公開特許公報 特開2015

〔実 8 頁〕
公開特許公報(A)
(19)日本国特許庁(JP)
(12)
(11)特許出願公開番号
特開2015-198668
(P2015−198668A)
(43)公開日 平成27年11月12日(2015.11.12)
(51)Int.Cl.
A23K
FI
テーマコード(参考)
1/16
(2006.01)
A23K
1/16
301F
2B150
A61K 31/23
(2006.01)
A61K
31/23
4C206
A61P
1/14
(2006.01)
A61P
1/14
A61P
3/02
(2006.01)
A61P
3/02
審査請求
有
請求項の数5 OL (全13頁)
(21)出願番号
特願2015-122580(P2015-122580)
(22)出願日
平成27年6月18日(2015.6.18)
キミン
(62)分割の表示
特願2011-543446(P2011-543446)
大韓民国,
の分割
チョ−グ,328−6
平成22年3月23日(2010.3.23)
ドング,ブセオク
原出願日
(31)優先権主張番号
10-2009-0025752
(32)優先日
平成21年3月26日(2009.3.26)
(33)優先権主張国
韓国(KR)
(71)出願人 511155291
インコーポレイテッド
137−897
ソウル,セ
ヤンジャエ
ビルディング
2−
ルーム
.201
(71)出願人 511155305
ユン,クワン−シク
大韓民国,
420−100
ギョンギ−
ド,ブチョン−シ,ウォンミ−グ,イェク
ゴク−ドン
202−1,デリム
ピョンハンセサング
イー−
アパートメント
1
03−302
(74)代理人 100121382
弁理士
山下 託嗣
最終頁に続く
(54)【発明の名称】脂肪の体内利用効率を向上させる動物用胆汁酸塩補助剤及びこれを含む動物飼料
(57)【 要 約 】
【課題】脂肪の体内利用効率を高め、家畜の生産性を向上できる動物用胆汁酸塩補助剤及
びこれを含む動物飼料を提供することを目的とする。
【解決手段】下記の化学式1で表わされるステアロイル乳酸ナトリウムからなり、生体内
において胆汁酸塩を助け、脂肪をより小さい粒子に乳化させることによって家畜用の動物
飼料中に存在する脂肪の吸収率を向上させる添加剤、ならびに、この添加剤と、粗タンパ
ク質5∼30重量%、粗脂肪2∼20重量%、粗繊維2∼20重量%、粗灰分2∼25重
量 % 、 カ ル シ ウ ム 0 .1 ∼ 1 0 重 量 % 、 リ ン 0 .1 ∼ 5 重 量 % 、 リ シ ン 0 .1 ∼ 5 重 量 % 及
び水分3∼50重量%を含む動物飼料。
(前記式中、Rは、C1
【選択図】なし
7
H3
5
又はC1
5
H3
1
で、nは2である。)
( 2 )
JP
1
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2
【特許請求の範囲】
【0002】
【請求項1】
飼料は、家畜の生命を維持し、乳、肉、卵、毛皮などを
下記の式で表わされるステアロイル乳酸ナトリウムから
生産するのに必要な有機又は無
なり、生体内において胆汁酸塩を助け、脂肪をより小さ
機栄養素を供給する物質をいう。すなわち、飼料は、各
い粒子に乳化させることによって家畜用の動物飼料中に
種家畜が必要とするエネルギー、
存在する脂肪の吸収率を向上させる添加剤。
タンパク質、ビタミン、鉱物質などの栄養素のみならず
、成長促進剤と疾病予防剤などを
均一に混ぜて製造したものである。
【0003】
10
飼料は、家畜の摂取によって生存及び畜産物の生産に必
要な栄養素を供給するだけでな
(前記式で、Rは、C1 7 H3 5 又はC1 5 H3 1 で、nは2で
く、免疫機能を強化させ、畜産物の質を向上させ、畜舎
ある。)
環境を改善させる多様な役割をす
【請求項2】
る。
下記の式で表わされるステアロイル乳酸ナトリウムから
【0004】
なり、ただし、油状物質との混合形態を除き、生体内に
特に、家畜の生産性は、畜舎環境の改善又は飼料効率の
おいて胆汁酸塩を助けることによって家畜用の動物飼料
改善によって増加するが、飼料
中に存在する脂肪の吸収率を向上させる添加剤。
効率の改善に関する研究は、既存の飼料組成に新しい組
成を添加したり、配合比率を異に
20
したり、給与方式に変化を与える多様な方式で進行され
ている。
【0005】
一例として、特許文献1は、動物飼料及びこれを用いた
(前記式で、Rは、C1 7 H3 5 又はC1 5 H3 1 で、nは2で
動物の飼育方法に関するもので
ある。)
、一般の動物飼料及び竹炭を含み、体重又は増体量を増
【請求項3】
加させる動物飼料を提案している
動物飼料に、該動物飼料の全重量の0.01∼5重量%
。
で含有されるように添加される請求項1又は2に記載の
【0006】
添加剤。
また、特許文献2は、バナジウムとゲルマニウムが含有
【請求項4】
30
された黒雲母95%と硫黄5%
前記動物飼料が、豚、鶏、鴨、ウズラ、ガチョウ、キジ
で構成される飼料添加剤を家畜の飼料に使用することを
、七面鳥、牛、乳牛、馬、ロバ、羊、山羊、犬、猫、兎
開示している。この他にも、多様
、養殖魚類又はエビ飼育用のものである請求項1∼3の
な組成を添加することを開示する特許文献が公開されて
いずれか1つに記載の添加剤。
いる。
【請求項5】
【0007】
請求項1∼3のいずれか1つに記載の添加剤と、
一方、脂肪は、家畜の必須栄養素の一つであって、他の
粗タンパク質5∼30重量%、粗脂肪2∼20重量%、
栄養素に比べてエネルギー価が
粗繊維2∼20重量%、粗灰分2∼25重量%、カルシ
高く、単位重量当たり最も高価なエネルギー源である。
ウム0.1∼10重量%、リン0.1∼5重量%、リシン
0.1∼5重量%及び水分3∼50重量%を含む動物飼
したがって、体内で脂肪の利用効
40
率を向上させる場合、家畜の生産性を向上できるととも
料。
に、飼料の原材料費を低減させ、
【発明の詳細な説明】
生産費を節減できる機会を提供することができる。
【技術分野】
【0008】
【0001】
特許文献3は、家畜飼料用の改善された添加剤に関する
本発明は、動物飼料に使用され、家畜の飼料摂取時に脂
もので、非イオン性界面活性剤
肪の体内利用効率を高め、飼料
であるモノステアリン酸ポリオキシエチレンソルビタン
内の脂肪使用量を低下させ、生産性を向上させる動物用
(Tween60)、トリオレイ
胆汁酸塩補助剤及びこれを含む動
ン酸ポリオキシエチレンソルビタン(Tween80)
物飼料に関するものである。
、モノステアリン酸ポリオキシエ
【背景技術】
50
チレンソルビタン、臭化アルキルトリメチルアンモニウ
( 3 )
JP
3
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A
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4
ム、臭化ドデシルトリメチルアン
。
モニウムを動物飼料組成に添加することを提示している
【課題を解決するための手段】
。
【0014】
【0009】
前記目的を達成するために、本発明は、下記の化学式1
特許文献4は、魚類の経口投与用免疫増強剤組成物に関
で表示されるステアロイル乳酸
するもので、酵母培養液から顆
ナトリウムからなる動物用胆汁酸塩補助剤を提供する。
粒球コロニー刺激因子を容易に抽出するために、陰イオ
ン界面活性剤であるドデシル硫酸
ナトリウム(Sodium
Dodecyl
【0015】
Sulf
ate)を使用することを提案し
【化1】
10
ている。
【0010】
特許文献5は、微生物酵素分泌促進剤及びこれを含有す
る飼料組成物に関するもので、
【0016】
嫌気微生物の成長を阻害する酸素の供給を遮断し、高級
(前記化学式1において、Rは、C1
脂肪酸が嫌気微生物の成長に必要
5
なエネルギー供給源として作用するように、非イオン性
また、本発明は、前記化学式1で表示されるステアロイ
界面活性剤であるTween60
ル乳酸ナトリウムを有効成分と
、Tween80、Tween80KD、Tween8
して含む動物飼料を提供する。
5A、Tween85B又はTw
20
H3
1
7
H3
5
又はC1
で、nは2である。)
【発明の効果】
een100を使用することを提案している。
【0017】
【0011】
本発明に係る動物用胆汁酸塩補助剤は、動物飼料に使用
そして、本発明者は、動物の体内の脂肪利用効率を高め
され、家畜の飼料摂取時に脂肪
るために多角的に研究した結果
の体内利用効率を高め、飼料内の脂肪使用量を低下させ
、従来の親水性乳化剤であるステアロイル乳酸ナトリウ
、家畜の生産性を向上させること
ム(Sodium stearo
ができる。
yl―2―lactate)が胆汁酸塩を助け、脂肪を
【発明を実施するための形態】
より小さい粒子に乳化させること
【0018】
によって体内の脂肪の吸収効率を向上できることを発見
以下、本発明をより詳細に説明する。
し、本発明を完成するに至った。
30
【0019】
【先行技術文献】
飼料組成物内に含有された中性脂肪は、それ自体では吸
【特許文献】
収されず、腸内で分解酵素によ
【0012】
って分解された後で吸収可能であるが、このとき、分解
【特許文献1】大韓民国特許公開第2006―3544
酵素の効率的な作用を受けるため
4号
には、腸内で生体乳化剤である胆汁酸塩の作用によって
【特許文献2】大韓民国特許公開第2007―3181
最大限表面積を広げ、最大限小さ
5号
い乳化粒子(fat
【特許文献3】大韓民国特許公開第2004―7510
ばならない。前記乳化粒子の大き
号
さが小くなるほど相対的に表面積が増加し、脂肪の分解
【特許文献4】大韓民国特許公開第2004―5743 40
がより迅速かつ完璧に進行される
8号
。また、分解された脂肪酸が吸収されるためには、ミセ
【特許文献5】大韓民国特許公開第2004―8017
ル(micelle)という小さい
2号
乳化球が形成されて小腸細胞に吸収されるが、このとき
【発明の概要】
、ミセルの大きさが小さいほど吸
【発明が解決しようとする課題】
収効率は増大する。
【0013】
【0020】
前記問題を解決するために、本発明は、脂肪の体内利用
本発明に係る動物用胆汁酸塩補助剤は、動物の体内の胆
効率を高め、家畜の生産性を向
汁酸塩を補助し、飼料内の脂肪
上できる動物用胆汁酸塩補助剤及びこれを含む動物飼料
をより小さい脂肪球に製造して表面積を広げるとともに
を提供することをその目的とする
50
droplet)を製造しなけれ
、吸収される前のマイセルの大き
( 4 )
JP
5
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A
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6
さを最小化し、脂肪の体内吸収効率を高めるための添加
、猫、兎、各種養殖魚類及びエビ
剤として下記の化学式1で表示さ
を含む。
れるステアロイル乳酸ナトリウム(Sodium
St
【0026】
earoyl―2―Lactyl
望ましくは、本発明の実験例では、化学的構成成分とし
ate、以下、「SSL」という。)を使用する。
て粗タンパク質5∼30重量%
【0021】
、粗脂肪2∼20重量%、粗繊維2∼20重量%、粗灰
【化1】
分2∼25重量%、カルシウム0
.1∼10重量%、リン0.1∼5重量%、リシン0.1
∼5重量%、及び水分3∼50重
10
量%を含む飼料組成物を使用している。
【0027】
【0022】
前記SSLは、全体の飼料組成物内の0.01∼5重量
(前記化学式1において、Rは、C1
5
H3
1
7
H3
5
又はC1
%、望ましくは0.05∼0.4
で、nは2である。)
重量%で使用する。
SSLは、HLB値が20に近いので相当の親水性を示
【0028】
し、飼料組成物に使用される場
その結果、脂肪の消化と吸収利用率を増加させることに
合、水によく分散されるので、生体内の水相に脂肪をよ
よって成長を促進し、品質を改
く引き込むO/W型(oil
善させ、生産量を増加させる。望ましい実験例によると
n
i
water)乳化剤として作用するのに十分である
。飼料組成物は、体内消化器官の
、SSL0.05重量%を使用し
20
たときに脂肪消化率が約5∼10%改善され、MEが約
代謝が水を媒介にするので、水によく分散される乳化剤
100kcal/kg増加すると
が、油によく分散される乳化剤に
いう効果があることを確認できた。
比べて体内条件では有利である。結局、SSLの使用に
【0029】
よって脂肪分解効率が増加し、脂
また、SSLを使用することによって脂肪の消化と吸収
肪の消化及び利用性をより高めることができる。
利用率を増加させ、飼料内の脂
【0023】
肪使用量を減少させ、費用を低減させるとともに、低脂
このようなSSLは、現在食品添加物として使用されて
肪飼料として使用可能である。
おり、動物飼料製品に適用可能
【0030】
である。動物飼料内の適用範囲は、飼料に使用する脂肪
さらに、本発明に係る飼料組成物は、必要な場合、動物
含量によって調節可能であって、
30
の健康状態を改善したり、生産
望ましくは、全体の動物飼料組成内のSSLを0.01
性向上と高品質畜産物生産のための肯定的な効果を得る
∼5重量%で添加する。
ために、各種抗生剤、生菌剤、酵
【0024】
素剤、有機酸剤、香味剤、甘味剤、抗酸化剤及びその他
前記飼料としては、通常家畜に使用される飼料組成であ
機能性物質などを含むことができ
ればいずれも使用可能であり、
る。
望ましくは、粗飼料、濃厚飼料、補充飼料、特殊飼料、
【0031】
タンパク質飼料、デンプン飼料、
以下、本発明の好適な実施例と実験例を提示する。しか
脂肪質飼料、繊維質飼料、無機質飼料、ビタミン飼料、
し、下記の例は、本発明の好適
抗生物質飼料、アミノ酸飼料など
な一例に過ぎなく、このような例によって本発明が限定
が使用可能である。このような飼料は、配合状態によっ 40
されることはない。
て配合飼料、単味飼料、混合飼料
【0032】
などの多様な形態で適用可能であり、SSLを含むので
(実験例1)脂肪乳化力試験
、脂肪使用量を低下させて使用可
本発明に係るSSLの乳化力を確認するために、水75
能である。
%、脂肪24.3%、SSL0.
【0025】
7%(脂肪使用量の3%水準)をそれぞれ添加して撹拌
このような一般の飼料としては、成長段階別の栄養素要
した。比較例では、POE(20
求量を正確に把握し、適切な水
)―グリセリド、モノ―グリセリド及びレシチンを使用
準の栄養価で設計されたものが使用される。前記家畜類
した。
は、豚、鶏、鴨、ウズラ、ガチョ
【0033】
ウ、キジ、七面鳥、牛、乳牛、馬、ロバ、羊、山羊、犬 50
その結果、本発明に係るSSLは均一な分散を示し、P
( 5 )
JP
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7
A
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8
OE(20)―グリセリドやレ
腸推進力を判定した。
シチンの場合は層分離が発生し、脂溶性モノ―グリセリ
【0040】
ドの場合は乳化がほとんど発生し
【表2】
なかった。
【0034】
(実験例2)マウス成長に対する影響力試験
【0041】
シンチョン飼料(株)の実験動物用飼料を購入して磨砕
本小腸推進力試験は、下痢頻度数試験と類似したもので
した後、各種添加物を添加し、
、その数値が低いほど下痢頻度
一定の大きさを有する成形飼料を製造した。
【0035】
数が低いことを意味する。
10
【0042】
生後4週齢、体重11.5∼13.5gの雄ICRマウス
前記表2を参照すると、対照群及びレシチンを含有した
をソウル大学校の実験動物セン
比較1群の小腸推進力が最も高
ターから分譲し、12匹を1個の群にし、全体を5個の
いので、飼料の摂取時に動物の下痢頻度数が高いことが
群に分類して23±2℃の温度に
分かる。これに比べて、本発明に
維持し、各種特殊飼料を給与した。このとき、各群間の
係るSSLを含む実験群の数値が最も低く、このような
動物の薬物処理は次に示す通りで
結果によると、SSLを通しして
ある(%は重量%である。)。
脂肪の吸収率を改善することによって食事性下痢を予防
―対照群:飼料+大豆油5%
できることが分かる。
―実験群:飼料+大豆油5%+SSL0.1%(HLB
【0043】
20)
20
(3)血清生化学指標の測定実験動物の最終体重を測定
―比較1群:飼料+大豆油5%+レシチン0.1%(H
(25日)してから15時間後、マウスの眼窩後部静脈
LB4)
叢か
―比較2群:飼料+大豆油5%+モノカプリル酸グリセ
ら毛細管を用いて血液を採取し、血清を分離した後、次
リン0.1%(HLB7)
のような生化学的指標をキットで
―比較3群:飼料+大豆油5%+POE(20)モノラ
測定した。GPT(Glutamate
ウリン酸ソルビタン0.1%
te
(HLB16)
、Reitman―Frankel法)、GOT(Gl
【0036】
utamate
(1)マウスの体重変化各群に対する体重は、飼料の投
etate
与前及び3日間隔で測定し、食べる飼料量も測定した。 30
n―Frankel法)、総タン
【0037】
パク質(Biuret法)、アルブミン(B.C.G.法
【表1】
)、Cleantech
Pyruva
Transaminase
Oxaloac
Transaminase、Reitma
TG―
S(酵素法)。
【0044】
【表3】
【0038】
前記表1を参照すると、本発明に係るSSLを摂取した 40
実験群の体重増加が最も高いこ
とが分かる。
【0045】
【0039】
前記表3に示すように、GPT及びGOTは、対照群に
(2)マウスの小腸推進力測定各群から4匹ずつ最終体
比べて、本発明に係る実験群
重を測定した後、BaSO4 懸濁液(BaSO4 :H2
の場合はそれぞれ27%と21%と低く測定され(p<
O=1
0.05)、比較1群∼比較3群
:1)を0.2ml(/mouse)ずつ経口投与し、
の場合は増加する傾向を示した。特に、比較3群のPO
30分後にマウスを頚椎脱臼して
E(20)モノラウリン酸ソルビ
開腹し、小腸内でBaSO4 が移動した距離を測定し、
タン投与群においてGOTが著しく増加したことが分か
全体の小腸距離の比率(%)で小
50
る。
( 6 )
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10
【0046】
した群を対照区とし、試験に使用された試験飼料の配合
このような結果を通して、SSLを飼料に添加した後、
比と設計成分は下記の表5及び表
4週以上摂取させる場合、マウ
6に示した。試験飼料の化学成分は、AOAC(199
スの血清GPT及びGOTを有意に改善させることが分
0)方法を用いて分析した。
かる。
【0053】
【0047】
実験1群は、動物性脂肪を0.5%除外し(トウモロコ
(4)糞便の脂肪含量分析各群のマウスをメタボリック
シに取り替えた。)、SSLを
ケージ内に節食状態で一晩中入れた後、糞便を収集し、
0.05%添加した群として設定し、実験2群は、対照
ソ
群を基準にして動物性脂肪を1.0
ックスレー(Soxhlet)抽出法で脂肪含量を測定 10
%除外し(トウモロコシに取り替えた。)、SSLを0
した。
.05%添加した群として設定し
【0048】
た。
【表4】
【0054】
【表5】
【0049】
前記表4を参照すると、実験群の場合、飼料を摂取して
から10日後の糞便内の脂肪含
20
量が最も低く、飼料を摂取してから25日後の糞便内の
脂肪含量も最も低いことから、体
内脂肪吸収率が高いことが分かる。
【0050】
(実験例3)育成豚成長に対する影響力試験
実験動物は、機械的換気設備を完備した大韓製糖(株)
【0055】
の安城試験農場の育成舎でそれ
【表6】
ぞれ飼育され、豚房はスラット床で設計され、飼料と水
を自由に採食できるように単口湿
式給餌器(a
single
hole
wet fe 30
eder)を設置した。
試験は、平均体重が29.97kgである合計72頭(
去勢豚と雌豚36頭ずつ)の育成
豚(Landrace
x
Yorkshire
x
【0056】
Duroc)を使用して1週間
本試験の結果は、SAS(1985)統計処理パッケー
隔で各処理区当たり1回ずつ繰り返しながら総3週間に
ジのGLMプロシージャを用い
わたって24頭に対して試験を実
て処理し、終了体重、1日当たり増体量(ADG)、飼
施した。
料摂取量(ADFI)及び飼料要
【0051】
求率を分析するためにダンカンの多重範囲検定(dun
実験動物は、基礎体重と性別を基準にしてペン(pen)
can’s
multiple
当たり4頭の雌豚と4頭の去勢
range
test)を用いた。
豚を配置して合計9ペンに区分し、処理区当たりにそれ
【0057】
ぞれ3ペンを完全に任意に配置し
【表7】
た(3x3
block
randomized
40
complete
design)。
【0052】
試験開始と終了時に実験動物の体重を計り、毎週飼料摂
取量を測定した。
処理群は、正味エネルギー(net
2,320kcal/kgに設計
【0058】
energy)を
前記表7を参照すると、処理区間の終了体重には大きな
50
有意な差がなく、1日当たり平
( 7 )
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均飼料摂取量は、信頼水準95%では有意な差がなかっ
ら影響を及ぼさないことが分かる
たが、信頼水準90%では実験1
(P>0.1)。
群で有意に高い数値を示すことが分かる。
【0063】
【0059】
(実験例4)肉鶏成長に対する影響力試験
1日当たり増体量の場合、実験1群(対照群に比べて、
成長率の変化京畿道華城に位置し、20,000首の規
動物性脂肪0.5%を除外し、
模で肉鶏を飼育する2個の鶏舎がある系列化農
SSLを添加した試験区)で対照群に比べて相当高い数
場で試験を進行した。飼料としてはレインボー飼料(r
値を示した。また、実験2群(対
ainbow
照群に比べて、動物性脂肪1.0%を除外し、SSLを
添加した試験区)の1日当たり増
food)の肉鶏
前期・後期飼料を使用し、各鶏舎に10,000首ずつ
10
置いて試験を進行した。肉鶏飼料
体量も対照群に比べてより向上した数値を示した。
に使用する脂肪の一部を取り替え、SSLを使用して飼
【0060】
育成績に及ばされる影響を見るた
このような結果を通して、脂肪組成の一部を取り替えて
めに、実験群は、肉鶏前期飼料では、牛脂0.8%を除
SSLを添加する場合、飼料内
外し(トウモロコシに取り替えた
に添加される脂肪の水準を対照群に比べて1.0%にま
。)、SSLを0.05%添加した群に設定し、肉鶏後
で低下させ、飼料のエネルギー含
期飼料では、牛脂1.0%を除し(
量を減少させるとしても摂取された脂肪の体内消化及び
トウモロコシに取り替えた。)、SSLを0.05%添
利用性を改善させ、1日当たり増
加した群に設定した。得られた結
体量に影響を及ぼさないと解釈される。
果を表8に示した。
【0061】
20
飼料要求率は、処理区間で統計的な有意な差がなかった
【0064】
【表8】
が(P>0.05、P>0.1)
、実験1群では対照群に比べて飼料要求率が改善する傾
向を示した。このような結果は、
飼料内の脂肪の添加水準を対照群に比べて0.5%減少
【0065】
させるとしても、乳化剤を添加し
前記表8を参照すると、SSLを摂取した実験群の場合
た場合、摂取された脂肪の消化及び利用性を改善させ、
、飼料要求率が減少するとして
飼料要求率の改善効果があること
も体重がさらに増加することが分かる。このような結果
を意味する。
は、飼料内に含有されたSSLに
【0062】
30
よって飼料組成内の脂肪の消化及び利用性を改善させ、
結果的に、本発明に係るSSLを飼料に0.05%添加
飼料要求率の改善効果があること
する場合、対照群に比べて脂肪
を意味する。
添加水準を0.5%減少させ、飼料エネルギー含量を低
【産業上の利用可能性】
下させるとしても、却って生産性
【0066】
が向上する傾向を示し(1日当たり飼料摂取量が向上、
本発明に係る動物用胆汁酸塩補助剤は、各種動物、家畜
P<0.1)、対照区に比べて脂
、家擒類などの飼育に使用され
肪添加量を1%まで取り替えるとしても、生産性には何
る。
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【手続補正書】
い粒子に乳化させることによって家畜用の動物飼料中に
【提出日】平成27年7月14日(2015.7.14)
存在する脂肪の吸収率を向上させる添加剤。
【手続補正1】
【補正対象書類名】特許請求の範囲
【補正対象項目名】全文
【補正方法】変更
【補正の内容】
【特許請求の範囲】
(前記式で、Rは、C1 7 H3 5 又はC1 5 H3 1 で、nは2で
【請求項1】
ある。)
下記の式で表わされるステアロイル乳酸ナトリウムから
【請求項2】
なり、生体内において胆汁酸塩を助け、脂肪をより小さ
下記の式で表わされるステアロイル乳酸ナトリウムから
( 8 )
JP
2015-198668
A
2015.11.12
なり、ただし、油状物質との混合形態を除き、生体内に
添加剤。
おいて胆汁酸塩を助けることによって家畜用の動物飼料
【請求項4】
中に存在する脂肪の吸収率を向上させる添加剤。
前記動物飼料が、豚、鶏、鴨、ウズラ、ガチョウ、キジ
、七面鳥、牛、乳牛、馬、ロバ、羊、山羊、犬、猫、兎
、養殖魚類又はエビ飼育用のものである請求項1∼3の
いずれか1つに記載の添加剤。
【請求項5】
請求項1∼4のいずれか1つに記載の添加剤と、
(前記式で、Rは、C1 7 H3 5 又はC1 5 H3 1 で、nは2で
粗タンパク質5∼30重量%、粗脂肪2∼20重量%、
ある。)
粗繊維2∼20重量%、粗灰分2∼25重量%、カルシ
【請求項3】
ウム0.1∼10重量%、リン0.1∼5重量%、リシン
動物飼料に、該動物飼料の全重量の0.01∼5重量%
0.1∼5重量%及び水分3∼50重量%を含む動物飼
で含有されるように添加される請求項1又は2に記載の
料。
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(72)発明者
ユン,クワン−シク
大韓民国,
420−100
202−1,デリム
ギョンギ−ド,ブチョン−シ,ウォンミ−グ,イェクゴク−ドン
イー−ピョンハンセサング
アパートメント
Fターム(参考) 2B150 AA01
AA02
AA03
AA05
AA06
AA07
AB01
DA36
4C206 AA01
AA02
DB06
DB43
MA01
MA04
MA72
NA14
ZC61
ZA69
103−302
ZC21