋疲労の改善:
立てようとしました。
長時間にわたる運動をすると筋肉は疲労
骨や筋肉の内・外部のかたちや細胞を観
して働かなくなります。ちょうど車が動か
−28−
なくなるのと似ています。それは筋肉とい
明しました。また、発生した震えを停止さ
うエンジンがガス欠になったり、ガソリン
せることが可能な特定の条件が見つかりま
を燃焼させる酸素がうまく伝わらなかった
した。この時の筋肉や神経の活動を調べた
りと理由は様々ですが、一旦ガソリンを補
筋電図を観察すると、震えが起こると活動
充すると回復します。よく、運動を長く続
が集中的になるところと、休止するところ
けると筋肉が震えて持久できなくなりま
が繰り返されました。つまり筋肉が収縮−
す。なぜ筋肉が震えると運動を止めてしま
弛緩を繰り返し、ポンプのように働いてい
うのでしょう?これは本当に持久限界のサ
たのです。もし、筋肉に栄養素や酸素が届
インなのでしょうか?私たちが勝手に「も
かず、疲労物質がたまったままであれば、
うダメだ」と頭で思っているだけで、もし
このポンプ作用は筋疲労改善に非常に有効
かすると筋肉のほうでは、もっと運動を持
です。そこで、動脈の血流量を震えが起こ
続させようと「チャレンジ」しているのか
る前後で比較すると、震えが起こった後は
もしれません。運動による生理的な震えを
血液の流れる量が大幅に増えていることが
止める(止まる)ことができ、その後も運
明らかとなりました。
動を継続できれば、震えはガソリン供給の
一時的な戦略として働き、筋疲労の改善に
これからの研究の展望
つながります。そういった現象や条件を探
神経、筋肉、そして骨は、直接的に運動
し出そうと試みました。
を作り出す重要な器官となります。運動神
ふくらはぎの部分にはかかとをあげると
経が筋肉に指令を伝え、筋肉が縮まり、骨
きに使われる筋肉があります。これらの筋
が動き、運動がなされます。これらを様々
肉を使って、足首を伸ばす運動を筋肉の震
に、巧みに制御することによって効率のい
えが起こるよう、疲労テストを行いまし
い動きができます。また、人のからだには
た。震えがどのような運動条件で発生する
どれかが障害を受けても、それに代わる制
のか、また、どの条件で一旦発生した震え
御パターンを編み出す仕組があります。そ
が停止するか調べました。このときに筋肉
ういった数々の生体の制御パターンを発掘
や神経のはたらきや使い方を調べる筋電図
しつづけていこうと思います。また、現在
を記録したり、ガソリン運搬役を果たす動
交感神経(自律神経)が過剰に働くと骨量
脈の血液の流量や心臓の拍動回数などを測
維持に悪影響となることについて研究を進
定しました。
めています。そして、それらの仕組を明ら
筋肉の活動を長く続けていくと、ある条
かにして、体育・スポーツだけでなく、リ
件で足関節(筋肉)の震えが発生しました。
ハビリテーションなどの分野へも応用した
この震えは約10∼20秒間継続しますが、特
いと計画しています。
別な条件では震えが次第に消えることが判
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