飼料栄養のキーポイントまとめ ∼Aviagen 資料より∼ 2014 年 1 月 ㈱日本チャンキー営業部 ●種鶏栄養に関して ①育成期飼料(飼料要求率の改善が進み、ますます体重コントロールが困難になっている) 1.スターター飼料(ME2800kcal,CP19.0%) 9 タンパク質 19‐20%で十分 (特に 28 日齢までに体重がオーバーし過ぎると後々コントロールが困難に) 9 ♀は容易に目標達成できるが、♂は初期 2 週間に目標体重達成が困難であれば、 スターターを長期間給与しても良い 9 早期から(1 週齢過ぎ)の体重コントロールが必要 2.グロアー飼料(ME2600kcal,CP14.0%) 9 特に 21 日齢以降、低栄養飼料により嵩増しを行う 9 これにより育成期間中の配餌、採食のバラツキを無くし、斉一性を維持する 3.プレブリーダー飼料(ME2800kcal,CP15.0%) 9 育成期低栄養飼料を使用している場合は有用 9 低カルシウム含量で十分(最高 1.5%) 9 肉付き状態の適切なコントロールと備蓄組成に有用 9 但し給与量は減少する為、配餌に注意が必要 ②生産期飼料(ブリーダー1:ME2800kcal,CP15.0% 9 ブリーダー2:ME2800kcal,CP14.0%) 高タンパク低エネルギー飼料により、生産期後半に体重増加、巨大卵重、受精率 低下、孵化率低下、羽毛発育等に問題を抱える 9 卵重によっても孵化率は大きく影響される(例:種卵 59g=対熟孵化率 97.2%、 種卵 70g=対熟孵化率 76.1%)為、コントロールが必要 9 従って後期飼料(低タンパク飼料)の導入も考慮する 9 エネルギー的にはオペレーション温度 21℃以下 1℃下がる毎に+3kcal が必要 9 飼料から種卵へのビタミン移行は個々の特性によって変わる(B2 はすぐ移行、A は 8-12 週等)、ビタミン移行は日齢要因によっても大きく変わり(B2,B6 と B12 は週齢とともに低下、ビオチンと D3 は週齢とともに増加等) 9 高産卵だと、飼料から摂取したビタミンによって完全には補えない為、卵中移行 ビタミン含量が減少する事を忘れない ③♂専用飼料(ME2750kcal,CP12.0%) 9 十分なエネルギーを供給し、タンパクの過給をしない 9 産卵開始時から給与することが重要、孵化率改善等の効果は 40 週齢以降から 9 精液の質を改善する為、良質な油脂を使用する。酸化脂肪油脂は避ける 9 有機セレン、ビタミンEを用いること等により、抗酸化剤レベルを上げ、精子生 存率、精液量、濃度、活動性、奇形率などの精液特性を改善する ●ブロイラー飼料に関して ①チャンキーブロイラーは、バランスタンパク(BP)とエネルギーに反応する 9 栄養密度が高ければ高いほど、生体重と FCR が良くなり、処理場収益も多くなる が、マニュアル比 120%のタンパクレベルでは成績低下が見られた例もある。 それは過剰栄養供給を意味する(最低限マニュアルレベル必要) ②餌付け用スターター飼料 9 ヒナが良いスタートを切り、斉一性を良くするには、形状の良い篩にかけた クランブルが重要 9 クランブルからマッシュへの早期切り換えはブロイラー成績に影響する良好な 発育を達成するためにはマッシュに切換える前に、800g 以上を与えるべきである 9 特にこの時期には、急速な骨の形成(4-18 日齢時)と骨の鉱化(4-11 日齢)が 起こり、同時に急速な臓器の発育と増体が起こる為、出来るだけ長くクランブル 飼料の給与が必要 ③トリの選り好み 9 マッシュ飼料は、粒子サイズが 3mm 以上(粉砕コーン)から 0.86mm 以下(ビ タミン、微量ミネラル)まで大きな幅がある。異なる原料に由来するこれらの粒 子サイズの違いによって、飼料取扱中に鶏が食べるまでに飼料原料の分離が起こ り、結果として摂取栄養も違ってくる 9 研究や野外事例によると、トリは大きな粒を食べ、給餌器の底に粉を残す傾向が ある。それらの粉(<1.00mm)は、主にミネラル、ビタミン、アミノ酸やその他 の飼料添加物を含んでいる。という事はバラツキに繋がる ④Ca、P と D3 の見直し 9 マニュアルにあるカルシウム、有効リン、ビタミン D3 の推奨値に従う 9 Ca と有効リンのバランス:量と比率は同等に重要 9 フィターゼは飼料添加として非常に有効。しかしトリの反応を見ながら注意して 使用する ⑤羽毛に関する栄養素 9 一般的に、羽毛発育はチロキシン、エストロジェン及び間接的にテストステロン 等のホルモンに支配される。それらのホルモンの産生に影響する環境及び栄養状 態は間接的に羽性に影響する 9 羽毛発育には良質タンパクとバランスの良いアミノ酸が必要(メチオニンとシス チンは羽毛ケラチンの組成に重要) 9 羽毛発育に影響するビタミン(ビタミン B6、B2、B12、E、ニコチン酸、葉酸) 9 羽毛の成長発育に影響する微量ミネラル(亜鉛、セレニウム、モリブデン、マン ガン、銅、鉄) 9 羽性に関する栄養素はタンパク、ビタミン、ミネラルなど多岐にわたる 以上
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