Special Topic Article 7. Conclusion [1 2]今井正信,武永 孝:関東東山農試研究成績 317 (1959). [1 3]浅野和俊:静電学誌 8, 182 (1984). [1 4]内野敏剛:プラズマ・核融合学会誌 75, 678 (1999). [1 5]水野 彰:プラズマ・核融合学会誌 75, 666 (1999). [1 6]名倉章裕:静電学誌 16, 59 (1992). [1 7]J.H. Sale and W.A. Hamilton, Biochim. Biophys. Acta 148, 781 (1967). T. Uchino [1 8]M. Allen and K. Soike, Science 154, 155 (1966). [1 9]桜内雄二郎,近藤栄昭:日農化誌 54, 838 (1980). [2 0]村尾 繁 他:静電学誌 16, 138 (1992). [2 1]吉富 均 他:農機誌 43, 487 (1981). [2 2]本杉朝太郎 他:茶業技術研報 12, 59 (1955). [2 3]高木浩一:伝熱 51, 64 (2012). [2 4]林 信哉 他:H2 6電気学会全国大会講要 1-S7-3 (2014). 小特集用語解説 パルス電界殺菌:電気的エネルギーによる物理的な微生物 空中浮遊菌:空気中に浮遊する微生物.農産施設内の空中 処理方法の一種。膜間に生じた静電応力が空孔を形成し, 浮遊菌を少なくすれば,農産物腐敗・カビ毒産生の低減 細胞膜に不可逆的破壊を起こして殺菌に至る。非熱処理法 や,作業者の真菌等によるアレルギー性疾患等の予防に貢 として食品への応用が期待される。(4章:内田) 献できる.籾貯蔵施設内に浮遊するバクテリアは Bacillus 属(芽胞)が dominant と考えられる.(6章:小出) コロナ放電型イオナイザ:針電極に高電圧を印加すること によってコロナ放電を発生し,正負の空気イオンを生成す 電場印加鮮度保持:農産物や生鮮食品を電場中で保存する る装置.本来は,静電気を帯びた帯電物に,生成した空気 ことで,鮮度を長期間維持する技術を指す.電界印加に イオンを照射し,静電気を除去することによって静電気障 よって,野菜の CO2 排出量の減少や,腐敗が押さえられる 害を防止する用途で用いられる.(6章:高橋) ことなどが報告されている.詳しいメカニズムは明らかに されていない.(6章:高木) ナノ粒子銀担持触媒:ゼオライトの一種である MS-13X 等に銀ナノ粒子が担持された触媒.金属粒子径が小さく外 ドリップ:細胞膜の破壊などにより透過性が上がり細胞膜 表面積が大きいため,触媒としての活性が高く,室温付近 内の液が外に染み出したものをいう.食品としての品質劣 でオゾンの還元や一酸化炭素を酸化させる性能をもつ.ま 化につながる.生鮮食品の凍結,解凍や鮮度劣化などによ た,ゼオライトは非常に大きい非表面積をもち,高効率で り起こる.(6章:高木) VOC の吸着が可能. (6章:高橋) 非熱効果:電界,磁界,音波,遠赤外線等,種々の形態の エチレン:植物の成熟,老化に関与する気体の植物ホルモ エネルギーにより得られる効果のうち,対象物の温度をほ ン.エチレン感受性の高い青果物では雰囲気のエチレンガ とんど変化させない程度の微弱なエネルギーで得られる効 スを取り除くことによって品質保持効果が期待できる.エ 果.(7章:内野) チレンの青果物への影響として,呼吸の活性化,黄色化, 追熟促進等の生理作用があげられる.(6章:小出) 607 Journal of Plasma and Fusion Research Vol.90, No.10 October 2014 !! し みず かず 小特集執筆者紹介 お "" いま 清 水 一 男 静岡大学イノベーション社会連携推進機構, 准教授,静岡県浜松市出身.本誌の編集委員も 兼ねての本小特集の企画を担当しました.編 集委員会では,活発な議論があり,常々,委員 の皆様の活発かつ切磋琢磨する議論に感心させられます.こ うした研究者コミュニティーの議論や学術的成果は狭い世界 だけでなく,様々な分野へ波及するような発信に努めて参り たいと思います. しま たか し 南 谷 靖 史 す 1 9 8 8年熊本大学大学院修士課程修了.三菱電 機㈱を経て,現在,山形大学大学院准教授. オールドドミニオン大学(USA)客員研究員 などを務める.博士(工学) .高電圧や放電プ ラズマ,パルスパワーを使った環境浄化,医療,バイオテクノ ロジーなどの研究に従事. おお た たか まさ ゆき たか の いち はし かつ ゆき 2 0 0 8年3月岩手大学大学院電気電子工学専攻 博士前期課程修了.同年4月シシド静電気株 式会社入社.2 0 1 1年3月岩手大学大学院電気 電 子 シ ス テ ム 工 学 専 攻 に て 博 士(工 学)取 得,現在に至る.電気学会,静電気学会,土木学会会員.社内 ではコロナ放電型除電装置(イオナイザ)とそれに用いる高圧 電源の研究・開発に従事.趣味は,写真撮影(主に自然風景), バイク,茶道. ひろ 2 0 1 1年熊本大学大学院博士課程後期(複合新 領域科学専攻)修了.一関工業高等専門学校 (電気情報工学科)助教を経て,2 0 1 3年から現 在,鹿児島大学大学院理工学研究科(電気電子 工学専攻)助教.電気エネルギー工学分野の研究と授業に従 事.近年はエネルギー変換機器,液中放電プラズマなどの研究 を行う. こう た 高 橋 克 幸 秋 山 雅 裕 河 野 がい 2 0 1 1年山形大学大学院理工学研究科博士課程 修了.同年長岡技術科学大学極限エネルギー 密度工学研究センター研究員.2 0 1 4年同大学 原子力安全系助教.現在に至る.高電圧パルス の発生とそれを用いた水処理の研究に従事しており,高効率 の水処理装置の開発を進めている.所属学会は電気学会,静電 気学会,IEEE. 2 0 0 3年名古屋大学大学院工学研究科博士課程 修了,博士(工学) .和歌山大学システム工学 部助手,助教,准教授を経て,2 0 1 1年から名城 大学理工学部准教授.プラズマを用いた農業 応用,分光法を用いたプラズマ診断,光干渉計測,レーザアブ レーションなどの研究に従事. やま 哲 須 貝 太 一 太 田 貴 之 あき さとし 1 9 9 1年徳島大学工学部電気工学科卒業.佐賀 大学理工学部助手および講師などを経て,現 在,佐賀大学理工学部 電 気 電 子 工 学 科 准 教 授.第4 1次南極地域観測隊(越冬隊)隊員など を務める.博士(工学).専門分野は高電圧パルスパワー工学. 現在実施している研究テーマは,パルスパワーを用いた氷の 破砕過程に関する研究,高電圧パルスパワー技術の農業応用 に関する研究,パルスパワーおよび放電プラズマを使った水 質浄化に関する研究など. 1 9 9 3年名古屋大学大学院工学研究科博士後期 課程修了(化学工学専攻),博士(工学).現在 群馬大学大学院理 工 学 府 教 授(環 境 創 生 部 門) .高電圧パルスに よる水中の電界効果, および放電プラズマを用いたバイオテクノロジーや水環境 分野への応用研究に従事 やす はら 猪 原 ゆき 大 嶋 孝 之 みなみ たに ごう 剛 1 9 9 4年長岡技術科学大学大学院博士後期課程 (エネルギー・環境)了.博士(工学).同大学 助手などを経て,現在,新潟工科大学教授.ガ スレーザー,粒子加速器,パルスパワーに関す る研究開発に従事.2 0 0 4年電気学会学術振興賞(論文賞) .応 用物理学会,IEEE 会員.長岡技術科学大学極限エネルギー密 度工学研究センター客員教授. い おお だ 今 田 こ いで しょう じ 小 出 章 二 1 9 8 9年九州大学農学部卒業.1 9 9 2年∼1 9 9 3年 九州松下電器株式会社水環境研究所勤務.九 州大学大学院農学研究科にて博士(農学)修得 後,1 9 9 6年岩手大学農学部助手,1 9 9 9年同講 師,2 0 0 2年同助教授,2 0 0 7年同准教授,現在に至る.農業食料 工学会,日本食品科学工学会,日本食品保蔵科学会,農業施設 学会員,専門は,ポストハーベスト工学.現在の研究テーマ は,青果物の鮮度保持・流通技術,農産物と農業空間内の殺 菌・衛生管理など. すすむ 晋 1 9 9 9年熊本大学大学院博士過程後期(生産科 学専攻)修了,博士(工学).現在,有明工業高 等専門学校(電気工学科)准教授.2 0 0 2年オー ルドドミニオン大学(米国)客員研究員.高電 圧工学やパワーエレクトロニクスの授業に従事.専門分野は パルスパワー工学.近年はバイオエレクトリクス分野を中心 に研究活動を行っている. 608
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