議案第5号 浪江町の農業復興について

浪江町の農業復興について
浪江町
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1.農業復興の課題
農業経営の課題
放射性物質による汚染の問題
これまでの農業経営においては
・将来の担い手不足
・従事者の高齢化
・持続性(ランニングコスト)
・耕作放棄地の増加
などの課題があるが、これらは
・小規模経営や低収益農業
によるものと考える。
原発事故により放射性物質が拡散
したため
・土壌汚染による作付制限
・食用作物のセシウム吸収
・食物作物への風評
といった問題が、農業者の営農意
欲を低下させてしまう。
本質的な課題・問題の解決と、農業者の営農意欲の低下を
防ぐためにも早急に農業復興の展望を示すことが重要
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2.農業復興の展望
これまでの農業経営からの転換と、放射性物質による影響を克服して
いくための取組みが必要
農業経営の転換
・農地の集約による合理的経営
・大型機械の導入による効率的
な農業
・戦略作物の推進による収益向上
・多様な作物を組み合わせた
複合農業
…など
放射性物質による汚染への対策
・有効的な情報の収集・活用
・作物のモニタリング
・政府備蓄米、加工用米等に
よる販路の確保
・労力の少ない作物による農地
保全
…など
以前の形に戻すのではなく、農家減少等の将来を見据え
た強い農業経営の基盤を作り上げることを目指していく。
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3.農業復興のための取組み
農業経営の転換と放射性物質による影響への対策を踏まえ取り組んで
いく3つの取組み
農
業
経
営
の
転
換
影放
響射
へ性
の物
対質
策の
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・農地の集約
・大型機械の導入
大規模農業に向けた基盤整備
(農地の保全)
・戦略的作物
・複合農業
農業再開プランの提案
(収益のある農業)
・政府備蓄米、加工用米
・農地保全
・情報の収集及び活用
・作物のモニタリング
その他必要な検討事項
進める中で出てくる課題等
(営農再開支援)
3.農業復興のための取組み
(1)ほ場整備による農地の集約
農家減少による農地活用と
効率的な大規模農業を目指す
①大規模化に向けた農地のとりまとめ
②農地所有者と担い手との集約に向けた合意形成
③作付基準に応じた作物別のゾーニング
(作付可能区域は、食用作物・作付制限区域は農地保全など)
④復興事業への災害査定、調査
⑤除染の進行に合わせたほ場整備
農地集約による効率的な大規模農業
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3.農業復興のための取組み
(2)営農再開支援
戦略的作物と複合的な農業の推奨
①調査事業による施設栽培などの実現性の確認
(野菜や花卉等から、町としての戦略作物の選定)
②多様な作物を組み合わせた複合的な農業の推奨
(野菜+水稲・施設型花卉+バイオマス作物)
複合農業による収益のある農業
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3.農業復興のための取組み
(3)その他必要な検討事項
放射性物質の影響による問題や、営農再開に向け
さらなる課題等が生まれてくる。
①放射性物質による影響に対して有効的な情報の収集・活用
②作物のモニタリングの徹底
③大柿ダムの水利権負担金
(パイプライン補修費の受益者負担が約8,300円/10a)
④担い手不足
(浪江町で農業を行う方がいないことも考えられる。この大き
な問題は、国、県と事業段階から情報共有して協力していく)
営農再開に必要な補助等による支援
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4.取り組むための準備
農業復興に向けて進めていくため、農業委員会と意見交換
農地保全と強い農業基
盤への取組み
取組みに必要な
組織体制
➤ 農業委員との意見交換で…
①議論の在り方、②農業者の合意形成、③農地保全の緊
急性と重要性について多くのご意見があがった
別紙1
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4.取り組むための準備(農地保全までの工程案)
対応業務
農 大柿ダム
業
用 農業施設
施
設
対象者
農林水産省
平成25年度
上期
下期
平成26年度
上期
平成27年度
下期
上期
下期
平成28年度
上期
下期
平成29年度
上期
下期
平成30年度
上期
下期
復旧工事
詳細調査
水利用可能(未定)
浪江町
工事が可能な地域から
※1
除染
環境省
除染
未定(延長)
未定(前倒し)
農地の管理
農地の管理(除染が終わった地域から)
農業を引退する
農 農地のとりまと 方
浪江町で農業
地 め
を再開する方
の
保 所有者との合 やる方、やらな
全 意形成
い方の調整
作物別のゾーニ
地区協議会
ング
ほ場整備
福島県
試験栽培
農業者
営
農 サラダ農園
再
開 除染完了地域
大
き
な 賠償問題
動
き 太陽光発電利
用農地
川村さん
意見交換
意見交換
※2
意見交換
意見交換
賃貸(売買)契約
個別意向調査、調整→ 使用貸借
意見交換→合意形成
合意形成をもとに計画策定
実証試験(除染後に徐々に拡大)
地力増進作物、景観作物等
営農再開:1ha、ハウス12棟
営農再開
東京電力
損害賠償の支払い
浪江町
事業調整
未定
※1:町としては、除染後に農地として利用できるよう、セイタカアワダチソウ、ヤナギの根の問題等を解決した除染を要請する。
※2:農地の管理が必要になる時までに、各地域の農業を引退する方と浪江町で農業を行う方との意見交換を進め、方針を決めておきたい。
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4.取り組むための準備
農業者との合意形成について(ご意見)
Q5 農業を引退する方も含め全ての農業者の合意形成の上で進め
る
➤
Q7
町全体の農地利用計画のための合意形成
意向調査が必要
➤
合意形成に向けた農業者意向調査の実施
Q6 将来も浪江に戻って農業をやりたいと言っている方
だけで進める
Q11,Q12 組合を作り、農水省等の補助事業を利用して、
可能な範囲から除草等の作業を行う
➤ 農地保全のためのスピード
すべてが同時並行で必要
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5.取り組むための組織体制
他町村(広野町・楢葉町・川内村)での取り組み例
・復興組合を作って除染後農地の保全管理をおこない、
スピード感をもった取り組みとなっている。
・水のいらない畑作物としてソバ、地力増進作物として
ソルガムやレンゲの栽培もおこなっている。
担い手の不足が
課題
復興組合・・・除染後の農地保全を行う
ため、通勤可能かつ意欲のある農業者
の方々で組織。特に意欲的な方に最初
は限定されつつも、復興組合を通じて、
町全体の農地保全に拡大する方向性。
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利用可能な制度
・被災農家経営再開支援事業
・福島県営農再開支援事業
5.取り組むための組織体制
主体となる協議会の設置
取組みを進めるために農業者を中心とした関係者と意見
を交換していきたい。
農業者の合意形成を進めるために各地区に部会を設置
農業者、町、農業委員
会、JA等関係機関
浪江町地域農業
再生協議会
町全体の農業再生
の方針を決定
農業者意向調査
の結果を反映
〇〇地区
部会
地区の農業者の
方を中心に組織 (仮称)
〇〇地区
部会
(仮称)
〇〇地区
部会
(仮称)
※農業を引退される方の希望も確認した上で、進めていく
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各地域の状況を踏
まえた上で、将来
の農業形態・土地
利用について合意
形成を図る
5.取り組むための組織体制
浪江町地域農業
再生協議会
〇〇地区
部会
(仮称)
〇〇地区
部会
(仮称)
復興組合
(仮称)
〇〇地区
部会
(仮称)
助言・支援
農地保全の実
作業を担う
担い手を確保
して、徐々に
拡大を図る
農業委員会
方針決定・合意形成
課
題
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・実証試験する作物 ・農地の集約 ・住まい ・費
用 ・水稲の水問題 ・賠償問題 ・農業用施設の受
益者負担 ・収益のある農業 ・後継者 …
5.取り組むための組織体制
・懸案内容
対象区域:
・避難指示解除準備区域、居住制限区域、帰還困難区域のどこま
でを対象とするか?
集まるメンバー
・行政区単位などで構成するか、水稲や野菜の種類で構成する
か?
・浪江までの通勤をどうするか?
・その他、上記以外で検討が必要か?
支援団体
・浪江町役場、農協、農業委員会どういう構成をするか?
目標
・将来的に、法人化を目指した場合どういう効果があるか?
・今まで通り個人ではどうか?
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主
役
で
あ
る
農
家
さ
ん
と
決
め
て
い
き
た
い
。