平成 25 年3月8日 狛江市議会議長 石 井 功 様 建設環境常任委員会

平成 25 年3月8日
狛江市議会議長
石
井
功
様
建設環境常任委員会
委員長
石
川
和
広
建設環境常任委員会所管事務調査報告書
本委員会の所管事務について調査した結果を,次のように報告いたします。
記
1
調査事件名
エネルギー政策について
2
調査の目的
東 日本 大震 災 に お ける東 京電 力福 島第 一 発電所 の原 発事 故に よ り ,改 めて
再生可能エネルギーの利用促進と省エネ節電対策が求められており,狛江市として
どのような取り組みが考えられるのかを調査をすることとした。
3
調査の結果と提言
本委員会では,狛江市の公共施設における再生可能エネルギーの利用状況や
省エネ節電対策の取り組みについて報告を受けるとともに,第二中学校や第三
小学校での太陽光パネルの設置状況と運用実績,LEDなど高効率照明の設置状況
や壁面緑化など省エネ対策の視察を行った。また,東京ガスの実証実験施設「千住
スマートエネルギーネットワーク」における太陽光発電や真空管式太陽熱集熱器,
ガスエンジンコージェネレーションなど組み合わせた先進的な取り組みを視察し
た。さらには町田市における再生可能エネルギーの利用と省エネ節電対策の取り
組み,特に新庁舎での取り組みを視察し,担当者から説明を受けた。
これらを踏まえ,本委員会は,狛江市における再生可能エネルギーの利用や
省エネ節電対策の取り組みが一層前進するよう以下のように提言する。
⑴
公共施設における取り組みについて
第三小学校に設置された 20 キロワットの太陽光発電システムは,学校で使用
する電気量の約2割を発電しており,電力供給が厳しくなる夏の最高電力の
カットやCO2 削減による地球温暖化防止対策の推進,また発電量表示パネルの
活用による環境教育の推進など,その効果は高いと評価できる。また,LEDや
セラミック・メタルハライドなど高効率照明の導入や壁面緑化の取り組み,西日
よけの再生木材ルーバーの設置など多彩な省エネ対策が進められていた。
市として今後もこれらの施策を積極的に推進すべきである。また,毎年実施
されている各公共施設のエネルギー使用量の集計結果に基づき,年々エネルギー
使用量が増加している施設については,その原因を究明し,削減の可能性を模索
していただきたい。
神奈川県や東京都多摩市などでは,公共施設の屋根を太陽光発電事業者に貸し
出して,自治体側が一定の賃料収入を得ながら,再生可能エネルギーの利用を
促進する取り組みが実施また計画され,注目されている。自治体が独自に太陽光
発電システムを導入する場合,その売電単価が民間事業者より低く設定されてい
るため,採算性に課題があるとの説明も受けている。その中で,民間事業者と
連携したこれらの取り組みは,その課題を克服するものであり,狛江市としても,
こうした先進的取り組みに学び,導入に向けた研究に着手すべきである。
市民とともにこれらの事業を進めるために,再生可能エネルギーの利用状況
や省エネ節電の実績等が市民の目に触れる機会を積極的にふやす―「見える化」
の取り組みも重要である。液晶パネルを活用して,太陽光パネルが設置されてい
る各公共施設での発電状況や電気の使用量が市役所2階ロビーで見えるように
したり,広報やポスター,チラシ等を活用した情報提供を進めるなど,さまざま
な形で市民の目に触れる機会をふやすよう求めたい。
⑵
民間住宅,民間事業所等への支援
狛江市では民間住宅の太陽光発電や太陽熱利用への助成を行ってきたが,まだ
利用が尐ない状況である。この事業を継続するとともに,先進市の事例の研究を
進め,市民へのPRなど工夫しながら利用促進を図っていただきたい。とりわけ,
太陽光発電と熱利用の両方が推進されるよう国や都の補助金等の活用を含め
工夫していただきたい。
また,国の「環境モデル都市」の一つとなっている長野県飯田市では,家庭用
太陽光発電パネルが初期費用0円で設置でき,月々定額の電気料金を支払うこと
で費用を賄うという「おひさま0円システム」を導入し実績を上げている。また,
広く市民から出資を募り,公共施設等に太陽光パネルを設置する市民共同発電所
の取り組みも各地に広がっている。「関心があっても設置費用が高くて導入でき
ない」という家庭が多い中,市民参加型で再生可能エネルギーの利用を促進する
取り組みであり,狛江市としても,ぜひこれらの取り組みの研究を進めてほしい。
民間事業所については,商工会を通じて省エネ診断等の東京都の制度の紹介
などが行われているが,これらの取り組みを充実させるとともに,再生可能
エネルギーの利用や省エネ設備の導入の際の融資制度の創設など検討を 進め
てほしい。
4
調査の経過
○
委員会開催日(合計 14 回開催)
平成 23 年6月23日
所管事務調査事項を決定。
平成 23 年8月5日
調査事項の決定。資料要求の決定。
平成 23 年9月20日
資料の説明と質疑。新たな資料要求の決定。
平成 23 年11月4日
資料の説明と質疑。新たな資料要求の決定。
平成 23 年12月15日
資料の説明。
平成 24 年2月1日
資料の説明と質疑。新たな資料要求の決定。
平成 24 年3月8日
資料の説明と質疑。
平成 24 年6月8日
意見交換。視察先の検討。
平成 24 年7月30日
意見交換。視察のため委員派遣承認要求を決定。
平成 24 年9月21日
狛江第二中学校・狛江第三小学校視察の感想等意見交換。
視察のため委員派遣承認要求を決定。
平成 24 年11月2日
千住テクノステーション視察の感想等意見交換。
平成 24 年12月14日
意見交換。視察のため委員派遣承認要求を決定。
平成 25 年 1 月31日
町田市役所視察の感想等意見交換。
平成 25 年3月8日
所管事務調査報告書を協議,決定。
本会議で報告することに決定。
○
委員派遣
平成 24 年8月27日
狛江第二中学校・狛江第三小学校に調査のため委員7人を派遣。
平成 24 年10月25日
千住テクノステーションに調査のため議長・委員7人を派遣。
平成 25 年1月16日
町田市役所に調査のため委員7人を派遣。