第44号オモテ(平成23年2月) - 公益財団法人日本賃貸住宅管理協会

第44号
平成23年2月
「世帯減少社会」の到来迫る
賃貸管理会社はどう生き残るか?
平成22年度第4回定例会
平成22年度第4回定例会が1月28日、明治記念館
(東京都港区)
で行なわれ、約
190名の会員が参加しました。
今回、大きなテーマとしたのは、人口(世帯)減少社会の到来が目前に迫るな
かで、
賃貸需要をどう創造していくか。賃貸住宅市場やユーザーを取り巻く環境、
ユーザーニーズの変化、そしてオーナーや賃貸管理業者の認識などを分析しな
がら、賃貸住宅市場の活性化と賃貸管理業者・オーナーの生き残り策を探りま
した。また、東京支部の新しいホームページの紹介や、本部が普及を進めてい
る
「めやす賃料表示制度」
の実施状況なども報告されました。
定例会終了後には、来賓も交えての新年会も開催。参加者たちは、新年への
期待を語り合いました。
図1 持家・民営賃貸住宅別の各要素・性能に対する不満率
次に、購入適齢期(30 〜 34歳)の年
講演
(%)
80
間取りや品質に気を配り
購入派や高齢者取り込み
賃貸市場の倍増を
収が、この10年間で11%も低下し、新
テーマ:こうすれば賃貸派はもっと増やせる
講 師:大久保恭子氏(㈱風 マンション評価
ナビ代表)
ほうがいいや』
というわけです。
63.9
60.9
55.0 60.7
56.1
56.0
60
50.9
50.2
49.0
49.1
46.7
47.2
43.2
50
44.1
42.0
39.2
38.7
40
35.6
33.3
30
そして、高齢者向け住宅が圧倒的に
20
築マンションが購入できる500万円を
持家
民営賃貸住宅
73.3
70
大きく下回っていること。
『古くて汚
い中古マンションを買うなら、賃貸の
61.5
54.9
37.5
40.0
31.0
41.1
10
外部からの騒音などに
対する遮音性
居間など
主たる居住室の採光
換気性能︵臭気や煙
などの残留感がない︶
高齢者への配慮
︵段差がないなど︶
冷暖房の費用負担などの
省エネルギー対応
住宅の断熱性や気密性
住宅の維持や管理の
しやすさ
住宅のいたみの少なさ
住宅の防犯性
火災時の避難の安全性
地震・台風時の
住宅の安全性
収納スペース
0
大量にリタイアしてきますが、そうい
住宅の広さ・間取り
不足していること。今後、団塊世代が
大久保氏は、首都圏の中古マンショ
う人達の多くがサービス付きの高齢者
ンの評価を通じて、
「マンションを買
向け住宅に住みたいと希望しており、
いたい」ユーザーの生の声に接してき
賃貸住宅が受け皿となってくるはずで
ました。しかし、現在のマンション市
す」
(大久保氏)
。
場や経済環境を背景に、今後は「賃貸
ただし、現在の賃貸住宅は、こうし
派」
が確実に増えてくると指摘します。
たユーザーのニーズには適応していな
では、こうした購入派を賃貸派に変
ど、
“山椒は小粒でもピリリと辛い”
提
いと、大久保氏は言います。
えていくには、どうすればいいので
案が必要ですね」
(同氏)
「建物の品質や性能に対する不満は、
しょうか?
一方、高齢者への対応については、
持家ユーザーよりも賃貸ユーザーのほ
「まず、既存賃貸であれば、ユーザー
国が進める「サービス付き高齢者向け
うが、総じて高いのです(図1)
。収納
が自分に合った快適な生活を送れる
住宅」の供給促進はもちろんのこと、
スペースがほとんどなく、広さと間取
よう、内装を自由にリフォームするこ
同住宅に関する情報提供、高齢者にわ
りに余裕のない賃貸住宅は、ファミ
とを認め、原状回復等についてもオー
かりやすい契約書や説明資料の整備、
リー層が敬遠しますし、バリアフリー
ナーと話し合う仕組みを導入すると
住替え支援の推進、生活支援や介護・
に配慮されていないと高齢者が敬遠し
いった提案をしていくべきです。ま
医療など高齢者住宅を取り巻く知識
「私がこう考える3つの理由があり
ます。建物品質や間取り、性能・設備、
た、物件価値を維持するメンテナンス
の習得などが課題としました。
「高齢
ます。まず、マンションの建替えが非
バリアフリーへの配慮など、同じくら
や時代に合った設備仕様のバリュー
者は腰が重いですから、手取り足取り
常に困難で、更地売却も難しい現況か
いの住居費を払うのであれば、賃貸よ
アップも重要。新築やリノベーション
面倒を見ていく必要があります。こう
ら
『マンションは資産にならない』
と考
り分譲のほうが暮らしやすいのです」
であれば、基本性能の向上はもちろ
した努力をすれば、近い将来、賃貸派
ん、間取りや設備に工夫を凝らすな
ユーザーは倍増しますよ」
(同氏)
。
大久保氏
えるユーザーが増えていること。
資料:国土交通省
(同氏)
。
新HPでコミュニケーション活性化
まな催しに出席できない会員でも、情
荻野政男副支部長からは、現在鋭意
定例会や各種委員会などの情報を、無
なく、会員同士がfacebookなどを通じ
制作が進められている東京支部の新し
料の動画サイトなどを使って紹介する
て、例えば、
“業務に使えるスマート
いホームページ「東京賃貸Style」につ
ほか、facebookやツイッターなどの
フォンアプリ”など、日常の業務に役
いての説明がありました。
ITコミュニケーションを活用して、コ
立つ情報を共有できるようにします。
新しいホームページは、
「賃貸住宅
ストをかけずに会員間のコミュニケー
会員の皆様はどんどん参加して、情報
マーケットを元気にしたい」がコンセ
ションを活性化していく予定です。
を書き込んでいっていただきたいと思
プト。新規会員を中心とした会員紹介、
「新しいホームページでは、さまざ
います」
(荻野氏)
。
報を共有できるようにしていきます。
また、協会から情報を発信するだけで
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