下野市立石橋小学校 校長室だより (上野 保久) ふるさとを愛し 自ら考える子 未来を拓く 豊かな心をもつ子 天高く馬肥ゆる秋 № 30 H 26.9.17 石小っ子 健康でたくましい子 ですねえ 空がどこまでも澄み渡ってさわやかに晴れ、馬も食欲を増して肥えてたくま しくなるこの秋は、我々が活動するにも絶好の季節であるということを述べた 言 葉 で す 。実 は こ の 言 葉 は 、昔 、中 国 で は 、北 方 の 騎 馬 民 族 の 匈 奴( き ょ う ど ) が収穫の秋になると大挙して略奪にやってきたので、前漢の将軍であった趙充 国 ( ち ょ う じ ゅ う こ く ) は そ れ を 見 抜 き 、「 馬 が 肥 ゆ る 秋 に は 必 ず 事 変 が 起 き る、今年もその季節がやってきた」と、警戒の言葉として言った。というとこ ろからできた故事成語だそうです。しかし匈奴が滅びた後は、現在の意味で使 わ れ る よ う に な り ま し た 。「 肥 ゆ る 」 は 古 語 で 、 現 在 は 「 肥 え る 」 で す 。 と こ ろ で 、 こ の 頃 「 肥 え る 」 と い う 言 葉 を 聞 い て い ま せ ん 。「 ず い ぶ ん 肥 え た 人 だ な あ 」 と は 、「 ず い ぶ ん 太 っ た 人 だ な あ 」 と い う こ と 。「 よ く 肥 え た 土 だ 」 と は 、「 養 分 が た く さ ん あ る 良 質 の 土 だ 」 と い う こ と 。「 目 が 肥 え て い る ね 」 と は 、「 い い も の を 見 慣 れ て そ の 価 値 を 見 抜 く 力 が で き て い る ね 」 と い う ことです。古い言葉にもいい言葉がたくさんあるので、大人が使って見せ、子 どもに「どういうこと?」と質問させて、語彙を増やしていくといいですね。 お知らせ ○ 9月2日(火)に、本町『福寿会』のK・Y会長さんとT・ W 副 会 長 さ ん が 来 校 し 、ぞ う き ん 4 5 2 枚 を い た だ き ま し た 。 『福 寿 会 』会 員 5 1 人 の 皆 さ ん が 、石 小 の た め に と 、ひ と 針 ひ と 針 、 真心を込めて縫い上げてくださったぞうきんです。 毎年いただいておりますが、本当に助かっております。学校 美化のために有効に使いたいたいと思います。会員の皆様、本当にありがと うございました。 これはおすすめ私の一冊 『脳が変わる生き方』 茂木 健一郎(もぎ けんいちろう) 著 PHP文庫 5 71円(税別) 筆者は、脳の「アハ体験」などでテレビでもおなじみの脳科学者です。 この本を読むと、人間の脳がどのようなことを喜ぶのかがわかります。脳 に は 刺 激 が 必 要 で 、苦 手 と 思 う も の で も 、最 初 の 一 歩 を 苦 労 し て 踏 み 出 し 、 喜びを感じてまたやるということを加速度的に繰り返していけば、得意に することができるというのです。負荷をかけることが脳の喜びになると気 づいた人は伸びるというのです。また、学問の意味についても、心にスト ンと落ちるような解説で、私の心をすっきりさせてくれました。 子育て中の保護者の皆様にも、教育職員としての私たちにも、また、一 個人の人間としても、人生を豊かに生きるヒントが得られると思います。 「人が成長し、変わっていくためには、自分と異なる人の存在を許さない と い け な い 。そ う い う 人 が い る こ と は 実 は 大 事 な こ と で す 。∼ 本 文 よ り ∼ 」 学力向上を目指して ∼ご家庭でお願いしたいこと∼ そ の 2 話 す こ と ・聞 く こ と 「話すこと」と「聞くこと」の力は、学校教育だけでは まったく不十分です。ご家庭での生活がその大部分の基礎 を作ります。学校で学んだことが、日常生活で生かされる はずですが、逆に、日常生活に生かされずに、壊されるこ とがあります。 ま ず 、「 話 す こ と 」 に つ い て 言 え ば 、 低 学 年 で は 「 相 手 に 応じて、話す事柄を順序立て、ていねいな言葉と普通の言 葉との違いに気をつけて話すこと」ができるように指導しています。 このことについて、ご家庭では、 ① ② お子様の話を「最後まで相づちを打ちながら聞くこと」 よ そ の 家 の 人 に も の を 尋 ね る 時 は「 ∼ な の ? 」で は な く て「 ∼ で す か 」 とていねいな言い方をさせることが必要です。もし、ていねいでない言 い方で言ってしまったら、言い直しをさせることも必要です。 それなのに、 「あーじれったい。もっと速くしゃべって!」と途中でさえぎったり、 大 人 が み ず か ら 、だ れ か れ か ま わ ず に 友 達 言 葉 で し ゃ べ っ て い た り す る と 、 話す意欲をなくしたり、場に応じた使い分けができなかったりして、学校 での言葉の学習は生かされません。 言葉は意欲的に正しく使ってこそ、正しい言葉づかいが定着します。ご協力 をお願いします。 中 学 年 で は 、「 相 手 や 目 的 に 応 じ て 、 理 由 や 事 例 な ど を 挙 げ な が ら 筋 道 を 立 て、ていねいな言葉を用いるなど適切な言葉づかいで話すこと」 高 学 年 で は 、「 目 的 や 意 図 に 応 じ て 、 事 柄 が 明 確 に 伝 わ る よ う に 話 の 構 成 を 工夫しながら、場に応じた適切な言葉づかいで話すことや、共通語と方言との 違いを理解し、必要に応じて共通語で話すこと」というものです。 よい聞き手(大人)がいてこそ、よい話し手(子どもたち)が育ちます。ま た、場に応じた言葉づかいは、円滑な人間関係作りには欠かせません。大人が 生活の中で使われる言葉について、意識して子どもに接することは、お子様の 人格形成にはぜひとも必要な対応です。よろしくお願いします。 校長室の窓から ○ 9 月 1 0 日( 水 )、ご 近 所 の 方 か ら 学 校 に 電 話 が あ り ま し た 。 「本日朝、すばらしい体験をしたので、お伝えし、ほめてもら いたいと思い電話しました。7時30分頃、愛宕神社南側の入 口で待っている児童にあいさつをされました。その続きに「くまんバチがい るので、気をつけてください!」と声をかけられました。その一言がとても う れ し か っ た の で す 。」 と い う 内 容 で し た 。 損得抜きに、あいさつをしたり注意を呼びかけたりする本校児童の行為を 知り、私は、尊敬の気持ちとすがすがしい気持ちとで胸がいっぱいになりま した。 ○ 9 月 1 6 日( 火 )、児 童 集 会 が あ り ま し た 。体 育 館 で ワ ー ル ド 班 ご と に『 先 生当てクイズ』を行いました。誕生日や好きな食べ物、小学生のころ好きだ った教科を発表して、先生を当てるのです。運営委員の事前の準備活動を想 像すると、頭が下がります。一通り盛り上がったところで、運営委員からア ナ ウ ン ス が あ り ま し た 。「 時 間 が な く な っ て し ま い ま し た の で 、『 玉 お く り ゲ ー ム 』 は 次 回 に 回 し ま す 。」「 エ ー ッ ! 」 と い う 不 満 の 声 を 予 想 し て い ま したが、だれもそのような声はもらしませんでした。 その穏やかで素直な、物わかりのよい全体の姿は、今の石橋小の姿そのも のであるなあと思いました。
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