外国史Ⅱ History of Foreign Countries II SAITO Yaeko 齋藤 八重子 ■授業の目的 目的:社会科・地理歴史科教員免許状取得希望者対象の必修科目。高校までに学んだ歴史(外国史=世界史)を、教える 立場に立って捉えなおすことが本授業の目的である。基本的な歴史事項の理解を深めるとともに、多様な歴史の見方(歴史 観)を踏まえて、過去の事実である歴史をどのように組み立てていくか、生徒の興味をひきだすためにどのような教材をど のように活用したらよいか等を考えながら、以下のテーマについて学習する。到達目標:基礎知識の習得と様々な指導法の 理解。 ■授業の到達目標 近現代における世界の歴史に関する基本的な流れを把握する。特に、15世紀以降の世界の一体化の動きに焦点を当てて、 世界的な視野に立った相互関係の中で世界の歴史が動いていくことを理解する。 ■授業計画 1 飲茶の習慣とイギリス 飲茶の習慣の普及に焦点を当てて、18世紀から19世紀のイギリスの産業革命およびその後のイギリスの世界政策 を概観し、 「物の移動が世界史に与えた影響」を考察する。 2 移民の歴史と合衆国 アメリカ合衆国における移民の歴史に焦点を当てて、独立革命から19世紀初等までの合衆国の歴史を概観し、合衆 国の特徴および課題を考察する。 3 フランス革命と市民社会の成長 歴史における国家形態の変化(主権国家の形成と展開)に触れながら、フランス革命の背景と革命の進展を概観し、 フランス革命の意義を考察する。 4 ナポレオンから自由主義・国民主義の時代へ フランス革命からナポレオンの登場とヨーロッパ遠征を概観し、ヨーロッパ諸国に与えた影響と国民国家の形成につ いて考察する。 5 リンカンの合衆国に対する思いと南北戦争 “The Civil War"と呼ばれる南北戦争を、リンカン大統領のこの戦争に対する考えに焦点を当てて 戦争の背景と経過を概観し、戦後の合衆国の発展について考察する。 6 アジアにおける三角貿易とイギリス 1830 年代を境にしたイギリスと清朝下中国との貿易の変遷に焦点を当てて、18 世紀から 19 世紀にかけてのイギリス のアジア進出を概観し、イギリスのアジアにおける三角貿易について考察する。 7 ヨーロッパ諸国の進出とアジア諸国の変容 ヨーロッパ諸国のアジア進出とそれに抗するアジア諸国の動きを概観し、清朝下中国・日本の諸改革を考察する。 8 冊封体制の崩壊と東アジア国際秩序の再編 日清戦争前後の動きを欧米諸国の動きに焦点を当てて概観し、冊封体制の崩壊と東アジア国際秩序の再編を考察する。 9 日露戦争と日本の対外進出 第 1 次世界大戦の前哨戦と言われる日露戦争を欧米列強の国家関係に焦点を当てて概観し、日本の対外進出について 考察する。 10 科学技術の発展と総力戦 第 2 次産業革命と帝国主義の時代の特徴及び総力戦としての第 1 次世界大戦について、具体的な資料をもとにその実 態を把握する。 第 1 次世界大戦後の世界と国際連盟 11 ヴェルサイユ体制の理念と実際を概観し、戦勝国イギリス・フランスを中心としたヨーロッパの戦後処理とドイツに 対する賠償金問題を考察する。 12 アメリカンドリームと世界恐慌 第 1 次世界大戦後のアメリカの繁栄とヨーロッパの没落を概観し、世界恐慌の原因と各国の対策を考察する。 13 満州事変からアジア・太平洋戦争 ヨーロッパにおけるファシズムの動きと日本の大陸進出から第 2 次世界大戦の経緯を概観し、アジア・太平洋戦争に ついて考察する。 14 第 2 次世界大戦後の世界と国際連合 第 2 次世界大戦の終結と戦中の巨頭会談を概観し、アメリカを軸とした資本主義陣営とソヴィエト連邦を軸とした社 会主義陣営との“冷戦構造”を考察する。 15 試験と今期講義のまとめ 前半 60 分で試験実施、後半 30 分で今期講義のまとめを行う。 ■授業の方法 テーマ学習を前提にして、前期に続く 16 世紀後半から第 2 次世界大戦後までの世界史を扱い、相互関係の中で影響しあ う歴史理解の方法を学ぶ。各自、講義の中で配布した練習問題を復習しておくこと。 ■予習・復習 講義の中で紹介する書籍を読んで、理解を深めることと同時に、講義ごとにレジュメとワークシートを配布するので、必ず それを復習すること。 ■成績評価の方法 定期試験の成績、授業中の練習問題の提出状況などをもとに総合的に評価する。 ■教科書・参考書 講義の中で配布する資料、まとめのプリント、練習問題に沿って講義を進める。 ■関連する科目 「地理歴史科教育法」 「社会科教育法Ⅰ」など
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