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フランス語・学習のヒント 早稲田大学仏文修士・フランス語ポッド

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フランス語・学習のヒント
早稲田大学仏文修士・フランス語ポッドキャスター
井上大輔
http://frenchpodcast.cocolog-nifty.com/blog/
発行
カメハメハ書房
フランス語・勉強のヒント
◆ はじめに
皆さんこんにちは、ポッドキャストでフランス語の井上大輔です。ポッドキャ
ストでフランス語を始めて以来、さまざまな方からフランス語の勉強法につい
て質問をいただきました。その中でも、特に質問が多かったものを、この小冊
子にまとめました。この小冊子が、皆さんの勉強の手助けになればと思います。
◆ 名詞の性について
フランス語を勉強して苦労するのが、名詞の性です。イタリア語やスペイン語
と違って、フランス語の名詞の性には決まった語尾がありません。そのため、
名詞の性を覚えるのが非常に大変です。
この問題に対する解決策は二つあります。まず一つは、そもそも気にしないと
いうものです。コミュニケーションを取るだけなら、名詞の性なんて必要あり
ません。なので、フランス語の勉強がある程度進むまでは、単語の姓を覚えよ
うとしないほうがいいでしょう。心配しなくても、フランス語にたくさん触れ
ているうちに、代表的な単語の性はわかってきます。
二つ目の解決策として、性の決定の傾向を知るということが上げられます。イ
タリア語やスペイン語のように厳密なルールではありませんが、フランス語に
も性の決定には傾向のようなものがあります。これを知っておくと知らないと
では、性を覚える速度に差が出てきます。ですから、語尾が e だと女性の確率
が高い・性を決める語尾がある・外国語は大体男性名詞になるという三つの傾
向を知らない人は、この機会にぜひ覚えておくようにしてください。なお、性
を決める語尾としては、次のようなものがあります。
女性名詞をつくる語尾・・・ -eur / -ure / -ion / -ence / -ance / -ie
男性名詞をつくる語尾・・・-age / -fice/-isme/-ment
最後に外国語は大体男性名詞になるというルールですが、フランス語が新たに
外国語を輸入するときは、語尾が-e のものを除いては大体男性名詞になります。
もっとも、la Honda のように、その単語と関係した単語(ここでは une voiture)
に引きずれられて女性形になるものもありますが。
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フランス語・勉強のヒント
◆
動詞の活用について
フランス語を勉強していて、単語の性と同じぐらい学習者を苦しませるものに
動詞の活用があります。僕自身も経験がありますが、現在形だけでも不規則活
用がいっぱいあってわけがわかんないのに、半過去・未来形・仮定法などが出
てくると頭が破裂寸前になります。
しかし、コミュニケーションという観点から考えると、実は動詞の活用という
のは、名詞の性と同様それほど大切ではありません。その理由は、大きく分け
て二つあります。一つは、フランス語の動詞の活用は、発音にはほとんど影響
を与えないからです。もう一つは、旅行会話のような簡単なコミュニケーショ
ンの場では、そもそも je・tu・vous・on 以外の人称はほとんど使わないからで
す。
この点を踏まえて考えると、フランス語の基本例文が十分に使いこなせないう
ちに必死で動詞の活用を覚えるというのは、あまり効率的ではありません。勉
強の目的にもよりますが、もしコミュニケーションの能力をつけたいのであれ
ば、最初のうちは動詞の活用を覚えるよりも、まずは状況に適したフランス語
のフレーズを覚えるようにしましょう。
もっとも、ある程度のレベルになると、動詞の活用を覚える必要が出てきます。
これに関しては、もう覚悟を決めて、覚えるしかありません。一番いいのは、
本を見ながら何度も活用表を書き写すことです。ただ、書いているだけだと高
等で使いこなせないので、できればそのとき口に出して読むようにするといい
です。また、できれば、耳からも聞くようにしたほうがいいです。
◆ フランス語の正書法について
フランス語の発音に苦手意識を減らすためには、正書法をきちんとマスターし
て、英語読みでフランス語の単語を発音しないようにする必要があります。し
かし、フランス語の正書法は難しく、本を読んでもなかなかマスターできませ
ん。なので、最初は正書法を意識するよりも、むしろ大量にフランス語を聞く
ことで、自然にフランス語の発音に慣れるようにしましょう。
そうすれば、最初に正しい音を覚えてから本を見てるので、英語読みに引きず
られる可能性がありません。この方法で単語をある程度覚えたら、発音と綴り
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の関係の説明を読めば、より効率よく正書法がマスターできます。また、この
方法だと最初からフランス語の発音で単語を入れてるので、発音の改善にもつ
ながります。おすすめなので、ぜひやってみてください。
◆
単語について
外国語を勉強する上で一番苦労するのが単語です。そして、単語を覚える上で
一番大切なのは、単語を覚えるという概念を捨てることです。よほど物覚えの
いい人を除いては、ある程度の年齢を超えたら、単語帳を使っても単語は覚え
られません。むしろ単語に関しては、覚えるというより、なれるという感じの
ほうがいいと思います。
具体的には、駿河台出版社から出ている「フランス語聴くだけのラピッド暗記
単語帳 基礎編」のような、フランス語と日本語が対になっている単語帳がおす
すめです。もちろん一度聞いたぐらいでは全く頭に残りませんが、何十回も聞
くうちになんとなく単語になじみが出てきます。そうやってなじみが出てきた
ら、単語帳をチェックしてみましょう。この作業を繰り返していると、だんだ
ん単語が頭の中に入ってきます。
◆初級から中級までのお勧めの参考書
初級(その1)
初級の段階では耳からフランス語をインプットすることが非常に大切です。こ
の段階で目から単語を覚えてしまうと、どうしても英語読みになってしまい、
せっかく覚えた単語が実際のフランス人との会話で使えないばかりか、後々の
リスニングまでかなりの悪影響を与えます。ですから、この段階では耳から単
語と決まり文句をインプットして、フランス語の発音に耳からなれていきまし
ょう。
単語
この段階でおすすめの単語集としては、駿河台出版社の「聞くだけのラピッド
暗記単語帳(基礎編)」、語研の「フランス語基本単語 2000」、明日香出版社の
「CDBOOK 絵でわかるフランス語基本単語 1500」があります。これらの単語集
はフランス語→日本語の順番で音声が流されているので、ただ聞いているだけ
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でフランス語の単語が覚えられるので、初心者の方に向いています。
そして基本的な単語の発音に慣れたら、参考書を見てつづりと発音の関係を学
習しましょう。最初にフランス語の単語の発音を身につけてからフランス語の
つづりの規則を学べば、英語の読み方に影響されることなくつづり字の規則を
学ぶことができます。なお、名詞の性は、最初は覚える必要はありません。フ
ランス語に触れる過程で、次第になれていきましょう。
読解
上で紹介した CD を聞いてある程度フランス語の基本的な単語とその発音を身に
つけたら、次はフランス語の決まり文句を身につけていきましょう。こういっ
た決まり文句は文法を身につける上での基礎となるので、あせらずじっくり取
り組みましょう。
この段階の教科書は豊富にあるので、自分の気に入ったものを使ってかまいま
せん。東進ブックスから出ている「今すぐ話せるフランス語 入門編」には、
すべてではないにしろ仏→日形式で収録されているフレーズがあるので入門用
としてはとっつきやすいと思います。また、NHK のラジオまたはテレビ講座もお
すすめです。なお、NHK ラジオ講座やテレビ講座を上手に使うコツは、最初に一
年分のバックナンバーと CD を買って自分のペースで聞くことです。
この段階では完璧に聞きとれなくてもいいので、とにかく次へ次へ進めていっ
た方がいいです。そうすれば、次第にフランス語になれてきます。
文法
文法に関してですが、この時期は基本的な文法だけを抑えるだけでいいでしょ
う。具体的には、NHK のラジオ講座のテキストに出てくる文法の説明を読んだあ
とで、入門用の参考書を読むといいと思います。このレベルの参考書でおすす
めは、白水社から出ている「フラ語入門、わかりやすいにもほどがある」と駿
河台出版社から出ている「ケータイ万能フランス語文法」です。
なお、参考書や辞書の選び方に関しては、下記の二つのサイトが参考になりま
す。ぜひ見てみてください。
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フランス語・勉強のヒント
長崎外国語大学の戸口民也先生のページ
http://www.nagasaki-gaigo.ac.jp/toguchi/tog_ref.htm
名古屋大学の藤村逸子先生のページ
http://www.gsid.nagoya-u.ac.jp/fujimura/fr.html
初級(その2)
初級(その1)の段階と違って、所有の段階では耳だけで勉強するための適当
な教材がありません。したがって、この段階ではどうしても読解の学習に頼り
がちです。しかし、この段階で聴覚の訓練をおろそかにすると、読めるけど聞
き取れないという事態に陥りがちです。ですから、この時期でも、意識して耳
からフランス語を吸収していきましょう。
単語
まず単語ですが、先ほど進めた駿河台出版社の「聞くだけのラピッド暗記単語
帳」の発展編をやりましょう。これが終わったあとは、白水社から出ている仏
検 3・4 級必須単語集をやりましょう。その後は東進ブックスから出ている「今
すぐ話せるフランス語単語集」や語研から出ている「話すフランス語の単語力」
のように、短い文章の中で単語が使われている形式の単語帳を使うといいでし
ょう。
文法
短文形式の単語帳をやっているうちにしだいにわからない文法が出てくるので、
このあたりで再び文法の勉強を始めるといいでしょう。そのためにおすすめな
のは仏検の問題集です。これはいろいろ出ているので、自分の気に入ったのを
使えばいいと思います。僕自身は、駿河台出版社から出ている仏検○級直前チ
ェックシリーズを使いました。
なお、この本に限らず文法の問題集をやるときのコツは、自分で問題を解こう
としないことです。僕が見てると、
“問題を解く→答え合わせをする→間違った
ところを確認する→何日かしてから再び解きなおす”という方法で勉強してる
ことが多いようです。これは最悪の勉強法ですので、今すぐやめてください。
なぜかというとこの勉強法には問題を覚えるというプロセスが含まれてないの
で、復習したときも前回と同じように間違えてしまうというからです。これで
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フランス語・勉強のヒント
は、間違った文法を身につけるためのトレーニングをしているようなものです。
正しい文法を身につけるためには、問題を解く前に正解を見て正しい知識をイ
ンプットし、その後で問題を解いて正しい知識を引き出すトレーニングをしな
ければいけません。
具体的には、赤字のペンで答えを書き込み口で暗誦した後に、赤とか緑の下敷
きを上に載せて正しい答えをアウトプットする訓練をするのがいいと思います。
古典的な方法ですが、この方法だと口頭でも正しく文法を使いこなせるように
なります。
また、このときに駿河台出版社から出ているフランス語ライブ教室や新・リュ
ミエールなどの解説が詳しい参考書を読んでおきましょう。このような参考書
を読めば、問題集を解いているだけではわからなかった疑問が解けてくるので、
これから先の学習が楽になります。
読解
読解の入門編としておすすめの教材は、第三書房から出ている「音読仏単語」
のシリーズです。その後は、白水社から出ている「仏検準一級・二級必須単語
集」や東進ブックスから出ている「今すぐ覚える音読フランス語」をやりまし
ょう。この二つ単語集にでてくる単語のレベル自体は、ラピッド単語帳の発展
編でやった単語とそれほど変わりません。ですから、もしこの単語帳が難しい
と感じるようであれば、文法の勉強をしつつ初期の段階で使った単語帳を復習
してみましょう。
中級
単語
このレベルで使える単語集は今のとこありません。多読をすることによって、
だんだんと知っている単語を増やしていきましょう。
読解
初級で読解の基礎も身についたので、これからはいよいよ長い文章を読むこと
になっていきます。このときただ読んでいるだけだと、どうしてもリーディン
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グとリスニングの知識が乖離してしまいがちです。それを避けるためにも、CD
つきの教材を選びその CD を何度も聞くようにしてください。
この段階でおすすめのテキストは、
「聴いてわかるフランス語ニュース(第三書
房)」
・「今すぐ話せるフランス語 自由自在編(東進ブックス)」・「フランス人
が日本人によく聞く 100 の質問(三修社)」です。この三つには本編をすべて収
録した CD が付属していますので、目で読んだ情報を耳からもインプットするこ
とができます。
以上の三つの教材を終えて基礎的な読解力を身につけたら、CIDEB のようなフラ
ンスの会社から出ている CD つきのテキストを使って勉強してみましょう。
これは英語の GR(Graded Readers)に相当するもので、使われる単語がレベル
によって制限されているため、辞書を使わなくても文章が読めるようになって
います。これらのテキストに付属している CD は、ネイティブ向けのものほどス
ピードが速くないので、フランス語のリスニングになれていない方が使うのに
適しています。
この CIDEB は日本ではアシェットが扱っています。なお、こういった GR には CD
のついていないシリーズもあります。興味のある方は、欧明社のページを見て
みてください。
アシェット
http://www.hachette-japon.com/
http://www.pearsoned.co.jp/french/xls_html/cd_cassette_july_2004.html
欧明社 HP
http://www.h6.dion.ne.jp/~omeisha/lecture_facile.htm
また、それと同時に、プチ・ニコラや星の王子様といったネイティブ向けのフ
ランス語の本を読んでいきましょう。これらのネイティブ向けの CD は、日本で
発売されている CD に比べるとかなりスピードが速いです。聞き取れない場合は、
今までのCDを復習したり、CIDEBを大量に聞いたりすることで、少しず
つ耳を慣らしていきましょう。
文法
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この段階までくれば文法の基礎は十分に身についているので、あとは自分の好
きな問題集を使って勉強するといいでしょう。仏検の上級レベルの問題集や、
TCFやTECなどの試験の問題集を使って、自分の弱点を埋めていくように
しましょう。
◆終わりに
以上フランス語の勉強法を簡単にまとめてみました。この内容が参考になれば
と思います。また、この内容をより詳しく説明した小冊子(A4・75 ページ)を現
在販売しています。こちらに興味がある方は、[email protected] までメール
をいただければと思います。よろしくお願いします。
早稲田大学フランス文学修士
フランス語ポッドキャスター
井上大輔
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