は、日本における原発事故との関係で、食品の安全性や日 本

8日、世界保健機関(WHO)は、日本における原発事故との関係で、食品の安全性や日
本でのモニタリング措置等に関する情報を、ホームページ上の「日本の地震及び原子力状
況」コーナーに掲載している概要は以下のとおり。
1.食品安全の懸念に関する追加情報
「損傷された原子炉から放出される放射性物質による、食品及び飲料水の汚染に対する一
般の人々の懸念は未だ大きい。WHOは、FAQをアップデートし、食品安全の懸念に関
する追加情報や、日本及び他国がとっているモニタリングや汚染された食品が販売されな
いようにするための措置に関する情報を提供している。WHOは、入手可能なデータを評
価し状況の変化に応じて情報を改訂していく。」
2.食品安全に関するFAQ
日本の福島第1原発における最近の損傷及びその後の近隣地域における特定の食品サン
プルから検出された放射能は、日本の食品の安全に関する懸念を高めた。日本当局は、食
品中の放射能に関する暫定基準値にかかる規則を設けており、食品モニタリングが実施さ
れている。食品中の放射性核種の濃度の計測は現在実施されており、日本当局により公表
されている。いくつかの野菜及び牛乳の中の放射能の存在は確認されており、いくつかの
とりあえずの食品モニタリングの結果は、検出された放射性ヨウ素が日本の基準値を超え
た濃度であることを示している。放射性セシウムも検出されているが、より低い濃度であ
る。
以下、FAOとWHOが作成した想定問答は、日本で生産された食品の安全に関する国
際的な懸念の高まりに応えたものである。
(1) 日本における原発事故によって、他国で生産された食品に影響があるか。
●放射性物質は、損傷された日本の原子力発電所から環境に放出されている。状況を
綿密に注視している国連機関によると、これまで他国で測定された放射線量は、多
くの人々が日々の環境でさらされる放射線レベルをはるかに下回るもので、健康や
輸送の安全に影響を与えるものではない。
●微量の放射性セシウム及びヨウ素は、非常に感度の高い検出方法を用いれば検出さ
れるが、他国で生産された食品に影響を与えることはない。ここで問題となる量は
許容レベルより十分に低く、食品を摂取した人の健康への懸念にはならない。
(2)汚染された食品を食べることでどのような影響が健康に生じる可能性があるか。
●放射能で汚染された食品を食べることにより、人体がさらされる放射能の量が増え、
放射能にさらされることによる健康上のリスクが増加する可能性がある。正確な影
響は、どのような粒子を、どの程度摂取したかによって異なってくる。現在までに
報告されたデータによると、放射性ヨウ素が主であり、サンプル採取された食品の
一部において日本の規制当局が定めた限度を越える量が検出されている。放射性ヨ
ウ素の半減期は8日間で、数週間で自然に崩壊する。もし摂取すると、体内、特に
甲状腺に蓄積し、特に子供について甲状腺がんのリスクが増加する。
●ヨウ化カリウムの摂取は甲状腺への放射性ヨウ素の蓄積を防ぐ確立された方法であ
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る。
●放射性セシウムが検出された食品もある。放射性セシウムにより汚染された食品の
摂取は、長期的な健康への影響を与えうることから、注意深くモニタリングを続け
る必要がある。
(3)日本で生産されたすべての食品が放射能事故の影響を受けているのか。
●すべての食品が影響を受ける訳ではない。この緊急事態の前に発送された食品、あ
るいは商業的にパッケージされた食品は影響を受けていない。ただし、放射性物質
が沈着した場所において生産された食品の一部は汚染されていることが確認されて
いる。このことが、日本の当局者がモニタリングを行い、対策を取っている理由で
ある。
(4)日本の食品と食品生産に与える影響はどのようなものか。
●日本の食品と食品生産に与える影響は、食品が生産あるいは収穫されている場所で
沈着あるいは検出された放射性核種の種類や放射能の量によって異なってくる。食
品における放射性ヨウ素が目下の懸念事項であるが、放射性ヨウ素は比較的短い半
減期であり、短期間で自然と崩壊する。放射性セシウムも食品中に検出されている
が、これは環境下に長期間残存しうることから、食品及び食品生産の長期的な問題
となりうるとともに、人間の健康への脅威となりうる。
(5)どのようにして食品は放射能の影響を受けるのか。
●食品は、原子力または放射能事故により放出された放射性物質により汚染されうる。
そのような場合、空から降ってくる、あるいは雨や雪とともに降ってくる放射能物
質が、果物や野菜、動物飼料などの食品の表面に付着する可能性がある。また、放
射性核種が土壌を介して作物や動物に移転することで、徐々に、放射能が食品内に
蓄積する可能性もある。放射能は河川や湖、海に流れ込み、魚や海産物が放射性核
種を吸収するかもしれない。リスクの度合いは、放射性核種の種類や放出された放
射性物質の量による。
●放射能は、パッケージ済みの食品を汚染することはない。例えば、缶詰またはプラ
スチックで覆われた食品は、密閉されている限り、放射能から守られている。
(6)なぜ避難地域よりも離れたところで食品が汚染されるのか。
●放射能事故の際、避難地域は、人体に対して危険を及ぼす、「即時の」かつ受け入
れがたいレベルの放射能を浴びることを防ぐために設定される。しかし、食品の汚
染は、人体に直接的な影響を与えないレベルの放射能汚染であっても、土壌や作物
を通じて、または家畜の飼料を通じて生じうる。食品に関する受容可能な放射能の
上限は、長期間にわたって汚染された食品を食べ続け、蓄積がなされる可能性を考
慮にいれ、低い水準に設定されている。
(7)食品中の放射能に関する国際貿易上のルールは存在しているか。
●国際的に合意されている「コーデックス・ガイドラインレベル(GLs)」があり、
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原子力・放射能事故の後の国際的に取引される食品における放射能核種に適用され
る。このGLsは、FAOとWHOが共同で設立したコーデックス委員会が公表してい
る。
●GLs は以下のとおり述べている。「食品の摂取に関する一般的な放射線からの保護
に関する限り、食品に含まれる放射性核種がガイドラインレベルを超えていなけれ
ば、その食品は人が摂取しても安全と考えるべきである。ガイドラインレベルを超
えた場合、各国政府は、当該食品の自国領域内または管轄権域内での流通自体及び
いかなる条件の下で流通を認めるかを決定しなければならない。各国政府は、例え
ば、放射能汚染が相当に広がっている場合など、ガイドラインを策定するためになさ
れた食品流通に関する想定が適用できない場合には、自国の領域内での使用のため
に異なる基準を設定することができる。また、香辛料等ごく少量を摂取する食品で
あって、食品の全量のうちの僅かを占めるために全摂取量がそれほど増えないもの
については、ガイドラインレベルは10倍まで増やすことが許容される。
●放射能核種レベルに関するGLsは、コーデックス委員会のウェブサイトで公表されて
いる。
(9)日本からの食品の安全をモニターするためにどのような措置が取られているか。
●日本における原子力事故への対応として、日本の当局は、食品のモニタリングを実
施し、日本の暫定規制値を超える放射性核種が認められた県或いは地域の幾つか食
品の消費及び流通を制限している。日本における食品モニタリングにより得られた
結果、及びそれによる食品の消費・流通に関する決定は、定期的に厚労省のウェッ
ブサイトに掲載されている。
●多くの国は、日本国内の措置を反映して食品に対する規制措置をとっている。現在
幾つかの国は、食品の安全、及び/或いは、生産県を証明する文書を求めており、ま
た幾つかの国は、日本からの食品輸入を停止している。加えて、多くの国は、日本
からの輸入された食品のモニタリングを強化している。
(8)原子力事故の際、消費者や生産者にどのようなアドバイスができるか。
放射能を含む事故への対応は、食品を汚染するその他の有害物質による事故と同
様でなければならない。初期においては、そして安全であれば、放射性物質による
食品の汚染を防ぐ、あるいは最小化するために即座に行動することができる。例え
ば、
¾ 食品や家畜の飼料をプラスチックシートや防水シートでカバーとして防御する。
¾ 温室の換気を閉め、野菜を守る。
¾ 家畜を牧草地から屋内に移し、動物を納屋や倉庫に移す。
¾ 作物を収穫し、放射性下降物が落ちてくる前にカバーで覆う。
¾ 放射性下降物が観測された後であれば、収穫はせず、汚染が記録された後の更なる
指示に従う。
¾ 深刻な汚染が確認された地域においては、その他の多くの短期・中期・長期的な対
策として考える必要がある。例えば、
¾ 地元で生産された牛乳や野菜の消費を避ける。
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¾ 家畜の殺戮を避ける。
¾ 魚や貝、藻を含む水生動物・植物の消費・収穫を避ける。
¾ キノコやその他野生・採取された食物を集めることを避ける。
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