文京・八王子国際 両キャンパス にて開講 教育・発達心理学Ⅱ Educational-Developmental PsychologyⅡ KIMURA Naoto 木村 直人 ■授業の目的 教職免許状を取得しようとする人を対象に、教育に関する心理学からの知見を紹介し、必要な知識の習得と人間について の理解を深めることを目的とします。 「教育」というよりは「学習、学ぶ」ことの理解とそれを行う人間の動機、行動、性 格、知能、学力といった個人差を理解することを目的とします。 こうした学習により、自分や他人の行動の理由を動機という観点から述べられるようになること、自分や他人を比較した 場合その特性はどこにあるのかを自覚できるようになることを目指します。 ■授業の到達目標 教員採用試験受験に求められる知識と理解を目的にしていますので、学習目標としては次の諸点が挙げられます。後期開 講の教育発達心理学Ⅱ では、 ・統計学の初歩を理解し、各種統計量を現実のデータに適用しその意味を述べられるようになること ・知能についての理解を実際の知能テストに適用し、自分の知能の特徴を述べられること ・性格理解の方法を区別し、性格テストの結果から自分の性格の特徴を述べられること ・学力を測定する方法とその評価の方法を区別出来るようになること ■授業計画 1 知能をどのようにとらえ、どうしたら測定できるか 2 3 4 5 6 7 8 9 10 11 12 13 14 15 個人差の一つとしての知能とは何か、それはどのようにしたら測定できるかを考えます。知能という言葉が一般的に 意味するものばかりでなく、2 つの大きく異なる知能についての考え方を紹介します。 ビネーによる知能検査 最初の知能検査であるビネーによって開発された知能検査の仕組みを取り上げます。 ウェクスラーによる知能検査 知能の多因子説にもとづくウエクスラーの知能検査を取り上げ、IQ と偏差 IQ との違いを明確にします。 知能検査が測定してこなかったもの 知能検査では測定されてこなかった特性に焦点を当て、個人の知能についての理解を深めます。 パーソナリティ 気質、性格、パーソナリティといった術語が意味することを詳しく説明します。 アイデンティティ エリクソン, E. による概念、アイデンティティの意味することとその発達についてお話しします。 特性論と類型論 パーソナリティを理解しようとする二つの代表的な方法について説明します。 性格検査 YG 性格検査を実際に実施し、その集計と分析、結果の読み方を詳しく説明します。 パーソナリティの形成と測定 パーソナリティの検査法について簡単に述べ、そして私たちのパーソナリティが何によって形成されるかを考えます。 学力の測定 学力を評価するためにはその測定が必要ですが、測定するにはテストだけが有効な手段ではなく、他にも方法がある ことをお話しします。 学力の評価 評価はどのように行われるのかをまず取り上げ、相対評価と絶対評価、それぞれの意味と特徴を比較します。学校で は評価はつきものですが、それは何のためにどのように行われているかを自覚できるでしょう。 評価とは何か 評価は何を目的になされるか、つまり評価の機能に焦点をあてます。伝統的な評価の機能とそれを批判するブルーム の考えを紹介します。 発達と発達段階 個人の成長の伴う心理的発達を取り上げ、各年齢段階における特徴を理解します。 発達障害 発達障害は決してまれな事象ではありません。自閉症スペクトラムと言った新たな考え方を知ると、自分や他人の行 動、性格、知能といった側面をより深く理解し対応できるようになるでしょう。 障害児の理解と共生 前回で触れた発達障害も含めて健常であることと障害を持つことについて考え、共生(共に生きる)という概念につ いて考えます。教師として他人とかかわる際に大事なことをわきまえるようになるでしょう。 ■授業の方法 講義サイトには学習者サポートを目的としたページがあります。 【資料】講義で取り上げるトピックスの資料です。事前 に読み、必要なら印刷して講義に臨んで下さい。また授業内容に則した小さな【課題】できるだけ用意し、各自に授業中に 取り組んでもらうようにします。加えて【復習問題】ネットで出題しますので取り組んで下さい。 ■予習・復習 講義では資料提供のためにサイトを使用していますので、 ・まず授業に先立って資料を入手し、それに目を通してくること ・授業中には講義資料にメモを取ること ・受講後はメモを読み返し、その授業内容を振り返ること ・さらにサイトで実施する復習のための演習問題を受験し、自分の理解の程度を確認すること これらのステップを踏むことでより確実な学習が可能になるはずです。 ■成績評価の方法 前期・後期末の最終授業時間に【期末試験と解説】を行いますが、これが評価の 80%を占めます。試験形式は選択問題と 論述問題からなります。各領域を終えた時点で実施する【復習問題】と加えて授業中の【課題】提出により残りの 20%とし ます。 ■教科書・参考書 この講義ではテキストを使用しませんので、サイトの資料を参照して下さい。 講義サイトの URL http://spot4u.jp/ ■関連する科目 教職課程の科目、教養教育科目の心理学系科目
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